ジョンソンエンドジョンソン
ジョンソン・エンド・ジョンソン (Johnson & Johnson) は、アメリカ合衆国ニュージャージー州ニューブランズウィックに本社を置く製薬、医療機器その他のヘルスケア関連製品を取り扱う多国籍企業。米経済誌フォーブスの世界企業ランキングでは製薬ヘルスケア部門で世界第2位(第1位はファイザー)。ちなみに、アメリカ合衆国の主に家庭用洗剤を製造、販売する化学メーカー『SCジョンソン』社の日本法人である『ジョンソン株式会社』とは関係ない。
目次
概要
ロバート・ウッド、ジェームス・ウッド、エドワード・ミードのジョンソン三兄弟が創業。滅菌の概念を世界で初めて製品に導入。50年以上10%成長を続けている。家庭用のバンドエイドや綿棒、ベビーオイルから医療機関で使用する医療機器、薬剤、薬、コンタクトレンズのアキュビューなどを製造販売している。一般企業の社訓にあたるOur Credo(我が信条)が有名。
社内組織については、社内カンパニー制を採用しており、コンシューマー カンパニー・メディカル カンパニー・ビジョンケア カンパニーのそれぞれのカンパニーがある。
ジョンソン・エンド・ジョンソン・グループには、エチコン、ASP、エチコンエンドサージェリー、オーソ・クリニカルダイアグノスティックス、バイオセンスウエブスター、コッドマン、マイテック、デピュー、デピュースパイン、コーディス、コンシューマー、ヤンセンファーマなど。
日本における事業活動
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 Johnson & Johnson K.K.
| |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | |
略称 | |
本社所在地 | 日本 東京都千代田区西神田三丁目5番2号 |
電話番号 | |
設立 | 1978年8月 |
業種 | 医薬品 |
事業内容 | 総合医療・健康関連用品の輸入・製造販売 |
代表者 | 日色保 (代表取締役社長)[1] |
資本金 | 40億円(2008年12月31日時点) |
売上高 | |
総資産 | 1685億2300万円 (2008年12月31日時点) |
従業員数 | 1,988人(2010年12月時点) |
決算期 | 12月末日 |
主要株主 | |
主要子会社 | |
関係する人物 | |
外部リンク | http://www.jnj.co.jp |
特記事項:1961年1月創業 |
1978年に創立。日本法人はジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 (Johnson & Johnson K.K.)で、本社は東京都千代田区西神田三丁目5番2号、千代田ファーストビル西館〈社内呼称名、J・One・Tower(ジェイ・ワン・タワー)〉。日本語表記は「エンド」だが、end(終わり・終末、終わる)ではなく「&」 「and」である。日本における工場は福島県須賀川市に構える。
2007年1月1日から、全ての職場エリアが禁煙となったほか、日本法人のメディカルカンパニーの全従業員につき、所定労働時間中は、休憩時間を除き、一切の喫煙が禁止された。但し、派遣社員・業務委託社員等の非正規従業員に限り、職場エリア外での喫煙を所定労働時間中でも許可している。
日本での取り扱い製品
日本での一般向け製品は日本法人のコンシューマーカンパニーにて、使い捨てコンタクトレンズの「アキュビュー」は同じ日本法人のビジョンケアカンパニーにてそれぞれ販売している。
一般用医薬品については、アメリカ本社が2006年5月にファイザー社の一般用医薬品事業の譲受を受けて、日本でも2007年8月にファイザー株式会社の一般用医薬品事業をコンシューマーカンパニーが譲受けたが、2012年10月から武田薬品工業による販売となる(既に製造委託を行っている一部製品ついては販売提携となっている[2]。なおTVCMに関しては当社の各製品の欄を参照。
医療・衛生用品として、バンドエイド、バンドエイドフットケア、ジョンソン綿棒などがある。
赤ちゃん・子供のケア用品として、ジョンソンベビーには、スージングナチュラルズシリーズ、ベビーローション、ベビークリーム、ベビーオイル、ベビーパウダーがある。ジョンソンキッズとしてはリンスインシャンプーがある。
全身シャンプーやボディソープといった商品がある。
スキンケア・化粧品としてて、ジョンソンボディケアには、ドリーミースキンシリーズ、ラスティングモイスチャーシリーズ、エクストラケアシリーズがあり、またニュートロジーナや RoC(ロック)がある。
オーラルケアには、リーチ、プラックスがあり、またリステリンは、ファイザー株式会社から譲受けた製品である。
- 一般用医薬品
☆印はファイザー株式会社から譲受けた製品である。
- タイレノールA(解熱鎮痛薬)【第2類医薬品】 - 2000年9月に発売開始。当初は武田薬品工業が販売を行っていたが、2004年10月より当社直販体制に移行し、2005年にリニューアルしている。日本で唯一、空腹時にも(風邪による発熱・悪寒の場合を除く)服用できる解熱鎮痛薬である。タイレノールというブランド名の由来は、アセトアミノフェンの正式な化学名、N-アセチル-p-アミノフェノールから取ったものである。(acetyl-p-aminophenol)また眠くなる成分は入っていない。15歳以上の大人専用(製造販売元:東亜薬品)。
- ニコレット☆(禁煙補助薬) - 販売は武田薬品工業。
- バイシン☆(目薬)
- アネトン☆(鎮咳去痰薬・鼻炎用薬)
- コールタイジン点鼻液a(鼻炎用薬)【指定第2類医薬品】 - 2009年7月発売。ステロイド成分プレドニゾロンと血管収縮作用のある塩酸テトラヒドロゾリンの複合処方で鼻づまりや鼻水に効果を発揮する点鼻薬。2012年1月にパッケージデザインをリニューアルし、「コールタイジン点鼻液」から商品名を変更(製造販売元:陽進堂)。
- テレスHi☆(皮膚疾患治療薬)
- テラマイシン軟膏a☆(化膿性皮膚疾患用薬)【第2類医薬品】 - 化膿に効く2種類の抗生物質(オキシテトラサイクリン塩酸塩+ポリミキシンB塩酸塩)を配合。(製造販売元:陽進堂)
- テラ・コートリル軟膏a☆(皮膚疾患治療薬)【指定第2類医薬品】 - 副腎皮質ステロイド成分(ヒドロコルチゾン)と抗生物質(オキシテトラサイクリン塩酸塩)を配合。化膿を伴う湿疹、皮膚炎に。(製造販売元:陽進堂)
※譲受当初は「新ストレイタスU」(水虫薬)、「コンフォートリセット」(便秘薬)、「タイザー」(乗り物酔い防止薬)も販売していたが、現在は販売を終了している。
※「テラマイシン軟膏」と「テラ・コートリル軟膏」はこれまで医療用医薬品の扱いだったが、2009年6月から施行される改正薬事法に合わせ、2009年4月に一般用医薬品として適当な「効能・効果」、「用法・用量」の承認を取得しパッケージデザインをリニューアル(同時に「テレスHi」シリーズもパッケージデザインを変更)。2011年11月に小改良を行い、「テラマイシン軟膏a」・「テラ・コートリル軟膏a」に改名された。
不祥事・事件
タイレノール毒物混入死亡事件
1982年、米国で第三者がタイレノール(頭痛薬)に毒物(シアン化合物)を混入し、7人が死亡するという事件が起こった。シカゴでの事件であったが、同社は直ちにアメリカ全土から全てのタイレノールを回収し、異物を混入できない構造に改良。2500人の従業員を動員し、回収費用は当時で推定1億ドルとも言われる。当時のワシントン・ポスト紙は「J&Jは、費用を度外視して正しいことを自発的に行う企業だというイメージを確立することに成功した。」と伝えた。この一件は、企業理念の実践や危機管理における対応策に題材としてしばしば取上げられている。
独禁法違反事件
2010年12月1日、公正取引委員会はジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人に独禁法違反(不公正な取引方法)で排除措置命令を出した。
1日使い捨てのコンタクトレンズ「ワンデーアキュビュー」などについて、2008年12月ごろから2010年3月にかけ、取引先に対して新聞・雑誌などの広告で自社製品の店頭販売価格を表示しないよう強要していた[3]。
2012年アメリカ、違法マーケティング
2012年アメリカにて、違法に、リスペリドン(リスパダール)による致命的なものを含む、体重増加などの副作用を隠ぺいして、販売したことが原因である[4][5]。
協賛学会
外部リンク
- ↑ 歯科医療経済 2012年1月号, p.35
- ↑ ジョンソン・エンド・ジョンソン社の一般用医薬品にかかる日本での独占販売契約について(武田薬品工業、2012年8月3日)
- ↑ ジョンソン&ジョンソンに排除命令=コンタクト広告で販売店に圧力−公取委 時事ドットコム 2010年12月1日[リンク切れ]
- ↑ テンプレート:cite report, これの短縮版は以下である:Gotzsche (2012) GotzscheP. C. [ Big pharma often commits corporate crime, and this must be stopped ] BMJ 345 dec14 3 2012 e8462–e8462 10.1136/bmj.e8462
- ↑ Maia Szalavitz Sept (September 17, 2012) Maia Szalavitz Sept Top 10 Drug Company Settlements TIME.com [ arch. ] 2013-02-23