ウンディーネ
ウンディーネ Undine (ドイツ語)
- 精霊の名。(オンディーヌと共に後述)
- フリードリヒ・フーケ作の物語。及びそれを基にした戯曲・オペラ、バレエ。(後述)
- カルル・ライネッケ作曲の室内楽曲、『フルートソナタ ホ長調 Op.167』のサブタイトル。
- 牧野由依の2rdシングルで、テレビアニメーション『ARIA The ANIMATION』のオープニング曲。→ウンディーネ (牧野由依)
オンディーヌ Ondine (フランス語)
- 精霊の名。(ウンディーネと共に後述)
- 1.を題材にしたジャン・ジロドゥの戯曲。(後述)
- 2.を題材にしたミュージカル。(後述)
- 2.を題材にしたストレートプレイ。(後述)
- 2.を題材にした吉原幸子の詩集、詩の題名。
- 2.を題材にした三善晃の音楽劇。
- 5.を題材にした木下牧子の合唱曲(混声、女声)。
- モーリス・ラヴェル作曲のピアノ組曲『夜のガスパール』の第1曲。
- クロード・ドビュッシー作曲の『前奏曲集』第2巻の第8曲。
- 『夢幻界 オンディーヌ』 児島冬樹の小説。角川書店から1987年8月に出版された。ISBN 978-4041702017
湾内のコント。ゴリがやっていた
水の精霊[編集]
ウンディーネ (Undine)(ラテン語の unda (「波」の意)から)は、四大(四精霊)のうち水を司る精霊 (elementals)。湖や泉などに住んでおり、性別はないがほとんどの場合美しい女性の姿をしているとされる。人間との悲恋物語が多く伝えられている。
パラケルススによると、ウンディーネには本来魂がないが、人間の男と結婚すると魂を得る。しかしこれには大きな禁忌がつきまとう。
- ウンディーネは水のそばで夫に罵倒されると、水に帰ってしまう。
- 夫が不倫した場合、ウンディーネは夫を殺さねばならない(一旦水に帰った後でも)。
水に帰ったウンディーネは最終的には魂を失う。
ウンディーネ、オンディーヌの物語[編集]
ウンディーネはドイツの作家フリードリヒ・フーケ作の物語。美しき水の精霊ウンディーネと、騎士フルトブラントの悲恋を主題とした。かの文豪ゲーテも「ドイツの真珠」と絶賛したドイツロマン主義小説の名作。1811年に発表された後、たちまち数ヶ国語に翻訳された。フランスの戯曲家、ジャン・ジロドゥは、この『ウンディーネ』を元に『オンディーヌ』という戯曲を書いた(後述)。
他にはオペラ(E.T.A.ホフマン作曲など)がある。日本でも「岩波文庫 水妖記 ウンディーネ 岩波書店」や「ドイツ・ロマン派全集5 フケー/シャミッソー 国書刊行会」や「ウンディーネ 新書館」が出版されている。
また、フレデリック・アシュトンによって製作されたバレエ版があり、英国ロイヤル・バレエのレパートリーとして度々上演されている。初演はマーゴ・フォンテインがタイトル・ロールを踊った。吉田都の当たり役のひとつでもある。
似た主題を持つ作品として、アントニン・ドヴォルザークのオペラ『ルサルカ』がある。
ジロドゥのオンディーヌ[編集]
オンディーヌは、ジャン・ジロドゥ作の戯曲。及びそれを基にしたミュージカルの名。
オンディーヌは美しい姿の水の精であったが、ハンスという青年と恋に落ちて人間世界に姿を変えてやってきた。しかし、オンディーヌの自由奔放な性格に嫌気をさしたハンスは人間の娘ベルタに浮気し結婚にまで発展してしまった。オンディーヌが人間界に遣わされるにあたっては神から、もし相手がオンディーヌを裏切った時には相手を殺すようにとの託宣を受けていた。この命令に従って、オンディーヌはハンスに眠ると死に至る魔法をかけて破滅させてしまった。オンディーヌは再び水の精に帰ったが、人間界での出来事はすべて記憶から消されてしまっていた。なお、戯曲の中のオンディーヌは、ハンスを助けるために、「ハンスが私を裏切る前に私がハンスを裏切った」と嘘をつく。
この作品はミュージカル『オンディーヌ』としてブロードウェイで上演された。また、日本では劇団四季の浅利慶太演出によるストレートプレイとして公演が行われている。
関連項目[編集]
- 先天性中枢性肺胞低換気症候群 - 睡眠時に呼吸不全に陥る先天的な疾患。オンディーヌが夫にかけた「眠ると死に至る魔法」からオンディーヌの呪いと呼ばれることがある。
- ヴォジャノーイ - ウンディーネと同じく水の精である。
- ルサルカ - 同上
外部リンク[編集]
- 劇団四季ステージガイド - 「オンディーヌ」に関する紹介
- 戯曲「オンディーヌ」の紹介 - 個人のホームページ