ボーイスカウト
ボーイスカウト (the Boy Scouts、従来の英語名称 the Boy Scout Association から) とは、世界規模の青少年団体の名称である。
なお、ボーイスカウトやガールスカウトで活動すること、またその活動と理念をスカウト運動(Scouting・スカウティング)と呼ぶ。
目次
- 1 ボーイスカウト運動
- 2 ボーイスカウト日本連盟
- 3 ボーイスカウト豆知識
- 4 ボーイスカウトで学べること
- 5 関連人物
- 6 記念碑など(日本国内)
- 7 ボーイスカウト出身の著名人
- 8 ボーイスカウトに関連する作品
- 9 関連事項
- 10 参考文献
- 11 出典・脚注
- 12 外部リンク
ボーイスカウト運動[編集]
概要[編集]
ボーイスカウトはイギリスの退役軍人のロバート・ベーデン=パウエル卿(以下B-Pと表記)が、イギリスの行く末を懸念し、将来を託すことの出来る青少年の健全育成を目指して創設した青少年運動である。
実社会で先駆的な立場に立てるように、身体を実際に動かし、形に囚われない戸外活動を通じて心身ともに健全な青少年の育成と教育を目的とする。なお、スカウトとは「偵察」「斥候」の意。
スカウト運動のバイブルとされるB-Pの著書『スカウティング・フォア・ボーイズ』によれば、スカウト運動の基本は、人格(Character)、健康(Health)、技能(Handicraft)、奉仕(Service)の四つであるとされる。
発祥[編集]
1907年、B-Pは自らの体験を基に『スカウティング・フォア・ボーイズ』(「少年のための斥候術」といった意味)という本(六分冊として発行され、後に一冊にまとめられた。)を刊行し、8月1日イギリスのブラウンシー島でB-Pと20名の少年たちで実験キャンプを行った。(このキャンプには21名の少年が参加するはずであったが、一人の少年が体調を崩したため20名で行われた。)この本が評判になり、本を読んだ少年たちは自発的に組織(パトロール/班)を形成して善行を始める。これがボーイスカウト運動の原点・発祥とされている。
この「スカウティング・フォア・ボーイズ」は、元々ボーイ隊年齢相当の少年を対象読者として書かれたものであったが、100年前に書かれた物でもあり、現在では「指導者や保護者が現代のスカウト達にスカウティングを如何に伝えていくか」について説いた、指導者や保護者にとってのバイブル的な書として扱われている。
B-P がボーイスカウトのシステムを考案するにあたっては様々な要素が取り入れられている。最も基礎となっているものは、彼が軍隊時代に身に着けた、それまでの硬直した教育システムから逸脱した創意工夫と自由の精神であるが、(「スカウティング・フォア・ボーイズ」や「ローバーリング・ツー・サクセス」からも読み取れるように、)ズールー族の狩猟方法や歌、アフリカの諸部族で少年を訓練する方法、自身が構築した南アフリカ警察隊の訓練法、シートンの始めた青少年活動・ウッドクラフト(森林生活法)、中世ヨーロッパの騎士道、日本の武士道などさまざまな要素が取り込まれている。
その代表的な物のひとつが、ウッドバッジ実修所(隊指導者の上級研修)修了者に付与される修了記章「ウッドバッジ」で、アフリカで軍務についていたころにB-Pがズールー族の族長から手に入れたアクセサリー(木製のビーズを紐でつなげた長い首飾り)をばらして、研修修了の記念として一粒ずつ修了者にわたしたものである。
第一次世界大戦が終わり、誰も予想できなかった莫大な戦死者の数によってヨーロッパ中に厭戦的な気分が蔓延しため、「少年の斥候兵(スカウト)」というやや戦争翼賛的な方向を修正し、国際的で平和的な野外活動に手直しされた。
しかし、本家であるスカウト運動には軌道修正がおこなわれたものの、この発想はその他の国々でさまざまなイデオロギーに転用されることとなった。第二次世界大戦以前のナチス・ドイツではヒトラーユーゲント、ソ連ではピオネール、中華人民共和国では少年先鋒隊として、2,000万人からの子どもたちが赤いスカーフを首に巻いている。
沿革[編集]
- 1906年 雑誌『ボーイズ・ブリゲード・ガゼット』に「スカウティング・フォア・ボーイズ」(Scouting for Boys) の第一回が掲載。ただし編集者による大幅なカットが入ったダイジェスト版であった。
- 1907年8月1日 B-Pによるブラウンシー島での実験キャンプ。(スカウトの最初のキャンプ)
- 1908年 ハードカバー版『スカウティング・フォア・ボーイズ』刊行。ボーイスカウト英国本部設立。機関紙「ザ・スカウト」の創刊。
- 1909年 スカウト運動がアメリカへ伝わる。(「無名スカウトの善行」)
- 1910年 米国ボーイスカウト連盟が設立。B-Pの妹であるアグネス・ベーデン=パウエルが、ガールガイド(ガールスカウト)を発足。
- 1916年 「The Wolf Cub’s Handbook」出版。ウルフカブ(カブスカウト)はじまる。
- 1918年 ローバースカウトはじまる。
- 1919年 ギルウェル指導者実修所(ギルウェル・パーク)開設。
- 1920年 ロンドンで第1回世界ジャンボリー開催。そこでB-Pが「世界の総長」に選出される。
- 1924年 国際スカウト会議(コペンハーゲン)で「スカウト教育はいかなる宗教の上にも成り立つ」という宗教的普遍性が宣言される。(コペンハーゲン宣言)
- 1990年 第32回世界スカウト会議(パリ)において、「スカウティングにおける成人」(Adults in Scouting) の原理が文章化され、「世界成人資源方針」(アダルトリソーシズ方針、World Adult Resources Policy)が制定された。
- 1999年 第35回世界スカウト会議(南アフリカ・ダーバン)において「スカウト運動における少年少女と男女に関する方針」(Policy on Girls and Boys,Women and Men within The Scout Movement)が発表され、『スカウト運動は(ジェンダーにかかわりなく)すべての若者に開かれたものである』旨が追認された。
世界のスカウト運動[編集]
世界的組織である「世界スカウト機構」(WOSM, World Organization of the Scout Movement)には、155カ国と26地域のスカウト組織が加盟しており、事務局はスイス連邦のジュネーブにある。
2006年現在、世界スカウト機構(WOSM)に加盟している181の国と地域の他、加盟していない35カ国を合わせ、216の国と地域で活動が行われており、参加総人口は2,800万人にのぼる[1]。ボーイスカウト運動がこれほどにまで広がった背景には、ボーイスカウト運動が宗教の多様性、さらには各々の宗教の尊厳を認めていることがあげられる。これにより、イギリス発祥のボーイスカウト運動がアジア、アフリカ、イスラム圏など、世界中に広まっていったと言える。
ボーイスカウト運動の本家ともいえるイギリスでは、4Hクラブ、アウトワード・バウンドと並んで青少年の社会教育活動の三本柱のひとつとされている。
日本では、海洋少年団(主たる活動の場を海上としている)とともに、代表的な青少年の社会教育活動のひとつとして位置付けられている。
旧ソ連下では活動が禁止されていた(代わりにピオネール)が、現在では活動が広く認められている。(なお、ユーラシア地域は旧ソ連諸国のために冷戦崩壊後に設立された)
現在もなお法的に活動を禁止されている国は以下の6カ国。この6カ国以外では、全ての地域においてスカウト活動が展開されている。
ボーイスカウト日本連盟[編集]
ボーイスカウト日本連盟は文部科学省所管の公益法人(財団法人)である。ボーイスカウト日本連盟の英語表記は、Scout Association of Japanである。これにボーイ(boy)がつかないのは、ボーイスカウト日本連盟が全ての部門で女子の加盟登録を認めているからである。世界的にも、正式名称に「ボーイ」を取り入れているのは、イスラム圏の国々を始めごく少数である(→ジェンダーフリーを参照)。 ボーイスカウト日本連盟では、今後日本語の名称についても「ボーイ」という呼称を削除する方向で検討することになっている。
沿革[編集]
- 1908年 日本にボーイスカウト運動が伝わる。
- 1910年 文部省督学官として英国留学から帰国した蒲生保郷が、英国ボーイスカウトに関する書籍を桂太郎首相と小松原英太郎文部大臣に贈呈し、政府に「日本でも少年団活動を検討すべし」との建白書を提出する。
- 1911年
- 1912年4月 世界一周旅行中のB-Pが日本を訪問。グリフィン隊を視察。
- 1913年 東京で小柴博らによって「少年軍」が設立(この“軍”は、いわゆる軍隊ではなく、救世軍を意図したもの。後に「少年団」と改称)。大阪基督教青年会(YMCA)内でジョージ・グリーソン(George Gleason)により「大阪少年義勇隊」が設立。
- 1914年 深尾韶が静岡で「静岡少年団」を創設。
- 1915年11月1日 大正天皇即位大礼の記念事業として、少年に対する社会教育事業の創設の議が有志者の間に起こる。「京都少年義勇軍」の結団式が平安神宮で行われる。
- 1916年 「少年団日本連盟」が発足。初代総長は後藤新平男爵。またこの年、京都少年義勇軍によって日本のボーイスカウトによる初野営(キャンプ)が琵琶湖畔の雄松崎(滋賀県志賀町)で行われる。(現在、同地には『日本ボーイスカウト初野営の地』記念碑が建てられている。)
- 1917年 訪英した二荒芳徳がスカウト本部を訪問。
- 1920年 第1回世界ジャンボリー。
- 1921年 ロンドンにおいて、昭和天皇(当時は皇太子)にB-Pが謁見し、英国ボーイスカウトの最高功労章であるシルバーウルフ章を贈呈する。
- 1922年4月13日 静岡で第1回全国少年団大会が開催され、ボーイスカウト、各地の子供会、宗教少年部、日曜学校少年団などが「少年団日本連盟」に統合される。ボーイスカウト国際連盟に正式加盟。
- 1923年 関東大震災。少年団日本連盟による救援・奉仕活動が行われる。
- 1924年 少年団日本連盟に「海洋部」を創設。福島県で第1回全国野営大会を開催。連盟歌『花は薫るよ』を採用。
- 1925年3月 海洋部が「日本海洋少年団」として分離発足。ちかい(宣誓)とおきて(12項目)を制定。
- 1928年 日本連盟加盟規則の改訂。これにより、連盟に加盟する団体を三つ(ボーイスカウトの宣誓とおきてを採用した諸団体、前項と同様の海洋諸団体、それ以外の団体)に分ける、いわゆる“三部制”がしかれる。
- 1929年 第3回世界ジャンボリーに佐野常羽以下28名が参加。
- 1931年 佐野常羽がB-Pよりシルバーウルフ章を贈られる。(同章を受けた日本人は昭和天皇と佐野の2名のみである。)
- 1932年 "三指礼問題"が勃発。(当時の反米反英世論にのった軍関係者が、「敬礼とは五指であるべきで、英国かぶれの三指礼はやめるべきだ」とボーイスカウトの三指礼を批判・攻撃。同年10月20日の大阪毎日新聞に同趣旨の記事が掲載される。)
- 1935年 少年団日本連盟が「大日本少年団連盟」に改称。
- 1941年 政府の方針により、大日本少年団連盟、大日本青年団、大日本連合女子青年団、帝国少年団協会を解体し「大日本青少年団」に統合。初代団長は文部大臣・橋田邦彦。
- 1942年 大日本青少年団が大政翼賛会の傘下となる。少年団体の統合に反対する旧・日本少年団連盟関係者が「財団法人健志会」を発足。
- 1945年 大日本青少年団が解散し、全団員は「大日本学徒隊」に再編される。
- 1946年 第二次世界大戦が終戦。
- 2月 三島通陽らがボーイスカウトクラブの研究会を開催。
- 12月 民間情報教育局(CIE)が関東におけるボーイスカウト運動の再建を承認。
- 1947年 財団法人健志会を基として「財団法人ボーイスカウト日本連盟」が再発足。初代総長は三島通陽。
- 1949年 全日本ボーイスカウト大会(後の日本ジャンボリー)が皇居前広場で開催。
- 1950年 ボーイスカウト国際連盟に復帰する。那須野営場が開設される。
- 1951年 菊、隼、不二(富士)スカウトが出来る。
- 1952年 カブ、シニアー、ローバーの各プログラムを制定。
- 1956年 第1回日本ジャンボリー開催。(軽井沢)
- 1962年 B-P夫人(オレブ・ベーデン=パウエル)が来日。(訪日は1962年と1966年の二回。1963年には日本政府から勲一等瑞宝章が授与された。)
- 1971年8月 第13回世界ジャンボリーが日本で開催され、富士山麓朝霧高原に87カ国約23000人の青少年が集った。また同年、第23回ボーイスカウト世界会議が東京で開催され、昭和天皇が臨席した。
- 1972年 ボーイスカウト日本連盟創立50周年。沖縄のボーイスカウトが日本連盟へ正式移管される。
- 1973年 第1回日本アグーナリー(国際障害スカウトキャンプ大会)開催。(愛知青少年公園、現在:愛・地球博記念公園)
- 1984年 第1回シニアースカウト大会(日本ベンチャー)開催。(南蔵王山麓)
- 1986年 ビーバー隊を発足。(翌年、「ビーバースカウト」と改称)
- 1988年 12項目あった「おきて」が8項目に整理統合される。
- 1991年 9月15日を「スカウトの日」として制定し、全国的な奉仕活動を展開する日とした。ローバースカウト部門(18歳以上)への女子の参加が認められる。
- 1995年 ビーバー隊から指導者までのすべての部門において、女子の加盟登録が認められる。
- 1996年 財政確立の一手段として、ボーイスカウトカード(クレジットカード)の発行を開始。
構成[編集]
年齢によって
- ビーバースカウト(幼稚園年長児9月 - 小学校2年生9月)
- 活動自体は、幼稚園児・保育園児から小学2年生まで同じ活動をするが、その中でも小学2年生の4月から9月までは、ビッグビーバーとなり、カブスカウトへ上進する準備期間であると共に、年下のビーバー隊のスカウトの面倒もみる。
- カブスカウトよりも幼い児童にもスカウト活動を、との声が広がったことと、カブ隊のスカウト(とその親)に同行して弟もついでにカブに入隊する事が出来ないかという声が多かったこと、また外国でも同様の現象がみられ既にビーバースカウト年齢相当の隊を発足している国がいくつかあったことなどから、この制度が導入された。ビーバースカウト制度はもともとカナダ連盟のもので、それにならい、日本の子どもにも対応できるプログラムを研究して日本で発足させたもの。この制度を日本連盟に採用する際に新たな呼称を作ろうとしたが、日本らしい動物の名称が見つからなかったため、カナダ連盟の“ビーバー”の名をそのまま使うこととなった。
- カブスカウト(小学校2年生9月 - 小学校5年生9月)
- ボーイスカウト(小学校5年生9月 - 中学校3年生9月)
- 班制度と進歩制度という2つの柱によってプログラムがつくられている。班制度では班長と班員という構成で団体行動を学び、進歩制度では個人としての技量を鍛える。ボーイスカウトバッチ、初級、二級、一級と進級し、進歩制度における最高のランクとして設定されているのが菊章(きくしょう)。獲得者は菊スカウトと呼ばれる。その他に、"ターゲットバッジ"、"マスターバッジ"、"技能章"という特定分野への章も設定されている(技能章はベンチャー隊と共通)。
- ベンチャースカウト(中学校3年生9月 - 18歳になる年度の9月(高等学校3年生9月))
- 旧シニアースカウト。旧制度におけるシニアースカウトは、「自主性」という点において充分なプログラムであったとは言えなかったため、ベンチャースカウトへと発展的に解消された。なお、団委員長の許可があれば、20歳になる誕生日までベンチャースカウト隊に留まることが出来る。
- ベンチャースカウトは、ボーイスカウトと異なりプロジェクトに対して自主的な企画・計画、実行、評価・反省、報告が求められている。この一連のサイクルが評価された場合は、プロジェクトアワードが授与される(社会・地球環境、国際文化、高度な野外活動、体力づくり・スポーツ、文化活動、専門分野の探究、奉仕活動の7分野から成る)。
- ボーイスカウトと異なり班制度はないが、進歩制度は存在し、富士章(ふじしょう)がその最高ランクとして設定されている。獲得者は富士スカウトと呼ばれる(以前は富士の前段階として隼章(はやぶさしょう)が設定されていたが、プログラム見直しに伴い廃止された)。その他に、"技能章"という特定分野への章も設定されている(ボーイ隊と共通)。
- ベンチャー隊のベンチャーは、ベンチャー企業に見られるように、チャレンジ精神旺盛な青年が冒険をしている姿をイメージしている。
- ローバースカウト(19歳以上(大学・専門学校1年生以上))
- ローバー隊のローバーには、「さすらう」「漂流する」という意味があり、自己の研さんをする事をイメージしている。B-Pの著書「ローバーリング ツー サクセス」(Rovering to Success、1922)から命名された。
という5つの部門に分かれ、活動を行っている。
ボーイスカウトの少女・女性[編集]
日本のボーイスカウト運動における女性の参加は、カブ隊におけるデンマザーのように、限られた役割を果たしているだけであったが、世界スカウト会議における「スカウティングにおける成人」および「スカウト運動における少年少女と男女に関する方針」を受けて、日本でも女性の指導者と少女のスカウトが誕生した。その背景には、女性の社会進出や男尊女卑の撤廃、女性ならではのソフト面の対応ヘの期待等があげられる。
ガールスカウトは、ボーイスカウトの目標(良き社会人の育成)に加えて、「自立した女性の育成」という目標ももっているため、受け入れの対象は少女のみであり、特に少年に対応したプログラムはもたない。一方、ボーイスカウトは、少女の受け入れをしており、裁縫・料理・介護・応急処置などの、いわゆる女性的なプログラムをもつ。しかし、全ては良き社会人となるためのプログラムであるため、少年だからやらない・少女だからやる、という区別はない。なお、ガールスカウト日本連盟の英語表記は、「Girl Scouts of Japan」であり、ボーイスカウトに「boy」が入らないのに対して、ガールスカウトには「girl」が入る。
ボーイスカウトの団の中には、少女がいる隊には女性のリーダーを必ず配置したり、キャンプ等の際、女子専用のテントを増設したりする等、少女に対して配慮をしている団も存在する。ただし、まだ少女の受け入れをしていない団もあり、それはその団のカラーであり特色であるとして容認されている。
ボーイスカウトとガールスカウト(ガールガイド)はルーツが同じである為、共通する事項も多い。
- モットーはどちらも同じ「そなえよつねに」である。
- 入団式を経た後に初めてスカウトの象徴である「制服」と「ネッカチーフ」の着用を許される。
- 団によってネッカチーフの色やデザインが異なる。
活動[編集]
- キャンプやハイキングなどの戸外活動のほかに、地域への社会奉仕(ボランティア)活動も行なっている。地域の教会、神社、寺院などを拠点に活動が行われている場合もあり、また時にロータリークラブやライオンズクラブなどと共同して社会奉仕活動に参加することもある。このような社会奉仕活動は「目的」なのではなく、青少年育成の「手段」として行われる。9月15日は、「スカウトの日」とされており、ボランティア活動をする団が多い。
- 4年ごとの夏に日本ジャンボリーと呼ばれる2万人規模のボーイ隊の大会が行われる。最近の開催は2006年、場所は石川県珠洲市。次回は2010年、静岡県朝霧高原で行われる。この他、4年ごとにムート(野外活動を中心に討論なども含めた大会)が開催される。最近のものとして2005年8月19-24日にスカウトムート2005が山梨県にある山中野営場で開催された。
- 4年ごとの夏に世界ジャンボリーや、ベンチャースカウトにはベンチャースカウト大会(NV)が開催されるが、生まれ年によってはいずれも参加できない不運なスカウトもいる。
- 障害児にもスカウト運動の門戸は開かれており、障害児専門の団もある。日本アグーナリー(国際障害スカウトキャンプ大会)という、ボーイ隊のジャンボリーに相応する大会も開かれている。
ちかいとおきて[編集]
ボーイスカウトには、その活動の支柱となる三つの誓い(ちかい、en:Scout Promise)と八つの掟(おきて、en:Scout Law)がある。
ちかい/カブ隊の約束/ビーバースカウトの約束は、良き社会人のもつべき信条であり、おきて/カブ隊のさだめ/ビーバー隊のきまりは、より具体的な内容を示している。
カブ隊やビーバー隊の年齢にとっては三つの「ちかい」と八つの「おきて」に理解が難しい部分がある為、歳相応の分かりやすい言葉に噛み砕いたものが「カブ隊の約束/ビーバースカウトの約束」であり、「カブ隊のさだめ/ビーバー隊のきまり」である。
なお、ちかいの部分は世界各国のスカウト連盟においてほぼ差がない。しかし、おきてについては国によって微妙に異なっており、その数も八つとは限らない。
ちかい[編集]
- 私は名誉にかけて次の3条の実行を誓います
おきて[編集]
- スカウトは誠実である
- スカウトは友情にあつい
- スカウトは礼儀正しい
- スカウトは親切である
- スカウトは快活である
- スカウトは質素である
- スカウトは勇敢である
- スカウトは感謝の心を持つ
なお、創立当初よりのおきては12項目あったが1988年に現在の8項目へ整理統合された。以前の 12項目のおきては米国スカウト連盟(en:Boy Scouts of America)が現在も使用しているものに近く、それらは順に「誠実である」「忠節を尽くす」「人の力になる」「友誼に厚い」「礼儀正しい」「親切である」「従順である」「快活である」「質素である」「勇敢である」「純潔である」「つつしみ深い」となっている。
カブ隊の約束[編集]
- 1.僕は(私は)真面目に しっかり やります。
- 1.僕は(私は)カブ隊の さだめを 守ります。
以前は
- 僕は(私は)真面目に しっかり やります。
- カブ隊の さだめを 守ります。
であった。
カブ隊のさだめ[編集]
- カブスカウトは 素直であります。
- カブスカウトは 自分の事をじぶんでします。
- カブスカウトは 互いに助け合います。
- カブスカウトは 幼い者をいたわります。
- カブスカウトは 進んで良い事をします。
ビーバースカウトの約束[編集]
- 僕は(私は)皆と仲良くします。
- 僕は(私は)ビーバー隊のきまりを守ります。
ビーバー隊のきまり[編集]
- ビーバースカウトは元気に遊びます。
- ビーバースカウトは物を大切にします。
- ビーバースカウトは良い事をします。
モットーとスローガン[編集]
スカウトのモットー(規範)は、『そなえよつねに』(備えよ常に、Be Prepared)。
「いつなん時、いかなる場所で、いかなる事が起こった場合でも 善処が出来るように、常々準備を怠ることなかれ」という意味である。
ビーバースカウトのモットーは『なかよし』 カブスカウトのモットーは、『いつも元気』
スローガンは、『日日の善行』(一日一善、Daily Good Turn.または Do a good turn daily.)。
敬礼とサイン[編集]
ボーイ隊以上[編集]
「ちかい」の3項目にちなみ、3本指(人差し指・中指・薬指)だけを伸ばした挙手注目の敬礼が、礼式の一つとして定められている(三指(さんし)の敬礼、三指礼(さんしれい)と呼ばれる)。
この三指の敬礼については、「無名のスカウト戦士(Unknown Soldier。注:無名スカウトの善行(Unknown Scout Story)とは別)」という逸話が残っている。第二次世界大戦末期、戦場で負傷し身動きできなくなった米軍兵士が日本兵と遭遇した。意識を失った彼を日本兵は殺さず、傷の手当てをして立ち去った。米軍兵士の手元に残されていたメモには、「私は君を刺そうとした日本兵だ。君が三指礼をしているのをみて、私も子供の頃、スカウトだったことを思い出した。どうして君を殺せるだろうか。傷には応急処置をしておいた。グッド・ラック。」と英語で記されていた。スカウトだった米軍兵士は、死に瀕して無意識に三指の敬礼をしていたのであった。このエピソードがアメリカ大統領に伝わり、当時の日本の少年団(現在のボーイスカウト日本連盟)に問い合わせがあったが名乗り出る者はいなかった。(この日本兵は戦死したのではないかと言われている。)後に、日本中のスカウトの募金によって、神奈川県横浜市の「こどもの国」にこの無名のスカウト戦士の記念像が建立された。(無名スカウト戦士の記念像の作製の際に作られた木製の原版は、栃木県那須野営場入り口に鎮座してある。)
ちなみにスカウト同士の手紙では、拝啓と同様の扱いとして「三指」を、敬具と同様の扱いとして「弥栄」という字を添え、敬意を相手に伝えることが多い。
カブスカウト[編集]
「カブ隊の約束」にちなみ、2本指(人差し指・中指)だけを離して伸ばし、挙手。2本の指を開きV字にするのは、2本の指を動物の耳と見立てているためである。
ビーバースカウト[編集]
「ビーバー隊の約束」にちなみ、2本指(人差し指・中指)だけをくっ付けて伸ばし、挙手。
祝声[編集]
世界各国のスカウトは自国語の祝声(Cheer、他者を祝賀、賞賛する際や、再会を約して別れる折などに唱和する掛け声のこと。一般に用いられる万歳のようなもの)を持っている。
ボーイスカウト日本連盟の祝声は、弥栄(いやさか)である。
またこの祝声はギルウェル指導者訓練所の祝声としても用いられている。これは、1924年、ギルウェル指導者訓練所の所長であったJ・S・ウィルソンから、その時入所していた13国の指導者全員に、各国のスカウト祝声を披露するようにとの命令があった。このとき日本から参加していた佐野常羽が「弥栄」を披露し、「ますます栄える(More Glorious)」という意味であることを説明したところ、ウィルソン所長は、「発声は日本のものが一番よい。そのうえ哲学が入っているのが良い」と賞賛し、以後、ギルウェル訓練所の祝声を「弥栄」とすることに定められたものである。
組織[編集]
全国組織[編集]
- 理事会
- 常任理事会
- 中央名誉会議
- 委員会
- 評議員会
- 教育本部
- 教育本部コミッショナー
- 教育本部会議
- 常任教育本部会議
- 常設委員会
- 特別委員会
都道府県連盟[編集]
47都道府県にそれぞれ1連盟、計47連盟がある。(なお、「東京連盟」「滋賀連盟」といったように「○○連盟」と名乗る連盟と、「埼玉県連盟」「山口県連盟」といったように「○○県連盟」と名乗る連盟がある。)
地区[編集]
都道府県連盟は、地域の実状により、連盟の運営を円滑にするために「地区」を設置できる。地区は数個~十数個の団から構成される。(例:渋谷地区、大多摩地区など)
団・隊[編集]
青少年に対しスカウト教育を実施する単位を「隊」といい、運営の単位を「団」という(例:三鷹第1団、大阪第161団など)。団は団委員会及びビーバーからローバーまでの各隊をもって標準とする。
- ジャンボリーなどの際に編成される隊は、スカウト8名の班を4つと指導者8名の計40名で構成される。
団は特定の地域を本拠として設置されている(市町村、区、あるいは学区など、本拠としている地域はそれぞれの団によって異なる)。ただし、特定の宗教を本拠としている団や、大学のサークル(大学ローバー)として大学を本拠としている団もある(例:京都第65団は八坂神社、千代田第3団は中央大学を本拠としている)。
ビーバー隊からカブ隊、カブ隊からボーイ隊、ボーイ隊からベンチャー隊、ベンチャー隊からローバー隊に進級することを、上進(じょうしん)という。
班[編集]
スカウト活動の基本にして最小単位は「班」である(カブ隊では「組」と呼称される)。年長の少年あるいは青年を班長とし、彼を含め9名がひとつの班を構成する(これを班制度/パトロール・システムと呼ぶ)。数個の班が集まって隊を、隊が集まって団を形成する。伝統的に各班には動物や鳥の名前がつけられ、決まったものは原則的に変わらない。
団委員会[編集]
団委員は通常5人以上おり、各人に仕事を割り振るため、また団の現状を把握するために団委員会という会議を行う団もある。その際の議長は団委員長がつとめる。スカウトの教育訓練はリーダーが行うため、直接団委員会が携わることはない。しかし、
- 団内の資産の管理
- 団の財政についての責任
- 団行事(夏期野営実施など)についての便宜
- リーダーの選任やリーダーの訓練への便宜
- スカウトの進歩の促進
- 入団・退団・上進・団の加盟登録などの手続き
- スカウトの健康や安全
などについては団委員会がこれを行う。 団によっては、リーダーと団委員を兼任している者もいる。
指導者[編集]
- スカウトの指導者は、一定の講習を受講した者に限られる。
- ボーイスカウト指導者講習会(1日7時間15分が基本):修了者には指導者手帳が交付され、導入訓練修了章(胸章(若草色に銀色の綱))が授与される。
- ウッドバッジ研修所(事前課題研修、及び3泊4日のキャンプ):指導者講習会修了した加盟員に限り受講可能。各都道府県連盟が開設。各部門用のプログラムがある(ビーバー、カブ、ボーイ、ベンチャー、及びローバーの5部門)。修了者には、基礎訓練修了章(胸章(各部門を表す色に銀色の綱))及びウォッグル(皮紐製のチーフリング)が授与される。
- ウッドバッジ実修所(事前課題研修、5泊6日のキャンプ、及び3ヶ月以上の奉仕実績訓練):加盟員で各部門で1年以上の隊長経験があり、ウッドバッジ研修所修了者に限り受講可能。日本連盟が開設。各部門用のプログラムがある(ビーバー、カブ、ボーイ、及びベンチャーの4部門)。修了者には、上級訓練修了章(胸章(各部門を表す色に金色の綱))とウッドバッジ、及びギルウェルスカーフが授与される。
- その他に、成人指導者訓練として団運営研修所、トレーナーコースなどがある。
- ウッドバッジ研修所・ウッドバッジ実修所は、野営と呼ばれる野外でのキャンプを通して行われる。ビーバー部門は自分のことがまだ自分でできないスカウトもいるため基本的にお泊り禁止、カブ部門は舎営と呼ばれる室内でのお泊りが原則であるが、リーダーはスカウトに自然のすばらしさを伝えるために、あえて野営で研修を受ける。
- カブ隊ではリーダー補佐として、指導者講習を終了していない保護者が、デンリーダー(デンマザー、デンダッド)として各組に一人ずつ(場合によっては複数)つくことがある。
- ボーイ隊のスカウトが、デンコーチ(デンチーフ)としてカブ隊につくことがある。これはスカウト活動における奉仕活動の一例である。
- デン(den)とは「動物の巣穴」の意味である。
- ビーバー隊ではリーダー補佐として、指導者講習を終了していない保護者が補助員として隊につくことがある。
- 指導者は無報酬のボランティアである。県連盟や日本連盟には専従の職員がいるがそれは全体のごく僅かで、ボーイスカウトに携わる者のほとんどは無報酬である。
- ローバー隊だった元スカウトがリーダーをする場合とスカウトの親がデンリーダーを経てリーダーになる場合が多い。
- 一般的に、ボーイスカウトやガールスカウトの活動には手がかかり、いわゆる「習い事」と比べて保護者の負担が重い、と勘違いされることが多い。しかし実際は、団委員やリーダーが無償のボランティアとして組織運営を引き受けているため、保護者にかかる負担が著しく重いということはない。
コミッショナー[編集]
日本連盟や各県にはそれぞれコミッショナーがいる。スカウト運動におけるコミッショナーとは、全国や地方の組織において、特定分野を担任して指導にあたる役員のことである。(ただしその任務は各国によって違いがある。)
日本のボーイスカウトにおけるコミッショナーの任務は、スカウト運動の目的・原理・方法といった普遍的なものの周知・普及と、これらに則した適正な判断を行うことであり、スカウト運動の基幹である教育プログラムに関すること、青少年を支援する成人に関することなどの調整・実施・推進等を行うことである。また、このような任務から、コミッショナーは「良き社会人」であり「良き指導者」として模範を示す者でなければならないので、導入訓練として各課程のウッドバッジ実修所修了の他に、各コミッショナーの役割に応じて、コミッショナー研修所、コミッショナー実修所を修了することが必要である。
日本連盟(中央教育本部)には、
- 総コミッショナー(1名)
- 副総コミッショナー(若干名)
- プログラム担当コミッショナー(1名)
- アダルトリソーシス担当コミッショナー(1名)
- 組織・コミュニケーション担当コミッショナー(1名)
- 国際担当コミッショナー(1名)
都道府県連盟には、
- 県連盟コミッショナー(1名)
- 県連盟副コミッショナー(担当任務につき必要数)
地区には、
- 地区コミッショナー(1名)
- 地区副コミッショナー(担当任務につき必要数)
- 団担当コミッショナー(概ね3~5個団につき1名)
がそれぞれおかれている。
各隊の教育指針[編集]
ビーバースカウト隊[編集]
該当年齢の児童を対象とする活動であり、隊の活動に参加することによって自然に親しみ、基本的生活技能や社会性、表現力等を伸ばし、カブスカウト隊への上進を目指す。また、親や学校の先生以外の異年齢の人々と接していく中で、自分が守られる為に他の大人や先輩を信頼し、団体行動を行う上での約束事を身につけて行くことも目標とされている。
カブスカウト隊[編集]
該当年齢の少年を対象とする活動であり、家庭や近隣社会での生活指導及び組や隊の活動に参加することによってよき社会人としての基本を修得し、ボーイスカウト隊への上進を目指す。
ボーイスカウト隊[編集]
該当年齢の少年・少女を対象とする活動であり、班及び隊の活動に参加することによって自分の責務を果たし、野外活動を主とした体験学習を通してよき社会人たる資質の向上を図り、ベンチャースカウト隊への上進を目指す。
ベンチャースカウト隊[編集]
青年男女がスカウト運動の目的を達成するために、ちかいとおきての実践と、グループワークの手法を用いたプログラムを通して自ら考え行動し、その結果に責任を負うことができるよう育てることを目指す。日本連盟においては、中学3年生の8月から18歳(場合によっては20歳の誕生日まで)が所属する。
ローバースカウト隊[編集]
青年男女が各自の生活において、ちかいとおきてをより強力に具現する機会を与えるとともに、自らの有為の生涯を築き、社会に奉仕する精神と体力を養うことを目指す。
制服・正帽[編集]
各スカウトには制服、正帽、チーフ(後述)が存在する。
ボーイスカウトの制服は各国連盟によって異なるが、基本となっているのはB-Pが組織した南アフリカ警察隊の制服(やわらかい襟の上衣、半ズボン、チーフ、つばの広い帽子)。
チーフ[編集]
制服、正帽とともにスカウトの服装の象徴でもあるのがチーフ(ネッカチーフ)である。
チーフは二等辺三角形の布で出来ており、応急処置用の三角巾や埃よけのマスク、風呂敷など多目的に使用することもできる。チーフの色や模様はさまざまで、所属する団によって異なり、同じ団でも隊によって異なる場合もある。また、ジャンボリーなどの特別なイベント時のみに着用するチーフや、海外派遣時に着用するチーフ、各連盟事務局のチーフなどもあり、それらはすべて視覚的にスカウトの所属を表すものである。
日本のスカウトはこれを三角形の長辺から反対側の頂点方向に巻き、両端がとがった棒状にして用いる。(海外のスカウトでは太くざっくりと巻くスタイルのものもあるが、日本では細く巻くスタイルが好まれている。チーフを極細に巻く事が出来る者は、同じ団や班の仲間からちょっと尊敬されるので、どれだけ細く巻けるか仲間同士で競うこともある。)これを首にかけ、両端をチーフリングと呼ばれる小さな輪状の器具に通す。チーフリングを胸の前(鎖骨の合わせ目辺り)まで引き上げ、チーフを留める。海外ではチーフリングを用いずチーフを直接結ぶスカウトも多くいるが、日本ではほとんどの場合チーフリングが使用され、チーフリングを使わずに直接結ぶという方法はたいていの場合、だらしないものとみなされる。
チーフリングには一応正式なものが定められているが、装飾や記念品としての価値もあり、ジャンボリーやさまざまな行事に合わせて、特殊なデザインのものが作られている。また、個人の趣味・余技として自作されることもあり、ジャンボリーなどで他のスカウトと友情の印として交換されることもある。正式なものは真鍮などの安価な金属製であるが、チーフリングの作成に用いられる材料は、木材、皮革、牛などの動物の骨、細紐、ビニールやプラスチック、中には陶器製の物まであり、多種多様である。なお、チーフリングはその形状・材質によって外れやすいものもあるため、脱落防止に紐や脱落しにくいリングをもう一つ付ける場合もある。
「日日の善行」を忘れないために、チーフの先端に一つ結び目を作り、何か善行をしたらそれを解く、ということもよく行われる。B-Pの肖像写真にもチーフの先端を結んだものが残っている。
ビーバースカウト[編集]
- 水色のキャップ
- 正面に水色の「ビーバー記章」をつける。
- 水色のポケットがついた茶色のベスト
- 左ポケットに進級章(ビーバー・ビッグビーバー)と進歩記章(小枝章)をつける。
- 右胸に自分の所属する団の所在市町村、都道府県、団号数をつける。
- ベストの中には、冬場のトレーナーと夏場の半そでTシャツ。(ただしこれは、団によって柔軟に運用され、私服がOKの団もある。)
- 茶色の半ズボン。
- 水色のソックス。
- 水色のチーフをチーフリングで留める。
- 団によっては、なるべくお金をかけない(「ボーイスカウトは質素である」)、子どもによってはビーバー隊にいる期間が短いなどの理由から、先輩が残してくれた制服を貸与している団もある。
- 2004年(平成16年)から2007年(平成19年)の期間は、世界スカウト運動100周年を記念して、上着の左胸に100周年記念標章(世界共通デザインの記念標章)を付ける。(カブスカウト以上は左ポケット上部に装着する。)
カブスカウト[編集]
- 青(紺色)を基調にした制服
- 左袖の肩に近い位置に自分の所属する団の所在市町村、都道府県、団号数を付け、右袖の肩に近い位置に組を示す逆三角形の記章を付ける。
- 左胸ポケットには進級章(うさぎ・しか・くま)を付ける。
- ズボンは同色の半ズボンもしくは長ズボン。
- 青(紺色)を基調にしたキャップ。
- 正面に黄色い四角形の徽章を縫い付ける。デザインは熊の顔。
- 青(紺色)を基調にしたソックスと黄色のガーター(靴下止め)。
- 細く巻いたチーフを首にかけ、チーフリングで留める。
ボーイスカウト[編集]
- カーキ色(薄茶色)を基調にした制服。上着の胸ポケットとズボンのポケットに緑色の縁取りがある。
- 緑色のベレー帽。帽章(金色のスカウト章)を左目の上部につける。
- 以前はフェルトのスポーティーソフト帽が制帽であった。ベレー帽は副帽として使用され、紺色が主流であった。
- 細く巻いたチーフを首にかけ、チーフリングで留める。
- 右袖に技能章をつけ、「たすき」(右肩から左脇にかける)にターゲットバッジ(旧・特修章)をつける。
- 海外派遣隊参加の際は、右胸ポケット上部に国旗標章(日の丸)をつける。
- 左ポケットの上に名前を縫い付けたり、名前のバッジを付ける人もいる。
ベンチャースカウト[編集]
- カーキ色(薄茶色)を基調にした制服。ズボンのポケットの形状はボーイスカウトの制服とは違い縦にまっすぐ口が開いており、緑色の縁取りはない。
- 左袖の肩に近い位置に自分の所属する団の所在市町村、都道府県、団号数を付け、右袖の肩に近い位置にベンチャー隊所属章及び進歩記章(技能章)を付ける。
- 左胸ポケットには進級章(ベンチャーバッジ・ベンチャー・富士)と進歩記章(プロジェクトアワード)を付ける。ちなみに、富士章は進級章の中でも最も名誉とされ、取得は困難である。また、旧進歩制度(シニアースカウト)での富士スカウト章取得者は、ローバースカウト上進後も略章を着用することが認められている。
- ズボンについては、以前は半ズボンとハイソックス、紺色のタッセル付きガーターというスタイルであったが、現在は長ズボンが制服とされている。
- 緑色のベレー帽。帽章(銀色のスカウト章)を左目の上部の位置につける。
- 細く巻いたチーフを首にかけ、チーフリングで留める。
ローバースカウト・指導者[編集]
- カーキ色(薄茶色)を基調にした制服。
- 左袖の肩に近い位置に自分の所属する団の所在市町村名、都道府県名、団号数を付ける。指導者は役職に応じた腕章(団・隊指導者は緑色、地区役員は紺色、都道府県連盟役員は水色、日本連盟役員は赤色の円形。都道府県連盟事務職員は青色のひし形。)を左袖につける。
- ローバースカウトは隊で指定した所属章を右袖につけてもよい。指導者は右袖には何もつけない。
- ズボンについて現在は上着と同色の長ズボンとしている。以前は半ズボンとハイソックス、ローバースカウトは赤色、指導者は緑色のタッセル付きガーターというスタイルであった。
- 緑色のベレー帽。帽章(金色の一重ロープ付スカウト章)を左目の上部の位置につける。
- 隊長・副長・団委員・連盟役員は、“月桂冠に抱えられたスカウト章”の一回り大きな帽章をつける。隊長は緑色、副長は赤色、団委員長・副団委員長は白色、コミッショナーは紫色のふさが付く。
- 細く巻いたチーフを首にかけ、チーフリングで留める。チーフの代りにネクタイを着用することもできる。
- ベルトには、伝令バッグと呼ばれる小さなバッグを装着することもある。
- 女性のスカウト・指導者はスカートを着用することができる。
携行品[編集]
ボーイ隊以上の携行品[編集]
標準的な携行品は以下のようなもの。
- ナイフ(小刀やカッターナイフではなく、登山ナイフに類するもの)
- 綿ロープ
- 手旗信号用の赤白の旗
- 雨具(野外活動においては傘よりも、両手が自由に使えるポンチョや合羽などが良いとされる)
- コンパス(方位磁石、オリエンテーリング用のシルバコンパスなど)
- 応急処置用の救急キット
- 軍手
- スカウト手帳と歌集
- 地面に座る際に下に敷くためのシート類(厚手のビニール袋に新聞紙等を入れて座布団状に密封したものも良く用いられ、シーターポン(英語のsit uponから)と呼ばれる。)
- 弁当(おにぎり。スカウト弁当、略してスカ弁・カブ弁という呼ばれ方をすることもある。スカウトのおきて「スカウトは快活である」「スカウトは質素である」が根拠であり、ゴージャスな弁当ではなく、おにぎり(中身は梅干)が基本である。)
- マグライトや懐中電灯などの照明器具(中長期のキャンプにおいてはランタンなどを携行することもある)
制服・制帽と同様に日本連盟公式のハバーザック(Havasack、手提げ・襷掛け・背負いが出来る多機能鞄。米軍でもかつて同種の物が使用されていた)がある。色はモスグリーンで、垂れ蓋には日本連盟のマークが印刷されている。普段の活動あるいは1泊程度までのキャンプなどに重宝される。
数日以上の長期間にわたるキャンプなどでは、これとは別に、衣類や寝袋、食材、調理用具、野営用具などを運搬するためにキスリングやアタックザックなどの大型リュックサック(通常のキャンプへの参加では45L以上、ジャパンジャンボリーへの参加では50L以上)が用いられる。
ボーイ隊は長期キャンプなどを行うことが多くなるため、隊装備という隊員が共有する装備を各隊で所有している。
カブ隊の携行品[編集]
- カブブック(学年により、りすの道・うさぎ・しか・くまの4冊がある。)
- チャレンジブック
- カブ歌集
- 筆記用具
- タオル・ちり紙
- ゴミ袋(スーパーのレジ袋)
- 雨具
- 敷物(シーターポンまたはレジャーシート)
- 軍手
- ロープ
- 保険証のコピー
- 水筒(水または茶)
上記のような物品を携行するために用いるものとして、カブザック(日本連盟公認の黄色と黒のリュック)を統一して用いる団と、これらが収納できるリュックであれば自由な団がある。
ビーバー隊の携行品[編集]
まだ幼くカブ隊以上よりも活動内容が限られる為、携行品が多少違ってくる。
- ビーバーノート
- ビーバー歌集
- レジャーシートまたはシーターポン
- 雨具
- ハンカチ
- ティッシュ
- 茶または水(ボーイスカウトでは、活動中に怪我をし近くに水がない場合、飲料として持参した茶や水で傷口を洗い流したりする時があるため、スポーツ飲料やジュースより、茶や水が良いとされている)
これらの物を子ども用のリュック(両手が開く為)に入れ、活動をする。
進歩記章[編集]
技能章[編集]
ベンチャースカウト及び2級以上のボーイスカウトが取得できる選択課目である。日本における技能章の種類は以下の68種類。取得した技能章は制服右袖に着用し、7個以上になるとたすきに着用できる。
野営・野営管理・炊事・救急・案内・エネルギー・介護・看護・手話・世界友情・通訳・点字・園芸・演劇・音楽・絵画・華道・書道・水泳・竹細工・伝統芸能・文化財保護・木工・安全・沿岸視察・家庭修理・環境衛生・コンピュータ・裁縫・搾乳・自動車・事務・珠算・消防・信号・森林愛護・洗濯・測量・測候・鳥類保護・釣り・溺者救助・電気・天文・土壌・農機具・農業経営・簿記・無線通信・有線通信・養鶏・養豚・ラジオ・わら工・アーチェリー・オリエンテーリング・カヌー・自転車・スキー・スケート・漕艇・登山・馬事・パワーボート・ヨット・武道武術
ターゲットバッジ[編集]
ボーイスカウトが取得できる選択課目である。種類は次の7分野53種類。取得したバッジはたすきに着用する。各バッジには6つの項目が課されており、うち3つを修得した時点で該当するターゲットバッジを取得でき、残りの3つの項目も修了するとマスターバッジを取得できる。
- A)スカウト精神
- メンバーシップ、家庭、地域社会、公民、郷土文化、世界友情、地球市民、B-P、リーダーシップ
- B)健康と発達
- 健康、安全、水泳、運動能力、救護、クラブ活動、外国語、情報処理、マネジメント
- C)スカウト技能 ハイキング
- ハイキング企画、読図、記録、写真、自転車、オリエンテーリング
- D)スカウト技能 追跡
- 観察、計測、通信、森林、野生生物、気象観測、天体宇宙
- E)スカウト技能 キャンピング
- キャンプ企画、野外料理、キャンプクラフト、燃料、ロープ結び、たき火、キャンプマネジメント
- F)スカウト技能 冒険
- 食料、キャンプファイア、サバイバル、フィッシング、パイオニアリング、ウォーターアドベンチャー、スカウトソング
- G)社会生活
- 自然愛護、デンコーチ、近隣奉仕、環境保護、伝統工芸、防災、リサイクル、ガイド
チャレンジ章[編集]
カブスカウトが取得する選択課目である。種類は次の5分野39種類。取得した章は制服右袖に着用し、7個以上になるとたすきに着用できる。
- 1)社会生活
- 国際、市民、友情、動物愛護、案内、自然保護、手伝い、災害救助員
- 2)自然と野外活動
- 天文学者、自然観察官、ハイカー、キャンパー、地質学者、気象学者、探検家
- 3)技術
- 写真博士、コンピュータ博士、自転車博士、工作博士、通信博士、修理博士、乗り物博士、技術博士、救急博士、特技博士
- 4)スポーツ
- 水泳選手、運動選手、チームスポーツ選手、スキー選手、アイススケート選手
- 5)文化・趣味
- 収集家、画家、音楽家、料理家、フィッシャーマン、旅行家、園芸家、演劇家、マジシャン
木の葉章・小枝章[編集]
ビーバースカウトが取得する。生活・健康・自然・社会・表現の5つの分野に分かれており、毎回の集会でこのうちの1つまたは複数の分野の章がもらえる。取得した木の葉章はビーバーノートに貼り付け、木の葉章10枚で小枝章1個を取得する。取得した小枝章は制服のポケットに着用する。
ガールスカウトとの連携[編集]
ガールスカウトとは兄妹関係になるため、常に連携を図っている。赤い羽根共同募金など、地元のガールスカウトとボーイスカウトが協力して、同じ活動をすることもある。
子育て支援[編集]
- 日本の少子化進行に対する子育て支援のため、独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センターの子どもゆめ基金を利用し、団員以外の一般の少年少女のための企画を実施している団もある。また障害児専門の団も存在する。
- 指導者入門向けの指導者講習会は、もともと文字通りスカウト活動のリーダーを養成するためのものであるが、これをスカウトの保護者にも開放し、スカウトの保護者の気持ちが楽になり、肩の荷が下りるような講習会になるようにも工夫されている。
- ビーバー隊保護者会、カブ隊保護者会というように、各隊の保護者会が逐次開かれる。保護者会では、スカウトの円滑な活動を助けるためにリーダーからの情報伝達や保護者間の情報交換が行われる。(それぞれの団によって「母の会」や「父の会」など、その名称は異なることがある。)
- ビーバースカウトの場合、日常の活動およびキャンプなど宿泊を伴う訓練は、保護者と一緒に行動する事になる。勿論、どうしてもリーダーの手が回らない場合があるからという理由もあるが、最大の理由は、親子で共に想い出を共有して欲しい、という配慮からである。
- 日本では、年長9月からビーバー隊に入団できるのが原則である。しかしこれは比較的柔軟に対応されており、幼稚園年少の年齢になっていれば入団できる団もある。この場合、「トイレに行きたい」、「おなかが痛い」など、子どもがリーダーに対して直接に自分の生理的欲求を伝えられるかどうかが、判断の目安となっている。この場合、スカウトは日本連盟・県連盟には登録されないが、団には登録されるため、必要経費(月会費や実費)はスカウト保護者が団に支払うこととなる。
- スカウトの保護者は、スカウトの登録や継続のために、日本連盟に対して登録料を、スカウトが所属する団に対して育成会費(月々の会費)を支払う。これ以外に、活動に必要な実費(様々な施設への入場料、個人の交通費など)や、諸経費(団集会、例えばキャンプやスキーキャンプなどの費用)が必要である。育成会費や実費・諸経費について、保護者の被る経済的負担を軽減するために、団の所属する地域(スカウトハウスの所在地である場合も多い)でのバザーやお祭りへ出店し、その収益金を団運営に当てている団もある。
ボーイスカウト豆知識[編集]
- ボーイスカウト日本連盟の連盟歌である『花は薫るよ』は、作詞が葛原しげる、作曲が山田耕筰によるものである。
- 後藤新平がスカウト運動の本質について問われたときに残した言葉は、「人の御世話にならぬ樣。人の御世話をする樣に。そして酬いをもとめぬ樣。」であった。世に知られているこの言葉には細部が異なるものがいくつかあるが、それらについては本項ノート参照のこと。
- ボーイ隊の「菊章」とベンチャー隊の「富士章」は、名誉の称号である。
- 米国ボーイスカウト連盟の最高功労賞であるシルバーバッファロー章の第1号の受賞者はB-P。第2号はそれと同時に「無名スカウト(無名スカウトの善行)」に授与された。
- ボーイスカウトのイメージの商業的な利用は禁止されているが、CFやCMに利用を希望する場合は、所定の手続きを経て認められる場合がある(詳細は日本連盟事務局に問い合わせられたい)。
- ロバート・ベーデン=パウエル卿の生誕を祝う為、多くの団や地区では、彼の誕生日である2月22日に近い活動日に「B-P祭」という団集会を行う慣例がある。
- 友達を多くボーイスカウトに誘うと、三指の形をした金色のバッジが貰える。このバッジを所有しているスカウトは全国でも少なく、その存在を知らないスカウトも多い。
ボーイスカウト=薩摩郷中起源説[編集]
『B-Pは薩摩藩の伝統的な子弟教育法である郷中(ごうじゅう/ごじゅう)にならってボーイスカウトを創設した』という説があるが、これは誤り(というより単なる俗説)である。
1908年、英国ボーイスカウトを視察した北条時敬が、ボーイスカウトと郷中の類似性に言及している。また深尾韶が1915年に書いた「少年軍団教範」のなかにも同様の記述がある。ここまでは「類似の指摘」である。
1924年、日本連盟の総裁であった後藤新平と同副理事長の三島通陽が少年団普及のために鹿児島県知事と鹿児島市長らと会見し、その折に郷中に関する聞き取り調査を行った。ここから「起源説」が喧伝されるようになる。
訪英してロバート・ベーデン・パウエル卿に直接、本件を確認した勝矢剣太郎(勝矢劔太郎)の著書『欧州のスカウト行脚』(1928、成輝堂書房)によれば、『いづれと云ふ程の確たるものがなく、只日本に負ふ処頗る多い』つまり「(ボーイスカウト運動が)日本の武士道に負う所は多いが、どこの藩のなにというような確たるものはない」(意訳)との回答であったとのこと。またB-Pの全著書35冊の中に、「武士道」についての言及はあるが、「薩摩」「郷中」という語は見出されない。(参考資料:「ボーイスカウト 二〇世紀青少年運動の原型」田中治彦)
また、会津藩の什や白虎隊がボーイスカウトの起源とする同様の俗説もあるが、これも誤りである。
ボーイスカウトで学べること[編集]
- 他人を見下すこと
- 悪口を言うこと
- 善良な人の心を傷つけること
- 責任逃れ
- 他人に責任を押し付けること
- 他人を体良く利用すること
- 自分の体面だけは取り繕うこと
- 綺麗ごとを言うこと
- 偽善行為を働くこと
- 表面上だけは礼儀を守ること
- 金に汚いこと
- 時間を守ること
- 約束を破ること
- わがままを言うこと
- 感情的になること
- 世の中、立ち回りや口のうまさ、コネが全てだということ
- 真面目に努力するのはバカらしいということ
- 正直に生きるのはバカだけということ
- 社会のために働くのはバカだけということ
- 何を言っても責任は取る必要はないということ
- 取るハメになりそうになったら無関係の他人に押し付けて逃げる、もしくは道連れにして自分の罪を軽減すればいいということ
- 人をどれほど侮辱・中傷・罵倒しても罪には問われないということ
- 何が正しいかなどどうでもよく周囲の人間の言うことが正しいとされるいうこと(そして大きな間違いを犯す)
- 結局のところ、うるさい人間が勝つということ
- 人の話を封殺すること
- 教養なんぞ無い方がいい、ということ
- 民主主義は多数決だ、ということ(日本人にありがちな勘違い)[2]
- 自分の発言は他人の責任がとるべきだ、ということ。なぜなら自分にそう言わせたのは他人だから。
- 他人や他人の業績は必ずけなすこと。
- 逆にほめることはしてはならない。そんな事をすればそいつは自信をつけてしまい、自分の言う事を聞かなくなるから。やる気をなくそうがうつ病になろうが、むしろ好都合というものである。
関連人物[編集]
- 後藤新平:日本連盟の初代総長。東京市(現在の東京都)第7代市長
- 斎藤実:内閣総理大臣。日本連盟の第2代総長。
- 佐野常羽:日本の指導者育成を確立した。日本初のギルウェル入所者。1931年英国ボーイスカウト連盟の功労賞(シルバーウルフ賞)受賞者。
- 昭和天皇:1921年当時皇太子時代に英国ボーイスカウト連盟の功労賞(シルバーウルフ賞)を受賞。
- ロバート・ベーデン=パウエル卿:通称、B-P。ボーイスカウト創始者。
- ノーマン・ロックウェル:ボーイスカウトの絵画を多数描いた画家。数少ない米国ボーイスカウト連盟の功労賞(シルバーバッファロー章)受賞者の一人である。
記念碑など(日本国内)[編集]
- ウルフ・カブ記念碑
- 兵庫県神戸市須磨区・須磨浦公園
- 1923年(大12)12月、日本人の手による日本初のウルフ・カブが発隊(須磨向上会ウルフ・カブ)したことを記念したもの。兵庫連盟30周年記念事業の一環で、1980年(昭55)7月20日に除幕された。カブスカウトがスカウトサインをして空を見上げている姿をかたどっている。
- 後藤新平記念館:岩手県奥州市水沢区
- 「自治三訣」の碑や、スカウト帽をかぶった新平の胸像などがある。
- 佐野記念碑(道心堅固の碑)
- 山中野営場佐野広場
- 川越の「自由の鐘」
- 埼玉県川越市・喜多院
- 1951年(昭26)4月8日、川越市の喜多院境内で、在日米国ボーイスカウト第3隊グランドハイツ(朝霞)と川越ボーイスカウト隊による日米ボーイスカウト交歓キャンプが開催された。これを記念して米国側からは「自由の鐘」、川越側からは刺繍の隊旗が互いに寄贈された。この「自由の鐘」にはアメリカボーイスカウト連盟(BSA)のマークが、添えられたプレートにはこの鐘の由来が綴られており、現在は川越市民会館脇に建てられている。
ボーイスカウト出身の著名人[編集]
日本[編集]
- 飯田覚士:プロボクサー、愛知県大府2団
- 石井竜也:歌手、俳優、映画監督、芸術家、北茨城1団
- 伊藤公介 :政治家現衆議院議員、現ボーイスカウト町田地区育成会1号会員
- 奥田瑛二:俳優
- 恩田快人(元JUDY AND MARY):ミュージシャン
- 金田賢一:俳優、現渋谷5団団委員
- 川島亮:東京ヤクルトスワローズ投手
- 吉川晃司:歌手、俳優
- 蔵間龍也:元関脇、タレント
- 久留島武彦:児童文学作家。「日本のアンデルセン」と賞される、童謡『夕焼け小焼け』の作詞者
- 清水アキラ:タレント
- 杉山清貴:ミュージシャン
- 辰巳琢朗:俳優
- チャック・ウイルソン:タレント
- 寺門ジモン(ダチョウ倶楽部):芸人
- 中村正人(DREAMS COME TRUE):ミュージシャン
- 長野博(V6):歌手、タレント、俳優
- 野口聡一:宇宙飛行士、茅ヶ崎2団ビーバー隊副長
- 野々村真:タレント
- 橋本大二郎:高知県知事、ボーイスカウト高知県連盟連盟長
- 橋本龍太郎:元首相
- 服部信明:茅ヶ崎市長、茅ヶ崎2団
- 馬渕澄夫:民主党衆議院議員奈良12団 団委員
- 服部幸應:服部料理専門学校校長 、服部栄養専門学校校長
- 樋口康雄:作曲家
- 氷室京介(元BOØWY):ミュージシャン、高崎18団
- 布施明:歌手
- マイク真木:俳優、港第1団カブ隊。ビーバー隊の歌集にはマイク真木作詞作曲による「キャンプだホイ」が収録されている。息子は俳優の真木蔵人
- 前田亘輝(TUBE):ミュージシャン
- 真喜志好一:建築家
- 増岡浩:ラリードライバー
- 村野武範:俳優
- 与謝野馨:政治家、旧東京4団
- 雷句誠:漫画家(「金色のガッシュ!!」)
- 渡辺裕之:俳優
- 須賀原洋行:漫画家(「よしえサン」)
- 金剛地武志:エアギタリスト、横浜31団ボーイ隊元隊長
- 宮川大輔:お笑いタレント
- ゾッド星島:元聖飢魔II、初代ベーシスト
海外[編集]
- ムハマド・ユヌス:バングラデシュのノーベル平和賞受賞者
- ジェフリー・アーチャー:イギリスのベストセラー作家
- ニール・アームストロング:NASAの宇宙飛行士。アポロ11号搭乗員。人類初の月面着陸に成功した。
- ハンク・アーロン:メジャーリーガー、元ホームラン王:シルバーバッファロー賞受賞者
- デイビッド・アッテンボロー:英国の動物学者。元BBCのプロデューサーで、ドキュメンタリー番組「アッテンボロー鳥の世界」で有名
- リチャード・ディーン・アンダーソン:俳優。「冒険野郎マクガイバー」の主演、「スターゲイトSG-1」のレギュラー
- ジャック・イーラム:西部劇俳優
- ブルース・ウィリス:俳優
- エルジェ:ベルギーの漫画家、「タンタンの冒険旅行」の作者
- エリソン・オニヅカ:(Ellison Onizuka、1946年 - 1986年):ハワイ島コナ生まれの日系4世。NASAの宇宙飛行士。スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故で死亡
- リチャード・ギア:俳優
- ウィリアム・J・クリントン:第42代アメリカ合衆国大統領(妻のヒラリー・クリントンもガールスカウトであった)
- ジョン・グレン:NASAの宇宙飛行士。マーキュリー6号で人類初の地球周回を果たす
- ビル・ゲイツ:マイクロソフト社の創業者の一人
- ジョン・F・ケネディ:第35代アメリカ合衆国大統領
- アルベルト・サラザール:アスリート。ニューヨーク・シティーマラソンで三度優勝
- ブルース・ジェンナー:モントリオールオリンピック金メダリスト(デカスロン)
- ダン・ジャンセン:リレハンメルオリンピック金メダリスト(スピードスケート)
- ボーイ・ジョージ(カルチャー・クラブ):歌手
- マイケル・ジョーダン:バスケットボール選手
- ジェームズ・ステュアート (俳優):俳優:シルバーバッファロー賞受賞者
- マーク・スピッツ:ミュンヘンオリンピック金メダリスト(水泳)
- スティーヴン・スピルバーグ:映画監督、ボーイスカウトの活動で撮った8mm映画が処女作
- ジョージ・ソログッド(George Thorogood):歌手
- デヴィッド・ハートマン:俳優、情報番組「Good Morning America」(米ABC)のホスト
- チャールズ・バーバー(Charles F. Barber):アサルコ社(Asarco/American Smelting and Refining Co.、ニューヨークに本社を置く世界有数の非鉄金属企業)のCEO
- ジミー・バフェット(Jimmy Buffett):カントリー・ミュージシャン
- テッド・バンディ:悪名高いシリアルキラー(連続殺人犯)
- デビッド・ベッカム:サッカー選手
- ハリソン・フォード:俳優
- ヘンリー・フォンダ:俳優
- ポール・マッカートニー:歌手
- ブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis):ジャズ・ミュージシャン
- マイケル・ムーア:ジャーナリスト、映画監督
- ピーター・ユベロス:ロサンゼルスオリンピックの大会委員長
- リチャード・ラウンドトゥリー:俳優。「黒いジャガー」シリーズの主演
- ノーラン・ライアン:メジャーリーガー
- トミー・ラソーダ:メジャーリーガー
- エディ・ラビット(Eddie Rabbit):カントリー&ウェスタンの歌手
- キース・リチャーズ:ローリング・ストーンズのギタリスト
- ジョン・リッター:俳優
- ロナルド・W・レーガン:シルバービーバー賞受賞者:第40代アメリカ合衆国大統領、俳優(妻のナンシー・レーガンもガールスカウトだった)
ボーイスカウトに関連する作品[編集]
- 小説「ジャングルブック」:(著:ラドヤード・キップリング)
- 小説「それゆけ、ジーヴズ」(P・G・ウッドハウス)
- 「神のごとき」と賞賛される執事ジーヴズと、ちょっと間の抜けたご主人バーティーのコンビが主人公の連作ユーモア小説。バーティーのいとこ、エドウィン少年がボーイスカウトである。エドウィンは「一日一善」のネタを四六時中探しているが、はた迷惑な行為ばかりしでかすため、家庭内の評価は著しく低い。
- SF小説「銀河パトロール隊」(レンズマンシリーズの第1作。著:E・E・スミス)
- 主人公の計略にひっかかり、銀河パトロール隊と出くわす羽目になった宇宙海賊の台詞にボーイスカウトが登場する。遥かな未来でもスカウトは活動しているらしい。
- 映画「スミス都へ行く」Mr. Smith Goes to Washington (1939、米)
- 監督:フランク・キャプラ、出演:ジェームズ・ステュアート (俳優)
- 主人公スミスは田舎のボーイスカウトのリーダー。死亡した上院議員の代わりに、政界に担ぎ出される。スミスはそこで政治の腐敗と単身対決することになる。
- 映画「歌声は青空高く」Follow Me, Boys! (1966、米)
- 監督:ノーマン・トーカー、主演:フレッド・マクマレイ
- 原作はマッキンレー・カンターの小説。少年達の悪戯に悩まされる町のボーイスカウトのリーダーになった男の半生を描く。
- 映画「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」(1968、日本)
- 映画「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」(1989、米)
- 監督:スティーヴン・スピルバーグ、主演:ハリソン・フォード、ショーン・コネリー
- 少年時代の主人公(リバー・フェニックス)がボーイスカウト活動をしている様子が冒頭に登場する。
- 映画「ラスト・ボーイスカウト」The Last Boy Scout(1991、米)
- 映画「今そこにある危機」Present and Clear danger(1994、米)
- 監督:フィリップ・ノイス、主演:ハリソン・フォード
- 同様に主人公ジャック・ライアンへの”公明正大”(しかし融通が利かない)な性格の形容として、「彼はボーイスカウト」との表現が使われている。
- 映画「エアフォース・ワン」Air Force One(1997、米)
- 監督:ウォルフガング・ペーターゼン、主演:ハリソン・フォード
- 直接関係はないが、“大統領”を表すコードネームに“ボーイスカウト”が使われている。
- 映画「Down and Derby」 (2005、米、日本未公開) :ファミリーコメディー映画。
- 監督・脚本:エリック・ヘンダーショット、出演:グレッグ・ジャーマン、ローレン・ホリー、ノリユキ・パット・モリタ
- 米国スカウト連盟の恒例行事パインウッドダービー(玩具の車レース)に熱中する父親を巡る家族のドタバタを描いたコメディ。主人公の息子たちがカブスカウトで、カブ隊の制服姿で登場する。
- テレビドラマ「TAKEN」(en:Taken)
- 劇中にスカウトモットーである「Be prepared(そなえよつねに)」の語が何度か用いられている。
- テレビアニメ「おらぁグズラだど」
- 「おらぁボーイスカウトだど」の回で、グズラが主人公の凡太が所属するボーイスカウトに入りたくて一騒動起こす。
- テレビアニメ「クレヨンしんちゃん」
- 「おらボーイスカウトに入ったぞ」の回で、主人公しんのすけがビーバー見習いとしてカザマ君やネネちゃん達と仮入隊し、野性的な能力を発揮して隊長達を唸らせる。
- スヌーピー
- 作中にしばしばスカウト姿のスヌーピーが登場する。
- ドルーピー
- テックス・エイヴリー(テックス・アヴェリー、en:Tex Avery)作成の短編カートゥーンの著名な主人公である犬。1951年5月5日公開の「最優秀ボーイスカウト」(Droopy's Good Deed)という作品がある。(トムとジェリーの項も参照)
関連事項[編集]
参考文献[編集]
- 「ベーデン・パウエル 英雄の2つの生涯」(著:ウィリアム・ヒルコート、監修:根岸眞太郎、監訳:安齋忠恭、産調出版)
- 「疾走のメトロポリス - 速度の都市,メディアの都市」(著:永瀬唯、INAX叢書)
- 「ボーイスカウト 二〇世紀青少年運動の原型」(著:田中治彦、中公新書)
- 「少年団の歴史 - 戦前のボーイスカウト・学校少年団」(著:上平泰博、田中治彦、中島純、萌文社)
- 「スカウティング・フォア・ボーイズ」(著:ロバート・ベーデン・パウエル、ボーイスカウト日本連盟)
- 「ローバーリング・ツー・サクセス」(著:ロバート・ベーデン・パウエル、ボーイスカウト日本連盟)
- 「ボーイスカウト - スカウトハンドブック」(ボーイスカウト日本連盟)
出典・脚注[編集]
- ↑ Census (Facts & Figures) - World Organization of the Scout Movement
- ↑ 当然ながら貴族制や王制の国家でも多数決は行われる。民主主義とは全ての市民が国家の主権者である、すなわち多数意見も少数意見も尊重することに意味があるのだが・・・。一部の人間によって物事が決められるというのでは、独裁国家と変わらない。が、ボーイスカウトの人間にはこれが分からないらしい。
外部リンク[編集]
- World Organization of the Scout Movement(世界スカウト機構)
- ユースチャンネル -ユーススカウトのためのポータルサイト-
- ボーイスカウト日本連盟(英語版Wikipedia):en:Scout Association of Japan
- ガールスカウト日本連盟(英語版Wikipedia):en:Girl Scouts of Japan
- WOSMアジア太平洋セクション(英語版Wikipedia):en:WOSM-Asia-Pacific Region
- WAGGGSアジア太平洋セクション(英語版Wikipedia):en:WAGGGS-Asia Pacific Region
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