J.フロント リテイリング
J.フロント リテイリング株式会社(ジェイフロント リテイリング、英:J.FRONT RETAILING Co., Ltd.)は、「大丸松坂屋百貨店」やファッションビルの「パルコ」などを傘下に持つ持株会社である。
概要
百貨店業界は人口減少や流通業界の変革のあおりを受け売り上げの減少に苦しみ、経営の効率化が求められている。そうした中でともに老舗として知名度があった大丸と松坂屋もこの波から逃れることができなくなり、生き残りをかけた模索を続けてきた。
両社はともに老舗であること、地域競合が少ないことなどから経営統合した場合メリットがデメリットを上回ると判断。2007年3月に統合で合意し、同年9月3日に同社が発足した。
経営統合時点の同グループのキャッチコピーは、「翔びたい想い(大丸のイメージキャラクターの孔雀)と、咲きたいこころ(松坂屋のイメージフラワーのカトレア)をひとつに。」であった。
大丸が大阪を、松坂屋が名古屋を、それぞれ地盤としているため、どこに持株会社の本拠を置くか、また統合後の百貨店運営形態をどうするかに注目が集まったが、持株会社は知名度などを考慮し、登記上の本店は、松坂屋の銀座店に置く代わりに(後に同社の本社事務所は、大丸東京店近くの八重洲に設けられた)、経営の主導権は大丸側が握ること、また仕入れ・物流など共通化できる部分は共通化していくが、販売部門では従来通りとし、それぞれの独自性を維持することで落ち着いた。
2010年3月1日には同社傘下の百貨店事業会社が合併し(旧松坂屋を存続会社として、旧大丸を合併)、新しい百貨店事業会社「株式会社大丸松坂屋百貨店」が発足した。
沿革
- 2007年
- 2010年3月1日 - 傘下の株式会社大丸と株式会社松坂屋とが合併し、株式会社大丸松坂屋百貨店となる。
- 2012年2月24日 - 森トラストが保有するパルコの全株式(発行済株式の33.22%)を取得し、同社を持分法適用会社とする方針を発表[1]。
店舗網
Dは大丸、Mは松坂屋。DまたはM○○店は直営店舗、○○Dは当該店舗で独立した運営法人(鳥取大丸を除けば、いずれも大丸松坂屋百貨店の連結子会社)の店舗である。
- 北海道 - D札幌店
- 関東 - D東京店、M上野店、D浦和パルコ店、M東京店
- 中部 - M静岡店、M豊田店、M名古屋店
- 近畿 - D京都店、D山科店、D心斎橋店、D梅田店、M高槻店、D神戸店、D須磨店、D芦屋店
- 中国四国 - 鳥取D、下関D、高知D
- 九州 - 福岡天神D
グループ企業
※の企業は大丸松坂屋百貨店の連結会社。
- 百貨店
- ファッションビル
- 割賦・信用事業
- 通信販売
- 不動産事業
- 株式会社大丸コム開発(大阪市中央区)- 商業ビルの開発・運営など。
- JFRサービス株式会社(東京都荒川区) - 旧商号:松坂サービス株式会社。(株)大丸リース&サービスを吸収。
- 株式会社エンゼルパーク※(名古屋市中区)- 駐車場の運営。
- その他関連企業
- 大丸興業株式会社(大阪市中央区)- 商社。卸売事業。
- 株式会社J.フロントフーズ(大阪市中央区)- (株)レストランピーコックと、松栄食品(株)が合併。
- 株式会社J.フロント建装(大阪市中央区)
- 株式会社JFRオフィスサポート(大阪市中央区)
- 株式会社JFR情報センター(大阪市天王寺区)
- 株式会社消費科学研究所(大阪市住之江区)
- 株式会社ディンプル(大阪市北区)- 人材派遣等
- 株式会社大丸松坂屋セールスアソシエイツ※(大阪市北区)大丸・松坂屋での販売・店舗運営業務を行う。ディンプルから分割して新設された。
- 学校法人大丸クリエーターズアカデミーディーズファッション専門学校(京都市下京区)
- その他、旧松坂屋系企業
- 有限会社常盤商会(名古屋市中区)
- 持分法適用会社
かつてのグループ企業
- 株式会社ピーコックストア(東京都江東区)- 2013年、イオンに全株式を売却、グループ離脱した際に社名を「イオンマーケット」に改めた。
- 栄印刷株式会社(名古屋市港区)- 2009年、石田大成社に株式の90%を売却、グループから外れたが取引は行っている。
- 株式会社セントラルパークビル※(岡崎市)- 駐車場の運営など。2011年に営業を終了、2012年に解散。
関連項目
脚注
- ↑ 株式会社パルコの株式取得(持分法適用関連会社化)に関するお知らせ - J.フロント リテイリング・2012年2月24日
- ↑ (2011-7-9) [ J.フロント リテイリング Annual Review 2011 ] J.フロント リテイリング 2011-7-9
外部リンク
- J.フロント リテイリング
- J. Front Retailing公式アカウント