蔵書印

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蔵書印とは、書物の所有者を明らかにする目的で、蔵書に捺す印章、または蔵書に捺された印影である。

中国で生まれ、日本に伝わってきたとされる。

古くは寺社や幕府の蔵書にのみ用いられたが、江戸時代中期から、読書人口の増加に伴い、学者や文人の蔵書家が出現し、公的に所有者を明らかにすると言うよりも、私的な愛書趣味の一つとして、趣向を凝らした蔵書印が用いられるようになった。

所有者の名前や雅号だけを記した簡素な物、逆に図案入りの凝った物、図案だけの物、「コノフミヲカリテミムヒトアラムニハ、ヨミハテゝトクカヘシタマヘヤ(この書物を借りて読む人は、読み終わったらすぐ返すように)」と記されたユーモラスな物など、様々な形態、文面、意匠がある。

「何々蔵書」、「何々文庫」という文面が多いが、それ以外にもさまざま文面があり、蔵書印の大きさや所有者の趣味により選ばれる。

「何々」の部分には普通、所有者の名前、雅号、所有機関名などが入る。個人が自分の住居を「何々堂」「何々庵」などと名付け、蔵書印に記すことも多い。

捺される場所は様々だが、図書館などの公共機関では、蔵書の小口に蔵書印が捺されていることが多い。


西洋では蔵書印の代わりに、蔵書票が用いられる。現代日本でも蔵書印ではなく蔵書票を使用する者もいる。

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