「佐村河内守」の版間の差分
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足を引っ張ることもしたくなかった」と簡単なあいさつで別れたと明かした大倉氏。最後は「ちゃんと事情説明して、もう音楽はやらないでほしい」と訴えた。 | 足を引っ張ることもしたくなかった」と簡単なあいさつで別れたと明かした大倉氏。最後は「ちゃんと事情説明して、もう音楽はやらないでほしい」と訴えた。 | ||
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+ | == 偽ベートーベン、インターホン聞こえてた == | ||
+ | ゴーストライター問題が取りざたされる佐村河内守について、2014年2月10日発売の週刊誌「[[AERA]]」が「本誌が見抜いた佐村河内の嘘」と題して、2013年6月に行ったインタビューの掲載を見送った経緯を紹介している。 | ||
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+ | 同誌によると、[[横浜市]]内にある同氏の自宅マンションで取材を行った際、疑わしい振る舞いがいくつかあったという。交響曲「HIROSHIMA」に込めた思いや、幼少期のエピソード、作曲方法などについて冗舌に語ったが、[[手話]]通訳の動きが終わる前に話し始めたことが何度かあったという。 | ||
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+ | さらに取材終了後、帰りのタクシーが到着してインターホンが鳴ると、即座に立ち上がって「来ましたよ」と言ったという。 | ||
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+ | 同誌は、取材後に話を聞いた複数の関係者が、作曲能力や聴覚障害について疑問を投げかけていることなどから、インタビュー記事の掲載を見送ったという。 | ||
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+ | == 偽ベートーベンに降りかかる空前の“賠償地獄” == | ||
+ | 「現代の[[ベートーベン]]」からエセ作曲家に成り下がった佐村河内守が、“損害賠償ラッシュ”に遭いそうだ。今月から5月まで予定されていたコンサートは中止を余儀なくされ、企画会社は億単位の賠償請求を検討中。同氏の楽譜を販売する音楽出版社も近く訴訟を起こすとみられ、空前の“請求書地獄”に陥ることになる!? | ||
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+ | 世間を欺き続けた代償は莫大なものとなりそうだ。 | ||
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+ | [[ゴーストライター]]を18年間務めてきた[[桐朋学園大]]非常勤講師・[[新垣隆]]氏(43)の告発を機に、佐村河内には非難の声が集中。[[広島市]]は7日、同氏に授与した「広島市民賞」を取り消し、文書で「市民をはじめ多くの人々を裏切り、失望させるものであり、広島市民賞の被表彰者としての面目を汚すものである」と辛らつな言葉を並べた。 | ||
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+ | [[日本レコード協会]]も10万枚以上のヒットを記録した「佐村河内守」名義のCD「交響曲第1番 HIROSHIMA」の[[ゴールドディスク]]認定を取り消した。 | ||
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+ | 失ったモノは名誉だけではない。今後、次々に損害賠償請求が起こされそうだ。 | ||
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+ | コンサート企画会社の「[[サモンプロモーション]]」は、今月から5月まで予定していた全国17公演の中止を発表。17日にチケットの払い戻しを開始するが、すでに5000枚以上が売れている。関係者いわく「会場使用料でも数千万円の赤字が出る」そうで、損失は総額1億円以上にのぼり、同社は損害賠償を検討中だ。 | ||
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+ | [[ソチ五輪]][[フィギュアスケート]]男子代表・[[高橋大輔]](27)のショートプログラム使用曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」などを含む4作品の楽譜をレンタル・販売する音楽出版社も、騒動ですべてが中止となり数百万円の被害が出る見込み。一部報道では、こちらも損害賠償を検討中という。 | ||
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+ | CD発売元の「[[日本コロムビア]]」も計算が狂った。全CDの出荷停止だけでなく「ソチ五輪で高橋選手が活躍すれば、楽曲が再び脚光を浴びてヒットすると考えていた。それが全部オジャンになった」(同社社員)。 | ||
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+ | そればかりか、同社には購入者から返金を求める電話も殺到している。現時点で個別の返金に応じる予定はないというが…。 | ||
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+ | いずれにしろ、カギを握るのは、新垣氏が暴露した「耳は聞こえている」が本当かどうかだ。佐村河内の代理人は否定しているが、仮に全聾までも“偽装”だった場合、世間のさらなる反発は避けられない。 | ||
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+ | 「レコード会社にも『なぜ見抜けなかった』『最初からグルなのでは?』という声が飛ぶことになる。社員は気が気じゃないはず」 | ||
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+ | 耳鼻咽喉科の名医で知られる「赤坂山王クリニック」の梅田悦生医師は「詐病かどうかを検査するには脳波聴力検査=ABR(聴性脳幹反応)があります。電極をつけ、ヘッドホンで音を流したとき、脳波が出ていれば聞こえているはずだということになる」と解説。 | ||
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+ | 佐村河内氏は聴覚障害2級の身体障害者手帳を持っているが「2級はどんな大きな音を出しても全く聞こえない状態。本当に脳波聴力検査、ABRまでしたのか。どう診断書を書いたのか。理解できない」。 | ||
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+ | 一方、佐村河内氏に手帳を交付した[[横浜市]]の障害者更生相談所の担当者は「個人の案件なので答えられない」としつつも「一般論として医師が脅されてウソを記載したなどという客観的根拠があれば、手帳の返還命令を出すことはできます。ただ、今回のように第三者の方が、障害者ではないと言っているだけでは難しいのでは」とコメントした。 | ||
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+ | 温泉付きの高級マンションに住んでいると言われる佐村河内氏。ぜいたくな暮らしが一夜にして暗転してしまった。 | ||
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+ | == 鬼武者のサントラ収録時、指揮をした新垣隆(本当の作曲者)による楽曲解説(当時、佐村河内守の作曲)と寄せ書き == | ||
+ | 奇跡の目撃者 指揮者 新垣隆 | ||
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+ | 佐村河内のスコアを詳細に眺め評価することは、近頃の劇音楽に屡々見られる基本的な技術不足や、必要以上に技を凝らそうとする過剰なテクニックの持て余し。これらとは明かに一線を画しているという事だ。 | ||
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+ | 第一楽章、邦楽の静謐な、それでいて熱いエネルギーを内に秘めた佇まいから戦いを表現する大[[オーケストラ]]への見事な転換、目の眩むような、あたかも生物の細胞分裂の様な声部の増殖の緊張は、来たるべく英雄の出現(心に強く刻み込まれる主題[テーマ])を準備しているのだ。 | ||
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+ | 第二楽章では、一楽章の主要な動機[モティーフ]や主題[テーマ]を巧みに変奏発展させてゆく、限られた時間の中で超絶的展開能力。神業である。 | ||
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+ | そして遂に圧倒的なクライマックスへ突入する。全く隙の無い構築力と完璧なオーケストレーションには唯々感嘆するばかりだ。これらの事が自然に在る、ということ、技術はその為にこそ使われなくてはならない事をこの奇麗なスコアは私達に示してくれている。そしてこれこそが天才の仕事なのだ。 | ||
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+ | そんな氏の天才を物語るエピソードがある。私がコーダ部の総譜を受け取りに氏宅に伺った日のこと。着いてすぐ筆談で、まだ出来てないので待てとのこと。以降氏は黙したまま延々4時間が流れた。 | ||
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+ | と突然立ち上がり、未だ見た事も無い80段はあろう巨大な五線紙を取り出し席に着くや否や、嵐の如くペンを走らせ始めた。それは神憑り的な速さといった感じだった。何やらスケッチでも書き写しているようだった。 | ||
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+ | 10分も経った頃、「写譜なら手伝おう」と立ち上がり氏に近づいた私は思わず目を疑った。氏が書き写している筈の五線紙の向こうには何も無かったのだ・・・・。その恐ろしい光影に立ち尽くすばかりだった。 | ||
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+ | 写し取っていたのは頭の中のスケッチだった、以降ペンは一度と止む事無く僅か20分で全ては終わった。氏は見直しもせず「ポイ」と私に手渡した。後に私が見直したところ、何の落度も無かった事は言う迄も無い。こうして私は奇跡の目撃者になったのだ | ||
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+ | == 佐村河内がこの先生きのこるには([[きのこる先生]]調べ) == | ||
+ | * 今の嘘をつき通す | ||
+ | :新垣氏は嘘つき。曲は全て自分が書いたと主張。全聾もホント!そして、新たなゴーストを見つけ、協奏曲「FUKUSHIMA」を発表。原発事故直後の1時間を曲にし、大ヒット。 | ||
+ | * ごめんなさい、ごめんなさいする | ||
+ | :ゴーストの件も全て認め、聴覚障害の件もウソと認め、素直に詐欺罪で刑務所へ。数年後出所し、事件の真相を記した暴露本を執筆。大ヒット。 | ||
+ | * 曲はゴーストは認めるが、全聾がウソというのだけは認めない。 | ||
+ | :ツンボのふりして、なんとなく乗り切る。そして、無職で一生ツンボのふりをするという苦行を死ぬまで演じる。 | ||
+ | * 逃亡、高飛び | ||
+ | :祖国帰り、私は日本人に騙されたニダ。謝罪と賠償!と叫ぶ | ||
+ | * XのTOSHIの影武者TOSHIKIとして再デビュー | ||
+ | :行方をくらまし、ほとぼりが覚めた頃に再びマスコミの前へ。「私は15年間TOSHIのゴーストでした」と記者会見を開き告白。罪のないTOSHIを巻き添えに。 | ||
+ | * 原爆二世、全聾だったけど、○○を買ったら治った!と主張 | ||
+ | :週刊誌の広告欄のスターへ | ||
+ | * 実は私が新垣です。佐村河内は世を忍ぶ仮の姿。 | ||
+ | :・・・などと意味不明な供述を繰り返しており | ||
== 「作品」 == | == 「作品」 == |
2014年2月23日 (日) 13:25時点における版
佐村河内 守(さむらごうち まもる、1963年9月21日 - )は、楽譜も読めず楽器も演奏できないが作曲家と名乗り、五体満足だが全く耳が聞こえない被爆者2世と名乗っていた広島県出身の詐欺師である。
障害者、被爆者というNHKが大好きな要素を売りにしたため、NHKが大々的に放送した。
2014年2月5日、自作としていた曲全てがゴーストライターによるものと発覚した。
目次
ひたすら持ち上げたNHK
鳴り止まぬスタンディング・オベーション。迎えられたのは作曲家・佐村河内守。
────しかし、その賞賛の声は彼には届かない────
ナレーター「佐村河内の曲作りは難航していた」
ナレーター「その影響で立つ事すらできなくなっていた────」
ナレーター「耳鳴りは時に体の自由をも奪う」
佐村河内「ううううっ・・・うがぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」
ナレーター「彼は作曲を始めた────」
ナレーター「頭のなかのメロディーをこれから五線紙に書き込む」
ナレーター「佐村河内は、この作業を出産に例える。とても神聖なものと考えている」
ナレーター「撮影は拒否された────」
NHKスペシャルのまとめ
- 黒いカーテンで室内を暗くして生活する。明るい光を見ると耳鳴りがするので常にサングラスをかけている。
- 「音楽室」と呼ぶ仕事部屋はまっくらな部屋に机が一つだけある 机の上には大量の薬
- 作曲方法:薬を飲んで意識をもうろうとさせ、首をぐるぐる回して座禅を組み精神を集中する
- 耳鳴りはラの音でなっている。こうしたノイズの妨害工作の中から音を「掴み取る」。
- 耳鳴りのせいでトイレに行けず週の半分はオムツを履いて暮らす。オムツを履いてない日に作曲を行う。
- TVのスピーカーに触れて僅かな振動から音を読み取る。
経歴
所属プロダクションのプロフィールによれば、4歳で母親からのピアノの英才教育が始まり、10歳でベートーヴェンやバッハを弾きこなして「もう教えることはない」と母から言われ、以後は作曲家を志望。中高生時代は作曲法を独学していたものの17歳で聴覚障害を発症。1999年、ゲームソフト『鬼武者』の音楽「交響組曲ライジング・サン」で脚光を浴びるも、その時には完全に聴力を失っていたとされた。
しかし小学校時代の同級生は「ピアノを習っているという話は聞いたことがない」と言い、当時近所に住んでいた人も「ピアノの音が聞こえたことはない」と話している。
『ライジング・サン』完成後、自らの「聴覚障害」(ボイラー室に閉じ込められているかのような轟音が常に頭に鳴り響くという)を初めて「公表」。長らく聴覚障害を隠していた理由については「耳の不自由な作曲家の作品には、同情票がつくであろうこと。それだけはどうしても避けたかったのです」「『聴覚障害を売り物にした』という誤解も避けられないだろう」と説明した。
2003年秋、『交響曲第1番 HIROSHIMA』を「完成」。
2005年8月、『交響曲第2番』を「完成」。
2008年9月1日、広島市の広島厚生年金会館ホールで行なわれた「G8議長サミット記念コンサート〜ヒロシマのメッセージを世界に〜」にて交響曲第1番の第1楽章と第3楽章が広島交響楽団により世界初演される。同年、広島市民表彰(市民賞)を受ける(後に取り消し)。
2009年、交響曲第1番は芥川作曲賞の選考過程で審査員である三枝成彰が推すも最終候補とならなかった。
2010年4月4日、大友直人指揮の東京交響楽団により、交響曲第1番(広島初演版による改訂版)の第1楽章と第3楽章が東京芸術劇場で演奏された。続く4月11-12日、同じコンビで交響曲第1番全曲の録音をパルテノン多摩で行う。曲が複雑なため、録音にあたってはライブ録音ではなくセッション録音を選択。クラシックでは近年、コストの少ないライブ録音が主となっており、日本コロムビアのクラシック録音としてはこの10年かけたことのない金額が必要だったという。録音初日には東日本大震災の最大級の余震が発生。
8月14日、秋山和慶指揮の京都市交響楽団により、交響曲第1番全曲版が京都コンサートホールで演奏された。
2011年、2013年4月公開の映画「桜、ふたたびの加奈子」の音楽を「担当」。
2012年6月25日、ヴァイオリン大谷康子らが佐村河内「作曲」の「無伴奏バイオリンのためのシャコンヌ」を演奏する。
2013年3月10日、石巻市立湊小学校の体育館で「ピアノのためのレクイエム」を初披露。弟子のヴァイオリニスト、大久保美来に「ヴァイオリンのためのソナチネ 嬰ハ短調」を制作。3月31日、佐村河内守を特集したNHKスペシャル「魂の旋律 〜音を失った作曲家〜」が放送される。番組では、『交響曲第1番』の成功、聴力を失った「苦悩」(のちに演技であると判明)、東日本大震災の被災者へ向けたピアノ曲「レクイエム」制作に至る経緯などが紹介された。この番組が反響を呼び、交響曲第1番のCD売上がオリコン週間総合チャートで2位を獲得。その後も売上を伸ばし続け、2013年5月時点で10万枚を記録するヒット作となった。
2013年8月17日、大友直人指揮の東京交響楽団による演奏会で、交響曲第1番に先立ち「弦楽のためのレクイエム・ヒロシマ」(合唱版を編曲したもの)が世界初演された。
人物
被爆者を両親として広島県佐伯郡五日市町(現在の広島市佐伯区)に生まれた、佐村河内家は能美島の出で村上水軍の末裔と伝えられる、などと著書に記している。
自宅では暗室に籠り、外出時には「光を避けるため」としてつばの広い帽子とサングラスを着用していたが、実は耳が聞こえるため音に反応して視線が動くのを隠すためであった。
ポップ・ミュージックに対して否定的ながら、ドアーズは例外としている。2011年7月には『交響曲第3番』を作曲中であると発言していた。
ゴーストライター問題
2013年10月、「新潮45」11月号において、「佐村河内は耳が聞こえているのではないか」という疑惑が出た。これを機に作曲者が佐村河内との関係解消を申し入れたところ、佐村河内から「夫婦で自害しお詫びしようと思います」とメールが来た。佐村河内は自殺をほのめかしつつ作曲の継続を訴えたが、作曲者は最終的に事実を公表することにした。
2014年2月5日、佐村河内は『交響曲第1番 HIROSHIMA』や『ヴァイオリンのためのソナチネ』などの主要な楽曲が、別の作曲家によって作られたものだと代理人の弁護士を通じて明かした。これは作曲者が週刊文春で告白したことが分かったためで、翌日発売の誌面には「全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった!」という記事が掲載された。佐村河内自身は実際の作曲者が誰なのかを明らかにせず、「(実際に作曲した)人物の側にも作曲者として表に出づらい事情がある」としていた。
しかしこれは虚偽で、作曲者は「(そのような事情は)特段ありません」と語った。佐村河内はNHKの取材に対し、「平成8年ごろ初めて映画音楽の作曲依頼を受けたが、耳の状態が悪くなり、半分以上を別の作曲家に作ってもらったのがきっかけ」と語った。しかし佐村河内は普通に会話ができ、譜面についてはそもそも書けないことが、翌日の作曲者による会見で判明する。
作曲者・新垣隆の記者会見
2014年2月6日午後、佐村河内のゴーストライターを務めていた新垣隆(当時桐朋学園大学非常勤講師)が記者会見を開いた。新垣は佐村河内の代作を18年間行っていたことを明らかにした。
以下はその要旨。
- 佐村河内の耳は聞こえており、音楽を聴いて自分の要求を作曲者に伝えていた。
- 杖は使ったり使わなかったりで必須ではなかった。
- CDの解説にある佐村河内との出会いのエピソードはほとんどが嘘である。
- 佐村河内のピアノは非常に初歩的なレベル。楽譜も全く書けない。
- 報酬は18年間で20曲以上作って700万円前後。
- 「HIROSHIMA」は、最初「現代典礼」というタイトルで作曲者が書いたものを、数年後に佐村河内が「HIROSHIMA」と名づけた。
- 「佐村河内の愛弟子」とされる先天性四肢障害の少女がマスコミでクローズアップされていたが、少女の家族は佐村河内の虚偽を知らなかった。家族は佐村河内から直近の1年ほどは「絶対服従」を要求され、2013年11月に「服従できぬ」と返したときから絶縁状態になった。
「ヴァイオリンのためのソナチネ」
この曲は佐村河内が当時11歳だった義手のヴァイオリン少女「みっくん」に捧げた曲で、佐村河内と「みっくん」の交流は2013年3月に「Nスペ」、4月に「金スマ」に取り上げられた。
するとこの放送後、佐村河内からみっくんの両親に「お宅は私のお陰で娘がテレビに出られたにもかかわらず、私への感謝の気持ちがなさすぎる」という、謝礼を要求するメールが届いた。
みっくんの両親はそれに対し、「お世話になったことは感謝するが我が家からテレビに出して欲しいと頼んだことは一度もない」と返信、激怒した佐村河内に無理難題をつきつけられ、結果としては佐村河内とみっくんの両親は絶縁状態になった。
みっくんが幼稚園の時からヴァイオリンのピアノ伴奏を務めてきた新垣さんは、みっくんの両親からの相談を受け、みっくんの両親に謝罪とともに真実を話す。週刊文春の記事を書いた人はみっくんについての児童書を書いている人だが、みっくんの両親から2013年末相談を受け、そこで初めて知った事実を公表する決心をする。
- 義手の少女ヴァイオリニストみっくんの教室でこの新垣さんが伴奏をしてた
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- テレビでみっくんの存在を知った佐村河内からみっくん側に連絡をとる
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- 佐村河内がみっくんのために「ヴァイオリンのためのソナチネ」(高橋大輔使用曲)を提供。(※書いたのはもちろん、ゴーストライターの新垣隆氏)
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- 放送終了後 佐村河内が少女の両親にテレビ出演できたことに対する謝礼金を要求
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- 両親が怒り この少女を主題とした児童書を書いていたライターに相談(この人が今回のライター)
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- 高橋大輔のオリンピック使用曲に「ヴァイオリンのためのソナチネ」が選ばれる
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- ますますことが大きくなると新垣氏は更に止めようというが却下
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- 2013年末に新垣の作曲の恩師が亡くなり、師へかける迷惑の心配がなくなる
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- 1月恩師の49日と偲ぶ会が終わる
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- オリンピックが終わったあとでは高橋選手をウソの曲で滑らせることになると新垣氏は良心の呵責に耐えられなくなる
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- みっくんの本を書いたライターに記事を書かせて文春で告白
聴力を失った作曲家で「現代のベートーベン」と呼ばれる佐村河内守が、実際は曲作りをしていなかった問題で6日、2012年に同氏から「ヴァイオリンのためのソナチネ」という曲を送られた、義手の少女バイオリニストの父親がコメントを発表した。
「5年もの長きにわたり、信じ切っておりましたので、憤り、あきれ、恐怖すら覚えております」「ここ1年ほどは、絶対服従を前提に徐々に従いがたい要求を出されるようになり、昨年11月に“服従できぬ”と回答しましたところ、大いに怒りを買い、絶縁された状態になっております」
影響
この問題が発覚したのち、予定されていたコンサートは全て中止、インタビュー記事を掲載した月刊誌「家庭画報」最新号が新規出荷を停止、レコード会社の日本コロムビアがCDの出荷やインターネット配信を停止、自伝『交響曲第一番 闇の中の小さな光』も絶版となるなど各方面が対応に追われた。
ソチオリンピックフィギュアスケート日本代表の髙橋大輔が、佐村河内による作曲とされていた『ヴァイオリンのためのソナチネ』をショートプログラムで使用していたため、男子シングル開幕約1週間前に対応に追われる事態となったが、髙橋サイドは「ショートプログラムの曲は変更せず、そのまま使用する」ことを決断し、関西大学オフィシャルサイトを通じて明らかにした。
数々の賞賛の声
- 彼の作品には、被爆二世である、唯一の痛み、悲しみ、辛さを感じれます。次第、オーケストラと合流し、壮大なマグマのごとく噴火する。彼の中に眠る遺伝が呼び冷まされたかのようです。弦楽のハーモニクスがとても綺麗で魅了されます。所々で奏でられるコラールでは、私の感情を揺さぶりまして、感極まってます。やはり、彼はタダモノではないと、改めて思いました。私の隣にいた女性は感極まって、目頭を何度も押さえていたのが印象に残ります。演奏が終わり、拍手喝采とブラボーの嵐。これだけ強大な作品を演奏した京響もそうだが、それを表現し的確に指示、長時間立って指揮した秋山氏も凄いと思った。秋山氏が拍手に応え、客席にいた佐村河内氏に賛美した。彼は席を立ち、杖に必死に捕まりながら壇上に上がり、秋山さんと抱擁した時は、拍手も一段と大きくなり自然と涙が出た。この拍手は彼のものです。(歴史的1日、佐村河内守 交響曲第1番全曲演奏会 / クラシックどっぷり日記)
- クラシックも好きでコンサ-トによく行くが、この交響曲のCDを毎日、聞くことになるとは。無駄のない一音、壮大で緻密な計算をされた構成、なによりもバタ-くさい、まねものではない1時間21分の超大作、佐村河内守の音楽。名前にとらわれず、すなおになれば、この交響曲の凄さがわかると思う。絶対に現れることがないと思ってた、天才の作曲家と同じ時代にいることに、感謝をしたい。
- 全く耳が聞こえない作曲家、といえばベートーヴェン。『ベートーヴェンの再来』と言われるほど、その音は厳しく、緻密で、明らかに後期ロマン派を引き継ぐものだった。このCD、無伴奏の「シャコンヌ」を聴かれると、バッハの正当な継承者現れる!!との驚愕と印象を持たれるだろう。
- まず、この作品そのものの素晴らしさが高い評価を得ている事をを感じて頂けると思います。佐村河内守さんといえば、ゲーム「バイオハザード」「鬼武者」の音楽が有名です。しかし、彼が実は耳が全く聞こえない作曲家だと知ったらどう思うでしょう。被爆二世として広島に生まれ、常に耳鳴りなどの轟音が鳴り響くのです。補聴器は使えません。音を失った轟音の闇の中で、聞こえていた頃に培った絶対音感を頼りにつむぐ自分が作曲した音楽がまったく耳では聴こえない上24時間耳鳴りの轟音が止まらないという壮絶なコンディション。「音が聴こえない中、音でどこまでの音楽を作れるか」そんな中から生み出された「本物」を聴く。あなたはそれだけの感動が得られるでしょう。また、難解なためCD化は困難と言われて来ました。しかし、とうとう実現しました。大友直人指揮、演奏が東京交響楽団という豪華な楽団。交響曲第一番「HIROSHIMA」は、戦後の最高の鎮魂曲であり、祈りと鎮魂これはもう涙なくしてきけません。2010年8月の京都での生の演奏を聴きましたが、CDは負けじとすぐれたプレスになっています。本物を追求する人はぜひとも聞いてみましょう。また、本「交響曲第一番」も併せて読む事をお勧めします。
- 「鬼武者」の作曲者で全ろうの佐村河内による交響曲。ショスターコヴィチのような暗いはじまりだが、第3楽章は、佐村河内こそが「ロマン派の継承者」であることを教えてくれる。ここには、彼に楽曲のインスピレーションを与えたという障がい児への思いが浮かぶ。彼の過酷な人生は著作「交響曲第一番」にくわしいが、「交響曲は人生の表現」という表現がピタリとする大力作である。YouTubeには録音の際のメイキングがある。東日本大震災の余震の中での収録であったことが分かる。現代では彼しかいない。
- 五木寛之 小説家 代表作「青春の門」シリーズなどヒット作多数
- 「現代で1人だけ天才芸術家をあげろと言われれば、それは佐村河内守だ」
- HIROSHIMAについて
- 「言ってみれば1音符たりとも無駄な音は無い」
- 「これは相当に命を削って生み出された音楽」
- 「初めてこの曲を聴いたときに私は素直に感動した。そして非常に重い曲だと思った」
- 「言葉で言い表す事自体が非常に薄っぺらになってしまう」
- 「1000年ぐらい前の音楽から現代に至るまでの音楽史上の様々な作品を知り尽くしていないと書けない作品」
- 「本当に苦悩を極めた人からしか生まれてこない音楽」
- もっとも悲劇的な、苦渋に満ちた交響曲を書いた人は誰か?耳が聞こえず孤独に悩んだベートーヴェンだろうか。ペシミストだったチャイコフスキーか。
- それとも、妻のことで悩んだマーラーか。死の不安に怯えていたショスタコーヴィチか。あるいは・・・。
- もちろん世界中に存在するすべての交響曲を聴いたわけではないが、知っている範囲でよいというなら、私の答は決まっている。
- 佐村河内守の交響曲第1番である。
- 「作曲者はベートーベン並みの才能の持ち主」
佐村河内は昔から嘘つき!“発掘”プロデューサー大倉氏激白
ゴーストライターに作曲させていたことが発覚した佐村河内守を26年前にロック歌手としてデビューさせようとした作曲家、大倉百人(65)が2014年2月10日、取材に応じた。当時、24歳の佐村河内は都内でレコード関係者を集めたライブを開いて“第2の[[矢沢
永吉]]”と話題を呼んだが、大倉氏は「すぐ嘘をついていた」と述懐。今回の騒動も「彼なら腑に落ちる」と言い切った。
20代の佐村河内を知る大倉氏。ゴーストライター問題についてこの日、電話取材に開口一番、「なるほど、彼なら腑に落ちる、と思いました」と切り出した。
大倉氏は1988年2月、知人の紹介で出会った佐村河内からデモテープを受け取った。30歳で左耳、35歳で右耳が不自由になったとされる同氏は24歳だった。大倉氏は新沼謙治の代表曲「津軽恋女」などのヒット曲を手がけ、当時の佐村河内を「声はいいもの
があった」と評価。同年5月30日にレコード会社9社を集め、デビューへ向けた公開ライブを行った。
その後2、3社が契約を持ちかけたが、「直後に弟さんが亡くなったり、彼自身の“問題”もあり、(オファーを)詰めることなくやめました」と振り返る。この“問題”こそが虚言癖とし「すぐ嘘をついていた。このまま彼に関わっていくと、こっちがヤバくなると
感じた」と打ち明けた。
具体的な嘘の内容については「広島で暴走族のアタマだった、と言っていたけど、不良を装っていただけ。2人のときはおとなしかった。当時の宣伝用プロフィルも空手初段とあったけど、おそらく嘘」と推測する。嘘を繰り返す佐村河内氏を信頼できず、同夏に
大倉氏から縁を切った。
佐村河内は30代後半から世界的な名声を得ていたが、譜面も書けず、楽器も弾けなかったのを知っていた大倉氏。それだけに「嘘だろという感じ。違和感ありました」と疑っていたという。2013年、佐村河内の公演の楽屋で25年ぶりに再会したが、「成功した人の
足を引っ張ることもしたくなかった」と簡単なあいさつで別れたと明かした大倉氏。最後は「ちゃんと事情説明して、もう音楽はやらないでほしい」と訴えた。
偽ベートーベン、インターホン聞こえてた
ゴーストライター問題が取りざたされる佐村河内守について、2014年2月10日発売の週刊誌「AERA」が「本誌が見抜いた佐村河内の嘘」と題して、2013年6月に行ったインタビューの掲載を見送った経緯を紹介している。
同誌によると、横浜市内にある同氏の自宅マンションで取材を行った際、疑わしい振る舞いがいくつかあったという。交響曲「HIROSHIMA」に込めた思いや、幼少期のエピソード、作曲方法などについて冗舌に語ったが、手話通訳の動きが終わる前に話し始めたことが何度かあったという。
さらに取材終了後、帰りのタクシーが到着してインターホンが鳴ると、即座に立ち上がって「来ましたよ」と言ったという。
同誌は、取材後に話を聞いた複数の関係者が、作曲能力や聴覚障害について疑問を投げかけていることなどから、インタビュー記事の掲載を見送ったという。
偽ベートーベンに降りかかる空前の“賠償地獄”
「現代のベートーベン」からエセ作曲家に成り下がった佐村河内守が、“損害賠償ラッシュ”に遭いそうだ。今月から5月まで予定されていたコンサートは中止を余儀なくされ、企画会社は億単位の賠償請求を検討中。同氏の楽譜を販売する音楽出版社も近く訴訟を起こすとみられ、空前の“請求書地獄”に陥ることになる!?
世間を欺き続けた代償は莫大なものとなりそうだ。
ゴーストライターを18年間務めてきた桐朋学園大非常勤講師・新垣隆氏(43)の告発を機に、佐村河内には非難の声が集中。広島市は7日、同氏に授与した「広島市民賞」を取り消し、文書で「市民をはじめ多くの人々を裏切り、失望させるものであり、広島市民賞の被表彰者としての面目を汚すものである」と辛らつな言葉を並べた。
日本レコード協会も10万枚以上のヒットを記録した「佐村河内守」名義のCD「交響曲第1番 HIROSHIMA」のゴールドディスク認定を取り消した。
失ったモノは名誉だけではない。今後、次々に損害賠償請求が起こされそうだ。
コンサート企画会社の「サモンプロモーション」は、今月から5月まで予定していた全国17公演の中止を発表。17日にチケットの払い戻しを開始するが、すでに5000枚以上が売れている。関係者いわく「会場使用料でも数千万円の赤字が出る」そうで、損失は総額1億円以上にのぼり、同社は損害賠償を検討中だ。
ソチ五輪フィギュアスケート男子代表・高橋大輔(27)のショートプログラム使用曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」などを含む4作品の楽譜をレンタル・販売する音楽出版社も、騒動ですべてが中止となり数百万円の被害が出る見込み。一部報道では、こちらも損害賠償を検討中という。
CD発売元の「日本コロムビア」も計算が狂った。全CDの出荷停止だけでなく「ソチ五輪で高橋選手が活躍すれば、楽曲が再び脚光を浴びてヒットすると考えていた。それが全部オジャンになった」(同社社員)。
そればかりか、同社には購入者から返金を求める電話も殺到している。現時点で個別の返金に応じる予定はないというが…。
いずれにしろ、カギを握るのは、新垣氏が暴露した「耳は聞こえている」が本当かどうかだ。佐村河内の代理人は否定しているが、仮に全聾までも“偽装”だった場合、世間のさらなる反発は避けられない。
「レコード会社にも『なぜ見抜けなかった』『最初からグルなのでは?』という声が飛ぶことになる。社員は気が気じゃないはず」
耳鼻咽喉科の名医で知られる「赤坂山王クリニック」の梅田悦生医師は「詐病かどうかを検査するには脳波聴力検査=ABR(聴性脳幹反応)があります。電極をつけ、ヘッドホンで音を流したとき、脳波が出ていれば聞こえているはずだということになる」と解説。
佐村河内氏は聴覚障害2級の身体障害者手帳を持っているが「2級はどんな大きな音を出しても全く聞こえない状態。本当に脳波聴力検査、ABRまでしたのか。どう診断書を書いたのか。理解できない」。
一方、佐村河内氏に手帳を交付した横浜市の障害者更生相談所の担当者は「個人の案件なので答えられない」としつつも「一般論として医師が脅されてウソを記載したなどという客観的根拠があれば、手帳の返還命令を出すことはできます。ただ、今回のように第三者の方が、障害者ではないと言っているだけでは難しいのでは」とコメントした。
温泉付きの高級マンションに住んでいると言われる佐村河内氏。ぜいたくな暮らしが一夜にして暗転してしまった。
鬼武者のサントラ収録時、指揮をした新垣隆(本当の作曲者)による楽曲解説(当時、佐村河内守の作曲)と寄せ書き
奇跡の目撃者 指揮者 新垣隆
佐村河内のスコアを詳細に眺め評価することは、近頃の劇音楽に屡々見られる基本的な技術不足や、必要以上に技を凝らそうとする過剰なテクニックの持て余し。これらとは明かに一線を画しているという事だ。
第一楽章、邦楽の静謐な、それでいて熱いエネルギーを内に秘めた佇まいから戦いを表現する大オーケストラへの見事な転換、目の眩むような、あたかも生物の細胞分裂の様な声部の増殖の緊張は、来たるべく英雄の出現(心に強く刻み込まれる主題[テーマ])を準備しているのだ。
第二楽章では、一楽章の主要な動機[モティーフ]や主題[テーマ]を巧みに変奏発展させてゆく、限られた時間の中で超絶的展開能力。神業である。
そして遂に圧倒的なクライマックスへ突入する。全く隙の無い構築力と完璧なオーケストレーションには唯々感嘆するばかりだ。これらの事が自然に在る、ということ、技術はその為にこそ使われなくてはならない事をこの奇麗なスコアは私達に示してくれている。そしてこれこそが天才の仕事なのだ。
そんな氏の天才を物語るエピソードがある。私がコーダ部の総譜を受け取りに氏宅に伺った日のこと。着いてすぐ筆談で、まだ出来てないので待てとのこと。以降氏は黙したまま延々4時間が流れた。
と突然立ち上がり、未だ見た事も無い80段はあろう巨大な五線紙を取り出し席に着くや否や、嵐の如くペンを走らせ始めた。それは神憑り的な速さといった感じだった。何やらスケッチでも書き写しているようだった。
10分も経った頃、「写譜なら手伝おう」と立ち上がり氏に近づいた私は思わず目を疑った。氏が書き写している筈の五線紙の向こうには何も無かったのだ・・・・。その恐ろしい光影に立ち尽くすばかりだった。
写し取っていたのは頭の中のスケッチだった、以降ペンは一度と止む事無く僅か20分で全ては終わった。氏は見直しもせず「ポイ」と私に手渡した。後に私が見直したところ、何の落度も無かった事は言う迄も無い。こうして私は奇跡の目撃者になったのだ
佐村河内がこの先生きのこるには(きのこる先生調べ)
- 今の嘘をつき通す
- 新垣氏は嘘つき。曲は全て自分が書いたと主張。全聾もホント!そして、新たなゴーストを見つけ、協奏曲「FUKUSHIMA」を発表。原発事故直後の1時間を曲にし、大ヒット。
- ごめんなさい、ごめんなさいする
- ゴーストの件も全て認め、聴覚障害の件もウソと認め、素直に詐欺罪で刑務所へ。数年後出所し、事件の真相を記した暴露本を執筆。大ヒット。
- 曲はゴーストは認めるが、全聾がウソというのだけは認めない。
- ツンボのふりして、なんとなく乗り切る。そして、無職で一生ツンボのふりをするという苦行を死ぬまで演じる。
- 逃亡、高飛び
- 祖国帰り、私は日本人に騙されたニダ。謝罪と賠償!と叫ぶ
- XのTOSHIの影武者TOSHIKIとして再デビュー
- 行方をくらまし、ほとぼりが覚めた頃に再びマスコミの前へ。「私は15年間TOSHIのゴーストでした」と記者会見を開き告白。罪のないTOSHIを巻き添えに。
- 原爆二世、全聾だったけど、○○を買ったら治った!と主張
- 週刊誌の広告欄のスターへ
- 実は私が新垣です。佐村河内は世を忍ぶ仮の姿。
- ・・・などと意味不明な供述を繰り返しており
「作品」
「全聾」以降の作品
以下の作品はゴーストライターが作曲したものであり、2014年2月5日に、著作権管理の委託を受けていた日本音楽著作権協会(JASRAC)が「権利の帰属が明確になるまで作品の利用許諾を保留」したため、演奏や放送はできない
- 鬼武者《交響組曲ライジング・サン》献呈=横山勝也
- 中村鶴城・琵琶リサイタル委託作《詩曲 天の川 琵琶歌と十七弦箏のための》(10分)
- 二胡と管弦楽による《劇音楽のための主題曲と変奏曲》(17分)
- 《子供のためのピアノ小品》(25分)献呈=某障害児施設
- 《交響曲第1番》(74分)献呈= しおり
- 《ヴァイオリンのためのソナチネ嬰ハ短調》
- ピアノ幻想曲《ジ・エターナル》(27分)
- 《ピアノ・ソナタ第1番》(36分)献呈= 持田正樹
- オルガン組曲《アシュリー》(14分)献呈= アシュリー・ヘギ
- 和楽と管弦楽のための《死霊I - IX》(全270分)
- 《交響曲第2番》(110分)
- ピアノのための《死霊・第1章》(13分)
- 《無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ 》
- 《弦楽四重奏第1番》(32分)
- 《弦楽四重奏第2番》
- NHK『五木寛之 21世紀・仏教への旅』献呈=五木寛之
- 二管編成の音楽《ヒロシマ》(22分)献呈=原爆被爆者
- 《交響曲第3番》2007年当時制作中
- 《CRASH MIND TOWER》
- 《左手のためのピアノ小品<MIKU(1)>》
映画音楽
- 『秋桜(cosmos)』(「秋桜」組曲)
- 『六悪党』
- 『桜、ふたたびの加奈子』(2013年4月、ショウゲート)
ゲーム音楽
テレビ音楽
吹奏楽
ディスコグラフィー
CD
- 『21世紀の吹奏楽「響宴XI」〜新作邦人作品集』(「吹奏楽のための小品」を収録)ブレーンミュージック
- 『交響詩「ローマの祭」/神奈川大学吹奏楽部』(「吹奏楽のための小品」を収録)CAFUA
- 『「鬼武者」オリジナル・サウンドトラック〜交響組曲「ライジング・サン」』セルピュータ
- 『バイオハザードシンフォニー』セルピュータ
- 『交響曲第1番 HIROSHIMA』日本コロムビア(大友直人指揮・東京交響楽団)
- 『シャコンヌ〜弦楽作品集』日本コロムビア(大谷康子、藤井一興、大谷康子弦楽四重奏団)
DVD
- 『佐村河内守:魂の旋律〜HIROSHIMA×レクイエム』2013年8月 (「交響曲第一番」、「ピアノのためのレクイエム」収録)
著書
メディア出演
2014年2月の各ワイドショー
関連文献
- 『放送技術』1999年8月号 「〈インタビュー〉(株)カプコンの新作ゲームソフト「鬼武者(仮)」における交響組曲「RISING-SUN」のxrcdマスタリングについて」
- 『月刊致知』2008年11月号 「【インタビュー/全聾の作曲家に聞く】 我が人生の挑戦」
- 『女性自身』2010年8月10日号 「シリーズ人間 聴覚なき作曲家・佐村河内守 轟音の彼方に光の音が聞こえる──」
- 『やくしん』2011年10月号 「闇から紡ぎ出す“真実の音” 佐村河内 守さん」
- 『レコード芸術』2011年11月号 「インタヴュー 佐村河内守」
- 『intoxicate』2011年8月20日(93号) 佐村河内守インタビュー「音楽との対峙に求めるもの」
関連項目
外部リンク
- 佐村河内 守 サモンプロモーション
- 佐村河内 守 日本コロムビア
- Mamoru Samuragoch Official Web Site(現在は閉鎖。2003年から2007年までのログがインターネット・アーカイブに保存されている)
- 『交響曲第一番』-佐村河内守さんの音楽と人生-(広報紙「ひろしま市民と市政」2007年12月15日号)
- 「世界で一番苦しみに満ちた交響曲」2007年11月6日 (火) 連載 許光俊の言いたい放題 第128回
- TIME.com "Songs of Silence: Video-game music maestro Samuragoch can't hear his own work" BY TIM LARIMER/YOKOHAMA *TIME.com "Postcard from Japan: Video-game music maestro Samuragoch training the next corps of musicians"BY TIM LARIMER/YOKOHAMA