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2023年7月3日 (月) 18:09時点における最新版
五日市線(いつかいちせん)は、東京都昭島市の拝島駅から東京都あきる野市の武蔵五日市駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。駅ナンバリングで使われる路線記号はJC[注釈 1]。
目次
概要[編集]
東京地区の電車特定区間(E電)の路線の一つであり、青梅線と八高線が接続する拝島駅から西へ延び、東京都西部の昭島・福生・あきる野の各都市を結ぶ。青梅線を介して中央線との直通列車も乗り入れる。ラインカラーは中央線・青梅線と共通のオレンジバーミリオン(■)が使用されている。
かつては、武蔵五日市駅から拝島駅方面にあった三内信号扱所まで戻ってスイッチバックし、武蔵岩井駅に向かう岩井支線(正式には本線の末端区間)があったが廃線となり、現在は西東京バスの武蔵五日市駅 - 松尾・つるつる温泉間の路線バスで代替している。武蔵五日市駅が廃線跡を活用する形で高架化・改築されたため、廃線跡は同駅手前に一部が残る程度である。
全区間が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「東京近郊区間」、およびIC乗車カード「Suica」の首都圏エリアに含まれている。
路線データ[編集]
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):11.1km
- 軌間:1067mm
- 駅数:7(起終点駅含む)
- 五日市線所属駅に限定する場合、青梅線所属の拝島駅[1]が除外され、6駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流1500V 架空電車線方式)
- 閉塞方式:単線自動閉塞式
- 運転指令所:拝島CTCセンター
- 保安装置:ATS-P
- 最高速度:85km/h
全線八王子支社の管轄である。
運行形態[編集]
朝は約10分間隔、日中時間帯は約20分間隔で運行されている。
青梅線・中央本線を経由して東京駅と直通する列車も設定されている。上りは朝に平日は2本、土曜・休日は青梅特快として1本運転され、拝島駅で八高線高麗川駅始発の4両編成を連結し、10両編成となる。一方、下りは平日・土休日とも2本運転されるが、平日は2本とも八高線へ直通する列車を併結するのに対し、土休日は1本目が青梅線青梅駅へ向かう列車を、2本目が八高線へ直通する列車を併結する。
その他は立川駅または拝島駅 - 武蔵五日市駅間の運転である。なお、日中は全て拝島駅 - 武蔵五日市駅間の線内運転である。
土曜・休日には、新宿駅 → 武蔵五日市駅間と、武蔵五日市駅 → 東京駅間で「ホリデー快速あきがわ号」が3往復運転される。
使用車両[編集]
すべて豊田車両センター所属のE233系の6両編成(土曜・休日の一部は4両編成)で運行される。中央本線と共通のオレンジバーミリオン(■)の帯が巻かれた電車が用いられる。E233系は2007年3月18日のダイヤ改正から運用を開始し、平日朝の武蔵五日市発中央線直通の東京行に女性専用車が導入された。2008年3月15日のダイヤ改正より、ドアの通年半自動扱いを開始した。
過去の車両[編集]
歴史[編集]
五日市線は私鉄の五日市鉄道が建設したものである。1930年に立川駅 - 拝島駅 - 武蔵五日市駅 - 武蔵岩井駅間が全通し、立川駅 - 拝島駅間では青梅電気鉄道(現在の青梅線)と完全に並行していた。1940年に南武鉄道に合併され、同社の五日市線となったが、1944年に南武鉄道が戦時買収により国有化され、本路線も国有鉄道五日市線となった。その際、青梅線と並行し遠回りとなっていた立川駅 - 拝島駅間は不要不急線として休止され、戦後復活することはなかった。
ただし、立川駅 - 武蔵上ノ原駅と、旧・南武鉄道の武蔵上ノ原駅 - 西立川駅間は現在も南武線・中央本線下り線(立川駅南側)との連絡線(青梅短絡線)として利用されている。
年表[編集]
- 1925年(大正14年)
- 1926年(大正15年)7月1日:貨物駅として多摩川駅が開業。
- 1930年(昭和5年)
- 1931年(昭和6年)
- 1940年(昭和15年)10月3日:南武鉄道と合併し、同社五日市線となる。武蔵多摩川駅が廃止。
- 1944年(昭和19年)
- 1961年(昭和36年)2月17日:拝島駅 - 武蔵岩井駅間が電化(直流1500V)。
- 1971年(昭和46年)2月1日:本線 大久野駅 - 武蔵岩井駅間 (0.6km) が廃止。武蔵岩井駅が廃止。武蔵五日市 - 大久野間の旅客営業が廃止され、貨物支線になる。全線に列車集中制御装置 (CTC) が導入。
- 1982年(昭和57年)11月15日:貨物支線 武蔵五日市駅 - 大久野駅間 (2.1km) が廃止。大久野駅が廃止。立川駅 - 武蔵五日市駅間の貨物営業廃止。
- 1987年(昭和62年)
- 1998年(平成10年)4月1日:JR東日本八王子支社の発足により、全線の管轄がこれまでの同社東京地域本社(現在の同社東京支社)から八王子支社に変更される。
- 2007年(平成19年)3月18日:中央線直通の201系がE233系に置き換えられる。
- 2008年(平成20年)3月15日:E233系使用列車でドアの半自動扱い開始(通年)。
- 2017年(平成29年)2月12日:東京圏輸送管理システム (ATOS) 導入に伴い、運転指令所が拝島CTCセンターから東京総合指令室に変更される。
- 2020年(令和2年)4月9日:車内換気向上のため、E233系使用列車で12年ぶりにドアの自動扱いを開始[報道 1]。
- 2022年(令和4年)
- 2023年(令和5年)3月12日:「ホリデー快速あきがわ」がこの日限りで運転終了。これにより中央線との直通運転が終了した。
駅一覧[編集]
駅番号 | 駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|---|
JC 55 | 拝島駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:青梅線・八高線 西武鉄道:拝島線 |
∨ | 昭島市 |
JC 81 | 熊川駅 | 1.1 | 1.1 | | | 福生市 | |
JC 82 | 東秋留駅 | 2.4 | 3.5 | ◇ | あきる野市 | |
JC 83 | 秋川駅 | 2.2 | 5.7 | ◇ | ||
JC 84 | 武蔵引田駅 | 1.5 | 7.2 | | | ||
JC 85 | 武蔵増戸駅 | 1.3 | 8.5 | ◇ | ||
JC 86 | 武蔵五日市駅 | 2.6 | 11.1 | ∧ |
廃止区間[編集]
- ( ) 内の数値は起点からの営業キロ
- 本線(1982年全線廃止)
- 武蔵五日市駅 (0.0) - 三内信号扱所 - 大久野駅 (2.1) - 武蔵岩井駅 (2.7)
- 三内信号扱所は武蔵五日市駅構内扱い。
- 赤字83線と廃止が同時期だが、この区間はそれに該当しない。
- 本線(1944年休止)
- 立川駅 (0.0) - 武蔵上ノ原駅 (0.8[4]) - 郷地駅 (2.1) - 武蔵福島駅 (2.8) - 南中神駅 (3.5) - 宮沢停留場 (4.5) - 大神駅 (5.1) - 武蔵田中駅 (5.5) - 南拝島駅 (6.6) - 拝島駅 (8.1)
- 武蔵上ノ原駅・宮沢停留場・武蔵田中駅はこの区間の廃線前に廃止。
- 貨物支線(1944年休止)
- 武蔵田中駅 (0.0) - (貨)拝島多摩川駅 (1.6)
廃駅[編集]
廃止区間にある駅をのぞく。( ) 内の数値は拝島駅起点の営業キロ。
- (貨)武蔵多摩川駅 - 1940年廃止、熊川駅 - 東秋留駅間 (2.0)
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年 ISBN 978-4533029806
- ↑ 「運輸通信省告示第117号」『官報』1944年3月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 「運輸通信省告示第483号」『官報』1944年10月5日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ↑ 立川駅 - 武蔵上ノ原駅は二重線籍であった南武鉄道貨物線では0.9km
報道発表資料[編集]
- ↑ 車内換気のためのドア自動開閉についてPDF - 東日本旅客鉄道八王子支社プレスリリース 2020年4月8日
- ↑ (2021-12-17) 2022年3月ダイヤ改正について PDF 日本語 東日本旅客鉄道八王子支社 [ arch. ] 2021-12-17
新聞記事[編集]
関連項目[編集]
- 日本の鉄道路線一覧
- 日本の鉄道
- ホリデー快速おくたま(「あきがわ」・「おくたま」について)
- 五日市鉄道キハ500形気動車