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2014年7月19日 (土) 15:01時点における最新版
東金線(とうがねせん)は、千葉県大網白里市の大網駅から千葉県山武市の成東駅へと至る東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
路線データ[編集]
- 管轄(事業種別):東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 区間:大網駅 - 成東駅間
- 路線距離(営業キロ):13.8km
- 軌間:1067mm
- 駅数:5(起終点駅を含む)
- 東金線所属駅に限定した場合、外房線所属の大網駅と総武本線所属の成東駅[1]が除外され、3駅となる。
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:全線(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式(特殊)
- 保安装置:ATS-P
- 最高速度:85km/h
- 表定速度:48.8km/h
- 運転指令所:千葉総合指令室(総武指令・CTC)
- 準運転取扱駅(入換時は駅が信号を制御):成東駅
全区間、千葉支社の管轄である。
全線が旅客営業規則の定める「東京近郊区間」、およびIC乗車カード「Suica」の首都圏エリアに含まれている。
運行形態[編集]
優等列車は運転されておらず、普通と通勤快速・快速が運転されている。
普通は、大網駅 - 成東駅間の線内折り返し列車のほかに、外房線直通の千葉駅発着列車の設定がある(深夜帯には千葉駅 - 東金駅間1往復のほか、大網発東金行き最終電車の設定あり)。基本的に1時間あたり1 - 2本(日中は1本)である。近年はダイヤ改正のたびに、外房線直通の千葉駅発着列車の比率が高まる傾向にある。ただし、利用者が集中する朝ピーク時の上り方面(成東駅→大網駅間)に限っては、外房線直通の千葉行きは設定されない。朝ピーク時に10 - 15両編成の運用を基本とする外房線の大網駅 - 千葉駅間において、6両を最大編成とする東金線列車が同区間を走行すると、著しい混雑に拍車をかけるためである。
通勤快速は平日ダイヤのみ、快速は土休日ダイヤのみ運転されている。朝に上り1本・夜に下り1本設定されており、外房線を経由して蘇我駅 - 東京駅間は京葉線と直通する。1往復のみの運用だが、東金線 - 東京都心を1本で結ぶ唯一の列車となる。通勤快速は京葉線内での停車駅数が八丁堀駅・新木場駅の2駅のみと極端に少ないこともあって、東金線沿線から東京駅までの所要時間が60 - 70分ほど[2]であり、沿線利用者から重宝されている。通勤快速・快速ともに外房線の誉田駅で、勝浦駅発着の列車と分割・連結作業を行う(東金線成東駅発着編成は4両、外房線勝浦駅発着編成は6両で、東京駅 - 誉田駅間は10両編成)。以前は上り通勤快速・快速において、利用者の少ない福俵駅を通過していたが、現在は停車している。
車両[編集]
現在はすべて電車で運転されている。
- 209系2000番台・2100番台(幕張車両センター所属)
- 先頭車セミクロスシート、中間車ロングシートの車両で、4両または6両編成で運行される。2010年12月4日のダイヤ改正で113系の運用を、2011年10月1日の運用改定で211系の運用をそれぞれ置き換えた。
- E233系5000番台(京葉車両センター所属)
- ロングシートの4両編成。外房線・京葉線直通列車に加え、早朝夜間帯には間合いで一部の線内運用にも使用される。
過去の車両[編集]
- 電車
- 103系(京葉車両センター所属)
- ロングシート4両編成。京葉線全通当初から同線直通列車に加え、早朝夜間帯には間合いで一部の線内運用にも使用された。201系が京葉線に転入したことで撤退した。
- 113系(幕張車両センター所属)
- セミクロスシート4・6両編成。2010年12月4日ダイヤ改正をもって東金線から撤退した。
- 201系(京葉車両センター所属)
- ロングシート4両編成。京葉線直通列車に加え、早朝夜間帯には間合いで一部の線内運用にも使用された。E233系5000番台が京葉線に導入されたことで撤退した。
- 211系3000番台(幕張車両センター所属)
- ロングシート5両編成。2011年10月1日の運用改定により209系6両編成に変更となり東金線から撤退した。
- 103系(京葉車両センター所属)
歴史[編集]
東金へ鉄道を敷設する構想は1887年(明治20年)1月に遡る。総州鉄道の安井理民が『千葉県下鉄道敷設ノ意見』を発表。その中で、支線として八街から東金・勝浦への鉄道建設案を展開している。その後1888年(明治21年)に房総馬車鉄道が蘇我 - 東金間の馬車鉄道を出願している[3]。
その後、蘇我駅 - 大網駅間を開業した房総鉄道が1900年(明治33年)に大網駅から東金駅まで開業した路線を、1907年(明治40年)に鉄道国有法により買収し、1911年(明治44年)に成東まで延長した。
1972年(昭和47年)の外房線電化にともない、大網駅の同線方面へのスイッチバック解消のため同駅が土気駅方へ約0.6km移設されたが、運賃計算に用いる営業キロの改定(改キロ)はされていない。
年表[編集]
- 1900年(明治33年)6月30日:房総鉄道大網駅 - 東金駅間が開業。
- 1907年(明治40年)9月1日:鉄道国有法により買収。官設鉄道に編入。
- 1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道線路名称制定により、東金線とする。
- 1911年(明治44年)11月1日:東金駅 - 成東駅間が延伸開業し全通。
- 1935年(昭和10年)7月1日:気動車運転開始(大網 - 成東間)[4]。
- 1938年(昭和13年)3月1日:大網駅 - 東金駅間に福俵駅が開業。
- 1972年(昭和47年)
- 1973年(昭和48年)9月28日:全線電化。
- 1974年(昭和49年)3月15日:全線に列車集中制御装置 (CTC) が導入。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道に承継。同時に日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者となる。
- 1999年(平成11年)3月31日:JR貨物の第二種鉄道事業廃止
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)3月13日 :E233系電車5000番台の運用開始。
駅一覧[編集]
駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 | 線路 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|
大網駅 | - | 0.0 | 東日本旅客鉄道:外房線 | ∨ | 大網白里市 |
福俵駅 | 3.3 | 3.3 | | | 東金市 | |
東金駅 | 2.0 | 5.8 | ◇ | ||
求名駅 | 3.8 | 9.6 | ◇ | ||
成東駅 | 4.2 | 13.8 | 東日本旅客鉄道:総武本線 | ∧ | 山武市 |
過去の接続路線[編集]
- 東金駅:九十九里鉄道(1932年まで九十九里軌道) - 1961年3月1日廃止
脚注[編集]
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年 ISBN 978-4533029806
- ↑ 2010年12月4日現在のダイヤでは、東金駅 - 東京駅間の所要時間は朝の上りが73分(休日の快速は79分)、夜の下りが66分(休日の快速は75分)
- ↑ 『ちばの鉄道一世紀』 p.113 - p.114
- ↑ 『鉄道省年報. 昭和10年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
参考文献[編集]
- 白土貞夫『ちばの鉄道一世紀』崙書房、1996年7月10日 第1刷発行、1996年10月15日 第2刷発行、ISBN 978-4845510276
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 総武・房総路線図 - 東日本旅客鉄道千葉支社