AKB襲撃事件
AKB襲撃事件とは、2014年5月25日に岩手県滝沢市で行われていたAKB48の握手会にて、青森県十和田市の無職・梅田 悟(24)がのこぎりで川栄李奈と入山杏奈を襲撃した事件である。
事件概要[編集]
数百人のファンたちが詰めかけたAKB48の握手会会場に悲鳴が響き渡った。
岩手県滝沢市砂込の岩手産業文化センター「アピオ」。握手の列に並んでいた男が突然ノコギリを振り回し、メンバーら3人が病院に運ばれた。「こんな事件が起こって悲しい」。楽しいはずのイベントが暗転し、ファンはメンバーらの回復を祈った。
会場にいたファンらによると、メンバーは横に並べた10張りのテントに分散。テント内では縦向きに置いた長机(長さ約3メートル)を挟む形でメンバーが立ち、握手に応じていた。スタッフ計約100人が警備にあたり、メンバーの近くにはスタッフが2人程度いたという。
ファンは目当てのメンバーがいるテントの前にそれぞれ並んでいた。各テントの外にはスタッフ1人が立ち、テントに入る前に両手を広げさせて危険物を持っている人がいないかチェックしていたが、バッグの中などは調べなかったという。
事件が起きたのは向かって左から6列目のテントで、けがをした川栄李奈(19)と入山杏奈(18)らメンバー5人が入っていた。左隣の列に並んでいた滝沢市巣子の会社員、松本裕太郎さん(24)は「6列目のテントの中から女性の声で『キャー』『やめて』という声が聞こえた。その直後、一斉にテントが閉じられ、騒然となった」と振り返った。
岩手県内に住む高校3年の女子生徒(17)は「AKBが大好きで握手会や公演に行っている。自分の住んでいる岩手でこのような事件が起こってしまい悲しい。けがをしたメンバーやスタッフが心配。早く回復してほしい」と願った。
メンバー2人が運び込まれた盛岡市内の病院で取材に応じた湯浅洋・AKB48劇場支配人(51)によると、2人は切り傷の縫合手術を受けた。しっかりと会話でき、手術直前には「握手会はどうなるんだろう」と心配していたという。湯浅支配人は「ファンに心配をかけて申し訳ない」と話した。
一方、スタッフらに取り押さえられ、殺人未遂容疑で逮捕された青森県十和田市三本木の無職、梅田悟(24)は岩手県警盛岡西署の調べで、「やったのか」との質問に「はい」と答え、容疑を認めたという。
母親によると、一家は梅田と母親、その兄の3人暮らし。梅田は三沢市内の高校へ進学した後、通信制の高校に移り、卒業後は十和田市内や大阪府内でアルバイトなどを続けていた。2013年12月、十和田市内のアルバイトを辞めた後は無職で、ひきこもりのような状態が続いた時期もあったという。
梅田は24日早朝に散歩に出かけ、いったん帰宅した後、再び出かけたまま帰ってこなかったという。母親が携帯電話に何度も電話したが、出なかった。
母親は「大変なことをした。なぜこんなことになったのか。(被害者に)どう謝っていいのかわからない」と声を落とした。梅田がAKB48のファンかどうかは分からないという。
川栄さんら、手と頭にけが。のこぎり持った男を殺人未遂容疑で逮捕[編集]
24日午後4時55分ごろ、岩手県滝沢市で開かれていたアイドルグループ「AKB48」の握手会会場でのこぎりを持った男が暴れた事件で、岩手県警によると、川栄さんと入山さんは頭と右手、男性スタッフは左手に切り傷を負ったが、命に別条はないという。病院に駆け付けたAKB48の運営会社関係者は、川栄さんが右手親指の骨折と裂傷、入山さんは右手小指の骨折と裂傷でそれぞれ手術を受けた、と記者団に説明した。
AKBのホームページによると、握手会イベントは午後1時から開かれ、高橋みなみさんら多くのメンバーが会場にいた。
AKB48は「会いに行けるアイドル」をコンセプトに活動し、メンバーは全国で握手会を実施している。ファンはCDに付いている券を持って握手会に行くと、好きなメンバーと握手や会話ができる。AKB48公式サイトによると、この日の握手会にはメンバー約50人が参加していた。
握手会では、数人のメンバーごとに「レーン」がつくられ、ファンは目当てのメンバーがいるレーンに並ぶ。この日は襲われた川栄さんと入山さんが同じレーンだった。
川栄さんは神奈川県出身で、入山さんは千葉県出身。それぞれ「りっちゃん」「あんにん」のニックネームでファンに親しまれていた。6月7日に結果発表されるAKB48と姉妹グループの恒例イベント「選抜総選挙」の投票の途中経過を示す速報では、川栄さんが45位、入山さんが77位だった
AKB握手会、トラブル続発…詐欺・無断撮影[編集]
AKB48の握手会は、劇場公演と並ぶ目玉のイベントで、グループの躍進を支えてきた。CDなどの特典で付いている「握手券」があれば参加でき、ファンは会いたいメンバーがいるブースに並び、会話を交わすこともできる。
全国で年間50回ほど行われ、東京ビッグサイトなど巨大な会場を使うことも多い。
握手の際には、通常7～8秒という所定時間より長く居続けたり、迷惑行為をしたりしないよう、「はがし」と呼ばれる警備スタッフが近くに待機している。
だが、これまでもトラブルなどが相次いでいた。2011年5月の札幌市の握手会では、少年が自作の腕章などを使ってテレビ局員になりすまして会場に侵入し、無断でビデオを撮影したとして書類送検された。
2012年8月には、大阪府の高校生がインターネットの掲示板に、握手券を持っているように装った書き込みをし、現金をだましとった疑いで逮捕されている
悲鳴と怒号のAKB握手会、「なぜ」ファン怒り[編集]
国民的な人気アイドルグループのイベント会場が、悲鳴と怒号に包まれた。
「AKB48」のメンバーらが、岩手県滝沢市での握手会のさなかに襲われた殺人未遂事件。メンバーに握手を求めるファンらと共に会場にいた男は突然、ノコギリのようなものを振りかざしたという。一報を知ったファンらは、「なぜこんなことを」と怒り、メンバーらの無事を祈った。
「『キャー』という声が聞こえた時は、ファンが喜んでいるのかと思った。その直後に『いや、やめて』という女性の声が響き、何かが起きたと分かった」
会場にいた岩手県滝沢市の男性会社員(24)は、発生当時をこう振り返った。男性らによると、現場の岩手産業文化センター「アピオ」には、ステージ横に複数のテントが張られていた。ミニコンサートの後、小嶋陽菜らAKBメンバー約50人が主力、中堅、若手のグループに分かれ、各テントに分散して握手会が行われた。
