「アーケードゲーム」の版間の差分
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2018年12月18日 (火) 16:59時点における最新版
アーケードゲーム (Arcade game) は、業務用ゲーム機械のこと。古くはピンボールに代表されるような電気、機械的な装置であったが今日ではコンピューターゲームが主流となっている。コンシューマーゲームと対比した呼び方である(英語でゲームセンターの事を「ペニーアーケード」あるいは「アミューズメントアーケード」と呼ぶ)。略称で表記が必要な時はAGではなくACと一般的に記される。
目次
営業方法[編集]
日本国内では主にゲームセンターなどのアミューズメントスポットに設置され、1プレイごとに料金を徴収するのが一般的である。金額は地域、店鋪、ゲームの種類等により差があるが、一般的には10円-500円程度。筐体に直接硬貨を投入する場合がほとんどであるが、プリペイドカードや電子マネー(Edy等)を用いたり、事前にメダル貸出機でメダルを借りて、そのメダルを使用する場合もある(メダルゲーム)。
また、入口と出口にゲートを設け、入口で接触読み取り型カードを受け取り、それを筐体に取り付けてあるアンテナ(トランプ1デックぐらいの大きさだろうか)に接触させ、従来の硬貨投入(クレジット)とし、出口にて清算をするシステムもある。年々採用する店舗は増加している(ATO STSTEM等)。
海外では他に、先に料金を徴収、メダルと交換し、それをもってゲームをプレイさせるスタイルも恒常的である。日本ではこのスタイルは、いわゆる「メダルゲーム」でのみに提供されている料金支払い方法であるが、海外ではこのスタイルをビデオゲームやエレメカゲームなどにも適用している店舗は多い。これはこの手法の方が一度に稼げる金額が多いためである(米国では最低料金が最新ゲームでも25セントから徴収する店が多くあり、日本と比較してプレイ料金は非常に安い)
機器面の分類[編集]
アーケードゲームは大別して、ビデオゲームとエレメカの2種類に分類できる。
ゲーム基板は、基本的に1枚につき1タイトルであり、別のゲームを稼動させるには筐体の中の基板を交換する必要があるが、家庭用ゲーム機のようにメディアの交換で別ゲームを稼動できる、システム基板と呼ばれる物も存在する。システム基板のアーキテクチャは従来はメーカー独自設計が多かったが、近年ではコスト削減のため、家庭用ゲーム機のアーキテクチャを流用したものやPCをベースとしたものが増えている。
一方、プレイごとにお金を払うという性質を生かして、プレイが成功すると景品がもらえるプライズゲームという種類のゲームもある。これはエレメカに分類され、いわゆるコンピューターゲームのような画面がなかったり、あっても簡易なものであることが多い。
筐体[編集]
アップライト筐体[編集]
プレイヤーが立ってゲームを行う筐体で、モニター画面は床に対してほぼ垂直か、やや仰角をつけて取り付けられている。多くは冷蔵庫やタンスの様な直方体に近い形をしているが、新しいタイプではAVラックのような洗練されたデザインのものもある。
ゲームファンやゲーム場運営関係者の間では、日本のゲームアーケードで1980年代後半以降の主流となっている、アップライト筐体に似るが背が低く、椅子に座ってゲームを行う筐体の総称、もしくは俗称としてアップライトと呼んでいる例が見られる。これは、筐体の名称が一般的でなかった時代に、テーブル筐体に対抗する概念として、従来からある呼称のアップライトを援用したものと思われるが、厳密には誤用である。ゲームメーカーやゲーム機器卸業者など業界においては、これらの筐体は「シティ筐体」「ポニー筐体」「イーグレット筐体」など商品名で呼ぶか、「汎用筐体」と呼ぶのが通例である。
カクテル筐体[編集]
モニター画面が床に対して水平に設置されており、ガラスの天板の上にはカクテルグラスを置くことが出来ることからその名が付いた。主に米国で使用される名称で、後述するテーブル筐体もこの一種とされる。
テーブル筐体[編集]
テーブル筐体は1976年にタイトーがブロックくずしを製造した際、喫茶店に納入するために開発したものである。1978年に同社からリリースされた『スペースインベーダー』の大ヒットで爆発的に全国に普及した。単体で発売されるゲーム基板を入れ替えて、コントロールパネルやボタンを換装することにより、汎用的に様々なゲームに使用することができる。80年代初期までは業務用ビデオゲームと言えば、殆どがこれであった。米国ではカクテル筐体の一種とされている。
コクピット筐体[編集]
以下は家庭用ゲーム機には存在しない種類のゲームである、いわゆる大型筐体ゲームである。コクピット筐体は自動車や宇宙船のコクピットを模した筐体に座ってプレイするもので、例えばレースゲームならば、レースカーのコクピットを模した大型の筐体でプレイするようなゲームであり、よりリアルな臨場感を味わうことができる。アメリカのExidy社による宇宙船ゲーム『スターファイア』、そして日本ではセガの『モナコGP』が最初とされている。
体感筐体[編集]
コクピット筐体の変形バリエーションで、プレイヤーが乗り物型の筐体に乗ったり、操作する事で筐体が動いたりするもの。『モナコGP』以降のセガが得意とする。近年はスケードボードや自転車から、犬の散歩にいたるまで、あらゆるジャンルが体感筐体として作られている。中にはプレイヤーが筐体に乗り込み、筐体そのものがゲーム内容に合わせて動くことで臨場感を出すもの(R360等)も存在した。これはビデオゲームとエレメカの融合したもの、と見ることができる。しかし近年では機器のメンテナンス性(故障が多い)等の理由により減少しつつある。
カードゲーム筐体[編集]
専用筐体の一つであるが、カードを使用しなければゲームが出来なかったり(目的は第一に、プレイデータを磁気カードやICカードに保存しておくことだが、データそのものはゲームメーカーのサーバに置かれるものもある。レバーでなくボード上でカードを動かして、戦いの要素とするゲームも近年多い)、毎回ゲーム終了後に新しいカードが排出されるもの。アーケードを家庭用に移植する場合、専用筐体で遊べない事は百歩譲ったとしても、カードの排出機能自体は家庭用で再現出来ない。故に現在はアーケードでしか出来ない最大の長所となり、『オシャレ魔女 ラブandベリー』の様な児童向けゲームまで多数登場している。
ジャンルの名称としては、「トレーディングカードアーケードゲーム」と呼ばれている。
近年のアーケード[編集]
ハードウェアの性能が向上するにつれて、対戦型格闘ゲーム(格ゲー)やシューティングゲーム、音楽ゲーム(音ゲー)など、さまざまなジャンルのアーケードゲームが登場し、バリエーションが豊富になって細分化する反面、携帯電話やカラオケ等の他の娯楽の台頭や家庭用ゲーム機の性能の向上、さらには少子化等、様々な理由により利用者人口は減少を続け、新たな客層をつかめないでいる。このことは業界全体の問題点であり課題でもある。そういう事態を受けてか幾つかの大手ゲーム会社は人気アーケードゲームを家庭用ゲーム機に移植するのを控える事で利用者が減るのを防ごうとしている。(ナムコのゲームクライシスゾーンやセガのゴーストスカッドが海外のみ家庭用に移植されて日本国内では移植されないのはそういう理由があるからと言う噂がある。)
また最近では前述のカードゲーム筐体や、インターネットを通じて他のゲームセンターとの対戦プレイや、スコアを競うようなゲームも現れており、それらは広義のオンラインゲームとも解釈できる。
歴史[編集]
- 1971年 - ノーラン・ブッシュネル、史上初のアーケードビデオゲーム『コンピュータースペース』(開発シジギ・発売ナッチング・アソシエーツ)発売。だが全く人気が出ず。
- 1972年 - ブッシュネル、上記の反省を活かし『ポン』(アタリ)発売、大ヒット。
- 1973年 - 日本でも『ポン』のコピーゲーム『ポントロン』(セガ)と『エレポン』(タイトー)発売。
- 1976年 - 『ブレイクアウト』(アタリ)発売。日本では『ブロックくずし』の通称で、これを発売する為非常に多くのゲーム会社が創業し、現在も老舗メーカーとして多数生き残っている。
- 1978年 - 『スペースインベーダー』(タイトー)発売。大ブームとなる。
- 1980年 - 『パックマン』(ナムコ)発売。日本だけでなくアメリカを始め全世界で記録的大ヒットとなる。
- 1983年 - 『マッピー』『ゼビウス』(共にナムコ)発売。『マイコンBASICマガジン』(電波新聞社)にてハイスコア集計始まる。
- 1984年 - 風営法が大幅に改定。ゲームセンターの24時間営業が不可に。『ドルアーガの塔』『パックランド』(共にナムコ)発売。1980年代前半はナムコ黄金期と言われる。
- 1986年 - 任天堂がアーケードゲーム事業から撤退。雑誌ゲーメスト(新声社)創刊。
- 1988年 - 『テトリス』(セガ)発売。落ち物パズルゲームが大流行。
- 1990年ごろ - 高難易度のシューティングゲームが数多く発売される。初心者離れを起こし、以後のシューティング冬の時代の原因となったとも言われる。
- 1991年 - 『ストリートファイターII』(カプコン)発売。その後対戦型格闘ゲームが大流行する。
- 1992年 - 『ぷよぷよ』(セガ/コンパイル)発売。
- 1993年 - 『バーチャファイター』(セガ)発売。それまでレースゲーム中心に導入されていたポリゴンなどの3D技術に注目が集まる。
- 1994年 - 『ザ・キング・オブ・ファイターズ'94』 (SNK) 発売、以後毎年発売される人気シリーズとなる。 『バーチャファイター2』(セガ)発売。
- 1996年『バーチャファイター3』(セガ)発売。
- 1998年 - 『beatmania 2nd MIX』(コナミ)発売。爆発的な人気となり、音楽ゲームブームのはしりとなった。
- 1999年 - 新声社倒産に伴いゲーメスト廃刊。スタッフの一部によりアルカディア(エンターブレイン)創刊。
- 2001年 - SNK倒産。『バーチャファイター4』(セガ)発売。
- 2002年ごろ - クイズゲーム、麻雀ゲーム、格闘ゲーム、音楽ゲームなどで、カードに自分のプレイの成績を残すことのできるゲームが徐々に登場する。『e-AMUSEMENT』、『AW-NET』、『ALL.Net』など。
分類[編集]
- ビデオゲーム
- 反射型 - 移動している物体をパドルなどを操作して打ち返す物-『ポン』、『ブロックくずし』等
- シューティング型 - 固定もしくは移動する目標を射撃する物-『スペースインベーダー』、『ゼビウス』等
- ドットイート型 - 場面上に配置された物を回収する物-『ヘッドオン』、『パックマン』等
- ベルトスクロールアクション型 - 横から見た構成の画面で、一定の敵が出てくるのを倒しながら一定の方向に進んでいくもの、ベルトコンベアーに例えてつけられた-『ファイナルファイト』、『エイリアンVSプレデター (カプコン)』等
関連項目[編集]
- ゲーム会社一覧
- コンピューターゲーム(ビデオゲーム)
- コンピューターゲームの歴史
- アルカディア (雑誌)
- Hey
- レゲー
- ゲームミュージック
- エレメカ
- 日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA)
- ウソスコア
- アーケードゲーム基板
外部リンク[編集]
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