GIZA studio

GIZA studio（ギザステューディオ）は、大阪市にあるビーイング傘下のレコード会社。

概要・特徴

1998年 9月1日、大阪・心斎橋に設立したメジャーレーベルのレコード会社。レコーディング・スタジオはもとより、デザイン・映像、ライヴハウス施設（hills パン工場）等、音楽制作に関わる多岐にわたる部門を有し、あらゆる分野のアーティストを多数輩出している。当初はB-Gram RECORDSの派生レーベルとして設立され、販売もB-Gram RECORDSが委託していたが、2002年 5月より販売元としても自社で請け負うようになり事実上B-Gram RECORDSから独立した。ちなみに、最初に設立した場所は、かつてマハラジャの本部があった。

もともとは、関西の更なる音楽文化の発展と、関西を活動の拠点にしているアーティストが関西に在住したまま音楽活動を行えるようにという方針の下で設立された。当初は所属アーティストは関西～九州出身・在住者がほとんどであったが、近年では、上原あずみ・上木彩矢・岩田さゆり・宇浦冴香など、中部・関東地方以北出身者も所属している。

所属する大半の歌手が、アニメ主題歌とのタイアップでデビューしてブレイクを狙うのが特徴で、フジテレビ系を除く民放番組で耳にすることができる。しかし、アニメの主題と歌詞の内容がほとんど関係ないため、アニメソング歌手には位置づけられないことが多い（この事は、アニプレックス系作品等の主題歌を担当しているSME系のアーティストにも同じ事が言える。ただし愛内里菜と三枝夕夏 IN dbはアニメ系コンサートへの出演歴あり）。知名度にはさほど高くない歌手が多いからか、不買運動の被害に遭うことが多く、CDの売上が減少している昨今、アニメのタイアップだけでは安易にヒットが出せなくなっているため、関東を中心に活動する作家や、TUBE、B'z、DIMENSION、FEEL SO BADのメンバーが楽曲制作に関わっている事をアピールするなどの試行錯誤をしている。また、最近の新たな傾向としてジャズやボサノバをメインジャンルとした歌手を擁立しており、その中で2007年だけでも小泉ニロ、早川えみ、Gulliver Get、中島紅音の4組のアーティストがデビューしている（そのうちGulliver Getを除くアーティスト全てがジャズアルバムでデビューしている）。さらに2008年には平田香織のデビューにより、テクノポップへと新たなジャンルを開拓している。

社名の由来はGarage Indies Zapping Associationの頭文字を取ったものである。くわえてロゴの形状がピラミッドの形状と酷似していることから、エジプトのギーザ(Giza)を意識したものであると考えることもできる。設立当初は、GIZA studioというメジャーレーベルの他にGarage Indies Zapping Associationというインディーズレーベルがあり、アーティストは両方に所属してメジャーデビューした後もインディーズからも作品をリリースできるという方針をとっていたが、2000年にTENT HOUSE、WEED等のインディーズレーベルを新たに設立したため運営を終了し、現在はメジャーレーベルのみとなっている。

同レーベルに所属して自身もバンドやユニットなどで活動している男性作曲家（徳永暁人・古井弘人・岡本仁志等）がいたり、女性歌手が大多数を占めることから、アップフロントワークス系列やavex系列、かつてのメディア・レモラスと比較されることが多い。

なお同社は、音楽事業で蓄えた資金を近畿地方の不動産投資で運用し、マンション販売・音楽ホール・音楽専門学校・飲食業を幅広く展開している。

主要アーティストの活動

小松未歩
- 1997年、『名探偵コナン』テーマソングであるシングル『謎』でデビューし、約半年強にも渡るロングセールスを記録。1stアルバム『謎』が30万枚のヒットを記録。その後『願い事ひとつだけ』『チャンス』『氷の上に立つように』等と立て続けにヒットを記録し、1998年には2ndアルバム『小松未歩 2nd 〜未来〜』を発売し、累計60万枚以上の売上を記録。その後もシングル・アルバムヒットを残す。メディアへの露出が雑誌を除いて皆無であることも大きな特徴である。作曲家としても活動し、DEEN・FIELD OF VIEW・WANDS・愛内里菜・岩田さゆりなどに楽曲提供をしている。現在のGIZA歌手の間では所属期間が一番長い。
倉木麻衣
- 1999年、メジャーデビューシングル『Love, Day After Tomorrow』が、デビュー作にしてミリオンセラーを記録。『名探偵コナン』主題歌となった3rdシングル『Secret of my heart』でファン層を大きく拡大。1stアルバム『delicious way』が約400万枚を売上げ、2000年の年間CDセールス1位となった。その後2004年の『明日へ架ける橋』までの18作全てがオリコンTOP3という記録を成し遂げた。2004年に発売されたベストアルバム『Wish You The Best』がミリオンヒット。GIZA studioの中ではトータル・セールスが一番高い。音楽番組には『NHK紅白歌合戦』のみ3回出場。発売された全てのシングルがオリコントップ10入りという記録を持つ。その後、2007年6月にNORTHERN MUSICに移籍。
愛内里菜
- 2000年、ジャケットがピンク・白・黄色・紫の各4色という異例の試みでリリースされたシングル『Close To Your Heart』でデビュー。同年にアニメ『名探偵コナン』テーマソングである4thシングル『恋はスリル、ショック、サスペンス』を発売、これをきっかけにブレイクし、2002年の2ndアルバム『POWER OF WORDS』で初のオリコン1位獲得、50万枚のセールスを記録。2003年には『第54回NHK紅白歌合戦』に初出場した。GIZAアーティストの中ではメディアへの露出が比較的高い。現在は人気ゲームソフトとのタイアップ作品、定期的なライブ活動などを行っている。現在はデビュー直後ほどの人気は無いが、チャートでのTOP10入りは現在も続いている。
GARNET CROW
- 2000年にシングル2枚同時リリースでメジャーデビュー。『夏の幻』や『flying』でファン層を拡大し、ロングセラーを記録している。2002年に『名探偵コナン』テーマソングである10thシングル『夢みたあとで』がオリコン6位を記録。以後『ミュージックステーション』など音楽番組への出演や、ライブツアーを行う。2005年以降はアニメ『メルヘヴン』のタイアップが目立ち、『君の思い描いた夢集メル HEAVEN』『風とRAINBOW/この手を伸ばせば』はロングセラー。2006年には23rdシングル『まぼろし』が初のドラマ主題歌に抜擢された。全ての作曲をVo.の中村由利が、作詞をKey.のAZUKI七が、アレンジを同じくKey.の古井弘人が行う。他のGIZAのアーティストと一風異なった、デビュー時から独自の音楽性を一貫している。
三枝夕夏 IN db
- 2002年にシングル『Whenever I think of you』でデビュー。当初は「db」としてデビューする予定だったが、三枝夕夏を中心としたプロジェクトに変更される。2003年、『名探偵コナン』のオープニングテーマ『君と約束した優しいあの場所まで』からdbに岩井勇一郎、大藪拓、車谷啓介が加入し4ピースバンドになり、以降はバンドとして活動する。この曲はオリコン最高8位を記録し、ファン層を広げた。現在はパンクを主体にした音楽スタイルで活動しており、2007年にはデビュー5周年ベストアルバム『三枝夕夏 IN d-best 〜Smile&Tears〜』をリリース。オリコンチャート5位を記録した。
上木彩矢
- 2006年、シングル『Communication Break』でメジャーデビュー。B'zのカバー曲である2ndシングル『ピエロ』がオリコンチャート9位を記録し、1stアルバム『Secret Code』もオリコンチャート5位を記録。ロックを基盤とした音楽スタイルで、ポップを主体とするGIZAの中では珍しいタイプの歌手と言える。歌手活動以外でも、モデル等様々な方面で活動している。