三河柴
三河柴(みかわしば)は、日本の三河地方とその周辺を原産とする日本犬種のひとつである。
地域原産の柴犬である、地柴の一種でもある。三河柴犬とわずかに長い名前で呼ばれることもある。
尚、三河犬(三河地犬、及びその偽者の三州犬)と原産地が重複しているが、別の犬種である。
歴史など[編集]
三河柴も三河犬と同じく、三河地方で古くから猟犬として使われてきた日本犬のひとつである。しかし、その生い立ちなどは資料が現存しないため不明である。
主にパックでさまざまな動物を狩るのに用いられていた。嗅覚で獲物を捜索し、発見すると戦って噛み留めを行った。
近代ごろになると狩猟の必要が薄れ、需要がなくなりほぼ絶滅してしまった。
日本犬ブームと「ニセモノ」[編集]
昭和に起こった日本犬ブームにより、その存在は絶滅後に知られるようになった。しかし、他の地域の日本犬とは違い、ほぼ無名の存在であったため、絶滅していることは一般に地域外には知られていなかった。このため、利潤を目的とした即席ブリーダーが適当に日本犬(特に柴犬)や和系犬、チャウチャウの短毛種であるシャン・ドッグなどを掛け合わせることで本種のニセモノを作り出し、都市圏などで「三河柴」と称して販売が行われた。
作成後すぐは珍しさなどから人気があったが、徐々に偽装作成したことがばれ、三河犬のニセモノである三州犬と共に非難された。一時は日本犬保存会に登録を申請していた時期もあったが野望はあっさりと打ち砕かれ、作成の禁止を申し付けられた。それにより一般にもこのことが公にされ、完全に見向きもされなくなった。
三河柴のニセモノも今日現存しないが、その系統を引く犬が存在している可能性はあるとされている。但し、太平洋戦争をはさんでいるため、その可能性は限りなくゼロに近い。
特徴[編集]
額に模様があることの多かった三河犬とは違い、三河柴には突出した特徴がほとんどなかった。今日の柴犬よりもサイズが大きくがっしりした体格であったことのみが知られている。