法の華三法行
法の華三法行 (ほうのはなさんぽうぎょう) とは、福永法源を教祖とする新宗教である。教義を「最高ですか~!?」など単純で分かりやすいスローガンにし連呼させるマインドコントロール手法により布教していった。最盛期には都内の東海道新幹線線路や首都高速道路から見える位置に「天行力」の大看板(ネオンサイン)を掲げ、教義を全国に展開していた。機関紙は「さくら新聞」。
概要
1980年設立、1987年に宗教法人化され、教祖の著書の配布、足裏診断などの活動で教団を拡大した。静岡県富士市に、「天声村」と称する本部施設があった。1996年時の公称信徒数は10万人。
しかし、「足裏診断」と称する個人面談で不安を煽って、「法納料」等の名目で多額の金銭を納めさせた行為が、詐欺罪に問われ、2000年に教祖を含む教団関係者が逮捕される。集めた金額は1000億円以上で、事件発生当時、かつての豊田商事事件に次ぐ大型詐欺事件であった。2001年、教団は破産、解散した。
また、2005年7月現在、逮捕された教団関係者については、既に詐欺罪で有罪判決が出ている者が大半であり、有罪が確定した者もいる。教祖福永法源については、2005年7月15日、東京地裁にて懲役12年(求刑懲役13年)の判決を言い渡され、2006年12月1日、控訴審の東京高裁でも維持された。2008年8月29日、最高裁でも上告が棄却され、刑が確定した。
足裏診断
「天の気は頭から入って足から抜ける」との独自仮説により、足の裏を見ればその人の健康状態から仕事の悩み・家庭の悩みなど全てが判ると説いた。「足裏」には指圧のツボがあり健康に関係があると広く知られていることを利用し、独自の教義を加えたものと思われる。足裏診断の手法や相談者への説得手法を記載した「足裏診断マニュアル」を作成し、教団関係者に教育徹底していた。
関連用語
- 天声
- 天行力(教祖の超能力で宇宙エネルギーのこと)
- 頭を取る(「アタマを取る」とも書く。理性による判断ではなく、思考停止による盲従を説く)
- 「最高ですか~!?」「最高です!」(現在この瞬間が最高と思えるようにならねば、決して幸せは来ないとの教え)
- 足裏診断(「足裏鑑定」ともいう。)
- 七観行
- 天声村(教団本部)
- 三法行(法唱、法筆、法座をする行)
- 般若天行(教団の経典)
- 法唱(般若天行を唱えること)
- 法筆(般若天行を写経すること)
- 法座
- 人間完成
- 天納金(信者から集めた金銭)
- 生態哲学博士(教祖が「学位」と称するもの)
- アースエイド(出版事業を行う教団関連会社。2001年、破産)
- 超宗
- ゼロの力学
- 右脳塾院
参考文献
- 別冊宝島編集部 編 『「カルト」の正体。』 ISBN 4796616853
- 『「救い」の正体。』(ISBN 4796694617) の改訂文庫化
- 米本和広 『教祖逮捕―「カルト」は人を救うか』 ISBN 4796617191
- 須賀一郎 『福永法源の解剖―法の華はなぜ批判されるのか』 (批判書のようだが最後は擁護) ISBN 4434001078
- 蓮見恵司 『もう、がまんできない―法の華事件の真相』 (信者側からの反批判) ISBN 4876935181
- 行者一同 『私たちはなぜ法の華を信じたのか』 (信者たちによる反批判) ISBN 4872572262
- 段勲 『宗教か詐欺か その見分け方―“神”一重の現場を歩く』 ISBN 4898001394
- 吉田司 『新宗教の精神構造』 ISBN 4048838458
- 『宗教ニッポン狂騒曲』 ISBN 4163446508 の増補改訂版
外部リンク
- 天華の救済(教団の後継団体のサイト)2006年10月開設
- 心軽やかにな~れ♪ 法の華・真実と気づき(元信者の教団批判サイト)(閉鎖)