「ドラム缶女性焼殺事件」の版間の差分
(→事件の概要) |
(61.45.193.68 (トーク) による第76537版を取り消し) |
||
| (3人の利用者による、間の3版が非表示) | |||
| 2行目: | 2行目: | ||
== 事件の概要 == | == 事件の概要 == | ||
| − | [[佐藤哲也 (殺人犯)|野村哲也]]（当時30歳）は、[[金融]]業を営む父親から[[愛知県]][[名古屋市]][[千種区]]の[[喫茶店]] | + | [[佐藤哲也 (殺人犯)|野村哲也]]（当時30歳）は、[[金融]]業を営む父親から[[愛知県]][[名古屋市]][[千種区]]の[[喫茶店]]経営の深谷茂樹（当時58歳）が振り出した[[約束手形]]（額面240万円<ref name="sankei20090129">{{cite news|title=ドラム缶殺人など４人の死刑執行 (2/2ページ) |url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090129/trl0901291308003-n2.htm |publisher=[[産経新聞]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2009年1月29日}}</ref>）の回収を頼まれたが、深谷は資力がないためか一向に手形金の支払いに応じなかった。そこで中古車販売業の[[川村幸也]]（当時36歳）に[[債権]]回収の相談をした。川村はさらに[[牧田晃和]]（当時40歳）・[[佐藤光希]]（同37歳）・[[白沢秀樹]]（同45歳）・[[池田浩市]]（同28歳）の4人に債権取り立てをさせたが、深谷は返済に応じなかった。 |
| − | + | そこで野村と川村は深谷を[[拉致]]殺害することを計画、躊躇する4人に対して応じなければ生命保険金目当てに殺害すると脅迫した。そして2000年[[4月4日]]に深谷の自宅前で待ち伏せしていた。帰宅して来た深谷に角材で襲い掛かったが、負傷させたものの逃げられてしまい拉致に失敗した<ref name="sankei20090129"/>。しかし一緒にいた深谷の妻洋子（当時64歳）とその妹・勝子（当時59歳）を乗用車ごと拉致した<ref name="sankei20090129"/>。現金24000円などを奪ったうえに、[[瀬戸市]]の山林に連れ込んで粘着テープで拘束した2人を生きたままドラム缶に押し込んだ上で、[[ガソリン]]をかけて焼死させた<ref name="sankei20090129"/><ref name="kyodo20090129">{{cite news|title=４人の死刑執行 麻生内閣で２回目 |url=http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012901000419.html |publisher=[[共同通信社|共同通信]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2009年1月29日}}</ref>。さらに犯行の痕跡を消そうと遺体をチェーンソーなどで切断、山中に放棄した。しかし甲の通報により[[愛知県警察]]はAら犯行グループ6人を指名手配した。そして牧田ら4人は逮捕され、その自供から[[4月10日]]に野村と川村は逮捕された。その後の捜索で炭化した遺体の一部が山林から発見された。 | |
== 裁判と刑の執行 == | == 裁判と刑の執行 == | ||
| 11行目: | 11行目: | ||
2人は[[控訴]]したが、[[2003年]][[3月12日]]に控訴棄却し<ref name="kyodo20030312-1">{{cite news|title=姉妹焼殺２被告２審も死刑 残虐さに戦慄と名古屋高裁 |url=http://www.47news.jp/CN/200303/CN2003031201000174.html |publisher=[[共同通信社|共同通信]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2003年3月12日}}</ref><ref>{{cite news|title=姉妹焼殺で２審も死刑 主犯格２人に名古屋高裁 |url=http://www.47news.jp/CN/200303/CN2003031201000115.html |publisher=[[共同通信社|共同通信]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2003年3月12日}}</ref>、最高裁も[[2006年]][[6月9日]]に[[上告]]棄却し死刑が確定した<ref>{{cite news|title=２被告の死刑確定へ 愛知・姉妹焼殺、上告棄却 |url=http://www.47news.jp/CN/200606/CN2006060901000888.html |publisher=[[共同通信社|共同通信]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2006年6月9日}}</ref>。そして2人は[[死刑囚]]として[[名古屋拘置所]]に収監されたが、[[法務省]]から送られてきた死刑執行に関する説明書の一部を拘置所が内容の一部を抹消したうえで手渡されたことに対し、野村は拘置所側を裁量権の逸脱であると慰謝料を求める訴訟を提起した。この訴訟では野村が勝訴している。 | 2人は[[控訴]]したが、[[2003年]][[3月12日]]に控訴棄却し<ref name="kyodo20030312-1">{{cite news|title=姉妹焼殺２被告２審も死刑 残虐さに戦慄と名古屋高裁 |url=http://www.47news.jp/CN/200303/CN2003031201000174.html |publisher=[[共同通信社|共同通信]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2003年3月12日}}</ref><ref>{{cite news|title=姉妹焼殺で２審も死刑 主犯格２人に名古屋高裁 |url=http://www.47news.jp/CN/200303/CN2003031201000115.html |publisher=[[共同通信社|共同通信]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2003年3月12日}}</ref>、最高裁も[[2006年]][[6月9日]]に[[上告]]棄却し死刑が確定した<ref>{{cite news|title=２被告の死刑確定へ 愛知・姉妹焼殺、上告棄却 |url=http://www.47news.jp/CN/200606/CN2006060901000888.html |publisher=[[共同通信社|共同通信]] |accessdate=2009年3月22日 |date=2006年6月9日}}</ref>。そして2人は[[死刑囚]]として[[名古屋拘置所]]に収監されたが、[[法務省]]から送られてきた死刑執行に関する説明書の一部を拘置所が内容の一部を抹消したうえで手渡されたことに対し、野村は拘置所側を裁量権の逸脱であると慰謝料を求める訴訟を提起した。この訴訟では野村が勝訴している。 | ||
| − | なお野村は死刑囚になった後、そもそもの事件の原因をつくった父親の姓から「佐藤」に改名している。また川村は事件は野村から指示されてやっただけなどとして、[[2008年]]7月に[[再審]]請求をしたが12月には再審開始の理由にあたらない棄却された。そして共犯2人が死刑囚の場合には原則として同じ日に死刑を執行するという慣習のために、[[2009年]][[1月29日]] | + | なお野村は死刑囚になった後、そもそもの事件の原因をつくった父親の姓から「佐藤」に改名している。また川村は事件は野村から指示されてやっただけなどとして、[[2008年]]7月に[[再審]]請求をしたが12月には再審開始の理由にあたらない棄却された。そして共犯2人が死刑囚の場合には原則として同じ日に死刑を執行するという慣習のために、[[2009年]][[1月29日]]に共に執行された。野村は39歳、川村は44歳であった。死刑判決確定から2年半という比較的短い期間で死刑が執行された<ref name="sankei20090129"/><ref name="kyodo20090129"/>。 |
== 出典 == | == 出典 == | ||
2010年8月9日 (月) 18:25時点における最新版
ドラム缶女性焼殺事件（ドラムかんじょせいしょうさつじけん）とは2000年（平成12年）に愛知県で発生した殺人事件である。
事件の概要[編集]
野村哲也（当時30歳）は、金融業を営む父親から愛知県名古屋市千種区の喫茶店経営の深谷茂樹（当時58歳）が振り出した約束手形（額面240万円[1]）の回収を頼まれたが、深谷は資力がないためか一向に手形金の支払いに応じなかった。そこで中古車販売業の川村幸也（当時36歳）に債権回収の相談をした。川村はさらに牧田晃和（当時40歳）・佐藤光希（同37歳）・白沢秀樹（同45歳）・池田浩市（同28歳）の4人に債権取り立てをさせたが、深谷は返済に応じなかった。
そこで野村と川村は深谷を拉致殺害することを計画、躊躇する4人に対して応じなければ生命保険金目当てに殺害すると脅迫した。そして2000年4月4日に深谷の自宅前で待ち伏せしていた。帰宅して来た深谷に角材で襲い掛かったが、負傷させたものの逃げられてしまい拉致に失敗した[1]。しかし一緒にいた深谷の妻洋子（当時64歳）とその妹・勝子（当時59歳）を乗用車ごと拉致した[1]。現金24000円などを奪ったうえに、瀬戸市の山林に連れ込んで粘着テープで拘束した2人を生きたままドラム缶に押し込んだ上で、ガソリンをかけて焼死させた[1][2]。さらに犯行の痕跡を消そうと遺体をチェーンソーなどで切断、山中に放棄した。しかし甲の通報により愛知県警察はAら犯行グループ6人を指名手配した。そして牧田ら4人は逮捕され、その自供から4月10日に野村と川村は逮捕された。その後の捜索で炭化した遺体の一部が山林から発見された。
裁判と刑の執行[編集]
裁判で検察側は実行グループ6人のうち女性の焼殺に関与した野村・川村・牧田・佐藤の4人に死刑を求刑した。これは加害者グループと債務者甲とは直接関係のない居合わせただけの落ち度のない女性2人を助命嘆願を無視し生きたまま焼き殺したことが極めて犯行態度が悪質であるというものであった。主犯の野村は死刑を受け入れると表明したが、川村ら3人は野村の犯行計画に従っただけであるとして死刑回避を求めた。一審の名古屋地方裁判所は2002年2月21日に牧田と佐藤には無期懲役[3][4]、拉致には関与したが殺害行為には参加しなかった白沢と池田には懲役12年を言い渡したが[3][4]、野村と川村は死刑判決であった。判決では野村を主犯と認定した上で、川村の存在がなければ一連の犯行計画遂行は為しえなかったものであり、野村と同様に川村も犯行態度は悪質であるから同等の刑事責任を受けるべきであるとの主旨の判決であった[5]。
2人は控訴したが、2003年3月12日に控訴棄却し[5][6]、最高裁も2006年6月9日に上告棄却し死刑が確定した[7]。そして2人は死刑囚として名古屋拘置所に収監されたが、法務省から送られてきた死刑執行に関する説明書の一部を拘置所が内容の一部を抹消したうえで手渡されたことに対し、野村は拘置所側を裁量権の逸脱であると慰謝料を求める訴訟を提起した。この訴訟では野村が勝訴している。
なお野村は死刑囚になった後、そもそもの事件の原因をつくった父親の姓から「佐藤」に改名している。また川村は事件は野村から指示されてやっただけなどとして、2008年7月に再審請求をしたが12月には再審開始の理由にあたらない棄却された。そして共犯2人が死刑囚の場合には原則として同じ日に死刑を執行するという慣習のために、2009年1月29日に共に執行された。野村は39歳、川村は44歳であった。死刑判決確定から2年半という比較的短い期間で死刑が執行された[1][2]。
出典[編集]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 (2009年1月29日) ドラム缶殺人など４人の死刑執行 (2/2ページ) 産経新聞 [ arch. ] 2009年3月22日
- ↑ 2.0 2.1 (2009年1月29日) ４人の死刑執行 麻生内閣で２回目 共同通信 [ arch. ] 2009年3月22日
- ↑ 3.0 3.1 (2003年6月19日) 姉妹焼殺で控訴棄却 ２人の無期懲役を支持 共同通信 [ arch. ] 2009年3月22日
- ↑ 4.0 4.1 (2003年6月19日) 姉妹焼殺で２審判決 主犯の指示受けた４被告 共同通信 [ arch. ] 2009年3月22日
- ↑ 5.0 5.1 (2003年3月12日) 姉妹焼殺２被告２審も死刑 残虐さに戦慄と名古屋高裁 共同通信 [ arch. ] 2009年3月22日
- ↑ (2003年3月12日) 姉妹焼殺で２審も死刑 主犯格２人に名古屋高裁 共同通信 [ arch. ] 2009年3月22日
- ↑ (2006年6月9日) ２被告の死刑確定へ 愛知・姉妹焼殺、上告棄却 共同通信 [ arch. ] 2009年3月22日
関連項目[編集]
- 闇サイト殺人事件 - 同じ愛知県で発生した被害者1人に対し共犯3人とも死刑が求刑された事件
