中村祐輔
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中村 祐輔(なかむら ゆうすけ、1952年12月8日 - )は日本の医学者。専門は遺伝学、分子生物学。東京大学医科学研究所教授を経て、シカゴ大学医学部血液・腫瘍内科教授。
来歴
1977年大阪大学医学部を卒業。旧大阪府立病院、市立堺病院等に勤務後、渡米。高度多型性ⅤNTRマーカーを単離。その後1991年大腸癌抑制遺伝子APCを発見。2001年癌遺伝子等に関わる成果のトランスレートリサーチを展開するべくオンコセラピー・サイエンスを創設した。
2010年4月独立行政法人国立がん研究センター研究所所長に就任したため、同社社外取締役を辞任したが、現在も同社の筆頭株主である。
がん狙い撃ち新物質、シカゴ大・中村教授が発見
がん細胞を狙い撃ちする分子標的薬の新しい有力候補となる化合物を見つけたと、米シカゴ大の中村祐輔教授の研究チームが2014年10月22日、米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン」に発表した。
中村教授によると、この化合物を使ってマウスで実験したところ、肺がんが完全に消えたという。
研究チームは、がん細胞の増殖で重要な役割をする「TOPK」というたんぱく質に注目。30万種類の化合物の中から、TOPKの働きを妨げる化合物を探し出した。
この化合物を、肺がんのマウス6匹に週2回ずつ3週間、注射した。すると、5匹のがん細胞は、最初の注射から25~29日後に完全に死滅した。TOPKの働きが妨げられ、がんの細胞分裂が止まったとみられる。化合物をそのまま投与すると白血球が減るなどの副作用があったが、化合物を脂質の膜で包む改良を加えると、副作用は小さくなったという。
経歴
- 1952年 大阪府生まれ
- 1971年 大阪府立天王寺高等学校卒業
- 1977年 大阪大学医学部卒業
- 1977年 6月 大阪大学医学部附属病院(第2外科)
- 1981年 大阪大学医学部附属分子遺伝学教室研究生
- 1984年 大阪大学医学博士、論文の題は「Sequences of cDNAs for human salivary and pancreatic α-amylases(ヒト唾液腺および膵α-アミラーゼcDNAのクローニング)」。 ユタ大学ハワード・ヒューズ゙医学研究所研究員
- 1987年 ユタ大学人類遺伝学教室助教授
- 1989年 財団法人癌研究会癌研究所生化学部部長
- 1994年 東京大学医科学研究所分子病態研究施設教授
- 1995年 東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター長・教授(~2011年1月)
- 2001年 オンコセラピー・サイエンスを創設
- 2005年 理化学研究所ゲノム医科学研究センター長(~2010年3月)
- 2010年 理化学研究所ゲノム医科学研究センター特別顧問
- 2010年 独立行政法人国立がん研究センター研究所所長(~2011年)
- 2011年 内閣官房参与・内閣官房医療イノベーション推進室室長(~2011年12月)
- 2012年3月31日 東京大学辞職
- 2012年4月 シカゴ大学医学部血液・腫瘍内科教授・個別化医療センター副センター長 兼 東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターゲノムシークエンス解析分野特任教授、神奈川県立がんセンター特別顧問
褒章
- 1991年 アメリカ合衆国メリーランド州名誉市民
- 1992年 高松宮妃癌研究基金学術賞
- 1993年 (財)癌研究会学術賞
- 1995年 日本人類遺伝学会賞
- 1996年 武田医学賞「ヒト遺伝子多型マーカーの単離とがんを中心とした疾患遺伝子の解析」
- 2000年 慶應医学賞
- 2002年 日本癌学会吉田富三賞
- 2004年 紫綬褒章
- 2006年 ブルガリア科学アカデミー会員
- 2010年 Human Genome Organization: Chen Award for Distinguished Academic Achievement in Human Genetic and Genomic Research
- 2011年 Association of American Physicians (AAP)会員
- 2011年 ハルビン医科大学名誉教授
- 2011年 IPIT Award for Clinical Service
ニュース
- 2007年10月「第66回日本癌学会総会」Global Trends in Molecular Cancer Therapeutics