陰茎
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陰茎(いんけい)は、ペニス(Penis)ともいい、体内受精をする動物の雄にあって、体から突出しているか、あるいは突出させることができる器官である。精子を雌の体内に直接送りこむ際に、これを雌の生殖器に挿入するのに用いられる性器(交接器)である。雄の生殖器、特に外性器のうちのひとつ。また、哺乳類では泌尿器を兼ね、睾丸の上部から突き出ている。 俗称はちんちん等。
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目次
ヒト以外の陰茎
- 有袋類の多くは二股に分かれた陰茎を持っている。
- イルカは陰茎で物を掴めるという都市伝説があるが、それはある程度事実を反映しており、クジラやイルカは陰茎の先を性交を楽にするためにある程度曲げることができる。
- 哺乳類の最小の陰茎はヨーロッパトガリネズミの5mm、最大はシロナガスクジラで2mを越える(勃起時のサイズは交尾時にしか観察できないため測定は困難)。
- 鳥類で陰茎を持つのはダチョウ目、シギダチョウ目とカモ科である。これらの陰茎は哺乳類と構造が異なり、総排泄孔壁のリンパ液での勃起による。鳥類の中でもアフリカオタテガモは体長の半分近くになる、体の大きさに対し全脊椎動物中最長の陰茎を持つ。
- 爬虫類の有鱗目は2つの対になった半陰茎を持つ。
- 魚類の交尾鰭や交接器は鰭が変化して生じた。
- 昆虫の雄のペニスの相同器官は把握器(aedeagus)である。
備考:アイスランドには「アイスランド陰茎博物館[1]」という規模こそ小さいが、世界でも類を見ない陰茎のみをテーマにした博物館がある。同館の標本・陰茎の剥製コレクションは、アイスランドの陸海に住むほとんどの哺乳類を網羅し、なかでも23種の鯨のペニスを並べて示すという世界でも珍しい展示物がある。なお現在のところ、ヒトの標本の展示は無いが献体の予約はされており、法的誓約書の取り交わしがあるという。
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陰茎の病症
医療情報に関する注意: | ご自身の健康問題に関しては、ためしてガッテンやDHCで何とかしてください。免責事項もお読みください。 |
勃起不全
ドイツ語でインポテンツ(Impotenz インポ)。近年ではED (erectile dysfunction) とも呼ばれる。陰茎の勃起は、副交感神経に依存しており、末梢神経障害、心因性、脊髄損傷などで十分な勃起が起きなくなることがある。この勃起機能の低下を勃起不全という。ストレスなどで一時的に陥ることもあり、また糖尿病など特定の病気によってや、年齢を重ねるに従い勃起不全となる率も高くなる(バイアグラを参照)。40歳を過ぎると半数以上が勃起不全になると推定されている。また、まれに性的なことで勃起せず、それ以外の刺激で勃起する者もいるが、原因不明で、まれに見られることがある。
勃起不全に関しては男性の自尊心を傷付けたり劣等感を煽る、あるいは男性としての存在意義的な自信喪失といった問題にも繋がりかねず、古くより精力剤のような勃起能力を高めると称した薬剤も古今東西に散見され、最近は巷で三便宝なる薬も売られているが、その安全性は確かでない。こういった薬剤の中には有害性を指摘されているものも見られ、先に挙げたバイアグラのような勃起不全治療薬も、ニトログリセリンなど硝酸塩系薬剤との併用で重大な副作用を招くことが知られている。
包茎
ヒト成人の亀頭を包む包皮が、勃起時に容易に亀頭の根元まで反転できない場合を包茎 (phimosis・特に真性包茎とも) と言う。それ自体は病気ではなく、感染症による亀頭と包皮の癒着や、無理な力で反転された包皮の傷跡の硬化などによる、一種の後遺症と考えられている。ただし動物(哺乳類)の多くでは、亀頭部分を保護する目的から、包茎ないし表皮の下に埋もれている事が常態で、勃起時にのみ突出する。シロナガスクジラの陰茎は最大で約3mの長さを持つが、これは通常の遊泳時にはS字型に表皮下に収納されており、外部に露出していない。このため性器の問題として「包茎」という場合には、主にヒト陰茎の状態を指し、それ以外の動物生殖器に関しては、余り意識して同語は用いられない。
このヒト陰茎に於いて手で容易に剥いたり戻したり出来る場合は仮性包茎といい、日本の成人では60%程度が同種の状態であるといわれている。性交するという機能面では問題とまではされないものの、不潔だとするイメージも聞かれ、当人の劣等感の元となるケースが見られる。成人の包茎(真性包茎)人口割合は約1%から2%と推定されている。どちらも基本的に勃起の妨げに成らないのであれば機能上に於いて問題無い(女性を妊娠させる事が可能)と言えるが、真性包茎の極端なケースでは、亀頭との癒着部分や先端部が無理に伸ばされる事によって、勃起時に激しく痛みを訴える人もいる。
嵌頓包茎
またこの真性包茎を無理な力で包皮を反転して亀頭を露出させてしまい包皮が元に戻らなくなった状態を、嵌頓包茎(かんとんほうけい)と言う。嵌頓包茎は亀頭を鬱血させ壊死させる恐れがあるため、緊急に処置する必要がある。このように勃起するという陰茎の機能面で問題が出るケースでは、日本では外科的措置を受ける場合に於いて健康保険適用対象である。
因みに、陰茎の非勃起時に包皮が剥けても、勃起時に剥けなくなるのは包皮輪狭窄といい、嵌頓包茎とは言わないので注意が必要である。また、包皮輪狭窄は自分で包皮を広げる練習をしていれば直るので、通常の場合、手術などは必要ない。この場合、多くは真性包茎という扱いになる。
仮性包茎
包茎ではない正常な陰茎でも非勃起時には亀頭が包皮に覆われているものもあるが、これは包茎とは別のもので、仮性包茎と呼ばれる。「仮性」は医学で使われる言葉で、ある病気・症状に似ているが起因が別であるものに付けられ、一方の真性は真症のものに付けられる言葉である。機能的には全く問題が無いことから、泌尿器科医の石川英二によれば日本以外では「仮性包茎」という認識自体が存在していないという[2]。
しかし、現時点で日本国内においてこの認識は浸透しているといいがたい。「仮性」「真性」という言葉の語感からか、むしろ「仮性包茎は真性包茎と同じく異常だが、日常生活の上では問題がない程度の病状」という誤った認識が半ば常識化しているという現状がある。こうした現状を包茎手術を行う医療機関が煽っているという指摘もある(後述)。
なお、仮性包茎の男性は性交の場において女性から侮蔑されるとの俗説がある。そのためか、「包茎」は相手の男性を女性経験に乏しいものと決め付ける罵倒語として使われることがある。しかし、女性によっては「可愛い」と思われたりすることもある。多くの場合女性は拘らないようだ。
包茎コンプレックス
包茎ないし仮性包茎に関しては、一種の劣等感が存在する。こういった劣等感は陰茎自体の病気とは異なるが、これの矯正などといった業態の存在にも絡み、様々な問題を内包している。
容易に手で戻せる仮性包茎や、勃起自体には何等支障のない真性包茎の場合は、陰茎の機能を何等妨げる物では無いため、医学的にも無理に強制する必要も認められないという理由から、美容外科(美容整形)と同様に健康保険は適用されない自由治療となる。どうしても機能面で気になる場合は、きちんとした泌尿器科で相談すべきだといえよう。なお広告などで包茎(仮性包茎を含む)治療を謳っているクリニックの多くは、美容外科の一種でコンプレックス産業的な業態であるが、中には誤った情報を与えて劣等感や恐怖心を助長する悪徳商法も報告されている。詳しくは包茎手術商法を参照のこと。
なお真性包茎は包皮輪を広げることにより治療できる。ステロイド剤治療などが有効で、米国では約9割程度が同療法による効果が報告されている。
皮膚に癖をつけるため、パンツにリングがついている物や、そのままカリ下にリングをつける物、シールのような物が仮性包茎を治す道具として売られている。また、「情報」が売られていることもある。
民間療法の範疇としては、インターネット上を含め玉石混交で様々な情報が流布されている。湯船の中で行う方法では、包皮が亀頭にかぶった状態での先端部分の輪ゴムのように締まっている部分を暖めながらゆっくりと引っ張り、広げ皮を剥いた状態で締め付けたような感じが無くなるまで広げるなどという方法である。また、仮性包茎は皮を剥いた状態を維持していると治るなどという説も見られ、トイレに行った際こまめに皮を剥く癖をつけるのが一番簡単な方法であるほか、女性が髪をまとめるのに使う緩衝材のついた「ボアゴム」と呼ばれる物のサイズを調節し使う・突き指等をした時に使う医療用テープを貼る(貼り方によって重度、軽度すべてに対応できる)・輪ゴムで無理矢理皮が戻るのを防ぐ等があるが、輪ゴムは特に亀頭を壊死させる可能性が高く、やってはいけない。ボアゴムにしても、絶対に勃起したときでも余裕が持てるようなサイズにしておく必要がある。医療用テープは壊死させるおそれはないが、剥がすときはできるだけゆっくりと行うべきである。水に濡らして石鹸で洗い落とすのが望ましい。
どの場合にも言えることだが、これら民間療法は効果が保証されておらず負傷の危険性を含め自己責任である。亀頭の色が変わる・痛みがある等の症状が見られた場合は、すぐに中止して病院にいくべきだといえよう。包茎手術商法にまつわるトラブル同様、矯正リングなどによる負傷やかぶれ等といった話もインターネット上に見られる。
尿路感染症
男性は、女性に比べて陰茎のぶんだけ尿道が長く(一般的に男性は十数 cmで、女性は4 cm前後である)、また肛門から外尿道口が離れているため、女性に比較して尿路感染症にかかりにくい。しかし、高齢になると、男性も前立腺肥大のため膀胱に尿が貯留する傾向となるため尿路感染症にかかりやすくなる。また、尿道に尿をためすぎると、平たく言えば爆発が起き、死に至る場合もある。
陰茎骨折(陰茎折症)
性交中などに勃起状態の陰茎に無理な力が加わると、海綿体を包んでいる白膜が切断して陰茎が折れ曲がってしまう事があり、激しい痛みと内出血を伴う。もちろんヒトの陰茎に骨は無いが、医学的にも「骨折」と呼称されている。だが、そうすると海綿体内部の機能が十分に働かなくなる恐れがあり、無理に続けることは陰茎に大きな負担がかかる。
陰茎の文化
神事
日本の一部の神社では、五穀豊穣・子宝の神として、陰茎(ペニス)をご神体としているところがある。特に有名なのが、愛知県小牧市にある田縣神社(たがたじんじゃ)参考サイトで、毎年3月15日に行われる「豊年祭り」では、木でできた巨大な陰茎、大男茎型(おおおわせがた)を神輿に乗せて練り歩くもので、当日は外国人も含め、多くの観客が訪れるという。
関東地方では、川崎大師の近くにある「若宮八幡宮」(公式サイト)に、子宝などの象徴として陰茎が奉られている。毎年4月の第1日曜日に「かなまら祭り」として、陰茎神輿が練り歩く。近年ではエイズ除けの祭りとして国際的に知られるようになったという。詳細は若宮八幡宮 (川崎市)もあわせて参照のこと
福岡県田川郡添田町の深倉峡には奇岩「男魂岩」があり対岸の「女岩」との間がしめ縄で結ばれている。11月には「男魂祭」が開かれる。参考サイト
他に男根信仰で有名な神社には、栃木県日光市の金精神社、和歌山県西牟婁郡白浜町の歓喜神社、山口県長門市俵山の麻羅観音などがある。
脚注
関連項目・文献
ショーン・オチンコ(Sean Peter Ochinko, 1987年10月21日 - )は、アメリカ合衆国メリーランド州出身のプロ野球選手(捕手)。右投右打。
2010年のシーズン閉幕時点では、MLBトロント・ブルージェイズ傘下のマイナーリーグA級ランシング・ラグナッツに所属している。
来歴
学生時代まで
1987年10月21日、メリーランド州で誕生、後にフロリダ州パークランドに移住する。ストーンマン・ダグラス高校(Stoneman Douglas High School )在学中は捕手として活躍し、2006年には「『ベースボール・アメリカ誌(Baseball America)が選ぶ2006年の高校生選手300傑』Baseball America's Top 300 High School Players of 2006 」に選定された。
奨学生として大学野球の名門ルイジアナ州立大学(LSU)に進学すると、捕手と一塁手を兼任してNCAA(全米大学リーグ)に参戦し、同僚のジェレッド・ミッチェル(Jared Mitchell、のちの2009年MLBドラフトにおけるシカゴ・ホワイトソックス1巡目指名選手)、チャド・ジョーンズ(Chad Jones、現NFLニューヨーク・ジャイアンツ)らと共にチームを牽引した。
- 女性器
- ヒトの陰茎のサイズ
- 朝立ち (生理現象) - 寝起きに見られる陰茎の勃起現象。
- おちんちん - 陰茎(男性外性器)の幼児語。
- 陽物崇拝 - 古代においては、陰茎は繁栄の象徴と見なされることが多くあった。
- 金精神 - 陰茎の形をした御神体を祀った日本の神
- 割礼 - 幼少時に包皮を切除する儀式。アメリカなどの国やユダヤ教徒・イスラム教徒が衛生上、または宗教上の理由で行っている。
- フォアダイス
- ペニスバンド - 女性用の陰茎の代替物。
- 包茎
- 性器切断
- 去勢
- 完全去勢
- 羅切
- 宮刑
- penis envy
- マルク・ボナール, ミシェル・シューマン, 藤田真利子 (訳) 『ペニスの文化史』 (作品社、2001年) ISBN 4878934263
- デビッド・フリードマン, 井上広美 (訳) 『ペニスの歴史 ― 男の神話の物語』 (原書房、2004年) ISBN 4562038527