宇宙人

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宇宙人うちゅうじん)とは、地球外生命のうち人類並み、または人類より高い知性を持つものの総称。エイリアン (alien)、異星人(いせいじん)と呼ばれることも多い。また、一時期「EBE(イーバ)」と呼ばれた事もある。

  • 宇宙人 (spaceman,astroman) という単語には「宇宙へ行った地球人」の意味もある。特に初期のスペースオペラの邦訳では、宇宙飛行士の事を「宇宙人」と訳している場合が多く、またアイザック・アジモフの作品に登場する「スペーサー」(spacer:宇宙移民の子孫)も一部で「宇宙人」と訳されている。またエイリアン(alien)は英語では移民や外国人を意味することもあるので注意が必要である。

SFの世界では非常にありふれた題材だが、現実には未だその存在は確認されていない。過去には太陽系内の諸惑星に生息していると考えられたこともあり、火星金星などがその候補とされたこともあった。しかし研究や観測調査が進んだ結果、そのようなことはまずあり得ないと考えられるようになった。

とは言えそれはあくまでも太陽系内に限ってのことである。太陽系の属する銀河系には約2千億の恒星があるとされ、さらにこの宇宙には銀河系のような島宇宙が1千億以上あると言われている。また、最近の研究で、多くの恒星は惑星を従えている事が判って来ており、その中に地球同様に生命が発生した惑星が存在している可能性は十分にある。よって、人類とは別な知的生命体の存在は宇宙全体のことを考えれば十分にあり得ることと考えられており、探査計画が実際に行われて来ている。

なお、遮光器土偶や古代の洞窟画に描かれた奇怪な人物像、或いはいわゆるオーパーツなどが証拠であるとして宇宙人は既に地球を訪れているとする古代宇宙飛行士説なども見られるが、学術的にまともな説として検討されるに足る論拠は呈示されていない。また、ジョージ・アダムスキーラエリアン・ムーブメントの教祖など、宇宙人と会見したと主張した人々もいるが、これらも十分な根拠が提示されたことはない。

フェルミのパラドックス

はたしてこの宇宙に知的生命は存在するか――という疑問をめぐっては、物理学者エンリコ・フェルミによる「フェルミのパラドックス」がよく知られている。これは「もし恒星間航行を可能とする宇宙人がいるなら、なぜこの地球にやって来ないのか?」というものである。

仮に恒星間宇宙を超える技術を持つ高度な地球外文明があったとしたら、そのうちいずれかの文明は自己増殖機械による宇宙探査や植民などによって宇宙の全域を移動している可能性が高いので、そのうちいずれかが地球に到着していてもおかしくない。しかし、地球上には外宇宙から来た知的生命体の確実な証拠は一切見つかっていない。フェルミによれば、「宇宙人がいる? ではどこにいるのか?」とのことである。

こうしたフェルミの疑問に対しては、以下のように様々な解釈・意見が挙げられている。

  • 宇宙人は存在し、すでに地球にやってきているが、表立っては活動していない(または、やってきていたが確実な証拠が見つかっていない)。例えば、
    • 政府との密約により公表が差し控えられている。
    • 潜伏、又は地球の生命に擬態して正体を隠している。
    • 珪素生物・意識生命体など、地球人が「宇宙人」として認識できない形態の生命である。
    • 既に来訪しており、遺蹟などにその痕跡が残されている。詳細は古代宇宙飛行士説を参照。
    • 既に来訪しており、我々人類(もしくは地球上の他の生物)がその子孫である。
    • 既に来訪しており、ハンガリー人を名乗っている。(当時のフェルミの周囲で語られたジョーク。「火星人」と言われた天才ジョン・フォン・ノイマンらハンガリー勢を指している)
  • 宇宙人は存在するが、なんらかの制限又はある意図のためにまだ地球にやってきていない。例えば、
    • 宇宙人による全天探索計画が実際になされているとしても、はるか遠方で行っているため光速の壁に突き当たってまだ地球には達していない。
    • 多くの宇宙人は穏健で引っ込み思案な知的生命であるため、宇宙に進出しない。
    • あまりに地球人と異星人の文明のレベルが違いすぎるので、異星人と接触した結果地球上に起きる混乱を避けるなどの目的で敢えて目立った接触を行わない。これは「動物園仮説」又は「保護区仮説」と呼ばれる。(創作小説等の言葉を借りれば、「未開惑星保護条約(宇宙に大規模に進出し得ない文明レベルの惑星には介入しない)」のような国際条約が存在する可能性が指摘されている)
  • 宇宙人は存在するが、恒星間空間に進出し地球にたどり着くための進化・技術発展における難関を突破できない。例えば、
    • 生命が発生するのは非常に難しい。
    • たとえ生命が発生しても、知的生命として発展するのは非常に難しい。
    • 知的ではあっても宇宙に乗り出したり情報発信できる高度な技術文明を生み出すのは非常に難しい。
    • 高度な技術文明があっても、地球人の観測圏までたどりつくのは非常に難しい。
    • 文明レベルまで進化が進むと、核戦争や著しい環境破壊などの事態を引き起こし、短期間に滅亡してしまうため宇宙旅行に乗り出す時間を持ち得ない。
  • この宇宙には宇宙人が存在するが、互いの星へ行きコミュニケーションをとることができる技術をもったところは今だ1つもない。
  • この宇宙には地球以外に生命体が存在しない。この立場からは、「存在しないものは来ない」ため、パラドックスではあり得ない。
    • この宇宙には地球以外に生命が存在しない。
    • 地球以外に生命が発生する確率はゼロではないが、今のところ地球の生命が第一番目に発生した生命で、二番目がまだ登場していない。

各種の異星人

1938年のアメリカではH・G・ウェルズサイエンス・フィクションに基づいた『ラジオドラマ』で火星人の襲来やアメリカ軍との交戦の模様などをあたかも現実のニュース風に放送したところ、それを現実の報道と勘違いした人々がパニックを起こすという事件も起こった。

また、「疑似科学」「似非科学」と見られている諸説の中には、宇宙人の存在にまつわるものが数多く存在する。アメリカネバダ州の軍用地「エリア51(en:Area_51)」には墜落した異星人の宇宙船が格納されており、宇宙人とのコンタクトがあったが政府はそれを軍事機密にしている、とする説は比較的広く知られている(これをストーリーに取り入れた作品に映画『インデペンデンス・デイ』等がある)。

火星人

火星に知的生命がいるという説はイマヌエル・カントなどが支持していたが、19世紀末、パーシヴァル・ローウェルは火星に運河を発見したと主張し、これが知的生命体によるものだと考えた。これは前述のH・G・ウェルズによる小説『宇宙戦争』にも影響を与え、さらに『宇宙戦争』に登場した火星人の姿であるタコの様なイメージが広く知れ渡り、のちのフィクション作品にも同様の姿の火星人が多数登場している。

南極で発見された火星由来の隕石から「微生物の痕跡」と見られるものが発見されたり、火星の凍土層に細菌等の微生物が生存していることはあり得るという説も提示されており、火星に生命が存在する可能性はゼロではないものの、知性ある生命体のはっきりした証拠は未だ見つかっていない。

金星人

ジョージ・アダムスキーをはじめ、実際に金星人と出会ったという目撃談がいくつかあるが、金星の過酷な環境から生物は存在できないと考えられているため、金星人も存在しないという見方が大勢である。そのため、金星人に出会ったといっている目撃者の多くが、インチキではないかといわれている。実際、有名なジョージ・アダムスキーも、自身の撮影したUFOの写真がトリックだと判明している。

火星と並んで、フィクション作品に登場する事の多い異星人でもある。

グレイ

頭が大きく、フットボール型の目をした灰色の小さな人間型の「エイリアン」である。このような形態の宇宙人のことを多くの自称宇宙人研究家は「グレイ」と呼んでいる。基本的には人間と類似した形態であるが、鼻や眉や性器など体表面の隆起がほとんどない単純な外見となっている。様々な映像、漫画など創作に登場するため、そのイメージは広く流布している。

このグレイと遭遇した、あるいはそうした存在によって誘拐されたとする催眠による記憶遡行などによる体験談(アブダクションと呼ばれる)や目撃談もよく知られている。これらは偽記憶症候群とされる場合もある。

また、近代以前には妖怪や幽霊の存在が真剣に信じられていたが、科学の発展と科学的知識の普及によってそれらはほとんど信じられなくなった一方で、「科学的知識をベースにした妖怪」として宇宙人の目撃などの現象が生じている、という見解もある。

オレンジ

グレイと似た種の皮膚をしているが、皮膚の色はオレンジ色。また、身長もグレイより少し高く、最大で1m80cmといわれている。脳は4つに分かれているという情報もある。

このオレンジと呼ばれる宇宙人は、グレイほど有名ではないものの、アメリカなどの国家秘密機関の間では有名である。

ノルディック

グレイやオレンジとは大きく異なり、外見は人間と見間違えてしまうほど、人間に似通っている。スカンジナビア半島の白人に似たような姿をしているといわれている。

その他の異星人

その他にも、異星人の目撃例や接触したと証言は数多くある。また、バシャールなどチャネリングによる精神的宇宙生命体との接触例もある。さらにUMAの一部も異星人ではないかと言う説もある。しかし、いずれも確固とした裏づけはなされておらず、異星人が地球にやってきていると証明には至っていない。

異星人の形態

我々地球人類の形態は、地球の環境(1Gの重力、1気圧の大気、水が液体で存在する気温など)に適応して進化を遂げた結果である。この事から、地球とまったく異なる異星の環境で進化を遂げた異星人は、我々の想像を絶する異質な形態をしているとも考えられる(それらは我々の知る「生命」に当てはまらない存在である可能性すらあり、この観点から見るなら火星などで行われた生命探査も不十分なものと言える)。

映画『2001年宇宙の旅』において、原作者アーサー・C・クラークと監督スタンリー・キューブリックは当初、モノリスの主人である異星人を映画に登場させる事を考えており、上記の理由から地球のいかなる生物ともかけ離れた形態にしようと試みた。しかしいくら考えても、どうしても地球上の生物を連想させる物しか考案できず、結局異星人の登場を断念した、というエピソードがある。

異星人の攻撃

1987年レーガン米大統領国連で、「もしも、地球人が今エイリアンの脅威に直面していても、全人類が力をあわせれば平和を手にすることができるでしょう」という趣旨のことを述べている。

宇宙人が登場する作品

映画・漫画・小説などのフィクションにおいて、宇宙人は頻繁に登場する。地球を訪れる宇宙人の来訪目的は、地球侵略である場合が多いが、友好的な宇宙人も多数見られる。

小説

映画・テレビドラマ

インデペンデスデイ2


アニメ・漫画


関連項目