音楽プロデューサー

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音楽プロデューサー(おんがくプロデューサー、英語Record producer)とは、音楽プロデューサーで、レコードCDLD などの音源制作や、コンサート映画などの企画で音楽制作面全般を指揮する役割の職名である。

広義の意味では単なる制作責任者や予算管理者、原盤管理者を含め音楽制作にかかわるすべての人が音楽プロデューサーである。とりわけ日本ではアーティストの発掘・契約・育成を担当するA&Rや、企画・制作・宣伝などのマーケティング担当者まで音楽プロデューサーと呼称されている場合がある。狭義の意味での音楽プロデューサーは実際に音楽のサウンドに対する制作責任者のことを指し、海外では一般的にこちらの意味で使われる。バンドなどの生演奏であればアレンジメントレコーディングでどのような音を作るのかを最終的に決める者がプロデューサーである。またR&BヒップホップポップスなどのDAWを用いたデスクトップミュージックでは実際に曲を制作しているトラックメイカーがプロデューサーと呼ばれる。どちらにせよサウンド面での最高責任者がプロデューサーであり、それがミュージシャン自身であればミュージシャン本人がプロデューサーとクレジットされる。

ジャンルやスタイルによって要求されるものがそれぞれ大きく異なるため、一般的にはプロデューサー毎に専門の分野や手法でプロデュース業を行っている。音楽によっては1人ではなく、2人、3人とチームを組んでプロデュースを行っていたり、1つのアルバムでも曲ごとにプロデューサーを変えて制作している場合もある。

音楽制作者の集合組織には音楽制作者連盟 (略称: 音制連) などがあり、啓蒙活動を含め音楽制作全般をバックアップしている。

概要

1960年代の日本では、製作資金の提供者または調整者のみがプロデューサーとして記載されることもあった[1]。その場合は、レコード会社ディレクターが、現在のプロデューサーに相当する仕事も担当していた。

プロデューサー自身が歌手またはミュージシャンである必要はなく、日本ではレコード会社 (CD レーベル) や音楽出版社 (楽曲管理会社) 、芸能プロダクションなどの原盤管理会社の人間がプロデューサーであるの一般的である。また、音楽制作の場合には作品のミュージシャン自身がプロデューサーを兼ねる場合もあり、その際には共同プロデューサーとしてコ・プロデューサーとクレジットされる場合もある。

総合プロデューサーの場合、アーティストのイメージをA&Rと組みながら構築してサウンドを当て込んだり、逆にサウンドが先に出来て後からアーティストのイメージを構築したりするなど様々な手法がある。アーティストのイメージを優先して行く場合には、アーティストの音楽面とパブリック・イメージ全体を司る総合プロデューサーは一般的にエグゼクティブ・プロデューサーと呼称される。冒頭に書かれた制作予算の管理運営を含めての総制作責任者のプロデューサーを指す場合にもエグゼクティブ・プロデューサーと呼称される場合がある。音楽制作進行全体を総合的にプロデュースする場合はトータル・プロデューサーと呼称され、音楽制作におけるアレンジメントなどサウンド面を中心に担う場合はサウンド・プロデューサーと呼称される。マーケットとメディアの連動を見据えて創作プロデュースする場合には、アーティスト・プロデュースとサウンド・プロデュースを兼ねてプロデュース・○○○と表記する場合もあるが、これも基本的にはトータル・プロデューサーとして全体的な制作進行が出来るプロデューサーのことを言う。

小室哲哉つんく♂など、自身のバンドの音楽活動と並行して作詞作曲及びアレンジメントを含めたプロデュース業を行うミュージシャン系プロデューサーの台頭以後、日本歌謡界における音楽プロデューサーの影響力は急激に増した。しかし、それは高名なプロデューサーを宣伝材料として利用したプロモーションの一環にする現象の側面と、特定の音楽プロデューサーの目に止まらなければまずヒットは望めないと言うことを前提としたメーカー側の販売戦略だったため、「チャートに同じようなアーティストと同じような曲調ばかりが並んでいてほとんど区別がつかない」という意見や批判が年配層等から起こった要因の一つになったとも言われている。

業務内容

総合的にプロデュースする際、プロデュース対象であるアーティスト、ミュージシャン、タレントに対して、以下の項目にある部分などを主に担当する。

  1. 総合的にどのようなイメージを世間に与え、売り出していくかの戦略と展開 (A&Rと連携)。
  2. 音楽的にどのような傾向の作品を歌唱または演奏するか、それに伴い、作詞家および作曲家を外注する場合の選定。
  3. 制作に際して、現場へ起用する編曲家スタジオ・ミュージシャンらを誰にするかの選定とスケジュール調整。
  4. レコーディング時の作業工程及び制作スケジュール、スタジオの選定。
  5. CDやレコード発売に関連するプロモーション用ミュージック・ビデオやポスター等の展開 (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携)。
  6. 音楽関連雑誌などのメディアやテレビ/ラジオなどでのプロモーション戦略と展開 (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携)。
  7. コンサート活動、イヴェント開催、各種イヴェント出演などの展開 (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携)。
  8. 出演する音楽番組などの選定と出演交渉など (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携) 。
  • サウンド・プロデューサーと分類呼称される場合には、上記のうち主として項目の#2と#3におけるサウンド・プロデュースで関わる場合が多く、自身が編曲家を兼ねることも多い。
  • 上記項目の#5〜#8をアーティストが所属するレコード会社やプロダクションのA&R、ディレクター、マネージャー等が担当し、こちらがプロデューサーとしてクレジットされる場合もある。
  • エグゼクティブ・プロデューサーの場合には、上記の制作項目全体を含めアーティスト像全体に対するプロデュース、メディアやマーケットの連動を兼ねた総合的な業務になるため、人脈や展開能力を含めた幅広い財産と知識を必要とする。

主なプロデューサー名一覧

海外

グラミー賞受賞者リスト Grammy Award for Producer of the Year, Non-Classical



日本

ミュージシャン系


原盤管理会社系

歌手作曲家編曲家スタジオ・ミュージシャンを元々兼ねない、あるいは引退・活動縮小後に活動を開始したプロデューサー。
名前のあとの<>内は、手がけた主たるミュージシャン・アーティスト。

脚注

  1. URC秦政明などもその一人であったといわれる

関連項目