底辺
底辺とは、社会の下層に位置する民のことである。
概要[編集]
主に低賃金だったり、社会的地位や信頼が低かったり、出世コースから外れたりした労働者らを人生の敗者と見なした言葉である。
「底辺」という概念が生まれた要因の一つとして、日本国内での、いわゆる一億総中流社会の崩壊による収入と消費の二極化の発生と、その固定化・世襲化があると言われる。この事は企業のマーケティング戦略にも大きな影響を及ぼした。とある企業は富裕層向けのビジネスや富裕層市場を拡充させ、トヨタ自動車のレクサスを始めとする高級品や都心のタワーマンション、業績が好調な企業が多く結集し、富裕層の象徴と持て囃された六本木ヒルズ森タワーや東京ミッドタウン等が生まれた。一方、底辺向けのそれとしては貧困ビジネスが挙げられる。こうしたマーケティング戦略の中には成功を収め、多額の利益をもたらした例も数多い。
その一方で、「底辺」という概念が差別に結び付く事態も発生している。例えば現在、職業では「富裕層の仕事の代表格は同族企業の親族」「底辺の仕事の代表格はマクドナルドの店員」といった様な偏見が生まれている。「底辺」という言葉が半ば職業差別として機能している一面があり、「職業に貴賎なし」という諺は形骸化しつつある。
また、職業以外にも、学歴、容姿、恋愛、さらには出身地、血液型、趣味に至るまで、つまり「個人による何らかの違い」が存在する多くの要素で、同様の差別や偏見が発生しているか、あるいは今後発生する可能性がある。これは雑誌などの書籍や新聞・テレビといったマスメディアがこのような表現を意図して行っていることが一因であると見る向きがある。
また、このような格差社会は犯罪、特に無差別殺傷事件を生み出す要因にもなりうる。「底辺」が世の中に絶望して2008年に起こした秋葉原通り魔事件が代表例である。この事件の後に日本ではいくらかの政治的・経済的な変動などはあったが、2014年を迎えた今に至るまで似たような無差別殺傷事件が続発している。
深夜2時に友人らとゲームで騒いでいた高校生、はす向かいの家から怒鳴り込んできた男に包丁で切られる[編集]
岐阜県警北方署などは2015年2月1日、県立高校1年の男子生徒(16)に包丁で切り付けたとして傷害で、北方町高屋白木、土木業・石元 繁孝(38)を逮捕した。
石元は同日午前2時10分ごろ、自宅のはす向かいの民家に無施錠の玄関から勝手に入り、屋内にあった包丁で男子生徒に切り付けて頭に軽傷を負わせた。「包丁なんて振り回していない」と容疑を否認している。署は住居侵入の疑いでも調べる。
現場は男子生徒の友人宅。男子生徒らは4人でテレビゲームをしていた。石元は以前から「夜中に遊ぶな」などと怒っており、この日も「うるさい」と抗議して押し問答になったという。酒に酔っていたとみられる。