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2016年7月6日 (水) 05:36時点における最新版
株式会社東京放送ホールディングス(とうきょうほうそうホールディングス、英称:Tokyo Broadcasting System Holdings, Inc.、略称:TBSホールディングス、英字略称:TBSHD)は、の認定放送持株会社、また当社を中核とするTBSグループの統括会社である。
傘下に関東広域圏を放送対象地域とするテレビジョン放送の特定地上基幹放送事業者である株式会社TBSテレビ、関東広域圏を放送対象地域とする中波放送の特定地上基幹放送事業者である株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ(TBSラジオ)、BSデジタル放送の衛星基幹放送事業者であるBS-TBSを収めている。
目次
概要[編集]
- 1951年に「株式会社ラジオ東京」として設立、設立当初は一般放送事業者(現 民間特定地上基幹放送事業者)として中波放送事業を、1955年にアナログテレビジョン放送を開始。在京民間放送唯一のラテ兼営局となった。
- 1960年10月10日には東証に株式を上場し、商号を「株式会社東京放送」略称を「TBS」に変更した。
- 2000年3月21日、東京放送は経営の効率化を目的に、ラジオ放送制作部門とテレビ番組制作部門を子会社に分割、2001年10月1日、ラジオ放送制作子会社のTBSラジオ&コミュニケーションズに中波放送免許を承継し、中波放送事業を完全分割した。この動きは将来の持株会社制への移行を想定したものといわれている。
- 2009年4月1日、「株式会社東京放送ホールディングス」に商号変更、放送免許の承継を含むテレビジョン放送事業及び文化事業の現業一切を連結子会社である株式会社TBSテレビに分割して純粋持株会社化し、総務大臣から認定された日本で2番目[注 1]の認定放送持株会社となった。
テレビ放送事業[編集]
東京放送は、2004年から放送(送信)と経理以外のテレビ放送事業の現業全般を番組制作会社として設立された株式会社TBSテレビに業務委託しており、東京放送自身では番組制作を一切行っておらず実質的にテレビ放送事業を分社化していたが、2009年4月の放送持株会社移行の際、放送免許の承継を含めテレビ放送事業の全てをTBSテレビに分割した。同時に東京放送からTBSテレビに出向していたアナウンサーは同日を持って全員がTBSテレビへの所属となった。
ラジオ放送事業[編集]
- ラジオ放送事業は2001年10月1日付で既に制作会社として設立されていた株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズに放送免許承継を含め全事業を分割した。
- 2009年4月の放送持株会社移行の際、デジタルラジオ事業の運営をTBSラジオ&コミュニケーションズから当社へ移管した[1]。
- ラジオ送信所の保守管理は分社化後も東京放送が引き続き行っていたが、2009年4月の放送持株会社移行後はTBSテレビに移管して委託を行っている。
- アナウンス業務も同様に東京放送→TBSテレビ所属のアナウンサーが行っている。
文化事業[編集]
赤坂サカスのイベント、赤坂BLITZ・赤坂ACTシアターの運営や、各種催事の開催等の文化事業は2009年4月の持株会社制移行の際に全事業をTBSテレビに分割した(赤坂サカス各施設の所有・不動産管理は当社が引き続き行う)。
沿革[編集]
TBSテレビジョンに関する事項はTBSテレビ#沿革を、TBSラジオに関する事項はTBSラジオ&コミュニケーションズ#沿革を参照せよ。
- 1951年(昭和26年)
- 5月10日、東京都千代田区霞ヶ関に資本金1億5000万円で株式会社ラジオ東京設立(設立登記完了は5月17日)。初代社長は足立正。元々、朝日新聞社により計画された「朝日放送」(大阪の朝日放送と同じ計画)、毎日新聞社により計画された「ラジオ日本」(現在のアール・エフ・ラジオ日本〈旧ラジオ関東〉とは別)、読売新聞社により計画された「読売放送」、日本電報通信社(現在の電通)により計画された「東京放送」を一本化する形で設立された[2]。
- 12月25日、東京都千代田区有楽町一丁目(現在「新有楽町ビル」がある位置)の毎日新聞東京本社新館[注 2]内のスタジオより全国6番目、関東地方では初となる民間中波ラジオ放送の本放送開始(コールサインJOKR、周波数1130kHz、出力50kW)。
- 1953年(昭和28年)12月、"KRT"を略称とする。Kabusikigaisha Radio Tokyoから由来するが、テレビ放送開始をにらんだJOKR-TVにもちなんだともいわれる。実際その通りになったが、世間一般にはほとんど浸透していなかった。
- 1955年(昭和30年)4月1日、東京都港区赤坂一ツ木町(現:赤坂5丁目)に旧放送センター・テレビスタジオが完成、地上アナログテレビジョン放送の本放送開始(呼出符号JOKR-TV、チャンネル6、映像出力10kW、音声出力5kW)。送信所も同所。当時のラテ欄や雑誌の番組紹介では「ラジオ東京テレビ」や「KRテレビ」の名称が使われた。
- 1959年(昭和34年)8月1日、皇太子ご成婚パレード中継での取材協力を機に、NHKに対抗する日本初のニュースネットワークとして「Japan News Network」(略称:JNN)を結成。
- 1960年(昭和35年)
- 1961年(昭和36年)
- 1965年(昭和40年)5月2日、ラジオネットワーク「Japan Radio Network」(略称:JRN)を結成。
- 1973年(昭和48年)12月20日、読売新聞社・朝日新聞社・毎日新聞社の3社首脳間で日本テレビとTBSの新聞資本を統一する合意が成立。翌1974年(昭和49年)2月、創立時からの新聞資本が毎日新聞社だけになる。
- 1974年(昭和49年)11月18日、近畿地方のテレビネット準キー局が、これまでの朝日放送(ABC)から毎日放送(MBS)にネットチェンジすることで基本合意。ABCはこれまでMBSとネットを組んでいた日本教育テレビ(NET。現:テレビ朝日)とネットを組むことになる。
- 1975年(昭和50年)3月31日、テレビにおけるTBS-MBSの新ネットワークがスタート。
- 1977年(昭和52年)、毎日新聞がTBS株を放出。以来、TBSは新聞色の薄い局となる。
- 1981年(昭和56年)3月、横浜市緑区(現:青葉区)緑山に緑山スタジオ・シティ完成。
- 1990年(平成2年)12月2日、創立40周年事業として、宇宙特派員・秋山豊寛を乗せた宇宙船(ソユーズ)をソ連・カザフのバイコヌール宇宙基地から打ち上げる(「TBS宇宙プロジェクト」)。
- 1991年(平成3年)9月30日、新CI(ミクロコスモス)導入。これに伴い、筆記体マークを廃止。
- 1994年(平成6年)
- 1998年(平成10年)4月1日、CSテレビチャンネル「JNNニュースバード」放送開始(2006年4月「TBSニュースバード」に名称変更)。
- 2000年(平成12年)
- 2月、TBSグループ、JNN、TBSネットワークの共通新シンボルマークとして、漢字の“人”をモチーフにした「ジ〜ン」(一般公募)を制定。
- 3月21日、ラジオ現業部門を行う 株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ、テレビの娯楽番組制作を行う 株式会社TBSエンタテインメント、テレビのスポーツ番組制作を行う 株式会社TBSスポーツの3つの連結子会社を設立・分社化し事業を分割。
- 12月1日11時、系列のBSデジタル放送「BS-i」(デジタルBS6Ch、現・「BS-TBS」)放送開始。
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)7月1日、CSテレビチャンネル「TBSチャンネル」放送開始。
- 2003年(平成15年)
- 7月1日、系列会社の株式会社木下プロダクションを商号変更・連結子会社化、事実上の第二エンタテインメント制作分社となる株式会社ドリマックス・テレビジョンを設立。
- 12月1日11時、地上デジタルテレビジョン放送の本放送開始(当初は簡易マスターで対応。アナログ放送は既存のマスターを継続使用)。
- 2004年(平成16年)10月1日、TBSエンタテインメントを存続会社とし、TBSスポーツ、TBSライブのテレビ子会社3社を合併・統合したテレビ制作事業子会社 株式会社TBSテレビを設立。同時にアナウンサーが同社へ出向扱いとなる。
- 2005年(平成17年)
- 7月20日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)/TSUTAYAと共同で、DVDソフトの市場拡大に対応する映像ソフト事業の強化とモバイルやインターネットを利用したコンテンツ事業の拡大を目的とした企画会社「TCエンタテインメント株式会社」の設立を発表。
- 8月30日、日興プリンシパル・インベストメンツと、韓国最大のドラマ制作会社「キム・ジョンハク プロダクション」(ko:김종학 프로덕션)に共同投資することを発表。
- 8月31日、ADSL事業を行うイー・アクセス(現・ワイモバイル)の子会社で携帯電話などのモバイルブロードバンド通信事業を行うイー・モバイル(現・ワイモバイル)に100億円の出資を行うと発表。
- 9月2日、三井物産と、2006年(平成18年)春スタートの携帯電話向け地上デジタル放送(ワンセグ放送)のデータ放送領域を活用した新サービスを検討する企画会社を「TMモバイル企画」(仮称)を9月下旬に都内に設立することで合意。
- 11月1日、PCおよびSTB利用によるブロードバンドテレビ向けの動画オンデマンド配信サービス「TBS BooBo BOX」を開始。
- 2006年(平成18年)4月1日、地上デジタルテレビジョンワンセグの本放送を開始。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)4月1日、株式会社東京放送ホールディングスに商号変更し放送持株会社体制に移行、同時にテレビ放送免許の承継を含むテレビ放送事業と文化事業の現業全てをTBSテレビに分割[注 3]。関連会社であるBSデジタル放送局のビーエス・アイの商号を株式会社BS-TBSに、チャンネル名もBS-TBSに変更。また、デジタルラジオ事業の運営を子会社のTBSラジオ&コミュニケーションズから当社へ移管[1]。
- 2011年(平成23年)
社史・記念誌関連[編集]
- 1965年(昭和40年)5月、『東京放送のあゆみ』(東京放送社史編集室 編、631ページ)を発行。
- 2002年(平成14年)1月、『TBS50年史』(東京放送 編、686ページ)ならびに、『TBS50年史 資料編』(東京放送 編、369ページ)を発行。付録として、2枚のDVDソフトウェア『ヴィジュアル編』(DVD-VIDEO)と『ハイブリッド検索編』(DVD-ROM)も発行された。
事業所[編集]
- 本社
- 東京都港区赤坂五丁目3番6号 TBS放送センター(郵便番号 107-8006)
- 関西支社
- 大阪市北区梅田二丁目5番25号 ハービスOSAKAオフィスタワー11階
- 名古屋支局
- 名古屋市中区錦三丁目24番17号 日本生命栄町ビル
主な役員・社員[編集]
- 現在の役員及び主要幹部については編制上層部一覧#東京放送ホールディングス・TBSテレビ・TBSラジオ&コミュニケーションズを参照。
- 過去の役員や番組スタッフ(プロデューサー・ディレクターなど)についてはCategory:TBSの人物を参照。
アナウンサー[編集]
TBSのアナウンサー一覧 を参照
現在[編集]
- 藤丸真世 - 元シンクロナイズドスイミング選手。現役引退後に入社。
過去[編集]
- 秋山豊寛 - 日本初の宇宙飛行士。現在は農家。
- 井沢元彦 - 報道記者。在社中の1980年に『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後は作家。
- 石井ふく子 - プロデューサー。退社後も『渡る世間は鬼ばかり』などTBSのドラマを中心にプロデュースを手掛ける。
- 小渕優子 - アシスタントディレクター。現自民党衆議院議員(5期)、麻生内閣にて特命担当大臣(男女共同参画・少子化対策)、第2次安倍改造内閣で経済産業大臣[6]。
- 久世光彦 - 演出家、プロデューサー。退社後は制作プロダクション「カノックス」を設立、作家としても活動。
- 小杉隆 - 退社後は東京都議会議員(4期)、衆議院議員(8期)、第2次橋本内閣で文部大臣。
- 実相寺昭雄 - 演出部、映画部。退社後は映画監督、演出家、脚本家として活動。
- 鈴木道明 - 音楽番組ディレクター、プロデューサー。退社後は作詞家・作曲家。
- 杉田秀男 - 元フィギュアスケート選手、フィギュアスケート中継制作担当・解説。元日本スケート連盟理事。
- 田畑光永 - 報道記者、『JNNニュースコープ』メインキャスター、北京支局長、香港支局長。退社後はジャーナリスト、神奈川大学経営学部教授(〜2006年)。
- 円谷一 - 演出部、映画部。退社後は円谷プロダクションで2代目社長を務めた。
- 田英夫 - 元共同通信社記者、『JNNニュースコープ』初代メインキャスター。退社後は参議院議員(6期)
- 堂本暁子 - 退社後は参議院議員(2期)、千葉県知事(2期)。
- 帚木蓬生 - 退社後は小説家、精神科医。
- 樋口潮 - スポーツ部ディレクター、プロデューサー。退社後は制作プロダクションモンスター・ナインを設立。
- 堀川とんこう - 演出家、プロデューサー。退社後もドラマプロデューサー、演出家などとして活動。
- 蒔田尚昊(別名:冬木透) - テレビ・映画の音楽を担当。退社後も作曲家として活動。
- 牧山弘恵 - ディレクター。退社後は民主党参議院議員(2期)。
- 松岡憲治 - スポーツ局、制作局、『YKKアワー キックボクシング中継』解説者。退社後はタレント、俳優。
- 渡辺岳夫 - 演出部。退社後は音楽家、作曲家として活動。
資産[編集]
社内カンパニー も参照 TBSHDは、傘下の放送局による放送での技術・コンテンツ以外の資産を抱えている。不動産においては本社・演奏所『TBS放送センター』のある東京都港区赤坂の赤坂サカスの土地・建物をはじめ、横浜市青葉区の緑山スタジオ・シティなどの不動産を保有している。
半導体製造機器メーカー東京エレクトロンの創業時に出資、現在も同社の筆頭株主でもある。また、プラザスタイル(旧ソニープラザ)などのリテール事業を営むスタイリングライフグループ(スタイリングライフ・ホールディングス)の筆頭株主(51%)にもなっている。これらを含めたTBSHDの保有株式も貴重な存在である。
後述のように大口の安定株主がいないという状況もあり「買収の対象とされやすい」と言われていた。
系列[編集]
金融系列[編集]
初代社長の足立正が三井物産出身であったため同社や三井不動産と近しく、メインバンクも前身のラジオ東京設立当初から[注 4]三井住友銀行である。TBS放送センター内に設置してある企業内ATMも三井住友銀行のATMのみである[注 5]。またJNNとJRNの共同災害募金の口座も同行の赤坂支店にのみ設けられており、これらの事からも同行との親密ぶりを窺わせることができる。ただし、関連会社である東京エレクトロンは旧東海銀行が設立に大きく貢献した経緯があるため、同社のメインバンクは三菱東京UFJ銀行である。
2009年に三井グループの社長会である二木会や、三井業際研究所等に加盟したことからも分かる通り、三井色の強い企業ではあるが、設立時の経緯に鑑みるに三井直系企業ではないため、三菱グループや第一勧銀グループ(みずほグループ)とも親しい関係にある。このため、TBSのサブメインバンクである東京三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)や第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、東京海上火災保険(現・東京海上日動火災保険)、安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン日本興亜)も一時期TBSの大株主であった。
かつての三和銀行とは取引がなかったが、赤坂通りを挟んで旧TBS社屋のすぐ目の前に三和銀行赤坂支店[7]があったため、旧社屋時代はTBSのメインバンクだった三井銀行ではなく三和銀行を給与振込口座に指定している従業員が多かった。しかし現在のTBS社屋には三井住友銀行のATMが設置されているため、三和銀行の後身である三菱東京UFJ銀行を給与振込口座に指定する従業員は旧社屋時代よりも少なくなっている。
新聞系列[編集]
東京放送は沿革の項で述べた通り、もともと競願4社を統合して設立された会社であり、そのうち3社が新聞社をバックに設立された会社-毎日新聞系の「ラジオ日本」、読売新聞系の「読売放送」、朝日新聞系の「朝日放送」であった。
開局当時、ラジオ東京のスタジオは東京・有楽町の毎日新聞と同じビルに置かれ、人事面でも毎日色が強かった。これは上記各社のうちで「ラジオ日本」だけが順調に開局準備を進めていたことや、ラジオ東京成立後「ラジオ日本」が建設した演奏所以外の場所で開局すべく準備していたが、適切な場所が見つからずやむなく「ラジオ日本」が建設した演奏所を使用することになったこと、またレッドパージで毎日新聞を退職した者が多く入社したことによるものである。
しかしながら、ラジオ東京はこれら新聞各社とは一線を画し、徐々に新聞支配からの脱却を図っていった。ラジオニュースは開局当初より読売・朝日・毎日の順番で一日交替制による『三社ニュース』として放送しており、編集権は一切新聞社が掌握していた。このため、出稿社が異なる度、同じ題材を扱うニュースの内容に齟齬(そご)が生じる結果となり、ニュース編集方針に一貫性を欠くきらいがあった。
テレビニュースは自社制作ながら、月~土曜日の夜に『三社ニュース』の枠が設けられ、読売・朝日・毎日各社の記者が出演して放送された。後にテレビ版『三社ニュース』は各社制作のニュース映画に替わり放送時間も夕方に変更された。
1959年にJNNが結成される際は、地方局のほとんどが地元新聞社と深い繋がりがあったため、ラジオ東京は特定の新聞色を出さない条件でニュースネットワークへの参加を地方局に呼びかけた。このため同じ新聞3社が出資していながら読売色が強かった日本テレビに対して、ラジオ東京は全国ネットワークの形成で優位に立った。
1961年、創立以来均衡を保った新聞各社出身の常勤役員は毎日出身者のみとなったが、却ってこれら毎日出身役員を中心に自主性が強まり、むしろ新聞色の薄い局と呼ばれるようになる。
ニュースについては、1955年9月の砂川闘争の取材よりラジオ東京独自の取材による内容をニュースとして放送することが認められ、以降臨時ニュースを中心に独自取材のニュースも放送されるようになった。
1963年、東京放送は新聞3社とラジオニュースに関する覚書を交わし、同年4月より海外ニュースを共同通信社経由に切り替え、一部TBS自主取材のニュースを新聞社提供ニュースに挿入できるようになり、編集権の自主権を一部確保した。
1973年12月20日、読売・朝日・毎日の各首脳が覚書を交わし、読売と朝日が持つ東京放送株は毎日へ譲渡されることとなり、翌1974年2月25日に実施される。このため4月からテレビ『三社ニュース』枠は『毎日新聞ニュース』だけになるが、ラジオの定時ニュースタイトルは『TBSニュース』に変更。完全に編集権は東京放送側に移った。5月30日毎日新聞社と東京放送は両社社長連名で相互の協力関係と独自性の尊重をうたった覚書を締結。
1975年10月、テレビ開局以来の『毎日新聞ニュース』が打ち切られ、代わりに毎日新聞協力の『テレポートTBS6』がスタート。1977年、毎日新聞は経営危機の克服のためTBS株式の大部分を放出。また逆に毎日新聞新社設立時には東京放送が出資することとなり、完全に両社の立場は対等となった。
1978年、ラジオのプロ野球中継で、読売ジャイアンツ主催試合を中継するため放送権を持つ読売新聞社と交渉に入り、10月読売新聞協力の報道・情報番組を放送することで1979年以降のジャイアンツ主催試合の放送権を確保。4年ぶりにラジオでの『読売新聞ニュース』が復活したが、1992年テレビでの東京佐川急便事件報道で読売新聞社と係争関係になり、ラジオナイターの独占中継権も覆ったため、1993年に『読売新聞ニュース』の放送を中止し現在に至っている。
東京放送(当時)株をめぐる動き[編集]
主な株主[編集]
2011年9月30日現在
- 自社保有 37,770,700株(19.94%)※
- 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職給付信託口・株式会社電通口) 9,310,500株(4.88%)
- 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 8,491,100株(4.45%)
- 日本生命保険相互会社 7,821,735(4.10%)
- 株式会社毎日放送 6,166,000(3.23%)
- 株式会社三井住友銀行 5,745,267(3.01%)
- 三井不動産株式会社 5,713,728(3.00%)
- 三井物産株式会社 4,288,000(2.25%)
- 株式会社ビックカメラ 3,810,000(2.00%)
- 株式会社講談社 3,771,200(1.98%)
※自社保有株を主な株主から除外した場合、第10位株主はパナソニック株式会社(3,083,180株)となる[8]。
※筆頭株主であった楽天が「反対株主の株式買取請求権」を行使、2011年5月10日付で株式買取りが完了。
安定株主の不在[編集]
上記の歴史から、東京放送は在京キー局で唯一新聞社との関係が薄く、大口の安定株主が存在せず買収されやすいと言われており、2005年2月のライブドアによるニッポン放送株取得を受け日興プリンシパル・インベストメンツに新株予約権を割り当てるポイズンピルや第三者割当増資を行うなどの防衛策を実施したが、同年10月の楽天による株式の大量取得を防ぐことはできなかった。しかし、2009年4月の認定放送持株会社への移行に伴い、特定株主の出資比率が3分の1に制限され、楽天は経営権の取得が不可能になったことから同年3月31日、東京放送(当時)に対し、保有全株式の買い取りを請求し、楽天による一連の経営権問題は収束した。
楽天による一連の経営権問題[編集]
- 2005年(平成17年)
- 10月13日、ネット関連事業大手の楽天が系列会社の楽天メディア・インベストメント等を通し、東京放送の全発行済み株式の15.46%を取得した旨株式大量保有報告書を関東財務局に提出するとともにその事実を発表した。
- 10月26日、楽天はさらに東京放送の普通株式を買い増し、19.09%の株式を保有している旨を関東財務局に報告・発表した。
- 10月14日、村上世彰が代表を務める村上ファンドが系列会社を通し東京放送の全発行済み株式の7.45%を取得している事が、関東財務局に提出された株式大量保有報告書にて明らかになった。
- 東京放送は安定株主対策として毎日放送や電通に第三者割当増資を行った他、系列局に対しても株式の取得を要請した。
- 11月30日、東京放送と楽天は、
- 「放送とインターネットの連携」協議・検討する「業務提携委員会」の設置。
- 楽天は経営統合の提案を一旦取り下げる。
- 協議期間中、楽天は東京放送株式の保有比率を10%未満まで低下させる。これを超える保有TBS株式についてはみずほ信託銀行に信託する(信託分の東京放送株式の議決権は同銀行に移行する)。
- 楽天の東京放送に対する最終的な出資比率等については、両者で協議する。
- 協議期間については2006年(平成18年)3月31日までとし、延長できるものとする。
- 以上を要旨とした覚書を取り交わし、両社は敵対的状態から和解した。
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)6月18日、イーエム・プランニングが、TBS株の6%強を売却し、株式保有率が3.35%に低下していたことが判明した。
- 2008年(平成20年)
- 11月5日、東京放送が臨時取締役会を開き、認定放送持株会社に移行する事を決議した。具体的には現在東京放送が保有しているテレビ放送免許を、既にテレビ事業の送信以外の現業を担当しているTBSテレビに承継しテレビ放送事業を完全に分社化、東京放送は純粋持ち株会社化し「株式会社東京放送ホールディングス(略称・TBSホールディングス:TBSHD)」に商号変更、TBSテレビの略称を『TBS』に変更する。
- 12月16日、 東京放送が認定放送持株会社制移行を議案とする臨時株主総会を開き、株主の賛成多数により2009年4月1日付での認定放送持株会社への移行、およびTBSテレビへのテレビ放送免許の承継及び事業分割が承認された。
- 2009年(平成21年)
- 3月12日、総務大臣から同年4月1日付で「東京放送ホールディングス」を認定放送持株会社に認定、及びテレビ放送免許のTBSテレビへの承継が許可された。
- 3月31日、楽天は、会社法[注 6]に基づいて「反対株主の株式買取請求権」を行使、東京放送に対して同社が保有する全ての東京放送株の買取を請求した。
- 4月1日、株式会社東京放送ホールディングス(TBSHD)に商号を変更しテレビ放送事業を分割、放送持株会社体制に移行した。
- 7月27日、TBSHDは、「反対株主の株式買取請求権」を行使した楽天ほか1名の株主の内、楽天に対し買取代金の仮払いを行うことで両者が合意したと発表した。仮払い額は400億円で、支払いは同年7月31日に実施された。「仮払い」となった理由はTBSHDが同年5月1日に当該株式について東京地裁に対し「買取価格決定の申立て」を行ったが発表日現在係属中の為であり、買取価格決定後決定価格にて精算される。
- 2011年(平成23年)5月10日、同年4月19日付で東京地裁が買取請求した楽天側の特別抗告を却下し確定した買取金額での買取りが完了しTBSHDと楽天との経営権問題は完全に終結した。なお、TBSHDは買取った株式は当面自社保有するとしている。
主なグループ会社[編集]
系列放送局各社に関しては「JNN」、「JRN」の項目を参照。
- ※は持分法適用関連会社、それ以外は連結子会社
放送事業[編集]
- 株式会社TBSテレビ (100%)
- 株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ(100%)
- 株式会社BS-TBS(51.9%)
- 株式会社TBSビジョン(100%)
- 株式会社アックス(100%)
- TOKYO BROADCASTING SYSTEM INTERNATIONAL, INC.(100%)
- 株式会社赤坂グラフィックスアート(TBS企画100%)
- 株式会社東通(52.1%、うち間接保有分18.6%)
- 株式会社ティ・エル・シー(100%、うち東通・TBS企画保有分85%)
- 株式会社ドリマックス・テレビジョン(74.7%、うち間接保有分16.1%)
- 株式会社エフエフ東放(TBS企画100%)
- 株式会社TBSテックス(100%)
- 株式会社TBSプロネックス (100%)
- 株式会社ジャスク(間接保有100%)
- 株式会社ビューキャスト(間接保有100%)
- 株式会社TBSメディア総合研究所(100%)
- ※株式会社トマデジ(37.2%、うち間接保有分9.6%)
- ※株式会社WOWOW(15.5%)
映像・文化事業[編集]
- 株式会社TBSテレビ
- 株式会社TBSサービス(100%)
- 株式会社日音(100%)
- 株式会社TBSトライメディア (TBS企画100%)
- 株式会社グランマルシェ(100%)
- OXYBOT株式会社
- TCエンタテインメント株式会社(51%)
- 株式会社スタイリングライフ・ホールディングス(51%)
- 株式会社ライトアップショッピングクラブ(スタイリングライフ・ホールディングス100%)
- 株式会社CPコスメティクス(同上)
- マキシム・ド・パリ株式会社(同上)
不動産事業[編集]
- 株式会社TBSテレビ
- 株式会社緑山スタジオ・シティ(100%)
- 株式会社TBS企画(100%)
- 株式会社TBSサンワーク(100%)
- 赤坂熱供給株式会社(70%)
その他出資会社[編集]
東京エレクトロン株式会社、株式会社キッズステーション、イー・モバイル株式会社(現・ワイモバイル株式会社)、キングレコード株式会社、株式会社スカパーJSATホールディングス、株式会社パスコ、その他JNN各社を含む70社程度に出資している。
関連法人[編集]
- 学校法人東放学園
- 東放学園専門学校、東京アナウンス学院などを運営。設立時は東京放送の教育事業本部として発足。放送・映像・音響技術者、アナウンサー・ナレーター、テレビタレントなど、メディア関連人材の養成機関である。以前は実習用放送機材もTBSや東通の払い下げが使われており、現在も現場実習やグループ社員の講師派遣等、TBSグループとの繋がりは深い。
プロ野球との関係[編集]
2001年1月26日から2011年12月2日まで、プロ野球チーム・横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)のオーナー会社であった。
同球団との関わりは古く、1960年に前身の大洋球団と独占契約を締結して、放映権を獲得した。これは日本テレビの後楽園球場独占に対する対抗策として行ったものであり、フジテレビやNETテレビ(現・テレビ朝日)、NHKには各局が持つ放映権と引き替えの条件付で解放した。その後、前述の各局が放送できない年数試合については日本テレビにも開放した。
しかし、1975年にNETテレビが大洋球団のテレビ独占中継権を獲得。これにより一部のカードは1978年までNET~テレ朝経由での放映権購入となる。次いで1978年にラジオの巨人戦中継権絡みでニッポン放送が大洋球団のラジオ独占中継権を獲得したため、TBSテレビ・ラジオの優位は崩れた。なお、同年10月に国土計画が45%保有していた大洋球団株を放出することになり、約15%を引き受ける。
1992年に「横浜ベイスターズ」に球団名を変更した同球団を2001年にオーナー会社であったマルハ(現・マルハニチロ)が手放すことになり、当初ニッポン放送が買収することとなっていたが、野球協約に抵触していた(ニッポン放送の関連会社であったフジテレビがヤクルト球団株式を20%保有していた)ために、東京放送およびビーエス・アイ(当時)がマルハから株式を取得して、オーナー企業になった。
上述のように東北楽天ゴールデンイーグルスのオーナー企業である楽天株式会社が東京放送(当時)株の取得を進めていた時期があったため、野球協約の規定により球団を手放す可能性があった。また当時はUSENなどが球団買収に食指を動かしていた。結局、楽天絡みの懸念は払拭されたものの、肝心の球団経営に失敗したため、ディー・エヌ・エーに持株の殆どを譲渡して球団経営からは撤退した。
脚注[編集]
注釈[編集]
- ↑ フジテレビジョンやニッポン放送を傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスに次ぐ。
- ↑ 毎日新聞東京本社は1966年に東京都千代田区一ツ橋1-1-1の現本社ビルに移転
- ↑ 同時に「TBS」の略称もTBSテレビへ承継された。
- ↑ 取引開始当時は三井銀行であった。また、三井銀行は一時期TBSの筆頭株主でもあった。
- ↑ ただし現在はセブン-イレブンがTBS放送センター12階に「セブン-イレブンTBS放送センタ-店」を設けており、同店内にセブン銀行ATMも設置してあるので三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行、新生銀行などの預金口座で給与・賞与受取や融資取引等をしているTBSの社員や関係者はこちらのATMを利用すれば取引条件によっては年中24時間手数料無料で何度でも取引することができるため、TBS社内での利便性が大幅に向上した。また、赤坂サカス内にある赤坂Bizタワーの地下には三井住友銀行の他にみずほ銀行赤坂支店の店舗外ATMが設置されている
- ↑ 会社法第785条に基づく。
出典[編集]
- ↑ 1.0 1.1 TBS、デジタルラジオ事業などをホールディングス傘下に(Impress Watch - ケータイ Watch)
- ↑ 東京放送『TBS50年史』(東京放送、2002年)、大山勝美『私説放送史』(講談社、2007年) ほか各種資料を参照。
- ↑ 「東京放送」の正式社名をなぜ使わぬ:番組み(原文ママ)発表にはテレビ、ラジオを区別(1961年2月7日朝刊 読売新聞東京本社版 「読者と編集者」(3面))。
- ↑ 「東京テレビ」「東京ラジオ」の呼称も「TBSテレビ」「TBSラジオ」に切り替えた(1961年12月1日付朝刊 毎日新聞東京本社版 ラテ欄)。
- ↑ 高橋モータース@dcp (2013-05-06) 高橋モータース@dcp TBSのロゴに描かれている"あの物体"はナニ!? -広報さんに聞いてみた マイナビニュース マイナビ 2013-05-06 [ arch. ] 2015-01-01
- ↑ 一連の金銭問題で就任から1ヶ月半で大臣辞任
- ↑ UFJ銀行発足後、旧東海銀行赤坂支店内に移転した。現在、三和銀行赤坂支店があった場所はマルエツプチ赤坂店となっている。
- ↑ [1]
関連項目[編集]
- 放送持株会社
- 三井グループ(TBSHD・TBSテレビ共に三井グループの社長会である三井月曜会に加盟)
- 毎日新聞社
- 毎日放送
- 中部日本放送(TBSHDと同じく放送持株会社体制を採用)
- 横浜F・マリノス(公式スポンサー)
- 横浜DeNAベイスターズ
- 阪急コミュニケーションズ(旧:TBSブリタニカの出版事業を買収)
- 赤坂サカス
- 通信と放送の融合
- 日曜劇場
- TBS系列
- Japan News Network(JNN)
- Japan Radio Network(JRN)
- CBS