UGA (カラオケ)
UGA(ウガ、Ultra Gorgeous Audio system)は、エクシングが運用する通信カラオケ機器、および通信カラオケ機種のブランドである。
運営会社の変更
かつてはBMBが運営していたが、2009年10月末に当時の親会社であるUSENとJOYSOUNDを運営するエクシングとの間でBMBの全株式をエクシングに譲渡する株式譲渡契約を締結、2010年1月20日エクシングへの株式譲渡が完了した。譲渡時の方針では、UGAについては当面の間従来どおりBMBが運営する予定であったが、2010年7月1日付でBMBがエクシングに吸収合併され解散、エクシングに移管された[1][2]。
エクシングに移管されて以降、同社は2012年6月にJOYSOUND f1(ジョイサウンドエフワン:JS-F1)を皮切りにUGAの曲の一部に対応したJOYSOUNDの新機種[注 1]を発表していったが、UGAの機種はBMB時代に発表されたU→(ウガネクスト/uga next)系を最後に発表されないまま、U+(ウガプラス/uga plus)以前の機種向けの2018年3月に新曲の配信が終了、U→(ウガネクスト/uga next)についても2024年3月末をもって新曲配信の終了が、また同年10月末をもってサービス終了が予定されている。2023年9月現在、公式サイト上の店舗検索ではU→のみ残っており、一部の店舗を除きカラオケの鉄人の鉄人化計画製の機器統合システム下に接続されたもののみとなっている。
UGAシリーズ
これ以前に日光堂(BMBの前身)がUGAシリーズのプロトタイプ(試作品)を作成した(1990年)、当時neonはまだ発売されていなかった。プロトタイプ作成から最初の機種NMU-R20(C)発売まで14年ものブランクがあり、これは業界最長である。
- UGA-neonR2(ウガネオンアールツー:NMU-R20(C))
- 2004年3月発売。当初は前身であるneonシリーズでありUGAシリーズに含まれていなかったが、後年編入された。
- UGA(ウガ:UGA-01(c))
- 2004年5月発売。業界最多の15万曲配信(2023年9月時点)、ブロードバンド対応、業界初の縦置き対応、Bluetooth対応リモコン「コナビ」・タッチパネル式電子早見本「ナビカラ」(オプション)などを装備。2004年度グッドデザイン賞受賞。2018年3月をもって新曲配信終了。
- 業界最多の15万曲配信
- 通信カラオケにおける最多曲数はエクシングの販売するHyperJoy V2の約5万数千曲だったが、UGAは発売開始時に業界最多となる7万曲を配信し、さらに同年10月までに10万曲への増曲を行った(2023年9月現在の業界1位は約36万曲配信のエクシングの販売するJOYSOUND f1である)。選曲表は3冊に分かれていた(曲名順用、歌手名順・ジャンル別用、外国曲用)。増曲時の選曲には賛否両論がある。また多彩な楽曲アレンジも多曲配信に大きく寄与している。
- 業界初の縦置き対応
- 従来の据え置き型カラオケ機器はビデオテープレコーダ、ビデオデッキのような横置きだったが、UGAは専用キャビネットを使用して縦置きにすることが出来る。これと液晶ディスプレイを併用することにより省スペースを実現する。同時期に発売された同社のneonR2も対応。
- 業界初のBluetooth無線通信リモコン
- 「コナビ」「ナビカラ」によるBluetooth無線通信で、本体とリモコンの双方向通信が実現し利便性が向上。さらに従来の赤外線と違って、同じ室内であればどの位置からもデータ送信が行える(全方位通信)。同社のneonR2も採用。
- 楽曲の配信
- 楽曲データの配信には、IPネットワークを用いている。楽曲は、センターより各県に設置されているプロキシアプライアンス(Network Appliance社製のNetCache)に予めデータを送信しており、個々のカラオケ端末は設置されている県のNetCacheよりデータを受信している。そしてセンター・プロキシアプライアンス・端末間のデータ送受信はカラオケ利用の少ない時間帯に行われる。これによりセンターへのアクセス集中とセンターから地方へのトラフィックを軽減し、安定した配信が可能となっている。ただし2006年9月にBlue Coat社がNetwork Appliance社のNetCache部門を買収、現在Blue Coat社によるNetCacheの販売・サポートは終了している。そのためUGAのプロキシアプライアンスも、Blue Coat社のProxy SGに置き換えられている可能性が高い。
- その他の特徴
- 旧BMBが販売していた「B-kara」に入っている全楽曲等も選曲可能(事実上同機種の後継)。様々なアレンジなど複数バージョン歌える曲もある。また、ブロードバンドの特色を生かしてミュージック・ビデオ、PV映像などが流れるクリップ・カラオケや、スタジオ録音されたスタ録という曲もある。音質[注 2]については近年の新譜・クリップカラオケ・スタ録では改善がみられるものの、従来の楽曲には依然として音質がよくない曲も含まれており、曲によるばらつきの大きさが課題となっている。
- U+(ウガプラス/uga plus:UGA-10)
- 2005年11月発売の機種。曲数はUGAとほぼ変わらないが、業界最高水準の128和音に対応。また、動画収録数の大幅増加、ハイビジョン出力対応など動画方面を強化。また、同時に小型化されたタッチパネル式リモコン「UGA NAVI(BT-SN01(F))」もリリース。こちらはこれまでのUGAでも使用可能。こちらも2018年3月をもって新曲配信終了。
- U→(ウガネクスト/uga next:UGA-N10)
- 2008年9月発売の機種。発売時の曲数はUGAとほぼ変わらないが、第一興商の「Premier DAM」やエクシングの「HyperJoy WAVE」と同等の月間最大1000曲配信となる。2023年9月の時点では、業界第一位の15万曲以上が配信されていた。2024年3月をもって新曲配信終了予定。
- 「Premier DAM」と同様、フロントパネルに液晶を採用している。サウンド面での質の強化を計っており、環境に応じて最適な音質へ補正可能な音場自動補正機能「16バンドパラメトリックイコライザー」と、無停電電源装置 (UPS) を業界初採用した。ハウリングキャンセラー機能や、USBメモリによる楽曲の追加(月間最大500曲のみ)にも対応。オプションで店側独自の未配信楽曲オーダーメイド制作ならびに個別追加登録も可能である。
- コンテンツ面においても、独自の音声処理技術(プリセット8種)によって声質を向上させる「ウガボイス」をはじめ、歌唱データを500曲まで残せる「録音機能」や「オンライン採点」の実装などにより、エンターテイメント性・操作性が大幅に強化された。2009年度グッドデザイン賞を受賞した。
- 発売から14年以上経過しているが、新曲配信は2023年(令和5年)9月現在も行われており、ゴールデンボンバーの「令和」等の数々の多くの新旧譜等の全楽曲等も積極的等に配信されている。但し、BMBとエクシング合併後に配信された全楽曲はJOYSOUNDシリーズと同様の音質[注 2]となっている。
- 同時リリースの「UGA NAVI QUEEN(BT-SN02)」「UGA NAVI KING(WL-NC03G(GD))」に対応。
- 採点
- ウガプラスまでの採点を一新。まずオンライン採点には、うたウガ会員・上位3位入賞・90点以上・途中キー変更なし・最後まで完唱の5条件を満たして公開指定するとその歌唱データがアップロードされて全国のウガネクストで聴けるようになる「ノンストップオーディション ウガバト」と、オンライン上のうたウガ会員と一対一で対戦する「UGAオンラインファイター」を導入。通常採点には、音程・ビブラート・音感・声量の変動などの要素をグラフにより細かく判定する「高精度採点」を導入。さらに2009年4月からは、「ノンストップオーディション ウガバト」でアップロードされた歌唱データの中から毎月優秀曲を選び、前親会社のUSENによる衛星放送『SOUND PLANET』などの専門チャンネルでオンエアするサービスも開始した。
- なおウガプラス(UGA-10)+UGA NAVI QUEEN(BT-SN02)、UGA NAVI KING(WL-NC03G(GD))あるいはキョクナビ(JR-300)の環境でも、アップロード機能なしの通常の「ウガバト」が利用可能。
- uga next Lite(ウガネクストライト:UGA-N10)
- ナイト市場向けの廉価版機種。外観はウガネクストと同一であるが、搭載HDDの容量が異なる。収録曲数は、UGAの約半分である60000曲。月間配信曲はこれまでのUGA同様、最大500曲となる。
宴会場向け機器
周辺機器
- UGAパーティーステーション
- 2007年8月に発売したエンタテインメントテーブル。テーブルに42インチ大画面モニターが搭載されている。
- UGA NAVI(BT-SN01(F))、UGA NAVI QUEEN(BT-SN02)、UGA NAVI KING(WL-NC03G(GD))
- UGA NAVIは2005年11月に「U+」と、UGA NAVI QUEENとUGA NAVI KINGは2008年9月、「U→」と同時リリースされた楽曲検索ナビシステム。QUEEN・KINGは選曲データの履歴や任意の楽曲などを登録可能な「マイページ」にアクセス可能(利用に必要な「うたウガ」の会員登録にも対応)。QUEENは初代UGA NAVIの後継であり最低限の機能のみ搭載するが、発売時で業界最軽量を実現している。KINGはQUEENの全機能に加えてパスワード認証を必要としない指紋認証機能や、歌詞のフレーズ検索や部分一致検索も可能な高機能なキーワード検索が搭載されているが、初代UGA NAVIやQUEENと比べて若干レスポンスが遅くなってしまった。
- キョクナビ(JR-300 / JR-300(BK))
- 2011年5月30日にBMBを引き継いだエクシングからUGA NAVI QUEEN及びJOYSOUND用キョクNAVI.s(JR-100s)の共通の後継として発売。カラオケ機器として初めてOSにAndroid(組み込み用Android)を採用しているが、CROSSO用キョクNAVI(JR-200X)に似た雰囲気の画面構成となった。
CMキャラクター
- UGAパンダ( - 2008年11月) - UGA公式キャラクター。声は間宮くるみが担当。CM以外では現在も使用されているが、エクシングによる買収後デザインが変更・簡略化されている。
- 剛田武(2008年12月 - ) - テレビアニメ『ドラえもん』の登場人物。声は木村昴が担当。「音痴」の代名詞といわれる彼が美声を披露してウガネクストの新機能「ウガボイス」をアピール。使用楽曲名は「オレの鼻と白い花」。
提供番組
全て過去。
ほか
関連人物
- 宇野康秀 - U-NEXT HOLDINGS代表取締役社長CEO。neon、UGAの発売は彼の功績ともいえる。
- 間宮くるみ - 声優。UGAパンダの中の人。
- 木村昴 - 同じく声優。ウガネクストの新機能「ウガボイス」をアピール。
- 昭和カラオケ - YouTuber。1983年頃の生まれ。ウガネクストを利用し主に昭和歌謡曲のカラオケ音源を積極的に投稿している。
脚注
注釈
- ↑ JOYSOUND f1以降の機種はテロップの表示タイミング等もUGAシリーズ準拠に改められ、前奏・間奏時の秒数表示をするようになった他、従前のJOYSOUNDの機種では演奏開始時に曲名・歌手名と共に表示されていた作曲者・作詞者等の表示はUGAシリーズ同様演奏停止及び演奏終了時の表示に変更された。曲によっては楽曲発表年も同様に演奏停止及び演奏終了時に表示される。ただし、曲を予約した際に演奏開始までおよそ何分かを表示する機能は引き継がれなかった。
- ↑ 2.0 2.1 正確にはMIDIの打ち込み。音源はJOYSOUNDシリーズもUGAシリーズも所謂GSフォーマットに準拠しているためMIDIの楽譜が共用されている。また、f1以降等のJOYSOUND機種等にのみ対応する全楽曲等にはUGA等からの全ての引き継ぎの全楽曲等が存在し、そちらはUGA等と同じ打ち込みのため同じに聞こえる。一方で、引き継がれず改めてCROSSO以前等のJOYSOUND機種等に対応させる為、全ての同一全楽曲等で新規に作られたものもあり、それらの全楽曲等はUGA等とは異なる打ち込みとなっている。
出典
- ↑ 当社と株式会社BMBとの合併に関するお知らせ(2010年5月10日・株式会社エクシング)
- ↑ 連結子会社の合併に関するお知らせ(2010年5月10日・ブラザー工業株式会社)
外部リンク
- カラオケUGA(ウガ)(公式サイト)
このページはウィキペディア日本語版のコンテンツ・UGA (カラオケ)を利用して作成されています。変更履歴はこちらです。 |