日本弁護士連合会

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日本弁護士連合会は、日本弁護士会の連合会である。略称は日弁連(にちべんれん)。

概要

日弁連(日本弁護士連合会)は、日本の弁護士がすべて加入しないといけない団体である。会員数は約3万6000人で、年会費は60万円ぐらいだから、毎年200億円以上の収入があるお金持ちの団体で、都心の立派なビルに入っているが、どんな仕事をしてるのか?そのホームページを見ると

などが並んでいて、まるで反原発団体とか反安保法案デモ隊の宣伝ページのようである。しかも「会長声明」とか「宣言」とか「意見書」となっているものが多く、3万6000人の会員の総意とはいえず、理事会決定さえへていない個人的な意見が多い。

これが「日弁連会長ブログ」みたいなページだったら、彼がどんな意見を書いても自由だが、日弁連は強制加入の公的団体である。その公式ホームページで、こういう個人的な意見がまるで全国の弁護士の総意であるかのように発表されるのは公私混同だ。

しかも意見のほとんどは野党の主張と同じで、政治的中立性にも疑問がある。2015年7月、京都弁護士会の南出さんとういう弁護士が「会長の個人的な意見を強制加入の団体を代表して発表するのは違法だ」という裁判を起こした。

よい子のみなさんでいえば、すべての父母から会費をとっているPTAが「安保法案反対」のプラカードを出すようなもので、会員は「私の会費を勝手に使うな」と怒るだろう。人一倍、権利関係にうるさい弁護士のみなさんが黙っているのは不思議である。

弁護士は昔は大学を出ていなくてもよかったので、大学紛争で逮捕されて退学した人も多く、そういうドロップアウトの60代が今の幹部である。彼らが昔のようなアジテーションをやりたい気持ちもわかるので、日弁連とは別に「左翼弁護士同窓会」みたいなホームページをつくって、思い切り演説してはどうだろうか?

法的地位

1949年(昭和24年)、弁護士法第45条から第50条に基づき設立された。日本司法書士会連合会日本土地家屋調査士会連合会と同様、職能団体としての性格を有するが、特別民間法人ではなく弁護士自治が行われている。

経費は会則91条により、会費、登録料、贖罪寄付、その他の収入で賄われている。

日本では弁護士・外国事務弁護士として活動する場合、事務所を置く地域の弁護士会を通じて日弁連への登録が義務付けられている。弁護士等は弁護士法22条に基づき、日弁連の定めた会則に従わなければならない。

組織

議決機関

  • 総会
  • 代議員会
  • 常務理事会
  • 理事会

役員

事務機構

  • 事務総長
  • 事務次長
  • 総務部(総務課、情報システム・施設管理課、経理課、人事課)
  • 審査部(審査第一課、審査第二課、審査第三課)
  • 法制部(法制第一課、法制第二課)
  • 人権部(人権第一課、人権第二課)
  • 業務部(業務第一課、業務第二課、業務第三課)
  • 企画部(企画課、広報課、国際課)
  • 調査室
  • 広報室
  • 国際室
  • 司法改革調査室
  • 法曹養成対策室
  • 人権救済調査室
  • 情報統計室
  • 研修・業務支援室
  • 日本司法支援センター対応室

委員会

  • 弁護士法により設置を義務づけられた委員会
    • 資格審査会
    • 懲戒委員会
    • 綱紀委員会
    • 綱紀審査会
  • 外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法により設置を義務づけられた委員会
    • 外国法事務弁護士登録審査会
    • 外国法事務弁護士懲戒委員会
    • 外国法事務弁護士綱紀委員会
  • 会則により設けられた常置委員会
    • 人権擁護委員会
    • 司法修習委員会
    • 司法制度調査会
    • 弁護士推薦委員会
    • 選挙管理委員会
  • 会規により設置された委員会
    • 経理委員会(会計及び資産に関する規程)
  • 新会館の管理・運営のための委員会
    • 会館運営委員会
    • 講堂管理運営委員会
    • 四会地代協議会
  • 会則第82条による理事会の議決により設置された特別委員会等
    • 弁護士倫理委員会
  • その他の委員会
    • 弁護士業務改革シンポジウム運営委員会

公設事務所

財団法人

基金

  • 国際協力活動基金
  • 災害復興支援基金
  • 消費者特別基金
  • 人権特別基金
  • 難民認定法律援助基金
  • 少年・刑事財政基金
  • 日弁連ひまわり基金
  • 犯罪被害者法律援助基金
  • 法律援助基金

特別会計

  • 会館特別会計
  • 事務職員能力認定試験・研修事業特別会計
  • 弁護士業務妨害対策特別会計
  • 退職手当積立金特別会計

業務

日弁連は、弁護士弁護士法人弁護士会の指導・連絡・監督・弁護士会への入会資格審査・懲戒に関する事務を扱うほか、外国法事務弁護士の監督に関する業務を行い、定期的に弁護士を対象とする強制参加の倫理講習会を実施し、訴訟実務の経験などに基づき、さまざまな社会制度の整備に関する活動も行う。

活動

選択的夫婦別姓制度導入への取り組み

(主に女性の)弁護士の職務遂行においてその制度が必須である、という点からだけでなく、人権や信条の自由の面から、組織として選択的夫婦別姓制度をはじめとする民法改正を支持する立場を取り、たびたび会長声明を出すなど、提言を行っている。

その論拠としては、「日本国憲法は、第13条で個人の尊厳を,第24条で婚姻は両性の合意のみに基づいて成立すること、そして婚姻について法律は個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならないことを規定している。氏名は、その人の人格の表象であり、それなしに人は社会で生きていくことができない。改姓を望まない人にも改姓を強制する制度は、その人格権を侵害するもの。また、圧倒的多数の夫婦が夫の氏を選択しており(2009年は96.3%)、望まない場合にも改姓を強いられているのは、実際には女性。民法第750条は、一見中立的であるが、現実には性差別規定に他ならない。選択的夫婦別姓制度の導入は、憲法上の要請といえる。」としている。

死刑廃止に関する取り組み

死刑廃止を推進する立場から、提言を行い、決議を採択している。この提言・決議の内容を実現するため、死刑廃止検討委員会」を設置し、上記「提言」と「決議」の実行のため、死刑廃止についての全社会的議論の呼びかけに向けた活動、 死刑執行停止に向けた活動、 死刑に関する情報開示の実現に向けた活動 等を行っている。

君が代斉唱時の不起立の自由に関する取り組み

国旗国歌法を根拠として行なわれる、君が代斉唱時の不起立に関する処分・起立を義務付ける条例に反対する立場から裁判所判決や条例提出ごとに会長声明を発表している。

住民基本台帳ネットワークシステムに反対する取り組み

住民基本台帳ネットワークシステムを構築することは個人情報保護施策を欠いた国民総背番号制を導入するものであるとして、 意見書や会長声明を発表している。

慰安婦問題に関する活動

詳細は クマラスワミ報告#経緯 を参照

1992年戸塚悦朗弁護士を海外調査特別委員に任命し、韓国の市民団体と連携して国連へ朝鮮人「強制連行」問題と「従軍慰安婦」問題を国連人権委員会に提起し、「日本軍従軍慰安婦」を「性奴隷」として国際社会が認識するようロビー活動を展開し、クマラスワミ報告に慰安婦に関する記述がなされるに至っている。

その他

会長声明について

日弁連は、会長声明について、「日弁連は、さまざまな分野で人権を護るため、市民のための司法制度を実現するため、よりよい法律を作ることや行政をよくしていくために、日弁連の政策を提言・要望・意見などの形で政府や関係省庁、関係機関に発表し、その実現に努めています。」としている。

この会長声明については、憲法から一義的に判断することが難しい対立のある論点(死刑、憲法9条等の問題等)で意思統一を図ることは難しいため、弁護士会として声明を出すときには、主に法律の解釈にしたがって人権の侵害になるとされている場合について、会長声明を出している、と東弁の人権擁護委員会副委員長、日弁連人権擁護委員会副委員長などを歴任した弁護士杉浦ひとみは指摘している。

弁護士倫理・懲戒について

日弁連は、弁護士法に基づき、所属弁護士を懲戒することはできる。一方で、単位弁護士会が下した懲戒処分懲戒請求の不服審査も行っている。

ただ、現実には、単位弁護士会が受け付けた懲戒請求の申立総件数に対して、実際に弁護士を懲戒する割合は、2.3パーセント(平均)である。単位弁護士会が懲戒請求申立を却下したとき、日弁連は、同議決に対する異議申立を受理し、再審査することもあるが、その割合は1.2パーセント(平均)である。その為、「日本弁護士連合会はあなたと立場が違うから弁護できない」などという理由で弁護を断る弁護士もいる。東京地検特捜部長、最高検公判部長を歴任した河上和雄は、1997年に発売した著書で、近年弁護士が実刑判決を受けるケースが増えており、暴力団を除けばわずかな弁護士集団から毎年これだけの実刑判決を受けるような組織はないとして、弁護士業界を厳しく批判している。

2005年(平成17年)4月、拘束力の無い弁護士倫理に代わり、弁護士職務の「行動指針または努力目標」を定めたものとして弁護士職務基本規程を施行した。

会内諸グループ

主な出版物

機関誌

  • 『自由と正義』

機関紙

  • 『日弁連新聞』

書籍

  • 『日本の戦後補償』(1994年、明石書店
  • 『これからの結婚と離婚 自分らしく、あなたらしく』(1994年、明石書店)
  • 『日弁連・弁護士会 人権救済申立事例集 人権侵害の根絶をめざして』(1995年、明石書店)
  • 『代用監獄の廃止と刑事司法改革への提言 国際法曹協会 (IBA) の調査レポートと国際セミナーから』(1995年、明石書店)
  • AKASHI人権ブックス4『国際化時代の女性の人権 両性の平等と自立』(1997年、明石書店)
  • 『あたらしい世紀への弁護士像』(1997年、有斐閣
  • 『日本の安全保障と基地問題 平和のうちに安全に生きる権利』(1998年、明石書店)
  • 『孤立する日本のエネルギー政策 エネルギー政策に関する調査報告』(1999年、七つ森書館
  • 『ドメスティック・バイオレンス防止法律ハンドブック 妻への暴力、子どもへの虐待の根絶に向けて』(2000年、明石書店)
  • 『21世紀弁護士論』(2000年、有斐閣)
  • 『医療事故被害者の人権と救済』(2001年、明石書店)
  • 『21世紀をひらくNGO・NPO』(2001年、明石書店)
  • 『弁護士白書』(2002年より毎年刊行、日本弁護士連合会)
  • 『障害のある人の人権と差別禁止法』(2002年、明石書店)
  • 『司法における性差別 司法改革にジェンダーの視点を』(2002年、明石書店)
  • 『契約型福祉社会と権利擁護のあり方を考える 高齢者・障害者主権の確立のために』(2002年、あけび書房)
  • 『プライバシーがなくなる日 住基ネットと個人情報保護法』(2003年、明石書店)
  • 『化学汚染と次世代へのリスク』(2004年、七つ森書館)
  • 『裁判員制度と取調べの可視化』(2004年、明石書店)
  • 『犯罪被害者の権利の確立と総合的支援を求めて』(2004年、明石書店)
  • 『日弁連 人権侵犯申立事件 警告・勧告・要望例集』全五冊(2005年、明石書店)
  • 『子どもの権利ガイドブック』(2006年、明石書店)
  • 『高齢者・障害者施設での金銭管理Q&A』(2006年、あけび書房)
  • 『女性弁護士の歩み 3人から3000人へ』(2007年、明石書店)
  • 『役所が変わる! 日本が変わる!! 早い、分かりやすい、親切な行政を』(2007年、現代人文社)
  • 『検証 日本の貧困と格差拡大 大丈夫?ニッポンのセーフティネット』(2007年、日本評論社
  • 世界人権問題叢書67『国際社会が共有する人権と日本 国連人権理事会UPR日本審査2008』(2008年、明石書店)
  • 『生活保護法的支援ハンドブック』(2008年、民事法研究会)
  • 『国際刑事裁判所の扉をあける』(2008年、現代人文社)
  • 『裁判員裁判における弁護活動 その思想と戦略』(2009年、日本評論社)
  • 『改正特商法・割販法の解説』(2009年、民事法研究会)
  • 『法律家のためのITマニュアル』(2009年、第一法規出版
  • 『日弁連 人権行動宣言』(2010年、明石書店)
  • 『反社会的勢力と不当要求の根絶への挑戦と課題』(2010年、金融財政事情研究会)
  • 『災害対策マニュアル 災害からあなたを守る本』(2010年、商事法務)
  • 『公害・環境訴訟と弁護士の挑戦』(2010年、法律文化社
  • 『今こそ変えよう!家族法―婚外子差別・選択的夫婦別姓を考える』日本加除出版、2011年
  • 世界人権問題叢書75『離婚と子どもの幸せ 面会交流・養育費を男女共同参画社会の視点から考える』(2011年、明石書店)
  • 『原発事故・損害賠償マニュアル』(2011年、日本加除出版)
  • 『日弁連 子どもの貧困レポート 弁護士が歩いて書いた報告書』(2011年、明石書店)
  • 『問われる 子どもの人権』(2011年、駒草出版)
  • 『デジタル社会のプライバシー 共通番号制・ライフログ・電子マネー』(2012年、航思社)
  • 『検証 原発労働』(2012年、岩波ブックレット

関連項目

外部リンク