ドッグショー

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ドッグショーとは、血統書付きのが美しさを競い合う犬の品評会。

犬の良し悪し、単純な美しさを競い合うものではなく、その犬種の基本的な美しさ(スタンダード)に最も近いかを競うもの。自然交配を肯定し雑種(ミックス)が増えていくうちにだんだんと本来の犬種らしさが消滅してしまうのを防ぐ、犬種の保存的要素が強い。

ドッグショーに出場する犬は総じて良血統で性格も温厚なので大差が無い。そこで、肉を豊富に与え毛艶をよくし、調教師(ハンドラー)の元で立ち居振る舞いを美しく鍛えることで、優劣を決定する。

ドッグショーのシステム[編集]

日本ではJKC(日本ケンネルクラブ)が主催するドッグショーの規模が大きい。通常はクラブ展の250頭、連合展では400から500頭が集められる。国際的な組織FCI(Fédération Cynologique Internationale)に加盟しているので,FCIのショーには1500頭から2500頭が集められる。国内では,約3000頭が集められるFCIアジアインターナショナルドッグショーが最大規模で、毎年,4月の最初か,3月の終わりにの2日間に渡って開催される。 また、単犬種だけで開催される単独展もある。

ドッグショーでは,スポーツとしてハンドリングを楽しむ少数の人をのぞけば,チャンピオンになることが目標になる。 単独展をのぞけば,基本的なドッグショーの進行は次のようになる。

 同じ犬種同士で戦う(牡と牝は別々で審査)。この場合,年齢によるクラスの分類がある。JKCでは、ジュニア、ヤングアダルト,アダルト,チャンピオン(すでにチャンピオンになっている)の4クラスがあるが,これは,国によって異なる。

たとえば、ジュニアが1頭であれば、1頭だけの審査が行われる。通常のこの段階で失格になることはない。ヤングアダルトが2頭いれば,その2頭で対戦し,1頭が選ばれる。ここで、アダルトがいないのであれば,ジュニアの1頭とヤングアダルトの勝ち残った方の1頭が対戦し,勝った方が,ウイナーになる。次に、チャンピオンクラスだけで戦われる。チャンピオンクラスに1頭しかいなければ,その1頭の審査がなされ,終わると,ウイナーが呼ばれ,その2頭で対戦となる。勝ち残った方が,BOB(Best of Breed)になり、総合戦に進むことができる。

この時点で,3頭以上が参戦したので,BOBには、CC(Challenge Certificate)カードが発行される。3頭以下だった場合は,発行されない。

犬種ごとのBOBが決まると,総合戦に進む。すべてのBOBが一度に対戦するが,まず、13頭が選ばれる。それらは,エクセレントと呼ばれ,BOBになっても,3頭以下だった場合CCカードが発行されていない犬に対して,ここでCCカードが発行される。13頭からさらに3頭に絞り込まれ,3頭のうちのトップがキング(牡の場合,牝はクイーン)、その他の2頭はリザーブドキング(リザーブドクイーン)となる。最後に,牡のキングと牝のクイーンが戦い,勝ち残ったほうが、BIS(Best in Show)が選ばれて終了となる。

連合展やFCIでは、総合戦の前に,JKCでは10に分かれているグループ内で対戦するグループ戦がある。連合展やFCIでは、CCカードではなく,MCC(Major Challenge Certificate)カードが発行される。グループ戦でトップ3にも発行される(400頭以上のクラブ展でもMCCが出る)。 ここで出てきたCCカードを3枚,MCCカードを1枚とると、チャンピオンの資格が得られる。多くのブリーダは、この時点で,犬を引退させる。

規模の大きなFCIでは、MCCカード以外に,FCIの発行するCASIBカードが発行され,4枚(1枚目と4枚目は1年以上離れている条件がある)集めると、インターナショナルチャンピオンになる資格が得られる。

チャンピオンになると,血統書にそれが記載される。JKCの場合「CH」、インターナショナルチャンピオンでは「INT CH」と略記される。

 BOB選出、CASIBの発行条件などは見直しが行われ,また、頭数により発行される枚数が異なったり,ジャッジの基準に満たないという判断により,1枚も発行されないことがある。

ハンドラー[編集]

ハンドリングを生業とするプロハンドラー、その犬を所有している本人が引くオーナーハンドラーの分類がある。オーナーハンドラーには、ブリーディングをしている本職の人と,家庭犬を引く人に分けられる。

日本では,プロハンドラーが大半である。イギリスを含めてヨーロッパでは,ブリーディングをしているオーナーハンドラーが多い。

ジャッジ[編集]

1犬種を審査できる資格とすべての犬種(オールブリード)を審査することのできる資格がある。JKC審査員では、本人もしくは同居の家族が5頭以上のチャンピオン犬を出している。もしくは、ハンドラー/トリマーなどのA級以上の取得者で、同じく本人および同居家族が1頭以上のチャンピオン犬を出しているなどの最低条件の上に,いろいろな条件を満たした上で,研修などを経て,ジャッジになることができる。

審査内容[編集]

小型犬はテーブルの上で,大型犬は地上でステイポーズをとり,ジャッジが触れて,歯並びを始め,骨格などを確かめる(触診)。その後,多くの審査では,アップダウンという,歩様を最初に見る。歩様とは,ハンドラーがトロットという歩き方をさせ、そのときの様子を審査するもの。アップダウンでは,ジャッジから見て1方向へ進み,そのままターンして1直線で戻ってくる。そのあと、トライアングルもしくはラウンドで,リング内を1周もしくはジャッジの指示により複数回走る。

この時間約3分。ハンドラーは,この3分の中で,犬をしっかりジャッジに見せる。たとえば、アップダウンでまっすぐ走らせなかった場合,ジャッジは再度要求することが多い。

審査をスムーズに進めるために,進行を行うスチュアートがリング内に入り,呼び出しや,記録を行う。

ドッグショーへの出陳[編集]

血統書の発行されている開催する団体に入り,会費を納める。ドッグショーのスケジュールを会報などで知り,2週間前までに,申込書と出陳代金(JKCだと7000円から1万円)を添えて申し込む。

血統書をもっており,繁殖(繁殖する意思の有無は問わない)できる状態でなければならない。

自分で引く(ハンドリング)する場合は,以上の条件だけ。ただし、ハンドリングを何らかの方法で学ぶことが必要。無料講習会や有料講習会があるので,何度か参加し、ドッグショーを何回か見学していると,マスターできる。 プロハンドラーに依頼する場合は,約1ヶ月前に,犬を預ける。ドッグショー当日は,ショーが終わるまであってはいけない。多くの場合,犬がオーナーを見つけるとよろこんでしまい,ハンドリングは失敗することが多い。