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** [[国鉄205系電車|205系]]0番台:E233系7000番台への置き換えが進み、2014年3月以降は全車4扉車の第28編成のみが運用。埼京線の車体色である緑({{Color|#2e8b57|■}})の帯が巻かれている。2014年2月までは、6扉車を2両連結した編成も存在した。 | ** [[国鉄205系電車|205系]]0番台:E233系7000番台への置き換えが進み、2014年3月以降は全車4扉車の第28編成のみが運用。埼京線の車体色である緑({{Color|#2e8b57|■}})の帯が巻かれている。2014年2月までは、6扉車を2両連結した編成も存在した。 | ||
** [[東京臨海高速鉄道70-000形電車|東京臨海高速鉄道70-000形]]:エメラルドグリーンと青({{Color|#399|■}}{{Color|blue|■}})の帯が巻かれている。 | ** [[東京臨海高速鉄道70-000形電車|東京臨海高速鉄道70-000形]]:エメラルドグリーンと青({{Color|#399|■}}{{Color|blue|■}})の帯が巻かれている。 | ||
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東武・西武では追加料金を支払うことによって乗車できる列車(特急[[レッドアロー]]・[[TJライナー]])を運行して着席確保を図っているが、川越線ではこうした列車は運行されていない。 | 東武・西武では追加料金を支払うことによって乗車できる列車(特急[[レッドアロー]]・[[TJライナー]])を運行して着席確保を図っているが、川越線ではこうした列車は運行されていない。 | ||
− | また、川越駅から発車する上り電車の大部分は[[東京臨海高速鉄道りんかい線]]に直通して新木場駅まで運転されているが、川越駅 - 新木場駅間についてはルート上大回りする関係もあって東武東上線 - | + | また、川越駅から発車する上り電車の大部分は[[東京臨海高速鉄道りんかい線]]に直通して新木場駅まで運転されているが、川越駅 - 新木場駅間についてはルート上大回りする関係もあって東武東上線 - 地下鉄有楽町線ルートのほうが所要時間が短く、運賃面でも安くなっている。 |
== 歴史 == | == 歴史 == | ||
[[鉄道敷設法#改正鉄道敷設法別表|改正鉄道敷設法別表]]第50号の4に規定する予定線で、[[東北本線]]と[[八高線]]を短絡して[[中央本線]]のバイパスとするため、[[1934年]]に追加されたものである。大正11年(1922年)公布の改正鉄道敷設法のリストには無かったが、[[東海道本線]]と東北本線を東京を経由せずに結ぶという『軍事的な危機管理政策』から必要とされ、1934年の帝国議会で追加と同時に「建設線」となり、同年中に直ちに着工されるという異例のスピードで建設が進められ、[[1940年]]に全線が一度に開業した軍需鉄道を出自とする。川越線開通を報じる当時の朝日新聞埼玉版の見出しには「帝都防備の使命も重く」の文字が躍っている。軍事開発の痕跡は、南古谷駅 - 上福岡駅間の道路などに伝承が残る。<!-- 昭和50年代後半、近隣住人は駅間道路が『軍需輸送路』と伝えられていた。 -->川越線開通によりこれまで大宮と川越を結んでいた路面電車[[西武鉄道|西武]][[西武大宮線|大宮線]]は、利用が激減し同年12月に運休、1941年をもって廃線となった。なお、同線の専用軌道区間も河川改修などで消えて、今ではほとんどその痕跡は残っていない。 | [[鉄道敷設法#改正鉄道敷設法別表|改正鉄道敷設法別表]]第50号の4に規定する予定線で、[[東北本線]]と[[八高線]]を短絡して[[中央本線]]のバイパスとするため、[[1934年]]に追加されたものである。大正11年(1922年)公布の改正鉄道敷設法のリストには無かったが、[[東海道本線]]と東北本線を東京を経由せずに結ぶという『軍事的な危機管理政策』から必要とされ、1934年の帝国議会で追加と同時に「建設線」となり、同年中に直ちに着工されるという異例のスピードで建設が進められ、[[1940年]]に全線が一度に開業した軍需鉄道を出自とする。川越線開通を報じる当時の朝日新聞埼玉版の見出しには「帝都防備の使命も重く」の文字が躍っている。軍事開発の痕跡は、南古谷駅 - 上福岡駅間の道路などに伝承が残る。<!-- 昭和50年代後半、近隣住人は駅間道路が『軍需輸送路』と伝えられていた。 -->川越線開通によりこれまで大宮と川越を結んでいた路面電車[[西武鉄道|西武]][[西武大宮線|大宮線]]は、利用が激減し同年12月に運休、1941年をもって廃線となった。なお、同線の専用軌道区間も河川改修などで消えて、今ではほとんどその痕跡は残っていない。 | ||
− | 川越線に劇的な変化が訪れたのは、[[1985年]]の[[埼京線]]開業に伴う電化と[[直通運転]]の開始である。埼京線は当初、大宮以北を[[高崎線]]と併走させる計画だったが、埼京線区間に車両基地を設置する用地が確保できず、[[南古谷駅]]付近に新たに川越電車区(現在の[[川越車両センター]])を設置したためである。埼京線との直通運転により、川越線は東京圏の外縁を長閑に走る非電化のローカル線から都市近郊の通勤路線に変貌を遂げた。その一方、路線のほぼ全線が単線(大宮駅 - 日進駅間のみ複線)で[[列車交換]]が必要となり、本数も制約があるため、東京近郊の通勤路線としてはまだ不十分な状態が続いている。沿線自治体が複線化・増発を要望しているが、JR側は増発は川越線の大部分が単線であることと、埼京線との兼ね合いから困難としており、複線化も「高齢化社会による通勤需要の減少から実現は難しい」としている<ref> | + | 川越線に劇的な変化が訪れたのは、[[1985年]]の[[埼京線]]開業に伴う電化と[[直通運転]]の開始である。埼京線は当初、大宮以北を[[高崎線]]と併走させる計画だったが、埼京線区間に車両基地を設置する用地が確保できず、[[南古谷駅]]付近に新たに川越電車区(現在の[[川越車両センター]])を設置したためである。埼京線との直通運転により、川越線は東京圏の外縁を長閑に走る非電化のローカル線から都市近郊の通勤路線に変貌を遂げた。その一方、路線のほぼ全線が単線(大宮駅 - 日進駅間のみ複線)で[[列車交換]]が必要となり、本数も制約があるため、東京近郊の通勤路線としてはまだ不十分な状態が続いている。沿線自治体が複線化・増発を要望しているが、JR側は増発は川越線の大部分が単線であることと、埼京線との兼ね合いから困難としており、複線化も「高齢化社会による通勤需要の減少から実現は難しい」としている<ref>[http://www.city.kawagoe.saitama.jp/www/contents/1283929465246/files/youboukaitoukawagoesen.pdf JR川越線整備促進協議会が提出した要望書] - 川越市</ref>。 |
2002年には、埼京線を介して[[東京臨海高速鉄道りんかい線]]とも相互直通運転を開始した。 | 2002年には、埼京線を介して[[東京臨海高速鉄道りんかい線]]とも相互直通運転を開始した。 |
2014年7月15日 (火) 23:58時点における最新版
川越線(かわごえせん)は、埼玉県さいたま市大宮区の大宮駅から埼玉県日高市の高麗川駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。
目次
概要[編集]
埼玉県の県都・さいたま市から西へ延び、川越市を経由して高麗川までを結ぶ路線だが、川越駅を境に運転系統が分断されている。電化以降、川越以東では1985年に開通した埼京線、さらに2002年からは同線を介して東京臨海高速鉄道りんかい線との直通運転が行われており、東京都心の池袋・新宿・渋谷や臨海副都心のお台場へ乗り換えなしでアクセスすることが可能となっている。一方川越以西では、1996年に電化された八高線高麗川 - 八王子間との直通運転が行われている。
全線が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「東京近郊区間」およびIC乗車カード「Suica」の首都圏エリアに含まれる。
旅客案内で使用されるラインカラーは、運転系統が分断される川越駅を境に、東側と西側でそれぞれ直通運転先の路線と同じラインカラーを使用しており、埼京線と直通運転する東側は緑(■)を、八高線と直通運転する西側はグレー(■)を使用している。ただし、埼京線と川越線が混在する大宮駅では両線の区別を明確にするため、例外的に川越線のホームにグレー(■)を使用している。
路線データ[編集]
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間・路線距離(営業キロ):大宮駅 - 高麗川駅間 30.6km
- 軌間:1067mm
- 駅数:11(起終点駅を含む)
- 川越線所属駅に限定した場合、東北本線所属の大宮駅および、八高線所属の高麗川駅[1]を除外した9駅となる。
- 複線区間:大宮駅 - 日進駅間
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:
- 大宮 - 川越間 自動閉塞式
- 川越 - 高麗川間 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式)
- 保安装置:ATS-P
- 最高速度:
- 大宮駅 - 川越駅間 95km/h
- 川越駅 - 高麗川駅間 85km/h
- 運転指令所:東京総合指令室
- 列車運行管理システム:東京圏輸送管理システム (ATOS) …大宮駅 - 武蔵高萩駅間
高麗川駅付近の約1.6kmの区間[2]は八王子支社、それ以外(すなわち大宮駅 - 武蔵高萩駅間)は大宮支社の管轄である。
沿線概況[編集]
大宮駅 - 川越駅間[編集]
川越線の始発駅にあたる大宮駅。埼京線と直通運転をしているため、同線と共用の地下ホームに発着する。駅を出てまもなくすると地上に出る。なお1985年(昭和60年)の電化以前は、大宮駅の地上ホーム11番線・12番線から発着していた[3]。現在、地上ホームから発着する川越線定期列車は設定されていないが、工事列車等で使用する関係からレールは繋がっている。進行方向左手に鉄道博物館を見ながら高崎線とともに北上。左手から交差する新幹線の高架下をくぐると、直進する高崎線と袂を分かち、大きく左に分かれていく。右手につばさ小学校を見ながらまもなく市街地を進むと日進駅。日進駅を出ると路線は複線から単線となる。日進の市街地のなかを路線は下り勾配のなか、直進していく。鴨川橋梁を渡り、右手に宮前中学校、左手に佐川急便さいたま店を見送ると宮前インターチェンジの下を過ぎ、西大宮バイパスとしばらく並行し、西大宮駅に到着する。西大宮駅を出ると両脇にせまった住宅地の中を通り、指扇駅に至る。指扇駅を出ると川越線は緩やかに南にカーブしながら築堤を通る。埼玉県道2号さいたま春日部線の上を渡り、土手から荒川の河川敷を進む。
荒川を渡りきると路線は大きく右にカーブし、辺り一面、田園風景の中を進む。左手の川越車両センターを通過すると、南古谷駅。南古谷駅を出ると、右手にウニクス南古谷を見送り、再び田園風景の中を進む。国道254号富士見川越バイパスの陸橋の下をくぐり、左手の砂中学校を見送ると、路線は新河岸川を渡る。新河岸川を渡ると川越市街に入る。右にカーブしながら東武東上線の下をトンネルでくぐり、続けて川越街道と国道16号が交差する新宿町北の交差点下をトンネルでくぐる。先ほど交差した東武東上線と並び、まもなく川越駅に至る。
川越駅 - 高麗川駅間[編集]
川越駅を出ると東武東上線と並行し、西武新宿線を越え、東上線川越市駅手前で左方向へカーブし東上線と別れる。そのまま住宅地帯を直進し、埼玉県道15号川越日高線をくぐると左へカーブ。北環状線(道路)の予定地(現在は川越線を超える橋桁が完成済み)を超え県道と並行する。しばらくすると西川越駅に到着。すぐに踏切を超え入間川を渡るため傾斜を登る。入間川の橋梁では前述の県道の初雁橋を左手に、東武東上線の橋梁を右手に見る。橋を渡ると傾斜を下り住宅地をゆるい左カーブで過ぎ東京国際大学を左手に見る。少し直進し埼玉県道114号川越越生線を渡ると的場駅。的場駅を出ると直進区間となり、関越自動車道をくぐって左手に霞が関小学校を見て小畔川を越えると笠幡駅に至る。
再び直線が続き日高市に入る。首都圏中央連絡自動車道をくぐり左へ緩くカーブし日高バイパスを越え国道407号を渡るとすぐに武蔵高萩駅へ。武蔵高萩駅を出ると直線区間が続き、南に大きくカーブして八高線と合流して、川越線の終点・高麗川駅に至る。
運行形態[編集]
途中の川越駅で運転系統は分断されており、川越駅以東は埼京線と直通運転を行い、川越駅以西は川越線内折り返し運転と八高線への直通運転がある。車内に掲示してある路線図には大宮駅 - 川越駅間は埼京線と併せて「埼京線・川越線」、川越駅 - 高麗川駅間は八高線高麗川駅 - 八王子駅間と併せて「川越線・八高線」と案内されている。直通先の路線でトラブルや大幅なダイヤの乱れが発生した時には直通運転を中止し、線内で折り返し運転を行う。
現在川越線全線を直通する列車はないが、全線非電化だったころは大宮から八高線東飯能駅まで行く気動車列車も設定され、1985年の電化後も1989年3月までは大宮駅 - 高麗川駅間を直通する電車が設定されていた。
大宮駅 - 川越駅間[編集]
埼京線・東京臨海高速鉄道りんかい線と一体の運転系統として運行されている。大宮駅 - 川越駅間を運転する全定期列車が埼京線と直通運転を行い、りんかい線直通の新木場駅発着の電車も運転されている。多くの電車は埼京線内は快速・通勤快速として運転されるが、ともに川越線内は各駅に停車する。
日中はりんかい線新木場発着の快速が20分に1本運転される。川越駅で高麗川方面の電車と接続する(接続時間は約3分)。日中は西大宮と南古谷で上下列車の交換が行われる。
上述の通り電化開業から数年間は、日中に大宮駅 - 高麗川駅間の電車(3両編成)が存在していたが、埼京線の快速電車の運転を30分間隔から20分間隔に、川越駅 - 高麗川駅間の運転を20分・40分の交互間隔から20分間隔に統一したのに伴い、川越駅 - 高麗川駅間に短縮された。直通運転は無くなったが、運転間隔は均一化され、川越駅 - 高麗川駅間は増発となった。
電車は川越駅発着が基本であるが、川越車両センターからの車両出庫のため、早朝・夕方と平日の朝ラッシュ時間帯の一部に指扇始発の上り電車も設定されている。また、2009年(平成21年)3月14日改正で早朝に南古谷駅始発の上り電車が1本新設された。
使用されている車両のLED表示は路線名と行き先を交互に表示している。205系・東京臨海高速鉄道70-000形は大宮駅を過ぎ、川越線区間のみ(異常時の大宮駅 - 川越駅間折返も含む)の走行となっても「埼京線」と表示され、りんかい線直通新木場行きの場合は「りんかい線直通」と表示されるため、LED表示に「川越線」と表示されることは無いが、E233系はLEDには「埼京・川越線」と表示されるようになった。
東京臨海高速鉄道70-000形車内ドア上の停車駅案内は205系(埼京線・りんかい線直通車)の物と異なり、新木場駅 - 川越駅間のみで川越駅 - 高麗川駅間各駅の表記がない。ただし高麗川方面への乗り換え案内表記はある。2009年3月14日に西大宮駅が開業し停車駅案内がリニューアルされるまでは、川越駅の乗り換え案内表記も東武東上線のみで高麗川方面への乗り換えが表記されておらず、車掌による川越駅到着前の高麗川方面への乗り継ぎ案内放送で補っていた。なお、この案内放送は現在も継続されている。
当区間では指扇駅 - 南古谷駅間の荒川を鉄橋で越えるため、強風などの荒天による影響を受けやすく、埼京線との直通運転が中止されることも多い。
- 列車番号の末尾の英字:各駅停車…K 快速…F 通勤快速…S
川越駅 - 高麗川駅間[編集]
八高線八王子駅 - 高麗川駅間と一体の運転系統として運行されている。およそ半数の電車は八高線と相互直通運転を行い、残りの半数ほどは高麗川駅発着となっている。こちらも電車は川越駅発着が基本であるが、川越車両センターからの出庫のため、早朝の3本のみ南古谷駅始発となっている。八高線電化時からこのような形態となったが、八高線との相互直通運転開始当時は、ごく一部の電車が拝島から青梅線を経由して立川駅まで運行されていたことがある(1999年12月3日に廃止)。
日中は完全な20分に1本の体制となっており、川越駅では大宮方面の電車と接続する(同一ホーム乗り換えが可能。待ち時間は上下線とも約3分)。日中は的場と武蔵高萩で上下列車の交換が行われる。なお、八高線とは電車の運転間隔があっておらず(日中は30分に1本)、八高線と直通する電車は高麗川駅で長時間停車する場合がある。
なお、夏と冬の期間限定でおもに列車交換時や長時間停車時を中心にドアの開閉をボタン式に設定していたが、2006年12月1日から通年でドアの開閉がボタン式に変更された。
列車番号の末尾の英字はH(八高線内は、川越方面行きは{川越線内の番号+1}+E、八王子方面行きは{川越線内の番号-1}+Eとなる)。
使用車両[編集]
現在の使用車両[編集]
電化後は、すべて電車が使用されている。
他社車両である70-000形を除き、川越車両センターに所属する車両が運用されている。大宮駅 - 川越駅間は埼京線・東京臨海高速鉄道りんかい線と共通の車両が使われ、川越駅 - 高麗川駅間は八高線と共通で、半自動扉などの寒冷地対策を実施した車両が使われる。
- 大宮駅 - 川越駅間(10両編成)
- E233系7000番台:後述の205系を置き換えるため、2013年6月30日より運用を開始した[4][5] 。埼京線の車体色である緑(■)の帯が巻かれる。拡幅車体で定員は205系より約1割増加するため、6扉車は連結しない。
- 205系0番台:E233系7000番台への置き換えが進み、2014年3月以降は全車4扉車の第28編成のみが運用。埼京線の車体色である緑(■)の帯が巻かれている。2014年2月までは、6扉車を2両連結した編成も存在した。
- 東京臨海高速鉄道70-000形:エメラルドグリーンと青(■■)の帯が巻かれている。
- 南古谷駅 - 高麗川駅間(4両編成):オレンジとウグイス色(■■)の帯が巻かれている車両が用いられる。
- 205系3000番台(山手線からの転用車)
- 209系3000番台
- 209系3100番台(おもに70-000形からの改造車、一部新造車)
過去の使用車両[編集]
機関車[編集]
気動車[編集]
- キハ42000形・キサハ40800形
- キハ10系の登場前に使用されていた。
- キハ44500形→キハ15形
- 新製当初に配置された。
- キハ10系
- キハ20系
- キハ35系
- 通勤輸送の増加に伴い、1964年からキハ10系・キハ20系に代わり、1985年9月に電化されるまで使用された。当初は両運転台のキハ30形を投入し、のちにキハ35形や、オールステンレス車体のキハ35形900番台も転入して使用された。1972年10月から高崎第一機関区(現・高崎車両センター高崎支所)に転属し、八高線と共通運用となった。
東京に近い場所にありながら1980年代まで非電化であり、路線起点駅の大宮に隣接して大宮工場(現在の大宮総合車両センター)があることから、川越線では気動車の試験運転が多く実施された。キハ44000形・キハ81系・キハ391系が新造直後の試運転で入線している。
電車[編集]
- 103系
- 電化時に埼京線との直通運転用の10両編成と、線内折り返し運転用の3両編成の3000番台が投入され、1996年に4両編成の3500番台が投入された。いずれも塗装は黄緑6号(うぐいす色)であった。
- 10両編成は主に赤羽線・山手線からの転入車で、全車ATCを搭載していた。1990年12月まで使用された。
- 3000番台は仙石線で使用していた72系アコモデーション改良車を103系に改造した車両で、電化開業当初の約10年程度は3両編成と4両編成が混在していたが、1996年以降は全編成が4両編成となった。最後に残った1編成は2005年10月2日にさよなら運転を兼ねて運転された「川越線電化20周年記念号」を最後に定期運用から外れ予備車となり、故障車の代走で12日に走行し、これを最後に廃車となった。一時期は0番台の3両編成や3000番台に0番台のサハ103を組み込んだ4両編成も存在していたことがある。
- 3500番台は1996年3月の八高線一部電化にあわせて4両編成1本が改造されたもので、川越線でも使用された。2005年3月に運用を終了している。
- 201系
- 車両不足の関連で一時的に西部区間での運用に使用されており、以前から川越線乗り入れを見越していたためか「川越」などの行き先表示もあった。
女性専用車[編集]
女性専用車は埼京線と同じく、平日の朝7時30分 - 9時30分に新宿駅に到着する大崎方面行全電車と夜23時以降に新宿駅を発車する下り全電車で設定され、ともに設定車両は大崎方先頭車両である10号車となっている。
他社線との比較[編集]
川越駅 - 池袋駅・新宿駅・渋谷駅・新木場駅間においては東武東上線および同線と直通運転を行う東京メトロ副都心線・有楽町線と競合し、川越駅 - 新宿駅間においては東上線 - 地下鉄副都心線ルートに加えて西武新宿線(所沢駅で西武池袋線に乗り継ぐルートもある)とも競合している。
川越駅 - 池袋駅においては、東武東上線と比べて所要時間が長いものの、平日朝ラッシュ時に運行される埼京線の通勤快速は、東武東上線の通勤急行とほぼ同等の所要時間となっている。ただし、運賃は埼京線が大人運賃で140円高い。
運転区間の南進により、川越からの渋谷駅以南へは東武・西武両鉄道より所要時間が短縮されるようになった。新宿駅以南への利用において埼京線は池袋駅での乗り換えが不要であるという特徴があり、所要時間は乗換時間を含めて同等もしくは長い。東武東上線は2008年に東京メトロ副都心線との直通運転を開始し、川越から新宿地区・渋谷駅へ乗り換えなしでアクセスできるようになっている[6]。西武新宿線に関しては、池袋線方面(有楽町線・副都心線方面)へは所沢駅での乗り継ぎが必要であること、メインの種別である急行が田無駅まで各駅に停車するために所要時間が長くなること、さらに西武新宿駅の立地が新宿駅から離れているといった特徴がある。
東武・西武では追加料金を支払うことによって乗車できる列車(特急レッドアロー・TJライナー)を運行して着席確保を図っているが、川越線ではこうした列車は運行されていない。
また、川越駅から発車する上り電車の大部分は東京臨海高速鉄道りんかい線に直通して新木場駅まで運転されているが、川越駅 - 新木場駅間についてはルート上大回りする関係もあって東武東上線 - 地下鉄有楽町線ルートのほうが所要時間が短く、運賃面でも安くなっている。
歴史[編集]
改正鉄道敷設法別表第50号の4に規定する予定線で、東北本線と八高線を短絡して中央本線のバイパスとするため、1934年に追加されたものである。大正11年(1922年)公布の改正鉄道敷設法のリストには無かったが、東海道本線と東北本線を東京を経由せずに結ぶという『軍事的な危機管理政策』から必要とされ、1934年の帝国議会で追加と同時に「建設線」となり、同年中に直ちに着工されるという異例のスピードで建設が進められ、1940年に全線が一度に開業した軍需鉄道を出自とする。川越線開通を報じる当時の朝日新聞埼玉版の見出しには「帝都防備の使命も重く」の文字が躍っている。軍事開発の痕跡は、南古谷駅 - 上福岡駅間の道路などに伝承が残る。川越線開通によりこれまで大宮と川越を結んでいた路面電車西武大宮線は、利用が激減し同年12月に運休、1941年をもって廃線となった。なお、同線の専用軌道区間も河川改修などで消えて、今ではほとんどその痕跡は残っていない。
川越線に劇的な変化が訪れたのは、1985年の埼京線開業に伴う電化と直通運転の開始である。埼京線は当初、大宮以北を高崎線と併走させる計画だったが、埼京線区間に車両基地を設置する用地が確保できず、南古谷駅付近に新たに川越電車区(現在の川越車両センター)を設置したためである。埼京線との直通運転により、川越線は東京圏の外縁を長閑に走る非電化のローカル線から都市近郊の通勤路線に変貌を遂げた。その一方、路線のほぼ全線が単線(大宮駅 - 日進駅間のみ複線)で列車交換が必要となり、本数も制約があるため、東京近郊の通勤路線としてはまだ不十分な状態が続いている。沿線自治体が複線化・増発を要望しているが、JR側は増発は川越線の大部分が単線であることと、埼京線との兼ね合いから困難としており、複線化も「高齢化社会による通勤需要の減少から実現は難しい」としている[7]。
2002年には、埼京線を介して東京臨海高速鉄道りんかい線とも相互直通運転を開始した。
年表[編集]
- 1940年(昭和15年)7月22日:大宮駅 - 高麗川駅 (30.6km) が開業。日進駅・指扇駅・南古谷駅・川越駅・西川越駅・的場駅・笠幡駅・武蔵高萩駅が開業。
- 1985年(昭和60年)9月30日:全線電化。大宮駅 - 日進駅が複線化。大宮駅 - 川越駅間で埼京線と直通運転開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い東日本旅客鉄道が承継、全線の貨物営業が廃止。
- 1996年(平成8年)3月16日:川越駅 - 高麗川駅間で八高線(高麗川駅 - 八王子駅間)と直通運転開始。
- 2002年(平成14年)12月1日:東京臨海高速鉄道りんかい線と相互直通運転開始。
- 2005年(平成17年)
- 8月6日:大宮 - 武蔵高萩間に東京圏輸送管理システム (ATOS) が導入。
- 10月2日:103系3000番台ハエ53編成により、川越線電化開業20周年記念列車が一般運用で運転され、103系営業運転終了。
- 2008年(平成20年)3月1日:日進駅 - 武蔵高萩駅間の有人駅は、川越駅をのぞいて宇都宮企画開発からの駅員派遣に変更。
- 2009年(平成21年)3月14日:西大宮駅が開業。
駅一覧[編集]
- 川越駅では大宮方面と高麗川方面はそれぞれ乗換が必要となる。なお、一部早朝に、川越車両センターからの出庫のため南古谷始発高麗川方面電車が存在する。
- 埼京線内で快速・通勤快速となる電車も含め、川越線内では全電車とも運転区間内の全駅に停車。
- 大宮駅の東日本旅客鉄道の路線名は運転系統上の名称(正式路線名とは異なる)。
- 線路 … ∥:複線、∨:ここから下は単線、◇・|:単線(◇は列車交換可能)
- 全駅埼玉県内に所在
駅名 | 駅間営業キロ | 累計 営業 キロ |
接続路線・備考 | 線路 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
大宮駅 | - | 大宮 から 0.0 |
大崎 から 36.9 |
東日本旅客鉄道:埼京線(直通運転)・東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線・上越新幹線・長野新幹線・京浜東北線・宇都宮線(東北線)・高崎線・湘南新宿ライン 東武鉄道:野田線 埼玉新都市交通:伊奈線(ニューシャトル) |
∥ | さいたま市 | 大宮区 |
日進駅 | 3.7 | 3.7 | 40.6 | ∨ | 北区 | ||
西大宮駅 | 2.6 | 6.3 | 43.2 | ◇ | 西区 | ||
指扇駅 | 1.4 | 7.7 | 44.6 | ◇ | |||
南古谷駅 | 4.7 | 12.4 | 49.3 | ◇ | 川越市 | ||
川越駅 | 3.7 | 16.1 | 53.0 | 東武鉄道:東上線 西武鉄道:新宿線 …本川越駅 |
◇ | ||
八王子 から 45.6 | |||||||
西川越駅 | 2.6 | 18.7 | 43.0 | | | |||
的場駅 | 2.2 | 20.9 | 40.8 | ◇ | |||
笠幡駅 | 2.9 | 23.8 | 37.9 | | | |||
武蔵高萩駅 | 3.2 | 27.0 | 34.7 | ◇ | 日高市 | ||
高麗川駅 | 3.6 | 30.6 | 31.1 | 東日本旅客鉄道:八高線 | ◇ |
脚注[編集]
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年 ISBN 978-4533029806
- ↑ 中央線まめちしき 支社概要 プロフィール - 東日本旅客鉄道八王子支社
- ↑ 現在、大宮駅11番線は主に湘南新宿ライン、「成田エクスプレス」の到着等で使用される。12番線は非電化のままで定期列車での使用はない。
- ↑ 秋田新幹線用車両と埼京線・横浜線用車両の新造について - 東日本旅客鉄道(2012年4月10日)
- ↑ 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2013年9月号「JR東日本E233系7000番台 埼京・川越線用」88頁記事。
- ↑ ただし乗り換えをしない列車は各駅停車に限る。
- ↑ JR川越線整備促進協議会が提出した要望書 - 川越市