関電トンネル

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関電トンネル(かんでんトンネル)は長野県大町市富山県中新川郡立山町を結ぶ道路トンネル

概要

トンネルを通るトロリーバスが運行される。元々は「黒部ダム」建設(ダム及び地下式で著名な発電施設)のために掘削されたトンネルであり、建設当時の名称は大町トンネルで、全長は5.4km。

建設工事中、いくつもの破砕帯が発見され、頻繁な出水のためこの区間を貫通突破するために大変な難工事となった。この難工事の模様は1968年熊井啓監督の手により映画化され「黒部の太陽」という名作を生み出すこととなる。

トンネルは1958年全通。トンネルは関西電力が保有している。国立公園内に掘られたトンネルであり、「一般公衆の利用に供すること」が建設許可の条件となったため、関西電力はダム工事完成後、トンネルを通る公共交通機関を運行することによって条件を満たすことにしたのである。基本的に黒部ダム・黒四発電所の資材運搬用のトンネルであることから、現在まで一般車両の通行は認められておらず、一般来訪者は公共交通機関として営業運転されている関電トンネルトロリーバス利用でのみ通行可能である。トンネルは一車線分の幅しか無く、中間に交換地点が設けられている。そのため、トロリーバスのほか、発電所の資材運搬用の自動車も、予め決められたダイヤにしたがってトンネルを通過する。

現在はいわゆる「立山黒部アルペンルート」の一部として、冬季閉鎖期間をのぞき多数の観光客で賑わいを見せる立山観光の基幹ルートとなっており、大町側ターミナルと黒部ダム東岸を結ぶ同トンネルは同ルートにおいて東側の入り口近くに位置する「県境を越える区間」である。なお、モータリゼーションの波を受け、日本の大都市から次第にトロリーバスが見られなくなり、1972年横浜市営トロリーバスの廃止以降は日本で唯一のトロリーバス営業区間となっていた。1996年、同アルペンルートにおけるもう一つの自動車トンネル区間で長年使用されてきたディーゼルバスが老朽化により廃止され、その際にトロリーバスへの変更が行われた(立山黒部貫光無軌条電車線)ため24年間に及んだ「日本唯一」の名は返上となったものの、それでも日本国内ではアルペンルートにしかトロリーバスが存在しないことにはかわりがない。

関連項目