実況プレイ
実況プレイ(じっきょうプレイ)とは、実況をしながらコンピュータゲームのプレイを行うことである。ゲーム実況とも呼ばれる。
概要
主にニコニコ動画やYouTube、ニコニコ生放送やUstreamに代表されるライブ配信(ストリーミング)サイト、すなわちインターネット上の媒体において行われている。また、雑誌付録による配布やイベント会場での実演も行われている。欧米ではTwitch.tvが有名。
一例として、ニコニコ動画においては、実況プレイを行なうプレイヤーは200人以上、実況プレイ動画をタグに含んでいる動画は2009年9月20日現在335,055件にのぼり、主要なジャンルの一つとなっている。
対象となるジャンルはRPGやホラーゲーム、シューティングゲームなどジャンルを問わず、発売前に配信される体験版での実況プレイも盛んに行われている。
主な話の展開の仕方としては実況説明の他に、(キャラクターの声がない場合)台詞を読みながら演じるスタイルや、プレイをしながら雑談をするスタイルがあり、また声も肉声の他、合成音声を使用している場合もある。
著作権
これらのゲームプレイの様子をインターネット上で公開することにおいては著作権を侵害する行為になるが、著作権侵害は親告罪(権利者の告訴が必要)であるため削除される動画が少なく、多くの動画が存在していることなどからグレーゾーンのような立ち位置であるとされている(発売されたばかりの新作や、RPG・AVGなどで重要なネタバレを含む場合も削除されることがある)。
動画によってはゲームそのものの宣伝にもなり、売上の向上も期待されるという意見もあり(よほど悪質なケースでない限り)プレイ動画が削除されないのは、メーカー側が黙認している状況にあるためである。
権利者やゲームによっては非営利かつ一定の条件下であれば、実況を含めたプレイ動画の投稿を容認している場合もあり、セガから発売されている『ぷよぷよ!!』の「ひとりでぷよぷよ」のみ、動画の投稿を容認している。他にも、『グランツーリスモ5』でプレイ動画をYouTubeにアップロードする機能が備わっている。一方、『王様物語』、『ディシプリン*帝国の誕生』、『レッドファクション:ゲリラ』など、メーカーが宣伝目的で公式に公開する事例も見られる。また、PlayStation 4やXbox Oneでは生配信機能が搭載されており、視聴者側では「観戦」するだけなく「アクション」も可能となっている。
動画の投稿を禁止する態度を示すこともあり、2011年にアダルトゲーム制作会社の「Aile」がニコニコ動画にプレイ動画を上げた人に対し「正規購入ユーザーのゲームを楽しむ権利を貶める、愚弄する行為には徹底交戦する」と徹底抗戦をしき、示談金で和解した。宣伝になるという意見に対しデータの少なさを指摘しながらも、一本道のゲームは特に被害が大きいと語り、またアンケートで「ニコニコ動画を見て買った」と回答したのは一人だけだったという。著作権侵害の動画で経営をしているとも取れるニコニコ動画のあり方にも苦言を呈している。
また、ニコニコ動画内で「実況動画チャンネル」が新設され、公式な実況動画が配信されるような仕組みも設けられた。しかしこれを用いて実況ができるのも、それ以前に実況動画で人気を出さなくてはいけないという現状もある。
平均10万再生の大物実況者たちの現実
- レトルト - 就職浪人ニート中
- 最終兵器俺達 - 20代後半高卒フリーター
- ガッチマン - 会社を辞め実況業に専念(妻子あり)
- もこう - 都内一流企業に新卒就職するも実況で欠勤しまくりクビに
- ヤフミ - 30代無職
- キヨ - 30代フリーター
- タイチョー(いい大人たち) - 40代コンビニバイト
- フェンリル - 20代都庁勤務既婚
参考文献
- 日本デジタルゲーム学会「動画共有サイトとゲーマーコミュニティの可能性」その1
- 日本デジタルゲーム学会「動画共有サイトとゲーマーコミュニティの可能性」その2
- 日本デジタルゲーム学会「動画共有サイトとゲーマーコミュニティの可能性」その3
- ゲーム実況の歩みと現状,そして今後の展望とは。「黒川塾(十参)」聴講レポート
関連項目
- リプレイ (ゲーム)
- 江戸清仁、近藤史一 - スタジオえどふみ所属。ゲーム実況によるプロモーションを請け負う
- ゲームセンターCX
- プロ・ゲーマー