メディアワークス

提供: Yourpedia
移動: 案内検索

株式会社メディアワークスMediaWorks Inc.)は「電撃」ブランドなどを有する角川書店グループ(角川グループホールディングス傘下)の出版社である。ゲーム雑誌漫画雑誌ライトノベルなど、若者向けの書籍を中心に出版。また、出版を主な柱にしながら、自社の本のキャラクター等を用いたゲームソフトやキャラクター商品の開発・販売も行っている。

1992年10月に角川書店の副社長を退任した角川歴彦と、歴彦が社長を務めていた角川書店の子会社である角川メディアオフィスの社員を中心に創業した。

なお、関西テレビ放送の関連会社に全く同じ名前の会社があるが、関係は無い。

設立の経緯[編集]

1992年当時の角川書店は兄の社長角川春樹が映画事業に専念し、その弟である副社長角川歴彦が担当するザテレビジョン東京ウォーカーなどの雑誌部門で収益を上げている状況であった。歴彦は同時に角川書店の子会社の角川メディアオフィスの社長も兼務し、同社は『コンプティーク』『マル勝スーパーファミコン』『コミックコンプ』などゲーム雑誌・漫画雑誌を出版し、マニア層をターゲットにしたメディアミックスを進めていた。1992年、経営の方向性などを巡って、春樹と歴彦が対立、歴彦は角川書店副社長と角川メディアオフィスの社長職を辞任し退社。歴彦を慕って角川メディアオフィスのほぼ全社員も退社し、主婦の友社のバックアップを受けてメディアワークスは設立された。資本的には角川書店から独立したものの、人材は角川メディアオフィスほぼそのままであり、メディアワークスの出版物も自然とゲームや漫画、アニメにターゲットを絞っていった。

こうして、1992年末から翌1993年初頭にかけて電撃ネットワークをイメージキャラクターに起用した「くらえ!電撃」とのキャッチコピーと共に『電撃』を誌名に冠した雑誌5誌(電撃スーパーファミコン電撃PCエンジン月刊電撃コミックGAO!電撃王・電撃メガドライブ)が一斉に創刊された。そのラインナップは、角川書店が『マル勝』『コンプ』ブランドで出している雑誌とほぼ競合するものであり、対する角川側は外部の編集プロダクションに編集を委託して角川メディアオフィスの雑誌の発行を継続したが、コンプティークを除く4誌は1997年までに休廃刊した。

ところが各雑誌の創刊直後、古巣・角川書店では角川春樹社長が麻薬取締法違反で逮捕・起訴される不祥事が発生する。主を失った角川書店経営陣は角川歴彦に「社長として角川書店に復帰」を要請した。歴彦はこれを受諾し、以後メディアワークスと角川書店の社長を兼務。さらに主婦の友社と角川書店の業務提携も実現させた。この年に角川書店子会社のザテレビジョンと角川メディアオフィスは角川書店本体に吸収された(このうち、ザテレビジョンは2006年に「角川ザテレビジョン」名義で再分社)。

なお、主婦の友社と角川書店は2002年に提携を解消。それまで資本的には主婦の友社の傘下であったメディアワークスは角川書店の子会社となったが、その後は2003年11月に角川書店が主婦の友社を契約不履行で提訴するなど、一転して対立する関係になっている。

さらに、エンターブレインが角川ホールディングスの傘下に入ったことにより、同じ傘下のメディアワークスと業務が重複する問題が生じた。これに関し、『ファミ通』、『電撃』の両ブランドは当面の間継続するとのコメントを出した。ただ一部美少女雑誌の統合をはじめ競争が始まりつつある。

また一時期、「オルタブックス」のレーベル名のもとで、またこれとは別枠で「爆笑問題の日本原論」などの一般書を出していたが、2001年頃を境に発行はされておらず、完全にライトノベル、コミック、ゲーム方面の出版社として特化した。(しかし、『よつばと!』や『図書館戦争』などのように、一般層へのアピールは途絶えていない)

「電撃組」[編集]

電撃組とは、メディアワークスが多くの売り上げを見込める小売店として指定した書店・チェーン店の総称。2007年現在、全国で約1200軒が指定を受けており、初回配本数、追加受注に特別の便宜が図られる。

指定書店には、毎月初めにダイレクトメールが送付され、中には文庫・コミック・攻略本・一般書の注文書、新刊情報、新刊本の特別注文書が入っている。また電撃文庫の配本においては、ある作家の前作の(ある一定期間内の)売り上げ部数を次作の初回配本数とする制度が採られているため、全く配本がされない、という事態にはならない(初めての作品の場合は、似た傾向の作品から配本数が推定される)。

システム上全体的な売り上げが大きい、中規模以上の書店が指定を受けやすいが、規模にかかわらずメディアワークスの商品の売り上げさえ大きければ、毎年1回行われる改定で電撃組に入ることができ、逆に売り上げが落ちると外されてしまう(毎月の売り上げ数がカウントされて書店側にも知らされている)。電撃組の指定を受けられるボーダーラインは年々上がり続けており、2007年現在、文庫の場合で年間2000冊以上販売が基準と言われている(加えて都道府県内での順位も考慮される)。指定外の書店が電撃組の指定を受けようとする場合、指定基準の売り上げを達成するために必要な商品の手配(特に新刊)が指定店に比べて不利であるが、改定時に3割程度が入れ替わると言われている。

また前述のダイレクトメールには、その月に発売される電撃文庫のイラストがプリントされたポストカードが販促品として同封されていて、購入特典などとして店頭で配布されていることが多いため、その書店が電撃組指定店かを判別する手段になる。

主な雑誌[編集]

休刊・廃刊[編集]

主なゲーム作品[編集]

関連用語[編集]

特記事項[編集]

  • 美少女ゲーム雑誌を発行している、エンターブレインコアマガジンと手を組み、『まじれす!! ~おまたせ♪リトルウイング~』(キャラクターデザイン:みさくらなんこつ)の共同開発およびタイアップを行った。
  • いわゆる「バンダイ方式」と呼ばれるその発足時の作品・作家招集姿勢(現在も事実上変わっていない)や「お家騒動」などの件から熱狂的なアンチがおり、特にエンターブレインが角川グループの傘下に入った時期に本家角川書店との力関係の逆転現象が始まった事に伴い、現状ではアンチの多くが「廂を貸して母屋を取られる」状況を危惧している。
  • 親会社の角川書店同様、アニメ化やフィギュア化等に関わった作品の多くが「作品の原形を留めないほどの改竄」に伴う「世界観の崩壊」などの憂き目を見ているものも少なくない。いわゆる「鬱展開」や「ヤンデレ」への改竄が多い事から一部では「関わるとろくな事がない」との不評を買っている。
  • その他にも他社に比べて良くない噂が多く、真偽の程は不明だがケイブンシャ倒産に絡む攻略本の記事の記載内容から「ケイブンシャを意図的に倒産させるように裏で手を回した」や、「新世紀勇者大戦」開発中止に絡む件において「ファミ通編集部に情報をリークした」などの批判もあった。

関連リンク[編集]