空も飛べるはず
空も飛べるはず」(そらもとべるはず)は、日本のロックバンド・スピッツの楽曲で、通算8作目のシングル。1994年4月25日にポリドールより発売。
概要
ドラマ主題歌(後述の『白線流し』とは別)の依頼を受け、草野がシナリオを読んで2〜3日で書き下ろした曲。結果的に主題歌候補からは外れたものの、シングルとして発売された。
レコーディング当時は、前年にアルバム『Crispy!』を担当した笹路正徳プロデューサーとのスケジュールが合わず、代わりに土方隆行がプロデュースを務め、同時期に次のシングルとなる「青い車」もレコーディングされた。5thアルバム『空の飛び方』のレコーディングから笹路が復帰し、彼の監修の下アルバムバージョンを制作。ボーカルテイクを再録した上でリミックスされた。
ジャケットデザインはCentral67の木村豊が手掛け、今作以後現在に至るまでスピッツ関連作品のすべてに関わっている。
1994年の発売当初はオリコン最高28位だったが、1996年1月からフジテレビのテレビドラマ『白線流し』の主題歌として起用されたことで同一品番で新たにプレスされる。その影響からチャートを上昇し、スピッツのシングル初のオリコン1位を獲得、ミリオンセラーとなる(なお、ドラマで使用されたのはアルバムバージョン)。ドラマのイメージから卒業ソングとして歌われることも多い。
収録曲
- 空も飛べるはず(作詞、作曲/草野正宗 編曲/土方隆行&スピッツ)(4:27)
- 収録アルバム:『空の飛び方』(Album Versionとして収録)、『RECYCLE Greatest Hits of SPITZ』、『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』
- ベビーフェイス(作詞、作曲/草野正宗 編曲/土方隆行&スピッツ)(4:15)
- 収録アルバム:『空の飛び方』(Album Versionとして収録)
デモバージョン「めざめ」
1993年暮れにレコーディングされた、若干アレンジや歌詞が異なるデモバージョンが存在する。当初のタイトルは「めざめ」であり、そのままのタイトルで『CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection』(2006年)の初回盤に付属されているボーナスディスクに初収録された。
カバー
スピッツのカバーアルバム『一期一会 Sweets for my SPITZ』(2002年)にてぱぱぼっくすがカバーしている。また、同年にはKIRIN「生茶」のCM内で、松嶋奈々子が歌ったものがオンエアされた。
その後、2004年に弘恵、2008年には布施明や斉藤花、2009年には美吉田月、2010年には広瀬香美によってカバーされている。
2012年4月よりフジテレビ"ノイタミナ"ほかにて放送されたTVアニメ『つり球』のエンディングテーマで、さよならポニーテールがカバーした。
2012年7月13日に中野サンプラザにて行われた、AKB48の柏木由紀の『1stソロライブ〜寝ても覚めてもゆきりんワールド〜』で、AKBやその派生ユニット、フレンチ・キス、松田聖子、モーニング娘。、松浦亜弥といったアイドル・ソングをカバーする中、男性アーティストの楽曲で唯一セットリストに組み込まれた。近いうちに柏木由紀によるソロカバー曲がCD化される可能性がある。
大張偉による盗作疑惑
中国の自称歌手・大張偉が歌った2009年発売の楽曲『偏偏愛上洋葱』(和訳:どうしても玉葱しか愛せない、作詞・作曲:Russo, Gioavanni・Della Vecchia, Domenico・Jeanne, Laurent)のメロディが『空も飛べるはず』に酷似していることがインターネットなどで話題となり、報道された[1]。大張偉は「(パクリと疑う人は)音楽の素質が解っていない」とコメントしていたが、事務所関係者は「権利は日本からもらった」と主張しているため盗作疑惑が益々強くなった。「なぜ作曲者欄の名前が本来の草野さんではないのか」という記者の質問には「印刷のミスだ」と答えたという。また、大張偉は2006年ごろから邦楽を含む盗作騒動が相次いでいる。
脚注
- ↑ 「スピッツ」ヒット曲とそっくり また中国で盗作疑惑 - J-CASTニュース、2010年5月7日