人 (法律)
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法律における人(ひと)(person)は、私法上の権利・義務を有することができる地位(権利能力)を有する主体のことを指す。自然人(natural person/natürliche Person)と法人(judical person/juristische Person)の2種類がある。ローマ法に由来する概念であり、物と対置される。
自然人とは、いわゆる人間(homo sapiens/human being)である「人」のことであり、現代においては全ての人間は当然に「人」とされるのが通常である(歴史的には、例えば、奴隷が「人」ではなく「物」とされた。)。法人とは、法によって権利能力の主体と認められたもの(会社や国など)である。
法律上、人であることの意義は、前述のように権利・義務の帰属主体であることのほか、法律や契約による特別の根拠のない限りその他の者は責任を負わないこと(有限責任)が挙げられる。また、訴訟当事者たり得る資格を有することも特徴として挙げられることが多い。そのほか、様々な法律(業法、税法、刑事法など)において人であることを要件とする規定が定められていることが多い。しかし、人以外のもの(組合、信託、権利能力なき社団、権利能力なき財団)についても同様の取扱いが規定されることも多く、結局、人であることの意義は、立法政策に左右される問題ともいえよう。
日本の法令において、「人」は、しばしば「者」と表現され、権利能力なき社団などを含み得る「もの」とは区別されている。なお、フランスや日本の民法典においては「人」という場合は、自然人のみを指す点に注意を要する。
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