調味料
調味料(ちょうみりょう)は、料理の調味に使う材料。主なものに、砂糖、塩、酢、醤油、味噌(さしすせそ)がある。
概要
料理への味付けを目的としたもの。和食の味付け手順では、「さしすせそ」と称される。調味料は、それ自身が食品であったり、化学調味料などの食品添加物であったりと多種にわたる。
分類
調味料には多くの種類があり、代表的なものは別個に名を持つ。
味の種類では甘さを加えるものを甘味料、旨味を与えるものをうま味調味料などという。特別な香り・辛さをつけるものを香辛料という。
その由来や製法は次のように様々である。
- 味の成分を抽出し、より純化・精製したもの。砂糖、食塩はこの例である。
- 醤油・味噌などの発酵食品。発酵により素材を味付けに適したものとする。
- 様々な材料成分を煮出したもの。ウスターソースやケチャップは、煮詰めて味成分を濃縮させる。
- 香辛料などの素材を粉砕したもの。胡椒や七味唐辛子がこの例である。
加え方
調味料を加えることは、料理の重要な要素であり、その加え方も様々である。完成したものに加える場合、加えた後にその他の処理をする場合があり、またそのタイミングや順番も重要である。日本では家庭料理において調味料を使うタイミングとして、「さしすせそ」というものがある。これは、素材に味が染み込ませるのに好適な順序としてあげられるもので、「砂糖」「塩(食塩)」「酢」「せうゆ(しょうゆ)」「みそ」の順である。
食べる直前に使う例もある。そのため、醤油差しや食塩は食卓に常備するのが普通である。
塩はしょっぱさを与えるものであるが、甘いものに混ぜて甘味を増加させるためにも使用される。例えばスイカに食塩を少量かけて食べることで甘味をより強く感じられる。このように異なる味があるときに一方の味がもう一方の味を強めることを、「味の対比効果」という。
日本料理における調味料の位置付け
前近代における伝統的な日本料理は、「醤油」と「味噌」といった二大万能調味料があったことで新しい味付けをする試みはあまり成されなかった[1](味噌を万能とする表現は『本朝食鑑』にもある)。これは日本料理の特徴が、四季の多様な食材に頼っていたことにもより、食材に手を加えない(食材本来の味を包丁の切り方でいかに引き出すか)といったこだわりも、豊富な食材がある大前提で成立したものとされる[2](日本料理の海外進出が難しいのも、旬の食材頼りにある[3])。こうした日本料理の気風から調味料による人工的味付けはあまり好まれなかった。
料理店で出された料理に対し、持参の調味料をかける行為はマナー違反であり、北大路魯山人はフランス料理店で口に合わないとしてわさび醤油をかけた逸話がある(魯山人の方を参照)。
食品
- 砂糖 - 黒砂糖
- 塩 - 海塩、岩塩
- 酢 - バルサミコ
- 醤油
- 魚醤(しょっつる、いしる、ニョクマム、ナンプラー)
- 味噌 - (米味噌、豆味噌、麦味噌)
- 醤・ひしお- 豆板醤、XO醤、芝麻醤、豆豉醤、甜面醤、コチュジャン
- タレ、垂味噌
- めんつゆ
- 割下
- 風味調味料
- 酒 - 煎り酒、料理酒
- みりん
- ウスターソース(中濃ソース、濃厚ソース)
- ケチャップ
- オイスターソース
- ケチャップマニス
- サルサ
- サンバルソース
- チリソース(タバスコ)
- チャツネ(インドなど)
- マスタード
- マヨネーズ
- 油脂、ラー油
- 腐乳
- 香辛料、ハーブ
- カレー粉
地方独特の調味料
- めんみ(北海道・北海道キッコーマン)
- 八方汁(青森県・ワダカン)
- しょっつる(秋田県)
- いしる(石川県)
- 南蛮味噌(新潟県)
- ビミサン(山梨県など・テンヨ武田)
- 柚子胡椒(大分県など)
- マキシマム(宮崎県)
- コーレーグース(沖縄県)