YouTube

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2007年9月10日 (月) 20:56時点における風霧 (トーク | 投稿記録)による版

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YouTube, LLC(ユーチューブ)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンブルノにある企業で、インターネット動画共有サービスを行っている。

概要

PayPal の従業員であったチャド・ハーリースティーブ・チェンジョード・カリムらが2005年2月にカリフォルニア州サンマテオで設立した。11月にベンチャーキャピタルの Sequoia Capital から資金提供を受け、翌12月に公式にサービスを開始[1]2006年10月上旬にカリフォルニア州サンブルノに移転。

CEO はチャド・ハーリー。CTOはスティーブ・チェン。従業員数は67人(2006年10月現在)[2]

社名の "Tube" には英語で「真空管」「ブラウン管」 (Cathode Ray Tube) の意味がある。設立のきっかけはチャド・ハーリーらが友人にパーティーのビデオを配る方法として考えた結果に作った技術を使い、「皆で簡単にビデオ映像を共有できれば」と思いついたことによる。

日本ではインターネット掲示板を中心に「YouTube」をローマ字読みにした「ようつべ」と呼ばれることもある。

SNS

SNSについて

同社が運営するSNSは動画共有サイトである。キャッチコピーは "Broadcast Yourself."。

ウェブサイトは英語で構成されており、サービスは全て無料で利用できる。Ajaxと呼ばれる技術が用いられており、YouTubeを利用するにはJavaScriptを有効にする必要がある。

ほとんどの動画は会員登録をしなくても閲覧できるが会員しか見ることができない動画もある。会員登録すると以下のサービスを利用できる。

  • 容量100MB、長さ10分までの動画ファイルをアップロード、投稿できる。
  • 投稿された動画を5段階で評価したり、動画やメンバーにコメントを付けられる。
  • 動画をまとめたプレイリストを作成・公開する機能、お気に入り機能がある。
  • 特定のメンバー同士で動画を共有できる。

Web 2.0の代表的なサイトの一つとされる。SNSに分類されるのは、動画や利用者にコメントを付けられるためである。アップロードできるのは動画ファイルのみで、音声ファイルなどはアップロードできない。

話題性

2007年5月21日時点で8000万の動画があり、日に35,000の動画がアップロードされていることがプレスリリースで発表された。利便性から世界的に人気があり、Google VideoAsk ビデオなど似たサービスは他にもあるが、動画の数はYouTubeが圧倒的に多く、同系統のサイトでは最大規模になっている。ほかにも動画に対するタグ(動画を分類するキーワード。メタデータの一種)を自由に付けられることや人気タグ一覧が表示されるタグクラウドの実装など、写真共有サイトFlickrの動画マルチ版ともいえる存在である。

アメリカでは2005年12月頃にNBCの人気テレビ番組サタデー・ナイト・ライブがアップロードされていたことからブログなどで話題になり[3]、2006年上旬にはYouTubeの映像をブログなどに貼り付けられるAPIも公開され、爆発的に普及した。日本では2006年1月頃に2ちゃんねるやブログなどで紹介され人気が上昇、2006年3月頃からINTERNET Watch(Impress)やITmediaなどのニュースサイトで取り上げられるようになった。ちなみにYouTubeの時事情報など、話題時から進展情報など出展情報は両ニュースサイトに掲載されている。サイトオープンから1年で驚異的に利用者を増やし、今後さらなる利用者の増加が予想される。また、最近では、YouTubeAPIを利用した閲覧専用サイトYouTubeCH、YouTubeのビデオを日本語検索可能にするMOCO Video、携帯電話用にYouTubeの動画を変換して見られるファイルシークMyTube、YouTubeのビデオにテロップを入れてコメント出来るニコニコ動画(現在はニコニコ動画側がYouTubeに依存しないシステムに変更になった)などといったアグリゲーターサービスが数多く開始されている。そして、2007年6月にはYouTubeの日本語版が登場した。

コンテンツとビジネス

著作権問題はあるものの手軽に動画が楽しめることから、コンテンツ業界に注目されている。

2006年4月にアメリカの映画制作会社、The Weinstein CompanyとDimension Filmsが提携し、映画の予告編がYouTubeで配信された[4]。2006年6月28日にNBCと提携[5]、NBCのコメディドラマ「The Office」のPVを配信したり、プロモーションページを設けた。また、NHLはYouTubeと契約し、試合のダイジェスト版の提供を開始した[6]

CBSも2006年10月に契約し、「CBS Brand Channel」をYouTube上で立ち上げた。CBSは2007年1月12日に行われた講演内でCBS社長兼CEOであるレズリー・ムーンバスが「今後、アメリカのテレビ局はYouTubeと提携し、テレビ番組や番組宣伝などをYouTubeに流すことになるだろう」と答えた[7]。だが2007年2月22日になると、CBSとの提携は決裂したと報道された[8]。翌月の3月3日にはBBCと提携し、「BBC Channel」を立ち上げることとなった[9]

また、アメリカの任天堂では、ゲーム機「Wii」の宣伝をYouTubeと契約しCMを公開し[10]、同様に日本向けにナイキがシューズのCMを行っている[11]。さらにレコード会社などが自前のページを立ち上げて配信を始める例も見られ、新たな活用法が模索され続けている。

なお、現在のところ、日本のテレビ局はYouTubeとの提携に慎重な姿勢を持っているが、YouTubeが日本語に正式対応したのを受けて、2007年6月19日スカイパーフェクト・コミュニケーションズがGoogleと提携し、日本の放送局としては初めてSkyPerfecTV!のパートナーページを開設[12]、さらに同年7月12日には東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が日本の地上波放送局としては初めて提携を結びブランドチャンネルを開設する[13]など、新たな兆しも出始めている。

このほかの日本企業との提携事例では、GDH吉本興業がそれぞれブランドチャンネルを設置しYouTube上で動画配信を始めた他、mixiがYouTubeの動画を日記上に表示できる機能を実装、カシオ計算機がYouTubeに最適化された動画を撮影し、簡単にアップロードできるデジタルカメラを発売している[14]。また角川グループ角川デジックスはYouTube向けの動画識別技術の実証実験に参加、これによる著作権対策が有効だと判断できた場合には角川グループとしてYouTubeのプロモーション活用を検討するという[15]

様々な活用

こちら以外の活用例としては、イーホームズ藤田東吾がYouTubeを通じ構造計算書偽造問題に対する告発を行ったり、ロサンゼルス市警の警官が無抵抗な被疑者に対し暴力を振るっている姿を捕らえた映像がYouTubeで匿名で公開されたりと[16]、告発の場となっている。他には、カナダの警察が犯人逮捕の為に殺人事件が発生した際に映った犯人らしき人物のビデオ映像をYouTube上で流している[17]

政治面としては、YouTube側が「You Choose '08」を用意し、2008年アメリカ合衆国大統領選挙の為に候補者と有権者が直接映像で意見交換する場を設置。そこには民主党・共和党の大統領候補者数名が既に自ら登録を済ませている。登録者のひとりである大統領候補者ヒラリー・クリントンは「YouTubeと利用することで、アメリカ国民に自分の意志を動画で共有出来るから」とコメントしている[18]

2007年6月1日ベネズエラにて、反政府的としてウゴ・チャベス大統領によって閉鎖させられた民間放送局ラジオ・カラカス・テレビ(RCTV)は閉鎖に抗議する形として、YouTubeでの番組の公開を開始した[19]

2007年の後半には、オーストラリアカトリック司祭ジェフ・バロンの言動を隠し撮りした映像がアップロードされ、これがマスメディアを通して世界中に伝えられる事態となり、やがては同司祭の解任にまで至った。[20]

その他

機能追加も活発で、メンテナンスが頻繁に行われている。メンテナンス画面は机を組み立てる説明書を読んでいる男性の写真や、帝都高速度交通営団(現:東京地下鉄)の電車に貼られていたドアステッカーの写真や東京消防庁の消火器具に描かれている消防士のキャラクターの画像など、ユーモラスで意味深長なフレーズと画像が使われるが、2006年6月2日のメンテナンスで、トップページが「ALL YOUR VIDEO ARE BELONG TO US.」と書かれたものになり、インターネット上で騒動となった[21]。これは「All your base are belong to us.」をもじったものと思われるが、海外(特に日本)からのアクセス増加をよく思ってないと取れるため、「海外からのアクセスが規制されるのでは」「クラッキングされた」などといった推測が飛びかった。のちにYouTubeのブログでユーザーに心配かけたことを謝罪し、機能追加を発表した。 しかし、2007年5月21日にサーバーがダウンし、以降ロードが遅く再生しにくい状態である。 YouTubeはサーバーの回線コストだけで月間100万ドルに達すると言われていたため[22]、サービス開始からしばらくは、どういった部分で収益を上げていくかが注目されていたが、2006年10月に入るとGoogleに買収されるのではないかとの報道が入り[23](ちなみにYouTubeは主にGoogle AdSenseの広告を利用していた)、10月9日にGoogleが16億5000万ドルで買収に同意したとの発表を行った[2]。この買収について一般ユーザーからアップロードされた動画に対し厳しい規制が取られてしまうのでは? という危惧が持たれていたが、チャド・ハーリーCEOはこれに対し「YouTubeはGoogleに買収されたが、今後もYouTubeとしたブランドで独立したサービスを提供し続ける」と述べた。また、Google側もYouTubeの類似サービスであるGoogle Videoは続行してサービスを提供すると述べ、Google Videoの検索窓を通じてYouTube内の動画を検索するサービスを開始した[24]。また動画の違法投稿をしないよう呼びかける文が英語ではなく日本語で表示することを約束し[25]、2月頃から表示が始まった。

動画

アップロードした動画は以下の形式に変換される。

  • 動画:Flash Video形式 / 200Kbps前後 / QVGA(320x240)サイズ以下 / 30fps以下 / アスペクト比4:3(もしくは1:1)
  • 音声:MP3形式 / 64Kbps(VBR) / モノラル / 22050Hz

アスペクト比が上記以外の動画は自動的に黒帯が追加され、レターボックスになる。Adobe Flash Player 7以降がインストールされていれば、Webブラウザストリーミング再生を閲覧できる。

UTF-8で運営しているため、動画名やコメント、タグは日本語を含む多国語に対応している。

卑猥な動画はメンバー登録による18歳以上の年齢認証が設定されるが、年齢認証は検証の手段が無いのであまり有効ではない。ただし年齢認証を設定しても過激な性描写がある動画は削除される。その他著作権侵害・過激な性描写などで頻繁に動画を削除されると、警告なしにアカウントを削除されると同時に過去にアップロードした動画すべてが削除されるという手続きが確認されている。

著作権問題

アニメ、ライブ映像やプロモーションビデオTVCMオリジナルビデオテレビ番組AMVMADムービーなどが著作権者に無断で多数アップロードされている事から、著作権侵害が指摘されている。YouTubeは利用規約で著作権侵害になるファイル(テレビ放送や一般市民が撮影したコンサート・舞台など)のアップロードを禁止しているが、著作権法違反コンテンツは後を絶たない。

著作権問題はGUBAVeohDivXを利用するStage6など他の似たサービスでも問題となっている。こちらはYouTube程有名ではないため野放しの傾向にある。

YouTube側の対応

2006年3月27日からアニメなどの海賊版のアップロードを制限するために、10分を超えるファイルのアップロードを原則制限しているが、動画を分割してアップロードされているのが現状である。2006年4月10日から10分以上の動画をアップロードしたいとの要望に応えるため、Director制度が始まった。Directorに登録すれば10分を超えるファイルのアップロードも可能になるが、登録には審査があり、完全なオリジナルコンテンツを提供する人のみに限定されている。

以前は違法コンテンツも放置される傾向にあったが、2006年6月頃からは削除作業が活発になった。しかし、現在でもかなりの量の違法コンテンツが横行し、中には削除とアップロードを繰り返している動画もあり、いたちごっこになっている。新作アニメなど人気動画の無断アップロードも、依然後を絶たない状況となっている。

削除に際しては、削除後のアドレスには英文で「This video is no longer available due to a copyright claim by ○○○(このビデオは、著作権者である○○○社からの依頼で削除しました)」などと理由が表示される。かつて、毒舌で有名な歌手やしきたかじんが出演する番組[26]が一斉に削除されたことがあった。この時、削除された番組の中にはytv製作作品でないものも混ざっていたが、その全てに「ytvからの依頼で削除」と表示されたことがある。

テレビ局の対応

最近では各テレビ局にYouTubeの動画の監視・削除要請などを行う専任監視部隊(主として編成や著作権・ライツ関係の業務を行う専任部署、またはスカイアンドロード社ほか番組制作会社の関連会社など)が設けられている。度々の申し入れをせざるを得ない社(例:TBSフジテレビテレビ朝日MBSABC関西テレビytv東海テレビメ~テレなど)に対しては、専用の申し入れフォームが作成送付されている。特にTBSに至っては、「視聴者サービス部宛メッセージフォーム」にYouTube上でのTBS番組の無断アップロード(=著作権侵害行為)の件について通報すると通報した翌日から数日中にかけファイルがTBSによって削除される。

例えば、以前は女子アナの名場面等の多数のコンテンツがあったが、テレビ各局により現在は視聴出来ない状態である。もちろん、番組自体をアップした場合短期間で削除される。

また視聴者側への警告として、例えばBS-iの深夜アニメ放送では冒頭にインターネット上に動画をアップロードすることは著作権の侵害であるとの旨のテロップが流れている(但しこれはYouTubeが開設される以前(ファイル交換ソフトによる著作権侵害が蔓延しだした頃)からの対応)。

2006年、スペースシャワーTVMUSIC ON! TVなども削除依頼を提出している。しかし、番組映像の二次流用が後を絶たない。

例外的に、TOKYO MXの一部の番組についてはアップロードが黙認されたケースがあった(詳細は談志・陳平の言いたい放だいを参照)。また、海外のテレビ局(BBCなど)の対応は比較的寛容である。

2007年1月25日から放送番組の違法流通を防止するため「放送コンテンツ適正流通推進連絡会」が発足した。ここではYouTube上での番組無断アップロードも監視の対象としているため、今後ますますテレビ局や著作権関係団体による動画の監視・削除要請が激しくなることが予想される。その為、2007年2月6日にチャド・ハーリーCEOと親会社のGoogleの幹部が来日し、日本の著作権団体らと会見[27]。Googleと相談し、日本側が提示した登録者に対して個人情報登録をさせる件については難色を示したものの、違法動画をアップロードすら出来なくなる技術を開発することと、日本語での著作権に対する警告文を表示すると約束した。また、今後も日本の著作権団体とYouTubeとGoogleの三者で話し合い調整する予定である。

レコード会社の対応

レコード・レーベル各社はグーグル/ユーチューブ側に回って対応しているケースが多く、特に世界的メジャー・レーベルはその全てとの間で配信に関する契約の締結を完了している。

まずユーチューブは2006年9月にワーナー・ミュージック・グループとの間でミュージック・ビデオの取り扱いに関する契約を結んだ[28]。 さらに2006年10月9日にユニバーサルミュージックソニーBMG・ミュージックエンタテインメントCBSとの間でビデオの投稿や購入に関する提携を行った[29]。 グーグルも同日にソニーBMG・ミュージックエンタテインメントとワーナー・ミュージック・グループとの間にビデオ配信に関する提携を行った[30][31]。翌年5月31日にグーグル/ユーチューブはEMIとの間にビデオと音楽の利用に関する提携を行い、これにより世界的な4大メジャー・レーベル全てがグーグル/ユーチューブとライセンス契約を締結することとなった[32]

また、ユニバーサルミュージック、ソニーBMG・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージック・グループの3社は、以前よりユーチューブ株を取得しており、グーグルとの合併時に5000万ドルの利益を得たと報じられた[33]

メジャーだけでなくインディーズ・レーベルとも数多く提携しており、レコード・レーベル系の公式チャンネルは100を越えると考えられている。

法廷闘争

MTVパラマウント・ピクチャーズを保有する米メディア大手バイアコム2007年3月13日、YouTubeとGoogleを相手に10億ドルの著作権訴訟をニューヨーク連邦地裁に起こした[34]。2月バイアコムは10万本以上の未許可投稿動画を削除するよう要請した。 声明で「無許可の映像につけた広告を収入源とするYouTubeとGoogleの事業モデルは明らかに違法行為だ」と述べた。 訴えによると、これまでに同社の映像16万本が流れ、計15億回視聴された。

メディア会社は、対価なしで自社の番組を使用するYouTubeがケーブルテレビやテレビ放送から視聴者や広告費を奪い取ることを懸念している。 バイアコムは同時に、アップルiTunesサービスで番組を1本1ドル99セントで販売するなど、合法的なデジタル配信の方法を模索している。これはパソコンかVideo iPodで視聴できる。

YouTubeはすべての著作権者に協力し、通知を受けた場合は直ちに削除を行うとしているが、バイアコムは、YouTubeがこのような方法を取ることで著作権侵害を防止するイニシアチブを取ることを避け、サイトを監視する負担とコストを著作権者に転嫁していると主張している。

また、バイアコムが削除要請した動画には著作権侵害に当たらないバイアコム傘下企業番組のパロディ映像が含まれていたとして、2007年3月22日電子フロンティア財団はバイアコムに対し言論の自由を侵害したとして提訴したが[35]、バイアコムは削除要請したことは誤りだったと認め、訴状は同年4月に取り下げられた[36]

これらのことから、この判決次第で、YouTubeと同様のビジネスモデルを展開している日本企業にも同様の法廷闘争などが起こり得る可能性は十分にある。

削除事例

2006年2月16日にNBCの抗議を受け、サタデー・ナイト・ライブの映像を削除した。

2006年7月14日には、ロス暴動などを撮影したことで知られるロバート・ターがYouTubeに自身が撮影した映像を無許可に公開されたとして、映像1本につき15万ドルの損害賠償請求を求める訴訟をYouTubeに行った[37]。YouTube側はターの抗議により動画をすぐに削除するなどの対応措置を行ったと主張し、この訴訟は無効だと述べている。ちなみに、この動画を公開したのは2ちゃんねるで固定ハンドルネームを名乗る人物である。

2006年8月に『スターウォーズ』のファンが作成したパロディ映像を削除したところ、同作品監督のジョージ・ルーカスに「こういったファンが作成したパロディ映像を削除するな」と映像の復帰を依頼されたという異例の事態も発生した[38]

2006年8月下旬より、日本のポップ音楽の著作権を統括するJASRACが削除依頼に乗り出し、順次アーティストの無断動画や音楽の削除が始まった(これまでは各テレビ局やアーティストごとの依頼が主であった)。また、JASRACやNHKなどらがYouTubeに行った質問状(日本語での警告文を掲載する、など)に対し、12月15日に回答が得られ、日本のユーザーのみを対象に日本語での警告文を掲載することや、またこれ以外にも、著作権団体に対しYouTube動画削除ツールを開発し提供する、とも記されていた[39]

2006年12月31日、NHKの紅白歌合戦にて、水着がヌードに見えるというDJ OZMAの映像なども投稿されていたが、NHKの申請により削除されている。

2007年1月17日ひろしまドッグぱーく問題でアップロードされていたABCムーブ!及び広島県の各局のアークエンジェルズに関する動画が一斉に削除される。詳しくは「アークエンジェルズ」及び「ひろしまドッグぱーくでwiki」に掲載されている。

2007年1月29日24 -TWENTY FOUR-の新シーズンの映像などをYouTubeに流したとして、FOXがYouTubeに対して映像を流した人物に関する情報を同年2月9日までに公開するようにサンフランシスコ裁判所から召喚令状を取得した[40]。親会社のGoogleはそれに応じ、同年2月12日に映像をアップロードしたユーザーのIDを開示した[41]

2007年6月6日アニメ結界師の番組宣伝動画を不当な投稿としてInteractive Inc.が該当動画を申告・削除した際に、投稿をしたユーザーのアカウントをYouTubeが完全に削除するという、かなり強硬な手段に出た。動画単位で削除するという例は沢山あるが、いきなり全削除に踏み切ったのは蔓延する著作権侵害行為に対しての厳しい対応によるものなのだろうとみる向きもあるが、投稿したユーザーがYouTube関係者で、YouTubeによる組織的な違法投稿であったためもみ消し工作をしたに過ぎないと見る向きもある。

アクセス規制措置

2007年1月9日ブラジルにて、ロナウドの元婚約者のダニエラ・シカレリが恋人と海岸にいる姿をパパラッチに撮られ、YouTubeに公開されたことに対しブラジルの裁判所に訴えYouTube側は何度もその映像を削除していたもののすぐに他の誰かが公開してしまい、まだ映像が残っているとのことによりブラジルからYouTubeに接続できなくなるという措置がブラジル政府により執られた[42]。翌日の1月10日には完全にその映像が削除され、アクセス制限は解除された。

2007年3月6日トルコ共和国の初代大統領・ケマル・アタテュルクを誹謗する映像が掲載されたとして、イスタンブル第一刑事治安裁判所は同国内からのYouTubeへのアクセスを禁止する命令を下した。この決定を受け、トルコの通信サービス最大手、トルコ・テレコムはすぐにYouTubeへのアクセスを規制した[43]。問題の映像は削除され、3月9日にアクセス規制は解除された[44]

2007年4月5日タイ王国暫定政府はプミポン国王を侮辱する映像が掲載されたとして、同国内からYouTubeへのアクセス規制措置を下した[45]。映像自体は投稿者が自主的に削除したものの、YouTube側は「ジョージ・W・ブッシュ米大統領をもっとひどくからかった映像が放置されている」として削除要請を拒否した[46]

英語圏ユーザーの活動

インターネット上の有名人と境界を越える活躍

YouTubeの流行はインターネット上に多くの有名人を生み出してきた。創り上げたヴィデオから人気者となった人々は、彼らの住まう国々で相応の評判を呼び、場合によっては世界中の注目を集めてきた。2007年6月2日現在、最も視聴予約の多いYouTubeメンバーはスモッシュ〔ユーザーネームは頭文字が大文字でないsmosh〕である。幾人かのユーザーにとってインターネット上の名声は思いがけない成り行きを生み出し、時には伝統的なメディアや主流の娯楽産業と関わりを持たせることになった。コネチカット出身で元〔レストランの〕受付係ブルック・ブローダック(Brookers)は、2006年6月にNBCのカーソン・デイリーに求められて18か月の育成契約を結び、YouTubeから主流メディアに躍り出た最初期の例となった。また一方で架空のブログであることが暴露された『ロンリーガールフィフティーン』は、現在ではニュージーランドの女優ジェシカ・ローズと数名の映像制作者たちの創作物として有名である。2007年にはオランダのヴォーカリスト、ソングライターであるエスメー・デンタース(esmeedenters)がYouTubeでの出演活動をきっかけに〔音楽プロデューサー〕ビリー・マンとレコーディング契約を結んだ。2007年1月31日、 FOXテレビはリサ・ドノヴァン(LisaNova)がスケッチ・コメディ・ショウ『MADtv』のシーズン12でキャストの一員として加わると発表した。テラ・ナオミ(terranaomi)は四大レコード・レーベルのひとつであるユニヴァーサル・ミュージック・グループの一部門、アイランド・レコードと契約している。〔映画の1シーンを〕再演する人気ヴィデオ・シリーズで知られているブランドン・ハーデスティ(ArtieTSMITW)は、現在米国中に放送されているGEICOのテレビ・コマーシャルに登場しているが、これには主に彼のヴィデオ"Strange Faces and Noises I Can Make III"からの抜粋が使われている。イザべラ・ブレイヴ(ysabellabraveとysabellabravetalk)は2007年6月3日付の二つのヴィデオで、同日ロスアンジェルス・タイムスが載せた彼女の特集記事について語り、自身がメジャー・レコード・レーベルのひとつ、ワーナー・ミュージック・グループ傘下のコードレス・レコードと契約したことを公表した。

YouTube発の有名人たち

YouTubeヴィデオへの登場によって、多くの人々が才能を開花する機会を得てきたが、同時に彼ら自身がインターネット特有の現象を形成していくことになった。時に彼らは「YouTubeセレブリティーズ」の名で総称されてきた。 ここでその一部を挙げる。〔英字はユーザーネーム〕

バンドとミュージック・プロモーション

YouTubeはバンドと彼らの音楽活動を宣伝する場としても活用されてきている。一例を挙げると、メンバーが足踏みを続けるOK GOのヴィデオ"Here It Goes Again"は、曲のラジオでの大当たりや『MTVヴィデオ・ミュージック・アウォード』でのバンド演奏などへと続く転機のきっかけとなった。同様に、シック・パピーズの曲が添えられた「フリー・ハグズ・キャンペーン」のヴィデオは、公開されるなりバンドとキャンペーン両方に成功をもたらし、世界各地で新たなキャンペーンが巻き起こる結果を呼んだ。このヴィデオの主な登場人物であるホアン・マンもまた名声を得ることとなり、地元オーストラリアで数々のニュース番組からインタビューを受け、米国『ジ・オプラ・ウィンフリー・ショー』への出演まで果たした。

人気ユーザーへの収入分配

2007年5月、YouTubeは最も閲覧数の多いユーザーの幾人かに、「YouTubeパートナーズ」となるよう勧誘した。この特権的地位は当初、商業コンテンツ供給者だけに勧められていたものだったが、ヴィデオ画面の隣側に広告掲載するのを条件に一般ユーザーが利益を得ることを可能にしたのだった。「パートナー」は現在100あまりの数に上るが、ユーザーからの参加者は、ベン・ゴーイング、ケイトリン・ヒル、ポール・ロビネット、リサ・ドノヴァン、『ロンリーガールフィフティーン』、トニー・ウィン、リチャード・スターンなどがいる。

「YouTubeの集い」

ユーチューバーズ〔YouTubers YouTubeヴィデオ共有者たちの間で使われているコミュニティ成員の総称〕はコミュニティを祝福するため、定期的に公共の場で集う機会を設けてきた。「アズ・ワン」As Oneと名づけられた周期的、国際的な集いは、2007年1月に米国カリフォルニア州ハリウッドで初めて行われた。2回目の「アズ・ワン」は、YouTubeで最も高い閲覧数を誇る人々が多く参加できるよう取り計らわれ、サンフランシスコの「ピア39」Pier 39で行われた。有名な出席者は以下、ケイトリン・ヒル、 ベン・ゴーイング、スモッシュ、 ポール・ロビネット、〔『ロンリーガールフィフティーン』の出演者でDanielBeast役の〕ユーゼフ・アル・タレブなどである。3回目となる「アズ・ワン」は2007年の11月にオーストラリアのシドニーとメルボルンで予定されている。

(Wikipedia English:YouTube項目の節8、9から"Honors"以外を翻訳 en:YouTube

歴史

  • 2005年2月 - 会社設立。
  • 2005年11月7日 - ベンチャーキャピタルのSequoia Capitalから350万ドルの投資を受ける[47]
  • 2006年2月16日 - NBCが著作権の侵害として、テレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」の「Lazy Sunday」の映像を削除。大手のテレビ局からの要請による動画削除はこの件が初めてであった。
  • 2006年3月27日 - 10分を超える動画ファイルのアップロードを制限。
  • 2006年4月5日 - Sequoia Capitalから800万ドルの投資を受ける(二度目)[47]
  • 2006年4月10日 - Director制度開始。
  • 2006年6月15日 - 大規模な違法コンテンツ(アニメなど)の削除活動が始まる。
  • 2006年6月24日 - 音楽家専用のアカウントを作れるMusicians制度が始まる。
  • 2006年6月27日 - かつて否定的な立場をとっていたNBCユニバーサルが一転し、提携を発表。自局番組の宣伝動画などの配信を始める[5]
  • 2006年7月14日 - ニュース記者のロバート・ターが著作権侵害でYouTubeに対し米連邦地裁で訴訟を起こす[37]
  • 2006年8月4日 - メンテナンスを行い、デザインをリニューアル、新機能が追加された。
  • 2006年9月中旬 - プレイヤーのデザインを再びリニューアル。
  • 2006年10月上旬 - 会社をカリフォルニア州サンブルノに移転。
  • 2006年10月2日~6日 - 日本の著作権関係権利者団体・事業者(テレビ局など)が集中的に削除要請を行い、約3万件のファイルが削除される。
  • 2006年10月9日 - Googleが16億5000万ドルでYouTubeを株式交換で買収した。但し、ブランド名やサービスなどは既存のままであり、Googleのグループ会社になる[2]。ちなみにこのうちの2億ドルが訴訟対策費用となる予定。
  • 2006年10月 - QuickList機能が追加される。
  • 2006年11月6日 - Time誌の「Invention of the Year for 2006」に選ばれる[48]
  • 2006年12月7日 - 新サービスの実験用サイトとしてTestTube(テストチューブ)を開設。最初の実験として、チャットルームで同じ動画を鑑賞、感想を書き込むなどが可能な「Stream」を公開した[49]
  • 2006年12月17日 - Time誌の表紙として、YouTubeの動画メニューの画面が飾った。これは、この年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた「You」の意味の1つに「YouTube」も含まれることからである[50]
  • 2007年2月6日 - YouTubeチャド・ハーリーCEOと親会社のGoogleの幹部が来日し、日本の著作権団体と協議[27]
  • 2007年3月19日~25日 - ユーザ投票で2006年の最優秀動画を決定する「YouTube VIDEO AWARDS」が行われた。
  • 2007年3月22日 - 民間調査会社のネットレイティングスの発表で日本国内家庭からの利用者が1000万人を超えた[51]
  • 2007年5月1日 - 第11回Webby賞を受賞[52]
  • 2007年5月21日 - サーバーがダウンし、動画が再生しにくい状態が続く。
  • 2007年6月19日 - 日本語を含め新たに9カ国語に対応する。その他接続元とのドメインによって各言語のページへ飛ばしている訳ではないので英語ページへの接続も可能。

脚注

  1. YouTube について, YouTube
  2. 2.0 2.1 2.2 グーグルがユーチューブ買収で合意、16億5000万ドルで, IT-PLUS, 2006年10月10日
  3. Google、YouTube買収で合意 - 総額16億5000万ドル, MYCOMジャーナル, 2006年10月10日
  4. Marketers are into YouTube , USATODAY.com, 2006年4月17日
  5. 5.0 5.1 NBCユニバーサル、かつての仇敵YouTubeと提携, CNET Japan, 2006年6月28日
  6. YouTubeが米ホッケー・リーグと提携、無料映像配信および広告関連で, ITpro, 2006年11月20日
  7. 米国のTV局は“YouTube”と手を結ぶ――CBS基調講演, ITmedia, 2007年1月12日
  8. YouTube deal with CBS unravels, ZDNet, 2007年2月20日
  9. BBC, YouTubeに3つのチャンネルを開設, ITpro, 2007年3月5日
  10. 任天堂米法人、YouTubeに「Wii」動画広告, ITmedia, 2006年11月16日
  11. YouTubeでアキバから世界に――NIKE iDの広告戦略, ITmedia, 2006年10月23日
  12. スカパーがYouTubeにパートナーページ 国内企業初, ITmedia, 2007年6月19日
  13. YouTubeにTOKYO MXがチャンネル 地上波局初, ITmedia, 2007年7月12日
  14. YouTube日本語版の事業説明会。パートナー提携や著作権対策を重視, BroadBand Watch, 2007年8月2日
  15. 角川グループ、YouTube活用へ 著作権保護ツール検証に協力, ITmedia, 2007年7月26日
  16. 証拠は「ユーチューブ」 FBIが捜査始める, イザ!, 2006年11月11日
  17. YouTubeが殺人犯逮捕に貢献、カナダ警察が容疑者のビデオを投稿, ITpro, 2006年12月22日
  18. YouTubeが大統領選特集コーナー「You Choose」、ヒラリーも活用, INTERNET Watch, 2007年3月2日
  19. Silenced Venezuelan TV station moves to YouTube, CNN.com, 2007年6月3日
  20. 豪カトリック司祭、ユーチューブの映像が原因で解任』 - CNN
  21. YouTubeに謎のメンテナンス?画面, ITmedia, 2006年6月2日
  22. Your Tube, Whose Dime?, Forbes.com, 2006年4月28日
  23. WSJ: Google May Buy YouTube, Wired, 2006年10月6日
  24. YouTube - A Message From Chad and Steve(Google買収に対するチャド・ハーリーCEOとスティーブのコメント)
  25. ユーチューブ、違法投稿の禁止呼びかけを日本語で表示へ, Reuters.co.jp, 2007年2月6日
  26. 特に『たかじんのそこまで言って委員会』(ytv制作:司会のやしきたかじんの意向による関東広域圏や静岡県以東の一部以外での放映で、関東圏及び静岡県以東の一部では一切放送されていない)絡みの動画で、これはこの番組の報道内容によって不利益を被る一部の視聴者による削除依頼もあるともいわれる。
  27. 27.0 27.1 YouTubeのCEOらが来日、違法動画対策を約束 技術面でGoogleが協力, ITmedia, 2007年2月6日
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  51. YouTube、利用者数1000万人越え - ネットレイティングスの調査史上最速, MYCOMジャーナル, 2007年3月22日
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関連項目

外部リンク

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