醤油だんご

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醤油だんご (醤油団子、しょうゆだんご)という名称の団子は、日本全国に様々な形態のものが存在しているが、ここでは盛岡市の「醤油だんご」について述べる。

盛岡市の「醤油だんご」は、約5個の団子竹串に刺して、生醤油をかけた串団子である。 岩手県の盛岡市中央近辺でのみ作られ、食べられている[1]。この醤油だんごは、同県で作られている南部煎餅と同様に、保存食として作られた日本の古い団子の作り方である。

いわゆる全国の団子の歴史の中で過ぎ去った通過点であり、廃藩置県前の各地方がずんだ餅などそれぞれの特色を出した中、あえて古い製法でもって作られていた物が、盛岡市周辺に残り今にいたる。これと同じ製法の団子は、今の所他都道府県では見当たらない(情報求む)[2]

現在、ウィキメディア・コモンズには、醤油だんごに関連するカテゴリがあるが、これらは全て【みたらし団子】である。


概要

日本では【醤油団子】と言えば、砂糖醤油を混ぜた葛餡をかけて作られるみたらし団子を指す地方が多い。しかし、砂糖によって甘さを付け加えている御手洗だんごと違い、盛岡の「醤油だんご」は生醤油のみを使い、少量の醤油を塗る事によって団子本来が持つ甘みを引き立てている。この他、東京都埼玉県にも醤油のみで味付けをした串に刺した焼き団子が存在し、これらも「醤油団子」と呼ばれ、「みたらし団子」とは区別されている。

御手洗団子・ずんだ団子などに比べればカロリーは断然少なく、盛岡の「醤油だんご」は団子の大きさも御手洗だんごよりは小ぶりであり、どちらかというと菓子よりも食事・ファーストフードの感覚で食べられている。


盛岡市内の餅屋では毎日作られており、賞味期限はほぼ一日である。これは、御手洗団子のように団子を砂糖でコーティングした物と違い、団子を常に外気に晒している状態である為、乾いて硬くなってしまうからである。スーパーでの販売の場合はラップで包装しているが、それでも数日が限界である。

これにより、醤油だんごは冷凍販売が出来ず(一度凍らせると解凍と共に団子が溶ける)、真空パックでの販売も事実上不可能であり、現地にて製造した物を食べる以外方法が無い。

盛岡市出身の著名人・俳優の自伝などで時々、「他県で醤油団子を食べたが、あれは醤油団子ではない」という文章が見られる。


脚注

  1. 同県・同市内部でも県外部(あるいは南部藩としての外部)に行くほど醤油だんごの姿は消え、郭公だんごで有名な一関市仙台藩領であった大船渡市近辺では御手洗団子である。
  2. 岐阜県飛騨地方で、醤油を付けてあぶり焼きにしたみだらしだんごが作られている。これも古い団子の製法の一つで、飛騨地方近隣のみあるという



関連項目