特定大型車
特定大型車(とくていおおがたしゃ)とは、日本における自動車の区分のひとつである。(旧)大型自動車で、運転免許のみでなく一定の条件が必要だった車両の区分である。特大車、政令大型車とも呼ばれる。ナンバープレートが大板サイズになっているため、判別は容易。1962年7月1日から道路交通法の一部改正により施行。
概要
一定の条件とは、以下のものである。
- 運転者が21歳以上であること。
- 大型自動車免許、普通自動車免許または大型特殊自動車免許(以下それぞれ「大型免許」のように略記)のいずれかを受けていた期間が、通算して3年以上(免許の効力が停止されていた期間除く)であること。
条件を満たさないで特定大型車を運転すると、大型自動車等無資格運転となり、無免許運転に準ずる厳しい処分を受ける。
特定大型車とは、(旧)大型自動車の以下の一に該当するものを言う。ただし、自衛隊用自動車で、自衛官が運転しているものについては適用除外となる。
- 乗車定員30人以上
- 砂、じゃり、玉石、砕石、土、アスファルト、コンクリートまたはレディミクストコンクリートの運搬を業とする車
- 火薬類(200kgを超える火薬または100kgを超える爆薬)を積載するもの
- 緊急用務で運転している緊急自動車(ただし、大型自動車である緊急自動車の運転審査に合格している運転者は適用除外)
2007年6月2日より施行された中型自動車免許(以下「中型免許」と略記)の新設および大型自動車の区分変更により、(新)大型自動車の区分となった。また、(新)大型免許を受験する条件も「21歳以上で普通自動車、(新)中型自動車、大型特殊自動車のいずれかの免許を受けた期間が通算して3年以上(自衛官を除く)」であり、特定大型車と同じである。
なお特定大型車に関する規定は現在も有効であり、改正前に大型免許を受けていた者は、改正後も引き続き上記の一定の条件を満たさない限りは(新)大型自動車を運転する事はできない。しかし、施行より3年以上経過した現在では「実質的に殆ど意味のない規定になった」と言えるだろう。
免許制度
新大型免許に該当する車両。
特定大型車の特徴
端的に言えば、大型車の特性がそのまま当てはまる。特定大型車の持つ危険性は、特定大型車でない大型自動車(現行の特定中型自動車)以上に大きい。貨物車の場合、過積載でなくても運搬中は制動距離が伸びる傾向があり、子供の飛び出しなどに一層対処しにくくなる。
高速道路料金区分における特大車
高速道路の料金区分における「特大車」は道路交通法における特定大型車という意味ではなく、高速道路独自の区分によるものである。 高速道路によって料金区分が異なるが基本的には次の車両が特大車となる[1]。
- バス(路線バスを除く) 車長9m以上・車両総重量8t以上又は乗車定員30人以上
- 普通貨物自動車(単体で4車軸以上で車両制限令限度越) 車長12m以上・幅2.5m以上・高さ4.1m以上・車両総重量(車軸に応じて)20-25t以上
- 大型特殊自動車 全車両
関連項目
脚注
- ↑ 基本的な料金車種区分表 ドラぷら(東日本高速道路が運営)