サザエさんの家

サザエさんの家（サザエさんのいえ）とは、神奈川県鎌倉市にあった廃屋に関する幽霊屋敷譚。

概要[編集]

「鎌倉市にはサザエさんの家という幽霊屋敷が実在する」、というもの。

噂の舞台とされる廃屋は、2003年末に起きた不審火により建物の一部が焼失したため更地にされているが、この噂はインターネットや口コミを介していまだに流布し続けている。つまり、「サザエさんの家」とは、既に特定の家屋のみを指す話ではなく、口承・伝承を介して誕生・発展した一種の都市伝説であると言える。

鎌倉市には他にも名越隧道の「お化けトンネル」など、著名な心霊スポットが存在する、とされる。

実際は地権者側の都合によって30年以上前から放置されていた、「ただの廃屋」にすぎなかったが、いつの頃からか後述の怪奇譚が囁かれるようになり、「幽霊屋敷」・心霊スポットとして有名になった結果、全国各地から多くの者が物見遊山の肝試しに訪れるようになった。

これを受け、関係者が敷地を有刺鉄線で囲い、余人の立入を禁止する旨を明示したが、それがかえって「そこにいわく因縁があるからだ」、と「噂」に信憑性を与える結果となり、敷地内へ侵入する者は後を絶たなかった。

さらには、建物などに落書きを行ったり、深夜に騒いだりする者も多く、周辺住民に迷惑がかかる事も多かった。2003年の不審火もこうした心無い人々によって引き起こされたものだ、とする説もある。

流布している伝承の多くは、「名前の由来」・「廃屋になった理由」・「心霊現象」の3点に関するものである。

名称の由来: 「廃屋入り口に磯野（漫画『サザエさん』に登場する一家の名字）と書かれた表札があった事に由来する」、という伝承が広く知られているが、真偽は不明。また、いつ頃からこの俗称が広まったかについても諸説あるが、オカルト系の情報を扱うインターネットサイトを見ると、2001年頃には既にこう称されている事が確認できる。
廃屋になった理由: 「かつて住人が皆殺しにされた」というものが殆どであるが、その理由についての定説はなく、犯人に関しても「発狂した家人」・「殺人鬼」・「亡霊、悪霊」・「特殊部隊」・「致死ウイルス」など、派生は多岐にわたる。
心霊現象: 多種多様な話が伝わっているが、著名ものとして、「夜中に武者が徘徊する」・「秘密の地下室がある」・「特定の条件下で別の幽霊屋敷が出現する」などがある。また「室内に人形が散らばっている」・「実は人が居住している」など、付近にある他の幽霊屋敷伝承と混同されたと思われるものも多い。