石川町駅
石川町駅(いしかわちょうえき)は、神奈川県横浜市中区石川町二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)根岸線の駅である。
当駅周辺地区(関内・関外地区)は、横浜市における都心(ツインコア)の一つである「横浜都心」に指定されている[1]。
歴史[編集]
1964年(昭和39年)、根岸線の延伸により石川町駅として開業した。中村川をまたいで作られているが、駅の北側にある中華街と、南側にある元町の両者の利便性を考慮したと考えられる。
国鉄は当初、駅名を当駅の南側およそ500m程の所にある観光地・山手に因んで山手町駅にしようと考えており、あるいは当駅から北へおよそ1kmほどの山下町にある港に因んで港横浜駅と名づけようという意見もあったが、地元住民の運動により石川町駅と命名された。
この駅の開業により当駅から山手や元町への通り道となった石川町の特に一丁目付近は、それまで寂しい町であったのが一転して賑やかとなり、この駅の建設にあたり立ち退きなどをした元住民らは石川町の永久名誉町内会員とされたという。
以後、山手や元町、中華街といった横浜の主要な観光スポットへの入り口の駅としての役割を果たしたが、2004年(平成16年)に横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅が開業し、元町の最寄り駅ではなくなった。
年表[編集]
- 1964年(昭和39年)5月19日 - 国鉄根岸線 桜木町駅 - 磯子駅間の開通時に開業。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR東日本の駅となる。
- 2001年(平成13年)11月18日 - ICカードSuica供用開始。
- 2002年(平成14年)2月12日 - 北口を中華街口に、南口を元町口に改称。
- 2012年(平成24年)6月22日 - 横浜支社管内では、初となる女性駅長が就任[2]。
駅構造[編集]
相対式ホーム2面2線を有する高架駅。構内中ほどで線路は中村川を渡っており、その上空を高速道路が横断する。
山手方の高架下に元町口(南口)、関内方の高架下に中華街口(北口)の駅舎が設けられ、各ホームからそれぞれの駅舎に階段が降りている。元町口および中華街口にはみどりの窓口(営業時間 7:00 - 20:00)が設置されるが、中華街口については指定席券売機への置き換えに伴い、すでに窓口を閉鎖している。自動券売機と自動改札機は両方の駅舎に設置される。直営駅。
2008年中頃には中華街口のバリアフリー工事がすべて終了し、上下エスカレーターの設置とエレベーターの設置、およびトイレの改装が行われた。なお、この工事以前からエスカレーターは上り専用のものが設置されていた。
売店は、元町口改札外正面のレッツキヨスク石川町1号店と、中華街口改札内正面のレッツキヨスク石川町2号店がある。
JRの特定都区市内制度における「横浜市内」の駅である。
のりば[編集]
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | ■根岸線 | 下り | 山手・磯子・大船方面 | |
2 | ■根岸線 | 上り | 関内・横浜・東京・大宮方面 | |
■横浜線 | - | 新横浜・町田・八王子方面 | 朝晩のみ運転 |
利用状況[編集]
2013年度の1日平均乗車人員は33,996人である。2003年度以前は1日平均乗車人員が4万人を越えていたが、横浜高速鉄道みなとみらい21線の開業以降は減少し、3.5万人程度で推移している。
近年の1日平均乗車人員の推移は下表のとおりである。
年度 | 一日平均 乗車人員[3] |
---|---|
1990年(平成 | 2年)41,358 |
1991年(平成 | 3年)42,476 |
1992年(平成 | 4年)43,301 |
1993年(平成 | 5年)43,899 |
1994年(平成 | 6年)43,742 |
1995年(平成 | 7年)43,558 |
1996年(平成 | 8年)43,532 |
1997年(平成 | 9年)42,437 |
1998年(平成10年) | 42,324 |
1999年(平成11年) | 41,662 |
2000年(平成12年) | 41,153 |
2001年(平成13年) | 41,628 |
2002年(平成14年) | 41,852 |
[4] 2003年(平成15年) | 41,164 |
2004年(平成16年) | 36,010 |
2005年(平成17年) | 35,725 |
2006年(平成18年) | 35,887 |
2007年(平成19年) | 34,919 |
2008年(平成20年) | 34,804 |
2009年(平成21年) | 35,121 |
2010年(平成22年) | 34,286 |
2011年(平成23年) | 34,148 |
2012年(平成24年) | 34,571 |
2013年(平成25年) | 33,996 |
駅周辺[編集]
元町や中華街が近くにあるが、みなとみらい線開通により、最近は元町・中華街駅に流れる傾向が顕著となっている。周辺には女子校が多く、女子中高生の利用が多いため「乙女駅」の異名がある[5]。北口の近くの寿町は山谷・釜ヶ崎と並ぶ3大ドヤ街(簡易宿所の集積地)である。
- 横浜中華街
- 信用組合横浜華銀本店
- 山下公園
- 元町
- 横浜スタジアム
- 横浜外国人墓地
- 港の見える丘公園
- 山手イタリア山庭園
- フランス山
- 横浜市立みなと総合高等学校
- 横浜市立港中学校
- 横浜市立元街小学校
- 横浜共立学園中学校・高等学校
- 横浜女学院中学校・高等学校
- 横浜雙葉学園
- フェリス女学院中学校・高等学校
- 横浜山手中華学校
- パークスクエア横浜
- 社会保険横浜中央病院
- 石川町入口 - 首都高速神奈川3号狩場線
- 石川町ジャンクション - 首都高速神奈川1号横羽線・首都高速神奈川3号狩場線
バス路線[編集]
最寄停留所は、吉浜橋、元町となる。以下の路線が乗り入れ、横浜市交通局により運行されている。
吉浜橋
元町
両バス停とも横浜市電の本牧線の停留所として1905年(明治38年)に開業したが(元町は開業時は「西ノ橋」)、根岸線開業後の1970年(昭和45年)に廃止され、バスに転換された[6]。
その他[編集]
- ホーム壁面には、元町口寄りは青を基調に、中華街口寄りはオレンジを基調にした絵が描かれている。どちらに向かえばいいかがわかりやすく表現されたデザインで、好評である。絵はJR東日本からの依頼で日本デザイナー学院の生徒によって手がけられたもの。製作に8ヶ月を要し、テレビや新聞でも話題になった。
- 当駅構内は横浜方面に向かって下り勾配となっているため、停車列車の過走要注意箇所となっている。
- 磯子、大船行電車は当駅から終点までトンネル区間が連続するため、運転士は日中帯でも先頭車のカーテンを必ず閉じてから発車する。
隣の駅[編集]
脚注[編集]
- ↑ 横浜市都市計画マスタープラン(全体構想)PDF 平成25年3月発行。編集・発行、横浜市都市整備局企画部企画課。
- ↑ JR東日本:石川町駅長に女性の中村さん−−横浜管内初毎日jp神奈川 2012年6月19日
- ↑ 横浜市統計書
- ↑ 2004年2月1日、横浜高速鉄道みなとみらい線が開業。
- ↑ テレビ東京「出没! アド街ック天国」2010年7月10日放送分 なお、JR東日本には乙女駅が小海線(長野県小諸市)に存在する。
- ↑ 出典:『日本鉄道旅行地図帳4号 関東2』38ページ