未確認動物
未確認動物(みかくにんどうぶつ)とは、存在の可能性があり、噂などで知られていながら生物学的に確認されていない未知の動物のことである。
概要[編集]
目撃例や伝聞による情報はあるが、実在が確認されていない生物のことで、英語ではCryptidと呼ばれ、これを研究する学問はCryptozoologyと呼ばれる。日本では英語で「謎の未確認動物」を意味するUnidentified Mysterious Animalの頭文字をとって UMA (ユーマ)とも呼ばれるが、これは日本人による造語。現在では一般に知られているジャイアントパンダやローランドゴリラが生物学的に確認されたのは19世紀以降で、それ以前には存在の情報だけが広まる未確認の動物だった。オカルトに分類されることもある。
天狗や河童のような妖怪の類や、小説などのために創作された存在は未確認動物に含まれないが、これら架空の生物が未確認生物として存在するかのように思わせる見世物として、江戸時代の日本では猿や鯉、エイなどの動物の死体を継ぎ合わせたミイラが作られたこともある。
未確認動物は世界中で目撃例があり、家畜や人間を襲う事件などもある。画像やビデオとして残されているものもある。ネス湖のネッシーのように、特定の場所や地域で目撃される場合、そこが観光スポットとなることもある。
猿やカワウソの前脚が「河童の手のミイラ」と言われるなど、既知の動物の死骸や痕跡が未確認動物の死骸、痕跡とされ保管されている例もあるが、中には既知の動物には当てはまらない物もあるとされる。
呼称[編集]
UMA(Unidentified Mysterious Animal)という呼称は、実吉達郎が1976年(和暦??年)当時の『SFマガジン』編集長の森優(後の超常現象研究家の南山宏)に未確認動物の呼称作成を依頼したところ、森優がUFO(Unidentified Flying Object)を参考に考案し(南山宏は和製英語だとして用いなかった)、初出は、実吉達郎 (1976年(和暦??年)) 実吉達郎 [ UMA―謎の未確認動物 ] 日本語 スポーツニッポン新聞社出版局 1976年(和暦??年) であるという[1]。
関連項目[編集]
関連文献[編集]
- ジェイムス・B.スィーニ 『図説 海の怪獣』 大陸書房 1973
- ベルナール・ユーヴェルマンス 『未知の動物を求めて』 講談社 1981
- ジャン=ジャック・バルロワ 『幻の動物たち』 早川書房 1987
- 実吉達郎 『世界の怪動物99の謎』 二見書房 1992 ISBN 4576920359
- 山口敏太郎 『本当にいる日本の未知生物案内』 笠倉出版社 2005 ISBN 4773003065
- 並木伸一郎 『未確認動物UMA大全』 学習研究社 2007 ISBN 4054034500
- Loren Coleman, Jerome Clark. Cryptozoology A to Z. Fireside. 1999 ISBN 0684856026
- Chad Arment. Cryptozoology: Science & Speculation. Coachwhip Publications. 2004 ISBN 1930585152
- Michael Newton. Encyclopedia of Cryptozooology. McFarland & Company. 2005 ISBN 0786420367
- Loren Coleman. Mysterious America. Paraview Pocket Books. 2007 ISBN 1416527362