勝手にシンドバッド

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勝手にシンドバッド』(かってにシンドバッド)は、サザンオールスターズデビューシングル1978年6月25日発売。発売元はビクター音楽産業

解説[編集]

タイトルは沢田研二の『勝手にしやがれ』とピンクレディーの『渚のシンドバッド』を足して2で割った、というのが定説になっている。発売された1978年当時はこの曲のように早い言い回しの曲がなかったため、かなりのインパクトを与えた。この年に始まったTBS系の人気音楽番組ザ・ベストテン』でも上位に入っている。ちなみにタイトル元になった沢田研二誕生日は、サザンのデビュー日と同じ6月25日である。後に「三ツ矢サイダーCMソングにもなった。

オリコンの初登場順位は132位だったが、1978年8月14日付で55位にランクイン、同年10月9日付で当時の最高位である3位を記録した。

グループデビュー25周年の2003年には「勝手にシンドバッド 胸さわぎのスペシャルボックス」として再発売され、同年7月7日付でオリコン週間シングルチャート1位を獲得。リリースから25年以上経った曲が初めて1位を獲得するという前人未到の荒業をやってのけた。

本作のオリジナル盤では、メンバーでドラムス松田弘の名前が“松田ヒロシ”とクレジットされている。再発盤や、以降の作品ではクレジットが全てが松田弘となっている。

1990年には嘉門達夫がこの楽曲をカヴァーし、「勝手にシンドバッド」としてシングル発売された。しかし、実際の内容はセリフが大半であり、作品化を嘉門が桑田に直談判した際も、桑田は難色を示しながらしぶしぶ承諾したという。

『勝手にシンドバット』との誤記が大変多く使われるが、実際の仮タイトルは「勝手にシンドバット」であった。また、"Sindbad"の綴りはカタカナで"シンバッド"とするのが本来は正しい。

オリジナル盤 収録曲[編集]

  1. 勝手にシンドバッド
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
    デビュー曲であり代表曲である。デビューシングルからいきなり売れるアーティストはバンドとしては珍しく、しばらくはバンドとしてこの曲のイメージからの脱皮や仕事の忙しさに苦悩することとなる。この後一時ノイローゼ気味になった事は桑田自身も語っている。それに関しては次作「気分しだいで責めないで」も参照のこと。
    歌詞には茅ヶ崎江ノ島湘南が登場し、この事からも「サザン=湘南」というをイメージを一般に与える事となるが、桑田は戦略的に歌詞に加えた訳ではなく、身近にある地名を歌詞に入れただけだったので、湘南のイメージが付く事は本人達にとっても予期せぬ事であった。桑田は「湘南」という呼称自体は好んでいない為、曲に合うだけの理由で歌詞に使用したと思われる。
    イントロなしでいきなり「ラララ・・・」から始まる印象的な歌い出しだが、この「ラララ」は後から付け足されたもので、曲制作の段階では含まれていない部分だった。イントロには、完成盤の1番終了後の間奏に重なって聴こえるドラムのフィルが使われていたがカットとなった。また、テンポも発表されたものよりもゆっくりで、「ザ・ピーナッツの『恋のフーガ』のような曲調をイメージして作った」と桑田が発言している。ここまで曲が変わったのは斉藤ノブのアレンジのためである、とメンバーの原由子は語っている。
    2005年日本テレビドラマおとなの夏休み』の第1話主題歌になるなどTVBGMなどで使われることも非常に多い。現在では聞く機会が多いこともあり疑問に思われることは少ないが、当時としては全てが衝撃的であり、リリース当初はサザンが「コミックバンドだ」との印象も持たれた。その事からザ・ドリフターズの故・いかりや長介がドリフへの加入を打診しに行くという嘘のような実話が誕生することにもなる。
    ライブではデビュー以来様々なアレンジで演奏されており、アレンジは年々長尺になって観客とのコールやレスポンス、桑田のハンドマイクでの怒涛の煽りがかつては恒例であったが、近年では原点回帰の如く、桑田もギター+スタンドマイクで唄い、ほぼオリジナルのまま演奏されている。
  2. 当って砕けろ
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
    タイトルは公式にも「当たって砕けろ」と表記されることがあるが、こちらが正式なものである。曲終盤に登場する「Wanted!」のフレーズは当時流行していたピンク・レディーの同曲からとったものである。

オリジナル盤 参加ミュージシャン[編集]

勝手にシンドバッド
サザンオールスターズシングル
リリース1978年6月25日
(オリジナル盤)
2003年6月25日
録音1978年4月7日5月
VICTOR STUDIO
ジャンルロック
時間11分42秒
レーベルビクタータイシタ
プロデュースサザンオールスターズ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
*1位 (2003年版・オリコン)
  • 1位 (2003年版・CDTV
ゴールド等認定
*プラチナ 日本
サザンオールスターズ 年表
この青い空、みどり ~BLUE IN GREEN~
2000年
勝手にシンドバッド
2003年
涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~
(2003年)

勝手にシンドバッド (2003年版)[編集]

勝手にシンドバッド』(かってにシンドバッド)は、サザンオールスターズの企画盤シングルデビュー曲の復刻版だが、初回限定盤の『胸さわぎのスペシャルボックス』には様々な特典がある。2003年6月25日発売。発売元はビクターTAISHITAレーベル

解説[編集]

1978年に発売されたデビューシングルの再発盤。リマスタリングを施した通常の12cmマキシシングル、更には当時のEP盤を限りなく忠実に再現した7インチのアナログ盤も発売されている。そして初回限定盤で『勝手にシンドバッド 胸さわぎのスペシャルボックス』としてボックス仕様でも発売された。

これまでにもCDシングル(8cm)として2度再発売されていたが、3度目の再発売として始めてマキシシングルで発売された。音源をそのままCD化したものや、音量を上げたのみのこれまでの2作と異なり、高度なリマスタリングが施された。また、この年はサザンのデビュー25周年であり、2000年の活動休止以来約2年半ぶりにバンドとして活動を再開することが発表されていたため、本作はその活動再開ののろしとなるものであった。

しかし、いざ発売を迎えると再発盤としては驚異的な売り上げを記録し、発売日付けのオリコンデイリーシングルチャートで1位を記録した。当時既に300万枚を越える売り上げを記録していた大ヒットベストアルバム海のYeah!!』にも収録され、J-POPのスタンダードナンバーとして音源の入手が容易であったにも拘らず固定的なファン以外にも受け入れられ、遂には7月7日付の週間チャートで1位を獲得。オリジナル盤の最高位3位を更新、オリジナルシングル発売から約25年を経てオリコンチャート1位を記録するという前人未到の快挙を成し遂げる。

シングル・EP共に限定生産、ボックス仕様も同年のデビュー25周年にちなみ、25万セット限定で発売されていた。そのため長期間のヒットには至らなかったが、この年の再発盤だけで25万枚を完売、オリコンチャートでは30万枚近いセールスを記録する。長らく売り上げの低かった楽曲が発売から数年後にヒットした例はこれまでにいくつかあったが、オリジナル盤だけで50万枚近くと紛れも無くヒットしている作品の再発盤がこれほど売れるのは驚異的なことである。

『胸さわぎのスペシャルボックス』は特典として、オリジナルデザインのジョギング・シャツサンバホイッスルを封入。その他直後に発売が迫っていた2年半ぶりの新曲「涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~」の告知、更にデビュー当時のビクターによる宣伝広告チラシ、桑田直筆の仮歌詞も封入された、非常にマニア向けで豪華な内容になっている。また、この時の「涙の海で抱かれたい ~SEA OF LOVE~」の宣伝告知では全4曲収録とされており、「OH! FRESH!! ~ドクダミ・スパークのテーマ~」は収録が決定していたにも拘らずシークレットトラックになっていた。

発売時は当然PVが存在していなかったが、この再発のためにオリジナルPVが製作された。内容は過去のライブ映像からボーカルトラックと歌唱の映像を合わせたり、のライブで演奏される様子などを盛り込んだものとなっている。

また、サザンの楽曲としては初めて公式にカラオケバージョン(インストゥルメンタル)がボーナストラックとして収録された。EP盤は収録時間やオリジナルを再現するという前提であるため、収録されていない。

胸さわぎのスペシャルボックス 収録曲[編集]

  1. 勝手にシンドバッド
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
  2. 当って砕けろ
    (作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
  3. 勝手にシンドバッド (Instrumental)
    (作曲:桑田佳祐 編曲:斉藤ノブ & サザンオールスターズ 管編曲:Horn Spectrum)
    2003年盤のみに収録。サザンの楽曲が所謂カラオケ・バージョンとしてインストゥルメンタルで収録されるのは1979年カラオケアルバム『オリジナル・カラオケ・ベスト・12』以来であり、現行盤としては唯一である。ちなみに楽曲がバージョン違いでインストゥルメンタルになった例とはしては、1983年のアルバム『綺麗』収録曲の「ALLSTARS' JUNGO (Instrumental)」がある。

胸さわぎのスペシャルボックス 参加ミュージシャン[編集]

基本的に3曲目は桑田のボーカルが抜けた『勝手にシンドバッド』である以外はオリジナル盤と同じため、ここでは省略する。


テンプレート:OriconChart

外部リンク[編集]

テンプレート:サザンオールスターズ

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