ラッカセイ

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ラッカセイ
種の保全状態評価
地質時代
 - 
分類
植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
双子葉植物綱 Magnoliopsida
マメ目 Fabales
マメ科 Fabaceae
ラッカセイ属 Arachis
ラッカセイ A. hypogaea
変種
品種
学名
Arachis hypogaea
和名
ラッカセイ(落花生)
英名
peanut
下位分類群
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ファイル:Peanuts.JPG
皮を剥いた状態の落花生。バターピーナッツ
ファイル:Boil-big-peanuts&normal-peanuts,katori-city,japan.JPG
塩茹でした千葉県開発のジャンボ落花生(左)と通常の落花生

ラッカセイ(落花生、学名:Arachis hypogaea)は、マメ科ラッカセイ属一年草。別名はナンキンマメ(南京豆)、方言名は地豆(ぢまめ、ジーマミー)、唐人豆(とうじんまめ)など。広東語は花生。福建語は土豆。英語名のピーナッツpeanutは日本では食用とする種子を指す場合が多い。ground nutともいう。

特徴

南米原産で中国を経由して、江戸時代に日本に持ち込まれたと言われている。

日本では主に食用として栽培されている。草丈は25-50cm。夏に黄色の花を咲かせる。受精後、数日経つと子房と花托との間が伸びて地中に潜り込み、結実する。

地中で実を作ることから落花生の名前が付けられた。

栽培史

ラッカセイの原産地が南米であることは確実である。最も古い出土品は、紀元前850年ころのペルー、リマ近郊の遺跡から見つかっている。その後、メキシコには紀元前3世紀までに伝わっていた。南米以外の世界にラッカセイの栽培が広がったのは16世紀である。西アフリカ-ブラジル間の奴隷貿易を維持するためにラッカセイが用いられ、そのまま西アフリカ、南アフリカに栽培地が広がっていく。ほぼ同時期にスペインへ伝わったラッカセイは南ヨーロッパ、北アフリカへとわたっていく。さらにインドネシア、フィリピンへの持ち込みもほぼ同時期である。現在の大栽培地インドへは19世紀と比較的導入が遅かった。日本には中国経由で1706年にラッカセイが伝来し、南京豆と呼ばれた。現在の栽培種はこの南京豆ではなく、明治維新以降に導入された品種である。

利用方法

食べる時は、殻のまま炒るか殻からむいたものを炒る。もしくは炒った後にバター(またはパーム油など)を絡めるが、最近では殻のまま塩茹でする方法(塩ゆでピーナツ)も広まってきている。中国では八角などの香辛料を加えて塩茹でする方法や、油で揚げてから塩をまぶす方法も一般的である。

加熱したピーナッツの外側に砂糖をまぶしたり、小麦粉の衣を付けて揚げたような豆菓子チョコレート菓子などの加工品も一般的である。千葉県の名産品には「落花生の甘納豆」が存在している。他には、砕いて団子の中に入れるにしたり、揚げせんべいに加えられたりもする。

油脂含有分が高く、ピーナッツ油が製造されている。またサラダ油マーガリンピーナッツバターの原料にもなる。すりおろして野菜等に和えたり、砕いたものはサラダのトッピングや揚げ物の衣にしたりすることもある。

甘辛く味つけた味噌で炒ったラッカセイをあえた総菜を「味噌ピー」と呼ぶ。味噌ピーはラッカセイの主産地である千葉・茨城(およびそれらの地域からの出身者が多い東京)ではポピュラーな総菜で、スーパーの総菜コーナーなどでも売られているが、全国的な知名度は低い。

沖縄ではジーマミ(地豆)とよび、これをつかったジーマミドーフというのもある。ごま豆腐に似た感触のものである。

北海道では節分の豆まきには殻付きの落花生を撒く。地面に落ちたものであっても殻をむけば中身は食べられることから「食べ物を粗末にしない」とされ、殻付き落花生を撒く風習は全国に広がりつつある。

生産と貿易

以下に、FAOによる2004年時点の生産量[1]、輸出量[2]、輸入量[3]のうち、上位5カ国を示す。いずれも重量ベースである。

生産量は、中国(1441万トン)、インド(590万トン)、ナイジェリア(294万トン)、アメリカ合衆国(211万トン)、インドネシア(147万トン)である。中国が約4割、上位5カ国で全生産量の75%を占める。統計値は殻付き(Groundnuts in Shell)である。

未加工品の落花生は主にむきみ(Groundnuts Shelled)の形で貿易ルートに乗っている。輸出では、中国(32.5万トン)、アメリカ合衆国(14.6万トン)、インド(11.2万トン)、アルゼンチン(7.0万トン)、オランダ(6.3万トン)である。輸入では、オランダ(22.5万トン)の輸入量が突出しており、ついでイギリス(8.5万トン)、カナダ(8.0万トン)、メキシコ(7.6万トン)、ドイツ(6.0万トン)である。日本のむきみ輸入量は世界第7位に位置する。

むきみと比較すると、殻付きの貿易量は少ない。輸出量は、中国(7.8万トン)、インド(6.5万トン)、アメリカ合衆国(1.7万トン)、エジプト(1.1万トン)である。輸入ではメキシコ(2.2万トン)、イタリア(2.1万トン)、インドネシア(1.9万トン)、ドイツ(1.4万トン)、スペイン(1.4万トン)である。

むきみ、殻付きのほか、煎る・揚げるといった加工品、ピーナツバターのようにさらに加工が進んだ形の商品も貿易ルートに乗っており、金額ベースでは加工品が占める割合が高い。

ファイル:Dry-up-peanuts,botti,katori-city,japan.JPG
乾燥中のラッカセイ(千葉県ではぼっちと呼ぶ)

日本における生産と貿易

日本における生産量は、農林水産省の作物統計によると、2004年時点でむきみ換算1万3415トンである。輸入量は、財務省の貿易統計によると9万8867トンであった。県別の生産量では、千葉県が突出しており、74.6%を生産している。特に千葉県中央部の八街市は生産量では日本一を誇る。千葉県でラッカセイ生産が開始されたのは、1876年、山辺郡南郷村(現在の山武市)の牧野万右衛門が横浜で中国人からラッカセイの話を聞き、神奈川県の農家から種を買い付け、自分の畑で育てたのが最初と言われている。 日本国内で消費されている安価なラッカセイの大部分は中国産で、主に大粒の品種を栽培している山東省河北省天津市からのものが多い。「南京豆」という別名に使われている南京など、華南のラッカセイは小粒の物が多い。

日本で生産されている主な品種

  • 千葉半立
  • ナカテユタカ(千葉県農試育成)
  • 郷の香(千葉県農試育成)
  • 立落花生一号(神奈川県農試選抜)
  • 改良半立(神奈川県農試選抜)
  • フクマサリ(千葉県農試育成)
  • 金時



脚注

  1. FAOによる生産統計(2004年)
  2. FAOによる輸出統計(2004年)
  3. FAOによる輸入統計(2004年)

関連項目

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