自衛官

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自衛官
自衛官

自衛官は、防衛省特別の機関自衛隊の任務を行う特別職国家公務員自衛隊員のうちでも特に「制服組」(武官)と呼ばれる隊員を指す。自衛隊法により命を受けて、自衛隊の任務を行うと規定されており、個別の機関である陸上自衛隊海上自衛隊航空自衛隊のいずれかに所属する。最高指揮官は、内閣総理大臣である。

概要[編集]

自衛官

陸上自衛隊の自衛官を「陸上自衛官」と、海上自衛隊の自衛官を「海上自衛官」と、航空自衛隊の自衛官を「航空自衛官」と表記がされ、防衛省や各自衛隊内部でもそのように呼称されている。陸海空の自衛官は個別の教育隊幹部候補生学校などに入隊し、各自衛隊に任用された自衛官は任用期間や技術教育の違いなどもあり、通常入隊した各自衛隊の中で任期を終了するか定年(階級により異なる)まで、その自衛隊で過ごすことになる。自衛官という言葉は、狭義の意味では常勤の自衛官のみさすが、広義の意味では非常勤の予備自衛官即応予備自衛官予備自衛官補を含める場合がある。

現在陸・海・空自衛隊の総計は約24万人(内女性約12,300人)で、特別職の国家公務員の中では日本国最大の人員を擁する職種である。ただし人員に占める任期制の自衛官の割合も高く、「」の付く階級では、そのほとんどが任期制の自衛官である。

自衛官は、自衛官を官名とし、階級の呼称の別に従い、陸海空又は統合幕僚監部等に「定員上所属」するものとされている(事務次官通達)。

政府は、1990年(平成2年)10月18日衆議院本会議における外務大臣答弁において、「自衛隊は、憲法上必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の厳しい制約を課せられております。通常の観念で考えられます軍隊ではありませんが、国際法上は軍隊として取り扱われておりまして、自衛官は軍隊の構成員に該当いたします。」としている(時の内閣は第2次海部内閣、大臣は中山太郎)。

このため、通常の政府見解によると、現に自衛官たる者は文民ではなく武官とされ、日本国憲法第66条第2項の文民統制の規定に従って、内閣総理大臣及び防衛大臣を含む国務大臣となる資格がない。元自衛官の永野茂門が法務大臣になったり、元自衛官の中谷元森本敏が防衛閣僚(防衛庁長官・防衛大臣)となった例があるが、自衛官の地位を失った後で閣僚に就任したため、問題ないとされた。

また公職選挙法第89条により常勤の自衛官の身分のまま選挙に立候補する事は出来ず、公職選挙法第90条により立候補した場合は自動失職となる。なお、公職選挙法第89条と公職選挙法施行令第90条により、予備自衛官、即応予備自衛官、予備自衛官補は在職したまま選挙に立候補することは可能である。ただし、自衛隊法第75条・第75条の8・第75条の13で訓練招集命令により招集されている期間は政治的活動をしてはならないと規定されており、訓練招集命令により招集されている期間は政治活動は制限される。また国会法等の法規定では国会議員は原則として公務員との兼任を禁止しており、例外として兼任が可能な公務員に予備自衛官等がないため、予備自衛官補等が国政選挙に立候補をして当選したとしても、国会議員と予備自衛官等を兼任し続けると憲法第55条の資格訴訟の対象となり国会議員失職となる可能性もある。一方で、地方自治法等の規定には予備自衛官等が地方公職(地方首長や地方議会議員)と兼任を禁止する規定がないため、予備自衛官等が地方選挙に当選して予備自衛官等と地方首長と兼任することは法律上は問題ない。

採用試験・身体検査[編集]

自衛官

採用区分に応じた能力をみるために、選択式一般教養や記述式の筆記試験面接試験身体検査があり、採用後に本人の希望の職種選択の能力をみるために、適性検査がある。自衛隊の運転免許の適性には、自衛官は19歳以上で大型自動車(自衛官以外は21歳以上)を扱い、視力の遠近感を見る検査が有る。2007年6月の道路交通法改正により中型自動車(自衛官以外は20歳以上)の運転免許区分が出来たので、法改正後に免許取得した自衛官は自衛隊内で大型自動車免許を取得しても操縦できるのは自衛隊車両に限定され、民間の大型車を運転することはできない。

地位・待遇等[編集]

海上自衛隊の(甲)階級章
幕僚長 将補 1佐 2佐 3佐
1尉 2尉 3尉 准尉 曹長 1曹
2曹 3曹 士長 1士 2士 候補生

自衛官の階級[編集]

詳細は 自衛隊の階級 を参照
自衛官
自衛官

陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の自衛官の階級は自衛隊法第32条により、それぞれ陸将、海将、空将を最高位とし、16階級が定められている。所属及び階級と制服に合わせ、それぞれ階級章も定められている。

自衛官の階級等
区分 陸上自衛官 海上自衛官 航空自衛官 略称 定年
幹部 将官 統合幕僚長たる陸将 統合幕僚長たる海将 統合幕僚長たる空将 統幕長 62歳
陸上幕僚長たる陸将 海上幕僚長たる海将 航空幕僚長たる空将 陸幕長・海幕長・空幕長
陸将 海将 空将 60歳
陸将補 海将補 空将補 将補
佐官 一等陸佐 一等海佐 一等空佐 1佐 56歳
二等陸佐 二等海佐 二等空佐 2佐 55歳
三等陸佐 三等海佐 三等空佐 3佐
尉官 一等陸尉 一等海尉 一等空尉 1尉 54歳
二等陸尉 二等海尉 二等空尉 2尉
三等陸尉 三等海尉 三等空尉 3尉
准尉 准陸尉 准海尉 准空尉 准尉
陸曹長 海曹長 空曹長 曹長
一等陸曹 一等海曹 一等空曹 1曹
二等陸曹 二等海曹 二等空曹 2曹 53歳
三等陸曹 三等海曹 三等空曹 3曹
陸士長 海士長 空士長 士長 任期制
一等陸士 一等海士 一等空士 1士
二等陸士 二等海士 二等空士 2士
  • 自衛隊法第32条では、一等、二等(正式)といった階級の字に漢数字が用いられている。公用文作成の要領(昭和27年内閣閣甲第16号〈依命通知〉)第3 書き方について 3. に従い、数字を横書きにする場合はアラビア数字を用いて「1等」などと書くため、それに従って表記している。
  • 統合幕僚長たる陸将、海将又は空将は、自衛隊法(第32条)上の階級ではないが、防衛省設置法第21条第2項後段により、自衛官の最上位にあるものとされている。階級章も通常の章と異なり、階級の英訳も大将に相当するものが用いられている。
  • 政府の見解によれば、自衛隊は軍隊又は軍隊に準じるものであることが想定されている。そこで、自衛官の階級分類は一般的な軍隊のそれとの整合性が考慮されている。
  • 自衛官の階級呼称は戦前の旧日本陸海軍のものとは異なっているものの、それに類似したものとなっている。また、「大中少」ではなく「一等・二等・三等」と等級制が用いられている点は、歴史上も旧陸軍の将校相当官や旧海軍の下士官などにも見られた用例であり、日本の軍隊の階級呼称として前例が無いものではない。
  • 自衛隊の前身たる保安隊警備隊では、「監・正・士」といった文官、初期の陸軍将校相当官又は1919年大正8年)以前の海軍将校相当官に類似した階級呼称を用いていた。後の自衛隊発足に際しては、「将・佐・尉・曹」といった旧軍の兵科軍人の階級呼称として用いられていたものが使用されることとなった。
  •  医師、歯科医師および薬剤師である自衛官ならびに音楽などの職務にたずさわる自衛官の定年年齢は別に定められている。
  • 士の階級群にはこのほか3士があったが、国連の少年兵条約及び政府における総人件費削減などの理由から抜本的見直しを迫られ、平成21年6月3日に公布された防衛省設置法及び自衛隊法により、廃止された。

俸給・諸手当[編集]

自衛官
自衛官

一般職国家公務員の俸給表ではなく、自衛官俸給表により定められる。階級と号俸で構成され、階級と勤続年数(勤務成績)の二つの要素により決まるようになっている。初任給を決める場合、民間でも公務員でも、その職業に就く年齢・学歴・職歴の加算があるが、自衛官の場合は、自衛官の採用区分が同じなら年齢差・学歴差・前職の有無により採用時の号俸による計算となる。高卒等を1号俸として専門学校卒を2号俸、大学卒業または社会人を経て入隊した場合を3号俸等として規定しており、採用時の年齢・職務経験等も踏まえた処理が成される。(事務官等にある俸給の調整額、指定職等の管理・監督の者に支給される俸給の特別調整額、医師・歯科医師の自衛官に支給される初任給調整手当は、その他の自衛官には無い。)一般2士の初任給はおよそ15万円前後であり、行政職よりやや高めの設定がなされている。これは自衛官俸給表が2士~2佐までは勤務体系が類似している公安職俸給表に準じて制定されているからであり、また勤務の特性上21時間30分の超過勤務(残業)手当を含んでいる(自衛官調整率)。したがって、超過勤務手当は自衛官に対しては支給されない。また、俸給以外にも医療や食事の支給なども現物給付を受けることができる。

曹長以下の自衛官は営舎内居住が原則であるため、隊舎、艦艇で生活するための光熱費や水道代、食事代等は、給与の算定段階で予め控除されている。自衛官俸給表に定められた金額というのは、それらの費用が差し引かれたものである。従って、何らかの理由により営舎外居住が許可された場合は、当然隊舎、艦艇における光熱費や水道代等が必要ないため、この分の金額が「営外居住手当」として給与に加算されて支給される。反面、食事等の支給は行われなくなるので、昼食は喫食の申請をして食堂で食べるか、弁当を用意したり基地や駐屯地の売店であるPXを利用する事になる。なお食堂を利用した場合、食事代は給与から差し引かれる。

給与の支給は毎月18日が支給日であるが、給与算定は毎月1日から月末までを基準となるため、万が一給与支給日から月末までの間に自己都合退職をせざるを得ない場合、支給された給与の一部は返還しなければならない。

また隊員は土日祝祭日に勤務を行った場合に代日休養が付与されるが、指揮官職にある者は当該階級・役職に応じて代休未消化分を給与の加算分として受け取る事が出来る。

これらの他役職・各種資格等によって給与は加算対象となる他、一定の距離を超える通勤は通勤手当の支給もされている。

特殊勤務を行った隊員に関しては別途定められた特殊勤務手当が加算支給される。

海上自衛隊で護衛艦などの船に乗組むと、基本給の33%(潜水艦は45.5%)の乗組手当が支給される。また、船が出港するたびに航海手当が支給される。

賞与であるが、国家公務員の賞与に準じた支給形態が取られており、支給日は国家公務員の賞与支給日と同一である。期末手当と勤務成績に応じて支給率が上下する勤勉手当が合わさったものが賞与として支給されており、かつては年3回支給されていたが公務員の給与見直しに伴い年2回に変更されている。

任期隊員として採用された隊員は退職時に任期満了手当が支給されるが、これは定年退官時に支給される退職金に直結しており、任期満了手当を受けてしまうと定年退職時に支給される退職手当はその分減額されるうえ、任期制隊員から非任期制隊員に身分が移行した際に受給された任満手当は一部を返還しなければならない規定が存在する。

殉職したり傷害を負ったりした場合で特に功労が認められた時に、本人または遺族に支給される賞恤金は、防衛大臣訓令により定められており、その額は最高9000万円である。

服務[編集]

勤務時間は原則午前8時15分から午後5時までの週休2日制であるが、部署により大きく異なる。24時間態勢を維持するため、シフト制を取る部署もある。どの部署も慢性的な欠員に悩まされており、さらに入校や訓練なども多いことが拍車をかけている。これには残業で対応するが、制度上、超過勤務という概念が無いため、残業時間の算定自体は不可能とされている。部署を問わず、訓練や演習などの際は丸1日以上継続する長時間の勤務もある。幹部自衛官以外は営舎内居住が原則であり、外出も許可制となっている。こうした勤務実態から、超過勤務という概念自体が存在せず、前述の超過勤務手当の設定がされていない。生活そのものに対しても厳しい制約が課され、特に外出や外泊にあたっては内務班で重点的な指導を受ける。 以前は、陸上自衛隊服務規則第33条2で外出が、平日(土曜日を除く)にあっては営内居住者の1/2、土曜日、休養日及び休日にあっては2/3の範囲内において許可され外出許可が厳しかったが、門限や外出回数を緩和された輝号計画を経て、現在は、陸上自衛隊服務細則第64条、「許可権者は、隊務に支障のない限り、緊急連絡時の操縦手及び営内監視要員等を除き、営内に居住する陸曹及び陸士の外出を許可することができる。2、緊急連絡時の操縦手及び営内監視要員等の残留基準は、部隊規模(営内者)51名以上、緊急連絡時の操縦手1名、営内監視要員等6名、部隊規模(営内者)31~50名、緊急連絡時の操縦手1名、営内監視要員等4名、部隊規模(営内者)30名以下、緊急連絡時の操縦手1名、営内監視要員等2名とする。3、前項の残留基準によることが著しく困難な場合は、当該基準の趣旨を踏まえ、必要最小限の要員等を残留させるものとする。」と週休二日制も絡んで外出許可される人数が増えている。 ミスや不祥事を起こした隊員に対しては、懲罰的な意味合いを込めて「外出禁止」といった外出を許可しない措置がとられる場合がある。外出禁止はあくまでも許可権者レベルでの措置であり法的根拠は無い。その為この措置に対して異議があっても申し出る機関が無い。 潜水艦勤務の場合、出港~入港の間は、勤務の性格上、家族との連絡も出来ない。

また、自衛隊法上、次のような義務も定められている。

  • 指定場所に居住する義務 (自衛隊法第55条)
  • 職務遂行の義務 (第56条)
  • 上官の職務上の命令に服従する義務 (第57条)
  • 品位を保つ義務 (第58条)
  • 秘密を守る義務 (第59条)
  • 職務に専念する義務 (第60条)

なお、一般の自衛官は、自衛隊法第五十三条及び自衛隊法施行規則第三十九条に則り、入隊時に以下のような文章の記された宣誓文を朗読、署名捺印をする事が義務付けられている。

“私は、我が国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行に当たり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。”

また、「自衛官の心がまえ」という1961年(昭和36年)6月28日に制定された自衛隊における精神教育の準拠がある。以下の5つの徳目が列挙されている。

  • 使命の自覚
  • 個人の充実
  • 責任の遂行
  • 規律の厳守
  • 団結の強化

特別勤務[編集]

自衛官には、職種に関係なく勤務する特別勤務が勤務指定され、当直勤務、警衛勤務、営外巡察、不寝番、伝令が特別勤務で定められている。当直勤務は1週間、またはそれ以下の期間(半週間)に勤務に就き、外部からの不法侵入防御と駐屯地内に居住義務の有る自衛官(営舎内居住者)の外出・門限管理・火災防止・生活指導をする。警衛勤務は、駐屯地警衛隊を参照。営外巡察は駐屯地外の巡察で自衛官の犯罪防止をする。不寝番は、駐屯地内に居住義務の有る自衛官(営舎内居住者)が、消灯時間~起床時間までを1時間毎(または2時間毎)順番・交代(消灯後1番を1直、2番を2直と呼ぶ)で勤務指定され火災防止・外部からの不法侵入の防御をする。伝令は命令伝達する。   駐屯地の警衛所や門で警備する自衛官は、職種で警衛勤務しているガードマン専門でない。(防衛本省の市ヶ谷駐屯地を除く)演習等の訓練で、普通科などの戦闘職種が当直を除いて駐屯地を出払うと、業務隊や会計隊なども警衛勤務する。

女性自衛官も、駐屯地の実状に応じて特別勤務するので、警衛勤務させると特別勤務の目的に適さない場合の警衛所に課業時間のみ外部から駐屯地訪問する者の受付業務に就かせるなどの例外を除いて、当直勤務などの特別勤務に勤務指定される。

分限、懲戒及び身分保障[編集]

若年定年制[編集]

警察官等の公安職を含む公務員は個人単位で勤務するので定年は60歳だが、自衛官は部隊単位(集団)で勤務するので、20代も50代も同じ歩調で訓練しなけらばならないので若年定年制をとっている。若年定年制は、体力的に頑健で、防衛組織として精強さを保つ目的で制定されている。自衛官は3曹以上の階級にあっては、自衛隊法施行令に定める年齢(53歳~62歳)で定年となる。50歳代での早期退職による年金支給の不利を補うため、若年定年退職者給付金制度が制定されている。年金支給年齢までの再就職に向けての援護組織も整備されており、自衛隊内の援護課の協力のもと、自衛隊援護協会などが支援を行なう。

一般2士での入隊では、陸自が2年、海自・空自が3年(初任期のみ)を1任期として扱う。次の任期に入る場合でも満期金の名称で退職金の支給を受けることができ、これにより、若年層の隊員を大量に確保することで戦力の維持向上を図るとされる。少子高齢化の時代においては問題も指摘される。景気が悪化した状態では、退職後の再就職先確保が難しくなる場合もある。

自衛官の再任用[編集]

現行の定年年齢を維持した上で、退職後も自衛官として働く意欲と能力のある者を、長官の定める業務を行うポストに引き続き再任用。任用形態はフルタイムに限定。任期は1年以内、更新可能。出勤などの際は、一定の期間(1年~6ヶ月)延長可能。任用上限年齢は、65歳以上(平成13年度から15年度においては61歳、以後、3年ごとに1年ずつ段階的に引き上げ)。給与水準は、定年退職時の年収の5~6割の水準(同一の職務の級で任用された場合)。

懲戒処分[編集]

自衛隊法第46条により、隊員が次の各号のいずれかに該当する場合には免職(=不名誉除隊)、降任、停職、減給又は戒告の懲戒処分をすることができる。

  • 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
  • 隊員たるにふさわしくない行為のあつた場合
  • その他この法律若しくは自衛隊員倫理法 (平成十一年法律第百三十号)又はこれらの法律に基づく命令に違反した場合

これは人事記録上の措置であり、これに至らない軽微なものは所属長の判断により、指導の延長として外出を禁じる等の処置がとられるが、あくまで現場の判断による。

自衛官と防衛省内局及び他省庁の官僚との比較[編集]

指定職 も参照

指定職(2014年4月1日現在)
号数 自衛官(武官・制服組) 防衛省内局等[1] 他省庁(文官)
8号 統合幕僚長 防衛事務次官 各府省事務次官
金融庁消費者庁警察庁長官
会計検査院人事院事務総長
内閣法制局宮内庁次長
7号 陸上幕僚長海上幕僚長航空幕僚長 防衛大学校 警視総監海上保安庁長官
6号 防衛審議官 財務省主計局長・警察庁次長
各省審議官
外局の長官
5号 陸自方面総監自衛艦隊司令官横須賀地方総監
航空総隊司令官航空教育集団司令官
防衛医科大学校
技術研究本部
装備施設本部
防衛監察監
大臣官房長
防衛政策局長
地方協力局長
原子力安全・保安院
本省主要局長
4号 呉・佐世保地方総監、航空支援集団司令官、
航空自衛隊補給本部長、情報本部
防衛研究所
自衛隊中央病院
運用企画局長
人事教育局長
経理装備局長
本省局長
海上保安庁次長・海上保安監
3号 統合・陸上・海上・航空幕僚副長、舞鶴・大湊地方総監、
中央即応集団司令官、陸上自衛隊補給統制本部
航空総隊副司令官
官房総括審議官
2号 師団長防大幹事研究本部長、
護衛艦隊潜水艦隊航空集団教育航空集団司令官、
航空方面隊司令官、南西航空混成団司令、
航空開発実験集団司令官、陸海空幹部学校長、統合幕僚学校
防衛政策局次長
大臣官房衛生監
大臣官房技術監
1号 旅団長
関東補給処長、防衛研究所副所長
統幕運用部長・防衛医科大学校幹事、各幕主要部長
大臣官房審議官
大臣官房報道官
地方防衛局
官房審議官、本省部長、本省次長
地方支分部局
  • 指定職俸給表の適用を受ける防衛参事官、書記官及びその他の官職並びにこれらに準ずる自衛官の官職を定める省令
  • 防衛省の職員の給与等に関する法律施行令第六条の二十
  • 人事院規則九―四二(指定職俸給表の適用を受ける職員の俸給月額)

自衛官に対する特技資格の付与[編集]

(高卒程度)自衛官に適用される。

  • 医師国家試験(防衛医科大学校、医師養成課程を修了すること)(無償・有給)
  • 看護師国家試験(陸上自衛隊衛生学校、看護師養成課程を修了すること)(無償・有給)
  • 薬剤師国家試験(防衛省から月54000円貸与されますが一定年数以上勤務する場合は、免除)(自費)
  • 歯科医師国家試験(防衛省から月54000円貸与されますが一定年数以上勤務する場合は、免除)(自費)
  • 大型自動車・大型特殊・けん引・自動二輪(陸・海・空の自動車操縦教習所課程を修了すること)(無償・有給)
  • 社会保険労務士受験資格(全ての階級の自衛官に付与)
  • 気象予報士(気象業務に従事していた者に免除)
  • 衛生管理者(衛生科に従事していた者)
  • 航空管制官 防衛省と国交省による適正試験有り
  • 航空機操縦士 (航空養成課程を修了すること)
  • 海技士(海上自衛隊の艦艇に従事した者)国交省による適正試験有り
  • 准看護師・救急救命士(陸・空の衛生科の選抜に合格した者 海上自衛隊は、無試験選考)
  • 理学療法士(外部委託の養成所に出向扱い)(無償・有給)
  • 歯科技工士(陸上自衛隊衛生学校、歯科技工士養成課程を修了すること、自衛官共通)
  • 診療放射線技師・臨床検査技師(陸上自衛隊衛生学校、診療放射線技師養成課程、臨床検査技師養成課程を修了すること、自衛官共通)

職種[編集]

  • 陸上自衛隊では兵科のことを「職種」、海上および航空自衛隊では「特技」と呼んでいる。
  • 陸上自衛官
詳細は 職種 (陸上自衛隊) を参照

上記を含む約50職域がある。

女性自衛官の職種[編集]

  • 女性自衛官(2003年3月以前は婦人自衛官)の職種は、1952年の保安隊時代に看護師(当時は看護婦)、1967年に大卒の幹部自衛官、1968年に曹士自衛官として陸上自衛隊に、会計科、通信科、文書科(和文タイプライター1980年代に廃止され、任期満了退職者等以外は、戦闘職種以外に転科した。)で始まった。1974年からは海上自衛隊、航空自衛隊にも女性自衛官が始まった。
  • その後、女性自衛官の職種が拡大されたが、自衛隊においては「母性の保護」などを理由に、女性の戦闘職種(空挺・護衛艦、戦闘機パイロットなど)への配置を行っていない。
  • 近年防衛省は、男女共同参画基本計画を策定し女性自衛官の配置を検討している。ただし配置が容認された場合であっても、潜水艦や護衛艦は「(居住区やシャワー室など)女性用のスペースが無い」というハード面の問題から、策定後に新造される艦艇への更新が進むまで配置は難しいとされる(大型の輸送艦では配置実績がある)。
  • 自衛隊東京地方協力本部募集課によると2013年9月現在で、女性自衛官は、陸上自衛隊は、16職種全ての職種において勤務でき、海上自衛隊は、20職域のうち、機雷掃海、潜水艦を除く全ての職種に勤務でき、航空自衛隊は、28職域のうち、戦闘機パイロットを除く全ての職種に勤務できる。
  • PKOにも2002年に東ティモールに女性自衛官が初参加し、イラクの人道復興支援にも参加し、イスラム教圏では、女性に対しての身体検査をする場合など女性自衛官はなくてはならない存在になっている。[2]

脚注[編集]

  1. 平成23年4月1日現在
  2. TOKYO FM出版(株式会社エフエム東京)「亡国のイージス」防衛のジョーシキ早分かりQ&A

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

テンプレート:防衛省 テンプレート:自衛官の採用区分