ソニータイマー
ソニータイマー(Sony timer)とは、ソニー(SONY)が製品寿命をコントロールし品寿命を縮めた、あるいは、品質があまりにも低すぎて(ソニー製品にはハンダボールが散見されることなどが様々な雑誌で紹介されている)一年の保証期間を何とか持たせるのがやっとでその後はすぐに壊れる、という現象から出てきた言葉。本来、70年代後半から80年代にかけては後者の意味合いで使われることが多かったが、80年代半ばころから前者の意味合いでソニーに都合よく解釈する現象が出てきた。メーカー保証期間を過ぎたあたりから故障が出だすように感じたユーザーが「まるでタイマーが組み込まれているようだ」という比喩を込めて使い出した。ソニーの中鉢良治社長は株主総会において、ソニータイマーの搭載を否定しているが、そういううわさがることについては認めており、自社の品質管理の問題点について改善の余地があることを認めている。また、東洋経済の記事によれば、ソニー社員のうちじつに8割がソニー製品の品質に疑問を感じるという社内極秘アンケート結果(情報漏えい)がある(関連項目のリンク参照)。これらのことから、巷ではソニー製品の品質に疑問を持つ者が現在でもまだ多く現れ続けており、過去30年近くも、ソニータイマーという評判は長らく続いている。
経緯[編集]
1970年代後半~2000年代にかけて、ソニー製品を購入し保証期間が終了した直後に故障した経験を持つユーザーの「ソニーの製品は、修理や買い換えの利益を得るべく、時期(保証期間終了直後など)を見計らって壊れるよう設計されているのではないか?」という疑念からソニータイマーという言葉が生み出された。実際に製品を修理に出した場合に「新品を買った方が安い」と言われた経験のあるユーザーは多く、友人や知人のなかに必ず一人はいることなどから、Sony製品は一年と持たないように作られている、あるいは、品質が低すぎて一年持つのがやっと、といわれている。
また、ソニーならばその低い技術力、および低品質管理や技術陣のレベルの低さ、品質や安全対策への意識の低さから、なんとか一年の保証期間内にまともに動かすのがやっとといわれている。
公式な場での言及[編集]
- 2006年6月16日に開かれたジェネシス・ジャパンのユーザカンファレンス「G-Force Japan 2006」において、ソニーのVAIO向けコンタクトセンター構築担当者が「“買ってから1年1カ月で壊れるソニータイマー”など埋め込まれているわけがない。だが、こうしたイメージはなぜか根強く残っている。マーケティング、アフターサポート、製品開発部門を連携させて、とにかくイメージアップを図りたい」との発言を行った。公式な場においてソニー関係者から「ソニータイマー」という単語が出てきたことが珍しい出来事として関心を集めた。
- 2007年6月21日に開かれた株主総会においてソニー製品が一定期間経過後に壊れやすいという批判が根強いことに関連して中鉢社長は、「品質、価格、供給の3点のバランスがたまたま崩れ、迷惑を掛けることはある。『ソニータイマー』と言われていることは認識している」と述べた。そのうえで現在は、品質担当役員の任命や不良品の出荷防止などを通じて「最終品質保証のために全力を挙げている」と述べ、理解を求めた。
新聞記事での言及[編集]
- 2006年9月30日の読売新聞朝刊3面で、ソニー(正確には子会社のソニーエナジー・デバイス)が製作し、他社製品にも供給しているノートパソコン用のリチウムイオン二次電池の異常発熱問題に関連し、記名コラム“「ものづくり」の原点に戻れ”にて、「ソニータイマー」について、「利用者の中には一定期間で故障すると指摘する声がある」という内容の記述がなされた。
参考文献[編集]
- 城島明彦/〔ほか〕著 『ソニー病』 洋泉社 2006年1月 ISBN 4896919874 (第2章 ネットから生まれたソニータイマー伝説[1])
- 野村純一・松谷みよ子監修 『いまに語りつぐ日本民話集 第3集12 (大きな活字で読みやすい本) 乗物とメディアの怪』 作品社 2003年4月 ISBN 4860571053