和製英語

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和製英語(わせいえいご)とは、英語の単語を組み合わせることにより造られた、英語風に聞こえるが本来の英語にはない表現である日本語の語。また欧米には存在せず、日本独自のモノを英語風に名づけて普及した言葉も含まれる。

概要

本来、和製英語という場合は英語風のものだけを指し、他の欧米系の言語風のものも含めていう場合は和製外来語と呼ばれるケースもあるが、欧米系を中心とした外来語風の単語をもまとめて和製英語と呼ばれるのが一般的である。

英単語を原義とは異なる意味で使用しているもの(誤用)や、動詞であるものを名詞の如く扱って単語を組み合わせて誤用しているもの、さらには、日本語的に略して発音しているものや、もともとの英単語を日本独自の発音で言い習わしているものも含めて、広義の和製英語に含めることがある。

和製英語は、日本語の母語話者の間で流通するだけであれば誤解を引き起こす恐れは少ないものの、本来の英語表現であると誤認して英語として使用し誤解の原因になったり、日本語を学ぶ英語圏の人が違和感を感じたりすることがある。これは、英語以外の言語フランス語ドイツ語オランダ語など)に由来するのに、英語由来だと勘違いされる外来語でも同様である。

英語は多くの地方でつかわれる言葉なので、用語用法の不統一は、日本語の方言とは比較にならないほど多様である。和製英語の一部は、日本での英語の用法として理解されている場合もある。英語教師などは和製英語の範囲を広くとらえ、英語コンプレックスをかきたてる傾向にある。かつてイギリス英語から導入された語が、現在の英語教育の主流であるアメリカ語としては通用しないために「和製英語」とされることも良くある。アメリカの地方出身の、しかるべき教育を受けていない英会話指導者の見解には、十二分に注意を払うべきである。

また、カタカナ表記は何をもって原音とするかの問題はさておき「すべて原語の発音とは異なる」と認識したほうが間違いが少ないが、日本語の言語体系を知っている人にとっては、「日本訛り」と認識される。略語は英語流、日本語流でかなり異なるので留意する必要がある。

多国語を話す人(母国語のみもしくは他国語を話す人以外)では、文法、単語の混乱は珍しくないので、上記の誤解は少ない。また、逆に英語で意思疎通をする際に、相手の母国語の言語体系を知っていると、理解が容易である。

以下では、広義のものも含めた和製英語の例を分類して一覧する。頭書の定義にあてはまらないが、同様の問題を起こしうる語については英語風日本語を参照。

和製英語の例

( ) 内は対応する英語。

造語

商標に由来

  • シャープペンシル、シャーペン (mechanical pencil, automatic pencil) ※早川金属工業株式会社(現・シャープ)の創業者早川徳次が発明した金属製繰出鉛筆の商品名に由来。ever sharp pencil から。
  • セロテープ (Sellotape, Scotch tape) 英国セロテープ社の商品名。米国では3M社の商標Scotch tapeが用いられる。
  • チャック (zipper, fastener) ※正確には和製英語ではなく「巾着」に由来する造語。
  • バイキング (buffet, all-you-can-eat, smorgasbord) ※帝国ホテルが米国映画『バイキング』(1958年公開) にちなんで名付けたのが始まりとされる。
  • フリーダイヤル (toll free number]) ※NTTコミュニケーションズの登録商標。
  • ポケットベル、ポケベル (beeper, pager) ※ポケットベルはNTTドコモの登録商標。ただし、2001年以降は「クイックキャスト」に名称変更され、2007年3月31日で事業終了。
  • キャッチホン (call waiting)
  • ナンバーディスプレイ (caller ID)
  • セメダイン (glue, adhesive) ※日本のセメダイン社の商品名が由来。
  • ボウガン (Crossbow) ※日本の射的用品メーカーであるボウガン社の商標名が由来。
  • ホッチキス (stapler) ※米国E.H.ホッチキス社(E. H. Hotchkiss) の製品を日本で販売した際の商標「ホチキス自動紙綴器」が一般名詞や動詞として使われるようになった。JISでの呼称は「ステープラ」。現在では英語の音訳の「ステープラー」も広く使われるようになってきている。
  • マジックインキ (marker) ※内田洋行の登録商標。製造・販売は寺西化学工業
  • マジックテープ (Velcro) ※「マジックテープ」はクラレの登録商標。これに対する英語の"Velcro"も米国Velcro社の登録商標。日本でもファッション業界を中心に「ベルクロ」と呼ぶことが増えている。
  • ロマンスカー (deluxe train) ※商標として用いたのは小田急電鉄。同項目を参照されたい。

誤用

日本語における外国語の誤用も参照)

  • 「ダブル」の意味のW (double, D) ※1990年頃の「W浅野」 (浅野温子浅野ゆう子) など。Wの語源は「double u」 (二重のu) である。
  • アイドリングストップ (stop idling) ※"idling stop"では「アイドリングしたままの停止」と正反対の意味になる。
  • アイドル ※日本ではアイドル(女性)は慣習上「可愛らしさや清純さ、可憐さ、あどけなさ等を特徴、またセールスポイントとした若手の女性芸能人」を指すが、本来の英語におけるidolの意味ではない。
  • アットホームな (cozy) ※"at home"には「くつろいで」という意味もあるが、日本語の「アットホームな雰囲気」のように名詞を修飾することはない。
  • カスタム (custom) ※本来の"custom"はオーダーメイドなどの意味。
  • カメラマン (= 写真家) (photographer) ※本来の "cameraman" は映画やテレビ撮影のカメラマンを指す (または "camera operator") 。
  • カンニング (cheating) ※本来の"cunning"はずる賢いなどの意味。
  • クリスタル (shiny) ※本来は、結晶という意味だが、きらきらしたものという意味で使われている。
  • X'mas (=クリスマス) (Christmas, Xmas) ※ギリシア語でキリストを表す"ΧΡΙΣΤΟΣ"(Xristos)に由来するXの後にアポストロフィは入らない。
  • 不具合の発生に対する「クレーム」 (complaint) ※本来の"claim"は単に請求、主張の意味。
  • コンプレックス (complex) ※本来は複合体、合成物、大型アパートや団地などの意味。ただ、精神分析の用語として「強い感情やこだわりをもつ内容で、ふだんは意識下に抑圧されているもの」という意味があることから、日本語では「何々コンプレックス」のように「劣等感」という意味で用いられている。
  • サービス (free of charge, on the house) ※英語のserviceに無料の意味はない。
  • サイダー (soda pop) ※"cider"はイギリス英語圏ではリンゴ酒 (シードル)、アメリカやカナダ英語では精製・熱加工していないリンゴのジュースをさす。
  • 歌手やスポーツ選手などの「サイン」 (autograph) ※名詞の"sign"は「看板」などの意味。クレジットカードを使用する際の「署名」のことはsignatureという。
  • シール (sticker) ※粘着剤付きで装飾用の紙などの小片、例えば「ビックリマンシール」のたぐいは "sticker"だが、日本語の「ステッカー」と異なり、かなり小型のものも含まれ、大きさの区別は無い(日本語では小型のものをシール、大型の物をステッカーといって区別している)。付箋や荷札は "label"。本来の "seal"は印章、および (印章によって行われたことから) 封印の意味。英語圏でも「シール」と言って差し支えないのは封緘紙ぐらいか。
  • ジャスト (exactly) ※"just 1000yen"(ジャスト1000円)は、英語では1000円ぴったりの意味にも1000円しかないの意味にもなる。日本語では「1000円丁度」と意味が異なる。因みに「12時ジャスト開始」は、"start at 12 noon sharp"。
  • シュートを放つ (shot) ※"shoot"は動詞。
  • ショットする (shoot) ※"shot"は名詞。前出の「シュート」と、意味が入れ替わっている。
  • ショートケーキ ([strawberry] cake) ※米国で言う"shortcake"は、スポンジの代わりに菓子パンの一種であるビスケット(biscuit)を使ったケーキ。"short"は (食感が) さくさくしている、という意味。
  • シルバー ※本来シルバーシート (priority seat) とは「優先席」のことであり、誤って老人のみを指すようになったものが、さらに「老人」を意味する形容詞化したもの。
  • スイッチバック駅の一部 ※本来の"switchback"は、ジグザグの意味で勾配上に設置されるスイッチバック駅は語義どおりの使い方だが、遠軽駅十和田南駅のように、一方側が行き止まりで単に方向転換をする駅をスイッチバック駅と称すのは誤用に近い。
  • スキー (skiing) ※"ski"という単語は「スキーをする」という意味の動詞か、「スキー板」という意味の名詞である。
  • スケルトン (translucent) ※原意は「骨格」、イディオムとして「(会社などの) 中核スタッフ」という意味だが、「透ける」という語感からの類推もしくは洒落で「内部構造が見える半透明なもの」という意味で使われている (AppleのiMac以降、日本でも半透明なボディという意味で"skeleton"の用法が普及している)。
  • スタイ (bib)
  • 本の「スピン」 (ribbon, tassel)
  • スペル (spelling) ※単語の「つづり」の意味で使われるが、"spell"には、「つづる」という動詞の意味か、名詞であれば「呪文」等の意味しかない。かつては、盛んに「間違いである」との指摘がなされていたが、最近は、ほとんど指摘されなくなったようなので、誤用として定着したと評価できるかもしれない。
  • スマート (slim, slender) ※本来の"smart"はしゃれた、頭が切れるといった意味。
  • スモークハラスメント (Smoking Harassment) ※日本語では煙草による煙害であるが、本来は喫煙者に対する非喫煙者からの弾圧・嫌がらせの意味。アメリカでは嫌煙活動の高まりから、本来の意味でこの"Smoking Harassment"が使われる事が多くなっている。
  • スリップする (車が) (skid)
  • センス がよい、悪い(good/bad taste)
  • ソーラーシステム (solar battery) ※英語の"the solar system"は「太陽系」のこと。
  • ダイエット ※本来の"diet"は腎臓病などを含む食餌(食事)療法の意だが、痩身の意に限定して使われている。
  • タイム・フライズ・ライク・アン・アロー (Time flies.) ※日本語の「光陰矢のごとし」と英語の慣用句"Time flies."とが混ざった。
  • ダイヤ (schedule) ※"diagram"は運行予定を表す線図だが、運行予定そのものはには使わない。
  • タコス (taco) ※日本においては、単数でも複数形を用いることが多い。おそらくは「タコ」の同音異義語との混乱を避けるためもあるだろう。
  • タレント ※本来の"talent"は「才能」「才能のある人」の意味。
  • ツーショット (two-shot) ※本来はアメリカ映画業界の業界用語で、映画以外には用いられない。英語を母国語とする一般の人に"two-shot"と言うと「二人が銃で撃たれた」などの誤解をされる可能性がある。
  • チョーキング (bending) ※"choking"は「首を絞めること」の意味。ギターの弦を押し曲げて音の高さを変える演奏法の意味には使わない。
  • デノミ(デノミネーション) (redenomination) ※本来は単に通貨の呼称単位そのものの意味。日本語のようにインフレで通貨の価値が下落して額面数字を小さくするために呼称単位を変更(100円⇒1新円)する意味で使うときは接頭辞の「re-」をつけた言葉になる。
  • テンション (hyper) ※"tension"は緊張や不安を意味する。日本語のような興奮した状態を示す英語は"hyper"など。
  • トーナメント (knock out system) ※本来の"tournament"は、1箇所に集まって行う競技会という意味。日本語ではノックアウトシステムの競技会にほぼ限定されて使用。
  • ドメスティック・バイオレンス (spousal abuse) ※本来家庭内の暴力全般を意味するが、日本語としては専ら配偶者による暴力のみを意味するように変化した。これは、「家庭内暴力」という日本語として通りのよい言葉との使い分けが意識された結果である可能性がある。
  • 工具のドライバー (screw driver) ※カクテルも同じ綴り。なお、プラスドライバー、マイナスドライバーはそれぞれ"phillips"(フィリップス氏が発明し特許を取得した)、"flat head"。
  • トランプ (playing cards) ※本来の"trump"は「切り札」を指す。
  • ナイーブ(naive, naïve)※日本語では「繊細な・感性の鋭い」といったどちらかといえば肯定的なニュアンスを含む言葉だが、英語では「経験不足の・考えの浅い・頭の鈍い」といった否定的なイメージを含む単語。ただし、英語の"naive"にも「純朴な」という意味があり、この場合のニュアンスはかならずしも否定的ではない。「繊細な」という意味では、日本語の「ナイーブ」に近い英単語は"sensitive"である。
  • ノースリーブ (sleeveless) ※「袖無し」の意味で用いられるが、英語では接尾辞"-less"が用いられる。「ノーブラ」(ブラジャー無し)も同様に"braless"となる。
  • バーチャル (virtual) ※本来の意味は「仮想の」ではなく「実質的な、事実上の」である。これはIBMがreal memoryに対して実質的にメモリー(記憶装置)と同じ働きをするvirtual memoryを日本語訳する際、仮想記憶と訳してしまったところに始まる。その働き(効果)に目を向ければ実質的であるのに、仕掛け(装置)の方に目を向けてしまった(強調してしまった)ために「仮想」となってしまった。しかし、「抽象化された(abstracted)と言う意味を含むこともある。
  • ハートフル (heartwarming) ※和製英語。heartfulという形容詞は英語には無い。
  • ハイウェイ (highway) ※高速道路も含むが、主要道一般を指す。高速道路は"express way"。
  • バイク (motorcycle) ※日本では「発動機を搭載した二輪車 (オートバイ) 」の意味で使用されているが、英語でバイク(bike)というと自転車(bicycle)の意味。ただしイギリスではオートバイの意味でも使われる。
  • ハッカー (cracker) ※"hacker"は海外のマスメディアでも「コンピュータ/ネットワーク犯罪者」の意で用いられているので誤用とは言い切れないが、本来は (コンピュータ/プログラミングに) 精通した人、達人の意であった。もちろん「悪い」ハッカーはクラッカーであると言える。格別プログラミング能力を持たず、出来合いのセキュリティ侵害プログラムを利用するだけの者はスクリプトキディ(script kiddy)と呼ばれる最下級のクラッカーである。
  • パネラー (panelist) ※本来はパネルディスカッションの討議者を意味するが、最近はクイズ番組の回答者などにも拡大されて用いられる。"ist"は「~する人」の意。「アムラー」のような造語法が定着した弊害といえよう。
  • パワーアップ ※本来の"power up"は、電源を入れる、出力を上げる、という意味。
  • タイヤの「パンク」 (flat tire) ※きりのようなもので突き刺すことを意味する "puncture" の転用の略。
  • ハンドル (車はsteering wheel, 自転車はhandlebar) ※ハンドルは取っ手を意味する為、車のドアと誤解される恐れがある。
  • ファンタジック (fantastic) ※「ファンタスティック」。「ロマンス(romance)」→「ロマンチック/ロマンティック(romantic)」などからの誤った類推で「ファンタジー(fantasy)」→「ファンタジック(fantasic?)」としたものか。
  • ファイト (fight) ※英語では戦う・喧嘩するの意味で、「がんばる」や「闘志」の意味では使わない(ボクサーに対して試合中かける"Fight!"は「戦え」という命令形)。日本で運動部がランニングのとき「ファイト!」と掛け声をかけるが、英語なら"Keep go go go"や"Keep running"になる。試合などで子供にそのような掛け声をかければ「喧嘩しろ!」となり、暴力行為を示唆していると見られる。韓国では、使用法は日本と同じだが、「パイティン」(paiting < fighting)のほうが普通である。
  • フィール (feeling) ※"feel"は動詞。
  • プライベート (private life) ※"private"は形容詞。名詞は"privacy"。
  • フライングスタート (premature start, breakaway) ※本来の"flying start"は助走を付けて行うスタートのことを指す。
  • フラッシュライト (flashlight) ※本来は懐中電灯の意だが、日本語では特殊部隊が用いる、敵の目を眩ます小型ライト (Surefire等)の意味で用いられる。
  • ベテラン (veteran) ※「老兵、古参兵、退役軍人」の意。
  • ポエマー ※「詩人」は"poet"。前出の「パネラー」と同じく、「~する人」を一緒に"-er"と表現してしまう例。若者用語的な言い回しである。
  • ポスト (mailbox, postbox) ※"post"はイギリス英語では「郵便物」を意味するが、アメリカ英語では単に「柱」の意味になる。
  • ウェブページ全般を意味する「ホームページ」 (webpage) ※"homepage"は、最初に表示されるページのみを指す。
  • 体型を意味する「プロポーション」「スタイル」 (figure) ※"proportion"は比率、"style"は様式や文体の意味が強い。
  • マーシャルアーツ (martial arts) ※本来の"martial arts"は武道、武術、格闘技を指す普通名詞。劇画作家の故梶原一騎氏が、自身の作品、「四角いジャングル」にて、“米軍の格闘術”あるいは“アメリカンスタイルの空手”として捏造したのが発端。“米軍の格闘術”という誤訳は、現在でも格闘ゲームなどのサブカルチャーにて強く信じられている。
  • マニア (enthusiasm, enthusiast) ※本来の"mania"は熱狂、熱狂の対象あるいは躁病を意味し、熱狂している人を示す場合には"maniac"を用いる。ただし日本語のマニアに比べ強い執着を伴う批判的イメージがあるためご注意。
  • 学校のクラブ活動などの「マネージャー」 (caretaker) ※本来の"manager"は「経営者」。
  • マンション (米・カナダapartment house, 英・flat(日本でいうアパート) condominium) ※本来の"mansion"は豪邸の意味。
  • ミス (mistake, error) ※"miss"は「物事を逃す」またはそのことを残念がる意味の動詞。"mistake"の接頭辞だけを取り出したとも考えられるが、多くの場合"error"またはその他の言葉のほうが適切。例:「プログラムミス」⇒"a program error", "a software bug"
  • ムーディ (nice) ※"moody"は移り気なの意味。
  • モラル・ハザード (対応語なし) ※"moral hazard"は保険システムの整備が危機感を減少させてむしろリスクを上昇させてしまう現象のこと。日本語の「モラル・ハザード」が倫理意識の喪失という意味を持ってしまっているのとは異なる。
  • ヨット (sailboat) ※yachtは普通個人所有の豪華クルーザーをさす。日本語のヨットの意味では紛らわしいためあまり用いられない。
  • ライフセーバー (lifeguard) ※ 英語圏においては、海水浴場などで一般水難救助を行う行為を "lifesaving"、それを職業として行う者を"lifeguard"と言う。なお、英豪英語圏ではかつてこれに"surf lifesaver"という言葉を用いていたが、1989年から2001年にかけて世界中で大ヒットしたアメリカのテレビドラマ「ベイウォッチ (Baywatch)」の影響で"surf lifesaver"は急速に死語化、米英語の"lifeguard"がにこれに取って代わるようになった。ちなみに"Life Savers"はアメリカの有名なキャンディーで、「ライフセーバー」と言うとこのことを言っているのかと誤解されることが多い。
  • ライフライン (lifeline) ※日本語では「生活線」または「生命線」と表現され、主に電気・ガス・水道等の公共公益設備など、都市機能を維持し現代人が日常生活を送る上で必須の諸設備を指す。阪神・淡路大震災以降、よく使われるようになった。和製英語ではないが、そう誤解している人もいる。
  • リクルート ※日本では民間企業の新卒就職に関わる言葉となってしまった感があるが、英語の"recruit"を民間企業の新規就業に用いても誤用と言い切れない(比喩的な響きがある)が、主に使われるのは兵隊の新兵募集である。
  • リストラ (downsizing) ※"restructuring"は、事業の再構築あるいは再編という意味で、人員整理を伴うことも多いが、解雇のみを指す意味は無い(解雇のニュアンスは石油危機以降に生まれた。日本では本来「減量経営」を指した)。
  • リニューアル (remodeling, update) ※日本語では新装開店を意味するが、英語本来の意味は契約更改、免許や購読の更新。ウェブページの更新は"update"。したがって「ホームページをリニューアルする」は三重の誤用("renewal"は名詞なのに動詞として使っている)。
  • リフォーム (renovation) ※日本語では住宅の改装工事や服の仕立て直しなどを意味するが、本来の英語では政治などの制度改革をする、または犯罪者などを矯正するという意味。改装工事は"renovate"や"remodel"、服の仕立て直しという意味では"alter"が正しい。
  • リベンジ (return match, rematch) ※日本語では再挑戦を意味するが、英語本来の意味は復讐・報復。
  • リンクフリー (free to link) ※"link free"とは、linkを含んでいない事を意味する。
  • レパートリー (repertory) ※音楽家の演奏可能な曲目を意味する場合は、フランス語起源の"repertoire"(レパトワ)を用いる。
  • レンジ (stove, oven) ※「電子レンジ」は"microwave oven"という。

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文法的な誤用

  • サラリーマン ※俸給を受ける人の意味なら"salaried man"が正しい。多用される事務労働者は"office worker"が近い。但し、近年では、「勤勉で過酷な労働条件にも文句を言わず、閉鎖的で独特な商習慣を固持する」という日本型ビジネスマンのイメージから、「日本の典型的なビジネスマン」という意味合いで"salaryman"という単語が用いられている。
  • メークドラマ長島茂雄の発言から生まれた言葉だが、文法どおりなら"made it dramatic"となる。
  • イヤー・オブ・ザ・コーチ高野連による表彰制度。「カー・オブ・ザ・イヤー」と同様、"Coach of the Year"が正しい(このままでは「コーチの年」である)。2006年からは育成功労賞に改称された。
  • レイパー ※語尾に「er」を付けて「raper(レイパー)」とするのは間違い。「強姦魔」の正しい英語訳は「rapist(レイピスト)」。

日本語的な略語

  • アドバルーン (advertising balloon) ※"advertising"、"advertisement"など「広告」を"ad"と略すこともあるが、"ad-balloon"とは言わない。
  • アナ (caster, host(ess)) アナウンサー
  • アニメ ※本来"animation"の略語だが逆輸出され、「日本製(風)アニメーション」の意味で"anime"が用いられる。
  • アパート (apartment, apartment house, apartment building)
  • アポ、アポイント (appointment) 面会予約
  • アイス (ice cream) アイスクリーム ※ 単に"ice"は「氷」の意味。
  • アングラ (underground) ※また、"underground"は「裏の」という意味もある。たとえば"underground organization" = 裏の組織。
  • インフラ (infrastructure)
  • インフレ (inflation)
  • エアコン (air conditioner) ※ただしイギリス英語では"aircon"も使用する。
  • エアロビ (aerobics)
  • エンゲージリング (engagement ring) 婚約指輪
  • エンタメ (entertainment)
  • オルグ(organization) ※会社組織では「労働組合の集会」という意味で使用される。
  • オルタナ (alternative)
  • ケミコン (chemical condenser) 電解コンデンサ
  • コスプレ ※本来"costume play"の略語であるが、逆輸出され"cosplay"でも通用。
  • コンビニ (convenience store)
  • サブカル (subculture)
  • サンド (sandwich) 食べ物のサンドイッチ、または「挟んだもの」 ※ "sand" は「砂」。サンドイッチ (Sandwich) 伯爵にちなむ名称だが、 "Sandwich" は姓ではなく地名で「砂地」の意味。
  • スーパー (店: super market)(字幕: superimpose)
  • スタメン (starting member) ※英語では"starter"が普通。
  • スパコン (super computer)
  • ゼネコン (general contractor) ※「総合請負業」の意。日本語では「総合建設業」と訳されるため"general constructor"の略とされることがあるが、本来は"contractor"。
  • セコハン (secondhanded) 中古の ※一般には"used"、"pre-owned"が多く使われる。
  • チョコ (chocolate) チョコレート ※英語での省略形は通常"choc"。"choco"は有色人種を侮蔑的に指す場合があるため、注意が必要。
  • デパート (department store) ※"department"単独では組織の「部」という意味。「出発する」という意味の動詞で"depart"という単語がある。
  • デジカメ (digital camera) ※英語では"digicam"ともいい、フィリピンでは"digi-came"ともいう。「デジカメ」は三洋電機の登録商標である。
  • デフレ (deflation)
  • デモ (demonstration) ※また、何かに反対する意味でのデモは"Strike"。
  • テレビ (television, TV)
  • トランス (transformer) 変圧器のこと。
  • ネック (bottleneck)
  • ノート (notebook) ※"notebook"は"laptop computer"の用法もあり。
  • ノートパソコン (laptop) ※日本で「ラップトップパソコン」と言うとノート型よりも大型のもの、特に可搬用としては初期のものを指すことが多い。
  • パイン (pineapple) パイナップル ※"pine"は「」の意味。
  • バール (工具) (crowbar)
  • パソコン (personal computer, PC)
  • パート (part-time job) ※なお、アルバイト(Arbeit)はドイツ語で仕事一般に用いられる。
  • パトカー (patrol car, police car, squad car)
  • ハンカチ (handkerchief)
  • ハンドル (steering wheel 自動車のみならず、動力の如何に関わらず円形をしていれば、航空機でも人力でも; handlebars 自転車の、但し複数あるのは極めて稀である。) ※"handle"はドアや鍋などの「取っ手」や「取り扱う」という意味。自転車、オートバイ、オート三輪に限らず、輪の数に関わらずの角ハンドルは"handle bar"。
  • ビル (building)
  • ホテルのフロント (front desk, reception desk)
  • 駅のホーム (platform, track)
  • プロレス (pro wrestling, professional wrestling)
  • ボールペン (ball-point pen, 俗に pen) ※韓国では日本と同じく「ボールペン」である。
  • マスコミ (mass media) ※"mass communication"の省略だが、英語圏では"mass media"という。
  • メカ (mechanical, mechanism) ※「機械」「機械的な」の省略型であるが、昨今の日本アニメブームで欧米に輸出、定着し、欧米では主に日本的なメカニックデザインや、特にリアルロボットデザインのことを指す傾向がある。
  • ラジコン (radio controlled, RC) ※「ラジコン」は増田屋の登録商標である。
  • リモコン (remote controller, 俗に remote)
  • 映画のロケ (location)
  • アメリカの都市のロス (Los Angeles) ※ アメリカではLA(エルエイ)と略す。

日本独自の発音(読み方)

  • アッテネーター、アッテネータ (attenuator) 減衰器 ※工学分野での読み方であり、分子生物学の分野では「アテニュエーター」とする場合が多い(転写減衰を参照)。本来の英語の発音は「アテニュエイター」に近い。
  • エスエフ (SF) ※英語では通常 Sci-Fi と書いて「サイファイ」と言う。SF と書くこともあるが、それでも普通は「サイファイ」と読んで、「エスエフ」とはまず言わない。都市名を SF と書いて「サンフランシスコ」とは言うが「エスエフ」とはまず言わないのと同様である。
  • モバイル (cell phone) mobileのカタカナ表記と推測されるが、従前の「モービル」の方が原語発音に近い。また、用法が余りにも限定され過ぎている。mobileは mobile phoneの略式として英国では使用されており発音は「モウバイル」
  • ユーフォー (UFO) (U-F-O) ※英語では「ユー・エフ・オー」。空を指差して「Look! ユーフォー!」などと言うと「For me?」と聞き返されることがある。日本でも「日清焼そばU.F.O.」が登場してピンクレディーのキャッチソング『UFO』が大ヒットした1977〜78年以前はちゃんと「ユー・エフ・オー」と言っていた(→ 『謎の円盤UFO』を参照)。
  • ルーズソックス(loose socks)※そもそも英米圏にこのような文化はないが、読むとすれば「ルースソックス」となる。「lose」との混同があったものと思われる。
  • ロケール (locale) ※本来の英語の発音は「ロキャル」または「ロカール」に近い。

英語以外の和製外来語と英語でなんと言うかの例

  • アベック (a couple) ※フランス語の"avec"(英語の"with")。現在は「カップル」が使われる事が多く、「アベック」は死語化している。
  • アンケート (survey/poll) ※フランス語の"enquête"(英語の"inquiry")。この語は「質問」「調査」一般を指す。
  • アルバイト (part-time job) ※ドイツ語の"Arbeit" (英語の "work")。時給職ではなく正職を指す。ちなみに韓国では日本と同じく時給労働の意味で使う。
  • イギリス (United Kingdom) ※オランダ語で「イングランド」、したがって対象となる地域も異なる。ポルトガル語の"Inglez"が鎖国政策時代に入ってきたものとも考えられる。
  • オランダ (the Netherlands) ※オランダの州のひとつ"Holland"(ホラント州)に由来するポルトガル語の"Holanda"が戦国~安土桃山時代に入ってきたものと考えられる。"Holland"(またはこれに由来する名称)は他のヨーロッパの国々でもオランダの通称として用いてきた歴史があり、当該国も日本での名称として「オランダ」を用いている。
  • フリーター (part-timer) ※上記「アルバイト」からの造語「フリーアルバイター」の日本語的な省略形。
  • コンクール (contest, competition) ※フランス語の"concours (発音:コンクール)"。
  • シュークリーム (cream puff) ※フランス語の "chou à la crème" (発音:シュ・ア・ラ・クレム)。"chou"は「キャベツ」の意。英語圏で「シュークリーム」と言うと「靴クリーム(靴墨)」に勘違いされる、とよく言われる。ただし靴墨に当たる英語は"shoe cream"ではなく"shoe polish"。
  • テーマ (theme) ※ドイツ語の"Thema"(テーマ)。しかし「テーマソング」などのように英語と組み合わせて使われる例も多い。
  • ドイツ (Germany) ※当該国語では"Deutschland(発音:ドイチュラント)"(「ドイツ語を話す民の国」という意味)なので、それが略されたものといえる。しかし鎖国体制当時、オランダ人経由で「ドイツ語」「ドイツ人」を指すオランダ語"Duits"が輸入されたものとも考えられる。ちなみにオランダ語で「ドイツ (国)」は"Duitsland"。ドイツ人に「ドイツ」と言っても充分通じる。

原語を誤解しやすい外来語の例

  • スイートルーム (suite room) ※同音の"sweet"と混同しやすい。"suite"は「一揃い」などの意で、フランス語が語源(suit)。マンションのLDKがある一戸分に相当する。背広の英語呼称も同源。
  • デッドロック (dead lock) ※リンク先ではコンピュータの処理状態のデッドロックを説明している。しかし一般用語として行き詰まりを意味する表現としてこの表現を使用することもある。その際「暗礁に乗り上げる」という日本語と混同され、「―に乗り上げる」という誤用がみられる。ロックの本当の意味は岩(rock)ではなく「開かなくなった(dead)鍵(lock)」であり、解決不能な課題という意味で「―の状態に陥る」などとするのが正しい。
  • ファーストフード (fast food) ※firstの片仮名表記と混同しやすい。大手ファーストフードチェーンのファーストキッチンがfirstであることも影響。最近はマスコミを中心に、表記・発音ともに「ファストフード」に改める動きがある。
  • フリーマーケット (flea market) ※「フリー」は"flea"(ノミ)であり、"free"ではない。フランス語"marche aux puces"が英訳されたもので、「蚤の市」の意。free marketは自由市場を意味する経済用語。ただし、近年は「自由参加」を強調するため誤用を認識しながらfree marketとする主催者もあるため、完全な間違いとは言い切れなくなった。
  • ヒットエンドラン (hit and run) ※野球用語。英語では"hit n' run"とも書かれるようにandはほとんど発音されず、"hit end run"と聞こえても不思議ではないが意味不明になってしまう。又別の意味での"hit and run"は「ひき逃げ」。
  • オープンカー (open car) ※"open car"は屋根がない車両、あっても窓が開放されたままの車両を指す一般名称として英語で使用される表現。自動車だけでなく、鉄道車両、荷車など車両一般に広く使用される。日本では自動車のボディースタイルの一区分を示す用語として限定した意味で使用される場合が多い。
    そのため、"convertible"、"cabriolet"、"roadster"、"barchetta"、"spider"などの自動車のボディースタイル区分の用語との置換可能な用語として使用した場合、表現の仕方によっては通じないことがある。このことが強調されすぎて和製英語といわれることがあるが、この言葉が和製英語であるからではなく、たいていの場合、文章表現がおかしいだけである。
    正しい使用例:"Roadster is the North American term for a frontal mid-engine, rear-wheel drive, 2-seater, open car, ..."という表現がWikipedia英語版Roadsterの冒頭で使用されている。
    なお、"roadster"はこれで1語であり"roadstar"(road(道) + star(星))ではない。

和製でも英語でもない外来語の例(和製英語と誤解されるものなど)

  • アイスバーン ※ドイツ語の"Eisbahn"より。ドイツ語ではスケートリンク(skating rink)の意味。"Bahn"は道路を意味する。
  • カルテ ※ドイツ語の"Karte"より。ドイツ語での意味は"カード"。
  • コロッケ ※フランス語のクロケット"croquette"起源説がある。
  • セレナーデ ※ドイツ語の"Serenade"より。英語も綴りは同じだが発音が「セレネイド(ゥ)」と異なる。
  • ノイローゼ (neurosis) ※ドイツ語の"Neurose"より。意味は同じ。因みに英語での発音は「ニュロウスィス」。
  • レントゲン (X ray) ※ドイツ人物理学者 Wilhelm Conrad Röntgen(X線の存在を確認)のlast nameより。
  • メッセ ※ドイツ語の"Messe(見本市)"より。幕張メッセなど。
  • メルヘン (fairly tale) ※ドイツ語の"Märchen"より。
  • ヤッケ (jacket) ※ドイツ語の"Jacke"より。今では英語の「ジャケット」が定着しているので昭和初期生まれの人以外はあまり使わない。化繊製の物やスキーウェアの上衣について言う程度。
  • ヨード (Iodine) ※ドイツ語の"Jod"より。ヨードチンキなど。
  • ルーペ (magnifying glass) ※ドイツ語の"Lupe"より。
  • ローレライ ※ドイツ語"Lorelei"より。
  • ワクチン (vaccine) ※ドイツ語の"Vakzin"より("Impfstoff"ともいう)。英語の発音は「ヴァクスィーン」。
  • ワッペン ※ドイツ語の"Wappen"より。英語では"patch"(パッチ)。
  • ウイルスまたはビールス (virus) ※ドイツ語"Virus"「ビールス」より。英語の綴りも同じだが、発音は「ヴァイ(ア)ラス」となる。現在はラテン語発音に近い「ウイルス」と呼ばれることが多い
  • ゼッケン ※ドイツ語"Decken"の発音が訛ったもの。
  • アンケート (questionnaire) ※フランス語の"enquête"より。
  • イクラ ※ロシア語の "икра(ikra)"より
  • エネルギッシュ (energetic) ※ドイツ語の"energisch"より。
  • オルゴール (music box) ※オランダ語の"orgel"より。
  • キャンピングカー ※フランス製英語の"Camping-car"より。
  • ゴム (rubber) 護謨 ※オランダ語の"gom"より。
  • コンビナート (complex) ※ロシア語"комбинат(kombinat)"は「結合」の意味。
  • ゼミナール (seminar) ※ドイツ語の"Seminar"より。英語の"seminar"(セミナー)もドイツ語のこの単語に由来する。
  • トナカイ (reindeer/caribou) ※アイヌ語の"tunakkay"より。
  • ノッポ ※韓国・朝鮮語の"높어"より、「高い」という形容詞のくだけた表現。
  • ノンノ 雑誌名 ※アイヌ語の"non-no"(花)より。
  • ハイム (home) ※ドイツ語"Heim"(ハイム)より。
  • 食品の「パン」 (bread) ※ポルトガル語の"pão"より。ちなみにフランス語でも"pain"(パン)と呼ぶ。
  • ビール (beer) ※オランダ語の"bier"より。
  • ビフテキ (beef steak) ※フランス語の"bifteck"より。
  • プラチナ (platinum) ※オランダ語、スペイン語の"platina"より。
  • ペンキ (paint) ※オランダ語の"pek,pik"より。
  • ポンプ (pump) ※オランダ語の"pomp"より。
  • ミイラ (mummy) ※オランダ語の"mirra"より。"mummy"は英では幼児語でおかあさんという意味も(米では"mommy")。
  • を意味する「マロン」 (chestnut) ※"marron"は仏語で、本来はマロニエの実で、転じてある種のクリの実。これに由来する英語の"maroon"は「栗色」の意味になる。
  • ラッコ (sea Otter) ※アイヌ語の"rakko"より。
  • リュックサック (rucksack, knapsack) ※ドイツ語の"Rucksack"より。英語"rucksack"(ラックサック)もドイツ語から移入。

関連項目

外部リンク