日野・デュトロ

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デュトロDUTRO )は、日野自動車が製造、販売する2トン~3トン積クラス小型・普通トラック。日本国外ではHINO 300シリーズとして発売される。

当項では前身となったレンジャー2/3(レンジャーII/IIIとも記される)についても触れる。

概要[編集]

デュトロはトラック分野での日野のフルラインナップ化の強化のため、1999年5月に発表された。ラインナップにパラレルハイブリッド仕様を持ち、塵芥収集車や大手運送会社の小口集配車として導入が進んでいる。

日野自動車はブリスカを最後に、自社ブランドの小型貨物車の生産を行っておらず、2トン積クラスのキャブオーバートラックについても、長らくダイナトヨエースダイハツ・デルタOEM供給を受けていた。デュトロでは、トヨタ/ダイハツとの共同開発ながら、自社生産となった。

歴史[編集]

レンジャー2/3(1978-1999年)[編集]

  • 1978年8月ダイハツ・デルタ(トヨタ・ダイナ)のOEM版として登場。エンジンはトヨタ製のB系。ダイナ/デルタとは異なり、1BOXタイプのルートバンの設定はない。
  • 1980年1月 3トン積みのワイドボディのレンジャー3を追加。
  • 1984年9月フルモデルチェンジ。エンジンはトヨタ製B系。
  • 1995年5月フルモデルチェンジ。デルタと共にダイナ/トヨエースのOEMに変更。デルタがダイナと共通のグリルであったのに対し、レンジャー2はトヨエースと共通のグリルを採用していた。

初代(1999年-2011年)[編集]

  • 1999年製造開始。ダイナ/トヨエースとの違いは、1トン級の設定が無いこと、運転席エアバッグが標準装備となること。(ダイナ/トヨエースは2004年に標準装備された)ルートバンのBピラー以降はH100系のハイエースからの流用。
  • 2002年マイナーチェンジ。ミラーステー下に配置されていたウインカーランプがヘッドライト内に移設されるなどの変更を受けた。
  • 2003年11月、2トン積トラック初のハイブリッド車として、日野HIMRシステムをベースとしたパラレルハイブリッド方式のデュトロ・ハイブリッドを追加。
  • 2006年9月、マイナーチェンジの際、新長期排出ガス規制値比NOx・PM10%低減、及びHINOブランド意匠のグリルに変更。
アイシン精機製のオートマチックトランスミッションが6速となり、トルクコンバーター式ATを装備する2トン系小型トラックでは最多段数となる。
シフトパターンは、5ポジション式のP、R、D、D4、321である(表示を変え、MC前のシフトレバー周りをそのまま使用)。オーバードライブボタンは「D5」表記となる。
エンジンは4000ccのN04Cに統一、フロント独立サスペンションの2WD車はトーションバー式からコイルスプリング式に変更。
海外では300シリーズの名前で販売されている地域もあるほか、国内向けとはフロントグリルが異なっている。インドネシアでは、マイクロバスモデル(隣の写真参照)が販売されている。


2代目(2011年-)[編集]

2011年6月14日に12年ぶりのフルモデルチェンジを実施。トヨタには初代に引き続きダイナ・トヨエースとしてOEM供給される。

エンジンは高圧コモンレール式燃料噴射システムやDPRを刷新し、燃費向上や更なる排出ガスのクリーン化を実現した5種類のディーゼルエンジン、またガソリンエンジンとLPGエンジンを設定。排出ガス処理装置には日野のクリーンディーゼルシステムである「AIR LOOP」を採用し、ディーゼル車は平成22年排出ガス規制に適合した。ハイブリッド車はアトキンソンサイクルの専用エンジンN04C-UL型 (110kW/420N·m) とアクセル・ブレーキの2ペダル操作を可能とする専用5速AMT「プロシフトV」を採用。エンジンとモーター兼発電機の間にクラッチを介することでモーターのみで発進できる新開発のハイブリッドシステムを搭載。これにより、2t積車で1.0km/L、3t積車で1.4km/Lの燃費向上を実現。ディーゼル車はN04C-UM型 (85kW/325N·m) ・N04C-UN型 (100kW/390N·m) ・N04C-UP型 (110kW/420N·m) ・N04C-UQ型 (132kW/480N·m) を、ガソリン車は2TR-FE (109kW/235N·m) を、LPG車は1BZ-FPE (85kW/306N·m) をそれぞれ設定している。

トランスミッションは6速AT・5速MT・6速MTの3種類を用意。また、ハイブリッド車とディーゼル車のMT車にはアイドリングストップ機能とエコドライブをサポートする日野エコランを標準装備し、実用燃費向上に寄与した。また、内装面ではインパネを改良し、膝前部分や下部の形状を工夫したことで中央席の足元スペースを拡大したほか、助手席から中央席には大型オープントレーを配置。ワイドキャブはキャビンパッケージそのものを刷新したことでドア開口部拡大、乗降ステップ大型化、乗員スペース拡大等により居住性・乗降性を向上するとともに、フロントデザインもキャビンの前絞りやバンパーコーナーの形状を工夫したことで空力性能も実現した。

安全面については強度を保ちながらピラー断面を極力薄くし、広く見やすい視界を確保するワイドビューミラーと車両側面後方の視界を拡大し、巻き込み事故防止に寄与した2面鏡ミラーを標準装備するとともに、小型トラックでは世界初となるVSCのオプション設定を追加した。

2011年10月にグッドデザイン賞を受賞[1]

2012年8月1日 にマイナーチェンジを行った上で、同年9月3日に発売する事が発表された。N04C-UQ型 (132kW/480N·m) エンジン車は平成22年排出ガス規制よりNOxおよびPMを10%以上低減したことにより全ての車型が低排出ガス車となると同時に、最大積載量が4トン以上の車型は「平成27年度燃費基準」を達成した。2013年1月施行の新灯火器類保安基準にあわせてカーゴ及びダンプに後部反射板を装備するとともに、オプション設定だった電動格納式ミラーが全車標準装備となり、スタンダードグレードにもAM/FMラジオが標準装備となった[2]

キャブバリエーション[編集]

  • 標準幅キャブ標準ルーフ - 小型貨物(4ナンバー)が多いが、稀に普通貨物(1ナンバー)も存在する[3]
  • 標準幅キャブハイルーフ - 普通貨物(1ナンバー)専用車。標準ルーフよりもキャビン本体幅を拡大した標準幅キャブ。
  • ワイド幅キャブ標準ルーフ - 普通貨物(1ナンバー)専用車。ワイドダブルキャブ車の殆どがこのキャビンである。
  • ワイド幅キャブハイルーフ - 普通貨物(1ナンバー)専用車。積載効率を重視する幅広タイプ。

生産[編集]

車名の由来[編集]

Dramatic & Urbane Transport Offer」の略称。「ドラマチックで洗練された運搬・輸送を提供する」トラックを意味する。

CM出演者[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 日野自動車、小型トラック「日野デュトロ」で2011年度グッドデザイン賞を受賞日野自動車 2011年10月3日
  2. 日野自動車、小型トラック「日野デュトロ」を改良して新発売日野自動車 2012年8月1日
  3. セミロングボディ及びロングボディが該当する
  4. 佐々木蔵之介さん、柳沢慎吾さん、新山千春さんが実の親子で初のCM共演 日野デュトロ ギャラリー

外部リンク[編集]