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(しろ)は寒色の一つで、のようなである。

光の色としての白[編集]

人間網膜の3種類の錐体(紅、藍、緑)すべてが均等に刺激された場合に感じる色である。そのため、すべての波長の可視光線を均等に含んだ光は白く見え、こうした光を白色光と呼ぶ。このことから、すべての音の波長の信号が均等に含まれた、まったくランダムな音の波形のことをホワイトノイズ(白色雑音)と呼ぶ。

ただ、人間の目に白く見えるためだけならば紅、藍、緑の3色の光を適当な比率で混ぜるだけでも実現でき、カラーTVのブラウン管の白色はそのようにして実現されている。蛍光灯に代表される照明機器の光は、可視光の全領域において均等では無い。そのような擬似的な白色光は物体表面で反射するときの特性が本来の白色光とは異なるため、ものの色合いがやや不自然な印象の見え方をしてしまうことがある。厳密な色の比較を行うことが要求される仕事では、標準光源とよばれる太陽光に近い特殊な照明装置を使用する。

ものの色としての白[編集]

白は透明[編集]

物体がすべての波長の可視光線を(ほぼ)100%反射するとき、その物体は白いという。色材の発色の観点から見ると、白は他の色と著しく異なる。一般の色材は白色光の中の特定波長を吸収し、残りの波長領域が目に入って色として感じられるのに対し、白の色材は特定波長を吸収しないため本来透明である。色材としての白の発色原理を概念的に説明すると、『透明ガラスを粉々にすると白い粉に見える』である。微細な粒子で乱反射させて白く見せているが、乱反射の効率を高めるために屈折率の高い素材が選ばれる。

白の色材[編集]

100%の反射率を持った「理想的な白色」の物体は実在しない。現在、ほぼ理想的な白色物質として利用されているのが酸化マグネシウム硫酸バリウムであり、これらは可視光線のほぼ全領域にわたって99%以上の反射率を示す良好な白色素材である。工業的には二酸化チタンが多用される。

白っぽく見せる[編集]

ワイシャツなどの衣類で、白さを強調するために蛍光染料を使用している場合がある。これは、藍以外の光のエネルギーを吸収して藍く発光することで、黄ばむ傾向にある衣類の色合いを青めに補正して白く見せるものである。このような方法を使ったものとして、ほかには白色発光ダイオードがある。これは青色発光ダイオードに黄色を示す蛍光体をコートしたもので、発光ダイオード本来の青い光と蛍光体の黄色い光を混ぜて白い光としている。

白に関する項目[編集]

  • 医師看護師を初めとした医療従事者や、調理師など、清潔を必要とする職業では汚れが目立ちやすい白い衣服を着用し、白衣と呼ぶ。研究者など、危険な物質が付着する可能性のある職業でも同様である。
  • 白は、しばしば「」「純潔」「清廉」などのイメージを伴う事が多い。⇔
    • 善事の為の魔術を白魔術という。
    • 無実・無罪の俗語[1]。あるいは、その人。元々は、英語の“white”が無実を意味する語であり、それが警察の隠語として使われていたのが、一般化して広まった。
    • 推薦人物名簿を、俗にホワイトリストという。(⇔ブラックリスト
  • 政治的に、白は反共主義反革命を象徴する。これは、フランス革命ロシア革命の時に、王党派が白旗(ブルボン家の白百合紋章に因んだ)を目印とした事に由来する。ここから一般に、右翼や支配階級(政府資本家階級)は「白」とも呼ばれる事もある。例:白色テロ(=政府・資本家によるテロ)、白軍(=反革命軍) ⇔
  • 印刷(モノクロ)の世界では、白紙に黒文字で記される事が多いため、白は「」「撤回」を表す。警報の解除を、英語では“white alert”(白色警報)という。
  • 白紙」や「政府側」のイメージから、白は「賛成」を意味する。例:「白紙委任」「白票」 ⇔
  • 五行思想では、白は金性でを象徴する。同じく、金性の西を守護する神獣は白虎である。
  • 現在では、白はを象徴する事が多い。これは、白熊のイメージに因る。⇔
    • 雪の中のクリスマスを、俗にホワイトクリスマスという。逆に、雪の無いクリスマスをグリーンクリスマスという。
  • 冠婚葬祭では、白は吉事と凶事の両方に用いられる。
    • 吉事の白:結婚式などの紅白幕。
    • 凶事の白:死に装束の白衣。
    • 母の日での白いカーネーションは、「亡き母をしのぶ」ことを意味する。(対して、赤は健在を意味する)
  • 行政の許認可を要する自動車運送事業(バスタクシートラックなど)を無許可・無認可で(違法に)行うことを「白~」という。これは、日本では許認可を受けた営業用自動車のナンバープレートが緑色であるのに対し、許認可を受けていない自動車(自家用自動車)のナンバープレートは白色であることに由来するが、日本国外の場合にも用いる。例:白タク、白バス
  • 公認野球規則において、ホームチームはユニフォームに白色の生地を使用すると決められている。
  • プロ野球千葉ロッテマリーンズのチームカラー
  • 冷蔵庫や電気洗濯機などを白物家電と呼ぶ。これは白を用いることで清潔感をアピールするだけでなく、主な利用者が主婦層であるために、重厚なイメージを与える黒に対して、軽さ、使いやすさを主張する色であるといわれる。対して、テレビや各種レコーダー、オーディオ機器は黒が好まれる。 →

白(ホワイト)を含む言葉[編集]

真白。TBSのドラマ 真白。鬼太郎の登場人物。雪女

白と他の色を混ぜると[編集]

  • 黒+白で灰色
  • 灰色+白で銀色(但し、事実上)。
  • 一般に白は色を薄めることが出来るらしい。

近似色[編集]

参照[編集]

  1. 出典:米川明彦編『日本俗語大辞典(第3版)』東京堂出版 2006年 295頁

関連項目[編集]

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