ファイナルファンタジーVIII
ファイナルファンタジーVIII (日本国内のデータ) | |
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ゲームジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション(PS) Windows(Win) |
開発メーカー | スクウェア |
運営メーカー | |
発売メーカー | スクウェア・エニックス Win版:エレクトロニック・アーツ・スクウェア |
バージョン | |
プレイ人数 | 1人 |
ソフト媒体 | [PS]CD-ROM4枚 [Win]CD-ROM5枚 |
稼動時期 | |
運営開始日 | |
発売日 | [PS]1999年2月11日 |
販売価格 | |
利用料金 | |
使用ブロック数 | |
対象年齢 | |
コンテンツアイコン | |
使用可能デバイス | |
必要環境 | |
使用ゲームエンジン | |
使用基板 | |
販売本数 | 全世界合計:約804万本 日本国内:約369万本 海外:約435万本 |
その他の情報 |
『ファイナルファンタジーVIII』(-エイト、FINAL FANTASY VIII、略称: FF8)は、1999年2月11日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売されたRPG。ファイナルファンタジーシリーズのメインシリーズ8作目に当たる。
日本での販売数は約369万本。ファイナルファンタジーシリーズ中最高の国内販売本数であり、プレイステーションソフトとしては販売本数第2位となる(一位はドラゴンクエストVII エデンの戦士たち)。またWindows版が1999年10月3日にいくつかのバグが修正された状態で発売されている。
目次
概要
前作の成功を受け、ハリウッドとの連携や200人体制により予算が前作から倍以上に。独特なキャラクターカスタマイズシステムと、PS史に残る美麗なムービーとシリーズ初の主題歌をかかげ発売された。主題歌『Eyes On Me』は、洋楽チャート2週連続首位を獲得するなど、世間一般に「ファイナルファンタジー」の名を知らしめ、その後のシリーズに強く影響を与えた作品でもある。
また当時、カスタマイズを初めとする従来のシリーズからは異彩を放つ様々な新システムや、当時としてはクオリティの高いムービーによるイベントが多い一方で、それに伴った長い間干渉できないという進行部分があり、新しいファン層を獲得すると共に旧シリーズのファン(ゲームメディア含む)からは批判的な意見が続出するなど、賛否両論であった。発売前や発売直後はTVでもよく取り上げられ、社員がリポーターの前でプレイしてみせる等、かつてないプロモーション量で、TVやラジオ番組などで活躍する芸能人の間でもよく話題になっていた。
また、洋画『チャーリーズ・エンジェル』にも僅かに登場している。商業的には、シリーズにおいて国内最高の売り上げ本数を記録している。
ストーリー前半は学園の中でのSeeDという役割の為に主人公(スコール)が冒険し、様々な不思議な体験をすることとなる。後半は魔女となったヒロイン(リノア)を助けるべくストーリーが展開していく。シナリオには宇宙ステーションや大陸弾道ミサイルを筆頭とする機械的な要素と、魔女の力や魔物を筆頭とするファンタジー要素が併存している。また、記憶の中に時々入り込んでくる、もう1人の主人公(ラグナ)の方面から過去のストーリーが展開されていくのもFF8の醍醐味である。
一時は、VII、IXと共にプレイステーション2にリメイクするという話もあったが、中止されている。
システム
本作ではキャラクターのステータスを上げるための、「ジャンクション」と呼ばれるシステムが導入されている。これは、武器や防具に代わって「召喚獣」や「魔法」を装備するという独特な概念である。また、敵キャラクターのレベルが味方キャラクターのレベルに合わせて上昇するため、低いレベルでのゲームクリアが容易になっている。他にもストーリー全編に渡ってプレイできる独自のトレーディングカードゲームが存在する。
ジャンクションシステム
本作では、武器の概念こそ存在するものの、キャラクターの強化は基本的にG.F.(Guardian Force: いわゆる召喚獣)と魔法のジャンクションによって行うことになる。G.F.をジャンクションすることで、能力値のうちのいくつかに魔法をジャンクションできるようになり、魔法のジャンクションにより各種パラメータの数値が上昇する。(魔法をはずすと能力値は元に戻る。)普通にレベルを上げてしまうと敵も強くなるため、このシステムによるパラメータの強化が実質的な戦闘力の強化となる。
G.F.の能力には魔法ジャンクションの他にも各種コマンドやパラメータに関するアビリティが設定されており、これらを利用することでG.F.の召喚や各種の特殊行動が可能となる。
各能力値を個別に強化したり、バトルで使うコマンドを自由に変更できるカスタマイズ性の高さが特徴だが、ジャンクションをせずにバトルをすると非常に弱くて使い物にならない(アイテムすら使えない)事態となるため注意が必要である。強制的にジャンクションが交換・外される不親切な場面も多く、ストーリーの後半では主人公がプレイヤーに「他のメンバーが戦闘するかもしれないのでジャンクションをセットしよう」「いまはセットしなくてもいい」等と注意をするようになる。シリーズ中でも育成や攻略要素が特に高いシステムだが、この辺りの理解できないと圧倒的に不利になったり新ルールを強制しておきながら外見が旧態依然で不親切であったりする箇所はゲームデザイナー本人や他のスタッフからも後に苦言がでた。(前者は成長システムを単純に戻したFF9で、後者は既存のシステムを捨て新システムのみに合理化したFF10でそれぞれ発言)
魔法
過去のファイナルファンタジーシリーズと違い、MPを消費して魔法を使うのではなく、個数制の魔法をストック・消費する。各キャラクターが持てる魔法は32種類、1種類につき最大100個。
魔法は使うためというよりも、ステータス強化のためのジャンクションという要素の方が強い。強力・貴重な魔法ほどジャンクションでの能力値上昇が大きくなる傾向があり、ジャンクションした魔法を消費してしまうと能力値が下がるため、使うのがためらわれる場合が多い。
それに加え、バトルで魔法を使う必要に迫られる場面が少ない。ジャンクション次第で物理攻撃が魔法での攻撃よりも強力になる場合が多く、さらに「かいふく」「そせい」「ちりょう」といった回復魔法の代用になるコマンドまで用意されている。
魔法は、バトル中にモンスターから「ドロー」することで入手できるほか、G.F.のアビリティによってアイテムから精製できる。またフィールド・ワールドマップ上にある「ドローポイント」からも入手可能。
G.F.(Guardian Force)
ゲーム中には21種類のG.F.が登場するが、それらは16のジャンクション可能なG.F.と、5つのジャンクション不可能なG.F.(乱入型G.F.)に分類される。ジャンクション可能なG.F.を各キャラクターにジャンクションすると、バトル中に使用できるコマンドを増やすことができ、その内の1つ「G.F.」コマンドで召喚魔法を発動することができる。
各G.F.のジャンクション能力はそれぞれ異なる。能力値の強化やバトルに役立つ付加効果はもちろん、アイテムから魔法を精製したり、メニューからショップを呼び出す能力を持ったG.F.も存在する。G.F.の持つジャンクション能力やアビリティは特殊なアイテムによってある程度カスタマイズできる。
ジャンクション可能なG.F.を召喚する場合、実際に召喚されるまでの待ち時間はキャラクターに代わって敵の攻撃を受け止める。このため各G.F.にはHPが設定され、専用のHP回復アイテムも存在する。なおこの待ち時間はG.F.を呼ぶごとに若干短縮されるが、逆にそれに反する属性のG.F.を召喚するための時間が延びる傾向にある。また、アイテムの中に特定のG.F.を呼ぶための時間を短縮できる物がある。召喚にかかる待ち時間は「相性」というパラメータに依存しており、ステータス画面でキャラクターごとの各G.F.との相性を確認する事ができる。
召喚魔法のエフェクトの間、コントローラーの□ボタンを連打することでダメージがアップする、「おうえん」というアビリティがある。これは長いエフェクトの間にユーザーは待たされるだけになるという意見を汲んだものである。しかし闇雲に連打し続けても逆に弱くなるケースがある(画面上に"×"マークが表示されているときに□ボタンを押してしまうと75%まで落ちてしまう)。
ジャンクション可能なG.F.はバトル終了後に入手する経験値・APによって成長する。レベルが上がると召喚魔法がより強力になり、APによってジャンクションアビリティを習得していく。
なお、今作にはファイナルファンタジーVのギルガメッシュが乱入型G.F.として再登場を果たしている。
武器
武器は「ジャンク屋」というショップで、所定のアイテムを使い改造してもらうことで強化できる。改造すると攻撃力・命中率が上昇するほか、主人公スコールの場合は使える特殊技の種類が増える。なお、いったん武器を改造した後でも、材料さえそろえれば以前の武器に改造しなおすことが可能である。
従来の防具に当たるものは存在せず、防御力等の強化は全てジャンクションで行う。
経験値・レベル
経験値・レベルも存在するが、ジャンクションシステムによってその意義が薄れている。本作ではプレーヤーキャラのレベルと連動して敵のレベルが上昇するようになっているが、一方プレーヤーキャラはレベルを上げなくてもジャンクションで十分強化することができるためである。
これを利用して、APは入手するが経験値は入手しない方法(コマンド「カード」・「たべる」を使う)で敵を倒すことにより、敵が強くなるのを避けつつキャラクターを強化し楽にゲームを進めることが可能になる。そのため、全員初期レベルのままでのクリアも、内容理解・テクニックがあればさほど難しくない。
所持金
本作はバトルに勝利してもお金の入手ができないため、お金の入手のほとんどは「給料」「物品売却」の2種類に頼ることになる。
給料はスコール達がSeeD試験に合格した後、一定歩数を満たすごとに所持金に加算される仕組み。給料額はSeeDレベルで変化し、最大額はA(エース)ランクの30,000ギル。
SeeDレベルは、チュートリアルの筆記試験をクリアすれば上昇するほか、ストーリー上のミッションの成功/失敗や戦闘回数および内容により、給料振込み時に上下することがある。なお振り込み時にレベルの変動がなくても表示されない小数点以下の部分で変動している(ちなみに最高のAランクの時にわずかでもマイナスになる評価が出た場合レベル30に落ちてしまう)。
今作では高い確率で敵がアイテムを落とすようになっているため、アイテムの入手は容易である。また、敵の落とすアイテムは敵のレベルによって変化する。
特殊技
バトル中にHPが残り少なくなると、「たたかう」コマンドの横にマークが出て各キャラ固有の特殊技が発動できる場合がある。また魔法「オーラ」が掛かることにより、HPが減っていなくても特殊技が発動しやすい状態になる。逆に特殊技を封じられるステータス異常「カーズ」も存在する。基本的に残りHPが少なかったり何らかの不利なステータス異常を起こしているなど、味方が不利なほど(=ピンチ度が高いほど)特殊技の効果は上がる(オーラ状態の場合はランダム)。
ジャンクションによって各キャラの個性は希薄化されるため、大胆に言えば特殊技はキャラが個性を発揮する唯一の要素である。その際男性キャラクターの特殊技は連続攻撃系(物理系)であり、女性キャラクターの特殊技は特殊な効果(魔法系)を持つ傾向がある。ただしゲストキャラたちはその限りではない。なお、アイテムによる知識の習得や武器の改造により、新しい特殊技が使えるようになることがある。
- スコール「連続剣」 剣で敵を数回斬った後、一定確率で「フィニッシュブロー」を放つ。ピンチ度が高ければ連続剣の回数が増え、より強力なフィニッシュブローが発動しやすい。武器を改造すると新しいフィニッシュブローを習得し、最強のフィニッシュブローはライオンハート入手時に習得する「エンドオブハート」。
- リノア「コンバイン」 ペットのアンジェロと力を合わせて攻撃。「ペット通信」でアンジェロに新しい技を覚えさせられる。最強の技は「ウィッシュスター」。またシナリオ終盤になると「ヴァリー」というもう1つの特殊技を使えるようになる。操作不能になるが、所持している魔法をランダムで発動。しかも威力は普通時の5倍となり、消費もしない。
- ゼル「デュエル」 コマンドを入力して格闘攻撃。制限時間が設定され、素早いコマンド入力が求められる。一部の技は「格闘王」を読まないとコマンドが表示されないが、コマンドを押せば発動可能。ピンチ度が高いほど制限時間が伸びる。なお、「ヘッドショック」「ラッシュパンチ」を繰り返すだけで大ダメージを与えられる(スコールの連続剣+エンドオブハートを越えることも可能)。格闘王005で覚える技「俺式ファイナルへヴン」は発動時、惑星を一周してからパンチというとんでもない演出がなされている。
- セルフィ「スロット」 ランダムに魔法が選ばれるので、好きに選びなおして好みの魔法になったらそれを放てる。専用の魔法が4種類用意されており、味方全員のHPを完全回復する「フルケア」、味方全員を「シェル」「プロテス」状態にする「ウォール」、敵を吹き飛ばす「レビテガ」、アンデッドでなければどんな敵でも一撃必殺の最強魔法「ジエンド」とがある。ピンチ度が高ければより強力な魔法が出やすい。
- キスティス「青魔法」 敵が落とすアイテムを使用することにより、その敵が使う技を使用可能。目からビームを放つ「メーザーアイ」や「臭い息」等、美貌からは想像もつかない技もある。各技にはピンチ度に応じた威力のレベルが設定されており、ピンチ度が高ければ技が強力になる。最強の技は核爆発を起こし上限無視ダメージの「ショックウェーブ・パルサー」。
- アーヴァイン「ショット」 制限時間内に敵に向かって銃を連射。専用の弾を使用するのだが、弾の種類によって効果やリロード時間が異なる。厳密には最強の技は波動弾を用いる「ハイパーショット」であるが、波動弾の精製に多大な苦労を要するため、実用性は低い。また、「アーマーショット」の方が強力であるとの声も根強い。ピンチ度が高ければ制限時間が伸びる。
カードゲーム
正式名称は「Triple Triad」といい、プレイヤーとコンピュータが1対1で交互に縦3×横3のマス目にカードを配置していくゲーム。カードの強さと戦略性が勝負を分ける。
世界各地の街の人などに□ボタンで話しかける事でプレイできる。カードは主にモンスターの絵が描かれ、カードゲームに勝った相手から奪う、または、バトルで「カード」コマンドを使ってモンスターを倒すことで入手できる(戦利品として入手できる場合もある)。1枚しか所持できない、G.F.やプレーヤーキャラが描かれた「レアカード」も存在する。
カードには、4辺に1~10(Aと表示される)の10段階の数字が書かれていて、場にカードを置いた際、隣接する相手のカードと、接した辺同士で数字を比べあう。そして自分のカードの方が大きい数字だった場合に相手のカードを奪う事ができる。このルールは勿論、敵がカードを置いた場合にも適用される。この他、地域ごとに、以下の特殊ルールが様々な組み合わせで設定されており、それに応じた戦略が要求される。特殊ルールの組み合わせは、主人公達があちこちでカードゲームをやる事で少しずつ変わってゆく。
- オープン - 両プレイヤーとも手札を公開してプレイする。
- プラス - 場にカードを置いた際、既に場にあるカードと接する面の数字の和が等しい組み合わせが2つ以上できた場合、その組を構成する相手カードを奪う事ができる。このルールはエレメンタルによる数値変更の影響を受けない。
- セイム - 既に置かれたカードと同じ数値で接する組み合わせが2つ以上できた場合、その組を構成する相手カードを奪う事ができる。また、外周をAとして組み合わせのカウントに含めることができる上位ルール「ウォールセイム」もある。このルールも同じくエレメンタルによる数値変更の影響を受けない。
- なお、プラスまたはセイム成立時に、奪ったカードが隣接するカードに勝っている場合には、隣接するカードも続けざまに奪う事ができる。
- エレメンタル - 属性が設定されたマスに、同じ属性のカードを置けば全方向の数字に+1の修正が与えられ、異なる属性や無属性のカードには-1の修正が与えられる。
- ランダムハンド - 手持ちのカードの中からランダムで5枚が手札として選ばれる。
- サドンデス - 引き分けの場合、ゲームが終わった時点でそれぞれの側にあったカードを新しく手札として再戦を行い、勝敗が決まるまでそれを続ける。ゲーム終了後のトレードでは、ゲーム開始時のカードの組み合わせに戻して行う。
また、ゲーム終了後に行われるカードのトレーディングにも方式がいくつかあり、地域ごとのトレーディングルールの伝搬なども細かく設定されている。
カードは、他の部分と独立したミニゲームという訳ではなく、G.F.アビリティ「カード変化」を使う事で普通のアイテムに変化させられる。特にG.F.やプレーヤーキャラが描かれたレアカードは、入手困難なレアアイテムに変化させられる点が大きな魅力である。
また、バラムガーデンにはこのカードゲームの強豪プレイヤーによる組織「CC団」が存在しており、パーティーメンバーの内1人も加入している。
おでかけチョコボRPG
本作ではポケットステーション用のミニゲーム「おでかけチョコボRPG」が存在する。そこでは、ゲーム本編で入手困難、あるいは全く入手できない貴重なアイテムを入手できることがある。
レアアイテムの入手しやすさはポケットステーション本体の固有IDでランク分けされており、高ランクほど貴重なアイテムを入手しやすい。 本編ゲーム中における効果が高いアイテムほど入手率の差が大きく(本編中で入手不可能なアイテムのひとつ「リボン」を例にすると50倍の差)、IDは通信対戦によって書き換えることができるものの、不公平感は否めない。
なお「おでかけチョコボRPG」はポケットステーションを持っていなくてもWindows版の公式サイトからダウンロードすることで遊ぶことが可能。公式サイトからダウンロードすることのできる「おでかけチョコボRPG」には前作「ファイナルファンタジーVII」の音楽が一部使われている。もちろんPS版にデータを移行することはできない。
その他
意外と見落としがちだがコンフィング画面にあるチュートリアルで、ストーリー背景や基本操作・説明書には載っていない「ちょっとしたコツ」をいつでも見ることが出来る。
バグ技
一つの魔法を何カ所でもジャンクションできるという裏技(マルチジャンクション)があり、たとえばアルテマをすべての能力に反映することもできる。これを用いると非常に簡単にキャラクターが強くなる。
但し、このバグ技はWindows版で修正されている。
主題歌
本作ではファイナルファンタジーシリーズとしては初めての主題歌が起用された。ただし主題歌以外では、これ以前にもボーカルソングが存在する。スタッフの中にフェイ・ウォンのファンがおり、歌い手を誰にしようかと悩んでいた時に集められたCDの中に彼女の曲があったことで、フェイ・ウォンに決まったという。ゲームの挿入歌でありながらEyes On Meは記録的なヒットとなり、1999年の日本ゴールドディスク大賞を含む数々の賞を受賞している。なお、ゲーム中では様々なアレンジが流される。
- OP: Liberi Fatali
- ED: Eyes On Me
- 作詞: 染谷和美
- 作曲: 植松伸夫
- 歌: フェイ・ウォン
ちなみにゲーム中でたびたび流れる「FITHOS LUSEC WECOS VINOSEC」はアナグラムで並び替えると「SUCCESSION OF WITCHES’LOVE」となり、本作のテーマのひとつ「魔女の愛の継承」を意味する。
ハングアップの問題
発売後、一定条件下でエスタに入った時にゲームの進行が停止するという問題が発覚し、新聞などで大きく取り上げられた。この問題は以下の条件を全て満たした時に発生する。
- Disc3でトラビア渓谷でのラグナのイベントを見る前に、セントラ遺跡の時間制限イベントをクリアしていない。
- ラグナのイベントの後にセントラ遺跡の時間制限イベントに挑戦する。
- 戦闘中に時間切れになった際に再挑戦を選ぶ。
尚、このハングアップ問題はWindows版では発生しない。 またアルティメットヒッツ版(再販版)では修正されてないため、このバグについて注意事項の用紙が入れられている。
世界観
国家・地域
本作の世界は、大別して4つの国とそれ以外の地域に分けることができる。
- バラム公国
- 美しい海と温暖な気候に囲まれた、小さな島国。SeeDと呼ばれる傭兵集団を抱えるガーデンがある。「バラムフィッシュ」が名物。
- ガルバディア共和国
- 強大な軍事力を持つ西の大国。共和制とは名ばかりの独裁国家であり、終身大統領の恐怖政治によりその国力は成り立っている。ガーデンはあるが、中立的なバラム・トラビアと異なり、軍人の養成所としての面が強い。
- ティンバー
- 森と湖の国。かつては独立国であったが、豊富な天然資源を狙った隣国ガルバディアに侵攻され、主権を失った。ガルバディアの占領下にあるが、「森のフクロウ」などのレジスタンス組織の抵抗が根強い。
- トラビア
- 北方の雪国。ガーデンはバラムガーデンと親交が深く、SeeD筆記試験に合格した者を派遣して実地試験を受けさせている。なお徴兵制を採用しているため、全国民はガーデンでの軍事訓練の義務を負う。北部には人とは異なる姿をしたシュミ族の村がある。
- エスタ
- 優れた科学技術を誇る東の大国。魔女戦争の際、世界中を敵に回して戦った。17年前に突如外界との接触を断ち、それ以来「沈黙のエスタ」と呼ばれている。(参照#エスタの沈黙)
- ドール公国
- ガルバディア大陸東端に位置する小国。かつての大国、神聖ドール帝国の名を残すが、その面影は感じられない。この世界では数少ない電波塔を保持している。
- F.H.(フィッシャーマンズ・ホライズン)
- エスタの技術者達が分離独立して興した街。かつてはティンバーとエスタをつなぐ橋の中間に位置する駅であったが、完成後程なくしてエスタが外界との接触を断ち、駅としての役目はなくなった。駅であった名残から、街の長は駅長と呼ばれている。
- セントラ
- 過去に起きたモンスターの大量降下現象「月の涙」で滅んだ地域。荒涼とした荒れ地のどこかに古い遺跡がある。
魔女と疑似魔法
『ファイナルファンタジーVIII』における魔法は、「魔女」と呼ばれる、特別な力を持った女性だけが持つ能力である。他の人間や魔物もそれに似たものを使えるが、それは威力の小さい擬似的なものであり「疑似魔法」と呼んで区別される。バラムガーデンではG.F.との相乗効果による疑似魔法の強化法が研究され、ある程度の威力を持った疑似魔法の使用が可能となっているが、「真の魔法」は、物語中では敵の魔女と、「ヴァリー」状態のリノアが使うものが確認されるに過ぎない。
疑似魔法の能力自体はモンスターや、各地に存在するドローポイントと呼ばれる魔力があふれ出ている場所から、その魔力を取り出す(ドロー)ことで獲得できる。獲得した魔法を魔法として使うほかにも、G.F.を介して装備することにより自己の強化が可能。しかしG.F.を装備することが使用者の記憶の欠落を誘発しているという批判もあがっており、特にガルバディアガーデンはG.F.の利用に対し否定的な立場を取っている。このため、ガルバディアガーデン出身のアーヴァインはスコールたちが忘れていた孤児院時代のことをしっかりと覚えている。
魔女は自らが持つ魔力を使い一般の者を恐怖に陥れたと伝えられているが、魔女の全てがそうだったのではない。自らの力を忌み嫌い、終生隠遁生活を送っていた者もいると言われる。また魔女の中には信頼の置ける男性を「魔女の騎士」として側に置き、魔女であることの不安に共に立ち向かった者もいると伝えられている。なお、魔女の力はその血筋には全く関係なく、その資質を魔女に認められて力を継承されることによって代替わりしており、また魔女はその力を持ったまま死ぬことはできない。
なお作中において「世界を創造したハインが自らの半身を人間に与えたとき、その半身は力を持たない抜け殻であった」という伝承が登場するが、ここで言及されている「力を持った方の半身」が魔女の起源かどうかについては示されていない。
エスタの沈黙
『ファイナルファンタジーVIII』に登場する都市や国家の内、エスタを除く各地の間は多かれ少なかれ交流が存在するが、エスタだけは他の国と接触を持たず沈黙を保っている。これは17年前にエスタで大規模なクーデターが発生して以降、エスタが諸国との接触を断っているためである。このエスタの断交は「エスタの沈黙」と呼ばれている。
17年前、エスタは強大な力を持った魔女「アデル」に支配されていた。アデルは、自らの力を継承する器となる女性を捜すため、世界各地に兵を送り暴虐の限りを尽くしていたが、とある事件を機に宇宙に追放、封印された。外部からのアデルへの意識の接触を防ぐために、強力な電波を発生する装置を使用しているため、これ以降長距離通信(電波放送など)は行えず、テレビの放映等はケーブル通信を用いている。
登場キャラクター
メインキャラクター
- スコール・レオンハート (Squall Leonhart) 年齢17歳
- 主人公。バラムガーデン所属のSeeD候補生。ガンブレードという特殊な武器を使用する。無口で無愛想な上、常に他人と距離を置いた姿勢をとる孤高の人。ただ、ガーデン内の成績はトップクラスで、彼に一目置く者も少なくない。サイファーに一方的にライバル視されており、額の傷はサイファーとの訓練中(実際は決闘さながらの真剣勝負)でつけられたもの。実は孤独な生い立ちで、他人を思いやるほどの心的余裕がなかったのだが、リノアとの出会いを機に、徐々に行動的で熱い男に変貌していく。なお「KH」シリーズにおいては年齢、容姿、更に名前(本名は同じだがKHでは「レオン」と名乗っている)までもが大幅に変更されている。(カード:ラグナ所持)
- リノア・ハーティリー (Rinoa Heartilly) 年齢17歳
- 本作のヒロイン。ティンバーのレジスタンス組織「森のフクロウ」のメンバー。明るく勝ち気で、直情的な性格。スコール達にクライアントとして関わり、物語序盤からスコールに想いを寄せるようになる。ブラスターエッジという、チャクラムを飛ばして攻撃する武器を使用する。彼女のキャラデザインは野村哲也であるが、ファミ通のインタビューによればシナリオ担当の野島一成との連絡ミスで、当初予定していたキャラとは違うものになっていたとのこと。ちなみに、彼女の独特なセリフや仕草は、野村氏の意向によるものである。(カード:カーウェイ大佐所持)
- ゼル・ディン (Zell Dincht) 年齢17歳
- 出身地バラムでは「暴れん坊ゼル」と呼ばれていたほどの、やんちゃなSeeD候補生。校則違反の常習者で風紀委員にマークされており、ガーデン内の成績もいまいちな通称「チキン野郎、弱虫泣き虫ゼル」。反面、様々な情報に精通している自称「物知りゼル」。また、手先が器用で、見本があれば複製品の指輪を作ることができる。学食のパンに強い憧れを抱いているが、いまだに口にしたことはない。高い格闘能力を持ち、戦闘ではグローブを着用してのパンチを得意とする。(カード:ゼルの母所持)
- キスティス・トゥリープ (Quistis Trepe) 年齢18歳
- バラムガーデン所属のSeeD兼教官。チェーンウィップという鞭を使用する。才色兼備の女性で、ガーデン内にファンクラブもできるほどの人気者。最年少でSeeDや教官になるほどのエリートであるものの、故に挫折には不慣れで苦悩することも多く、その素質を疑問視する教官もいる。敵の技を覚え、使用する青魔法の使い手でもある。(カード:トゥリープFC会員所持)
- セルフィ・ティルミット (Selphie Tilmitt) 年齢17歳
- バラムガーデンと親交が深いトラビアガーデンからの転校生。武器として「ヌンチャク」を使用する。天然ボケな発言とは裏腹に、ゼルすら凌ぐ行動力と体力の持ち主で、転校早々空位であった学園祭実行委員になる。頭の中では常にトラビア弁(関西弁に似た方言)で物事を考えている。スコール同様「KH」シリーズにも登場しており、外見などは似ているが年齢が違う。(カード:セルフィの親友所持)
- アーヴァイン・キニアス (Irvine Kinneas) 年齢17歳
- ガルバディアガーデンの生徒。狙撃を得意とし、戦闘ではショットガンを扱う。女の子を見ると片っ端から口説くなど軽い男に見えるが、それはポーズであり、本来はナイーヴな性格。スコール達が見失った、重大な秘密を心に隠している。セルフィに好意を抱いており、口調もそれとなくセルフィに似てくる。(カード:カードクイーン所持)
サブキャラクター
ラグナ、キロス、ウォード、そしてエルオーネ(後述)の年齢については、スコールの夢の時間軸が本編の展開とスコールの年齢から約18年前という推定が成り立つため、その点を鑑みて記載している(詳細は最高級のネタバレなので記載しない。知りたい方はエンディングをすべてみること)。
- ラグナ・レウァール (Laguna Loire) 年齢44~45歳(スコールの夢の中では27歳)
- 時々スコールが見る夢の主人公。ことわざ、更には人の名前ですら間違える事が多く、緊張すると足が攣るなど、おっちょこちょいな人物。しかしながら周囲を惹きつける熱い心と実直さを持ち、キロス、ウォードを始め彼を慕う人物は多い。ガルバディア兵から記者、俳優など様々な紆余曲折を経て、エスタと関わることになる。使用武器はマシンガン。特殊技はマシンガンの乱射+手榴弾の「デスペラード」。(カード:エルオーネ所持)
- キロス・シーゲル (Kiros Seagill) 年齢40~41歳(スコールの夢の中では23歳)
- ラグナに対するツッコミ役的存在。褐色の肌と、独特な服のセンスを持つ。特殊技「ブラッドペイン」ではカタールで6度相手を切り刻む。趣味はラグナそのもので、『ラグナなしの人生は考えられない』とは本人の弁。(カード:カードクイーン所持)
- ウォード・ザバック (Ward Zabac) 年齢42~43歳(スコールの夢の中では25歳)
- ラグナ、キロスの仲間。大柄な外見に似合わずよく喋り、表情豊か。ただし途中から全く喋らなく(喋れなく)なる。その後は主にキロスが「通訳」を買って出ている。使用武器はハープーン。(カード:オダイン博士所持)
- サイファー・アルマシー (Seifer Almasy) 年齢18歳
- スコールより1歳年上のSeeD候補生で、学園一の問題児にもかかわらず何故か風神と雷神を連れて風紀委員長を務める。同じガンブレード使いであり、実力伯仲のスコールを猛烈にライバル視している。とっくに正SeeDになっていそうな実力の持ち主だが、自己中心的で好戦的な性格ゆえ万年候補生に甘んじている。最終的にはバラムガーデンを抜け出し、イデアと出会い、永年のロマンティックな夢だった「魔女の騎士」となり、その後何度もスコール達と戦うことになる。ちなみに「魔女の騎士」に憧れるようになったのはラグナ主演の「魔女の騎士」を題材とした映画を幼少期に見たからであり、サイファーの戦闘に於ける構え方は、この映画の中でラグナが使った構え方である。余談だが犬が嫌いで風紀委員長からのお知らせにも校内への犬の持ち込み不可について記されている。序盤(SeeD試験時)に一度仲間としてパーティに参加する。特殊技は「始末剣」。フィニッシュブローは「雑魚散らし」(パーティー参加時使用可)、「鬼斬り」、「血祭り」の3種。(カード:シド所持)
- イデア (Edea)
- ガルバディアに突如現れた妖艶な魔女。スコールをはじめとするメインキャラクターたちとは浅からぬ関係がある。実はある未知の魔女に操られていた。エスタへ向かうとき、一時的に仲間としてパーティに加わる。特殊技は「魔導」。(カード:イデア所持)
その他のキャラクター
- シド・クレイマー (Cid Kramer) 年齢40代
- バラムガーデン学園長。穏和な性格で生徒たちの信頼も厚いが、ある事情からイデアとの戦いから逃げ出してしまった。何故かスコールを特別視している。
- 雷神 (Raijin) 年齢18歳
- サイファーを慕うバラムガーデンの風紀委員。語尾に「~だもんよ」を付ける。弱音を吐くなどすると、風神から強烈な喝を叩き込まれる。虫が好きらしい。名前のとおり、雷属性の技、魔法を使う。
- 風神 (Fujin) 年齢17歳
- サイファーを慕うバラムガーデンの風紀委員。隻眼の女性。発言の大部分が漢字のみで構成される。しかしあるイベントで普通のしゃべり方をする。雷神が弱音を吐くなどすると、強烈な喝を叩き込む。名前のとおり、風属性の技、魔法を使う。
- ニーダ (Nida)
- スコール達と一緒にSeeD試験に参加し合格。ガーデンを動かす程の人物になりたいと思っていたところ、物語中盤から物理的な意味でガーデンを動かす人物になる。存在感が薄いというコンプレックスを持っていながら、ガーデン納涼カード大会で優勝するなど、意外と目立つ機会が多い。
- シュウ (Xu)
- スコール達の先輩のSeeD。スコール達が受けた実地試験では任務の説明をしていた。リーダーシップに優れ、緊急事態が起こったときは率先してSeeDをまとめる。キスティスとは同じ趣味を持つからかかなり親しい。
- エルオーネ (Ellione) 年齢21~22歳(スコールの夢の中では4歳)
- 生まれながらに、物語の鍵となる特殊な能力を持つ少女。通称エル。幼いころに両親を戦災で亡くし、ウィンヒルに住むレインに引き取られる。ラグナとは家族ぐるみの付き合いがあった。その能力ゆえ、数奇な半生を過ごすこととなる。
- ジュリア・ハーティリー (Julia Heartilly)
- かつてガルバディアで有名だった歌手。リノアの母で、彼女が5歳になる前に他界している。ラグナの憧れだった人。
- フューリー・カーウェイ
- ガルバディア軍大佐。少佐時代に歌手のジュリアと知り合い結婚。リノアの父親であるが、親子仲は良好ではない。
- アデル (Adel)
- 過去にエスタを独裁し、世界中を恐怖に陥れた魔女。現在は消息不明となっている。
- レイン(Raine)
- エルオーネの幼少時代の保護者。ガルバディア領ウィンヒルに住んでいた。辺境での任務で重傷を負って担ぎ込まれたラグナを介抱する。
- ドドンナ (Dodonna)
- ガルバディアガーデンの学園長兼マスター。後に魔女イデアに迫害され、ガーデンから追放される。カーウェイ大佐とはカード仲間でもある。
- ノーグ (NORG)
- バラムガーデンのマスター。シドにガーデン設立の金銭援助を行った。金銭に欲深い性格であり、それが外見にも表れている。シュミ族。
- アンジェロ (Angelo)
- リノアの愛犬。尻尾がないのが特徴。数々の能力で飼い主をサポート。犬なのにドッグフードが大の苦手で、ホワイトチョコレートをはじめとした人間の食べ物を好む。特殊技「コンバイン」では、犬とは思えない攻撃力や格闘テクニックを披露。
- オダイン博士 (Dr.Odine)
- エスタの魔法科学者。擬似魔法やG.F.のジャンクションを発見・開発した、魔法研究の第一人者である。天才でありながら子供のような振る舞いが多く、人格的に問題がある人物。バカ殿のようなファッションに「~でおじゃる」という口癖が特徴。
スタッフ
- エグゼクティブプロデューサー: 坂口博信
- プロデューサー: 橋本真司
- キャラクターデザイン、バトルビジュアルディレクション: 野村哲也
- ディレクター: 北瀬佳範
- イベントディレクター: 千葉広樹
- シナリオ: 野島一成
- 音楽: 植松伸夫
- イメージイラストレーション、タイトルロゴデザイン: 天野喜孝
- バトルデザイン: 伊藤裕之
- メインプログラマー: 成田賢
- アートディレクター: 直良有祐
- ムービーディレクター: 榊原幹典
他多数
参考文献
- FINAL FANTASY VIII ULTIMANIA (ISBN 4-925075-49-7、ISBN 4-7575-1243-0)
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