「ストーカー規制法」の版間の差分
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ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカーこういとうのきせいとうにかんするほうりつ、平成12年5月24日法律第81号)は、2000年(平成12年)11月24日に施行された日本の法律。通称はストーカー規制法。「桶川ストーカー殺人事件」を契機に議員立法された。
概説[編集]
ストーカーを規制する法律。規制対象となる行為を、公権力介入の限定の観点から、恋愛感情に関するものに限定する。
ストーカー行為は親告罪で、罰則は6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金である。また、警察は警告書による警告ができ、この警告に従わない場合、都道府県公安委員会が禁止命令を出すことができる。命令に従わない場合には1年以下の懲役または100万円の以下の罰金となる。また、告訴する以外に、被害者の申し出により警察が弁護士の紹介や防犯アラームの貸し出しなど、国家公安委員会規則に基づく援助を定める。女性だけでなく、男性も保護対象である。
2012年11月に発生した逗子ストーカー殺人事件を受けて、2013年6月26日に平成12年の本法成立以来初の改正案が衆議院で可決、成立した。改正の主な点は、
- 執拗なメールを付きまとい行為に追加
- 被害者の住所地だけでなく、加害者の住所地などの警察も警告や禁止命令を出せるようにする
- 警察が警告を出したら被害者に知らせ、警告しない場合は理由を書面で通知する
など。2013年8月1日、改正法に追加された「執拗なメール」容疑で初の逮捕者が出た。
規制対象[編集]
本法律にいう「ストーカー行為」は、つきまとい行為を反復して行うことである(2条2項)。そして、つきまとい行為 「つきまとい等」を以下のように定義する(2条1項各号)。
- 住居、勤務先、学校その他通常所在場所でのつきまとい・待ち伏せ・進路立ちふさがり・見張り・押しかけ
- 監視している旨の告知行為(行動調査など)
- 面会・交際・その他義務のないことを行うことの要求
- 著しく粗野な言動・著しく乱暴な言動
- 無言電話、連続した電話・FAX(ファックス)・メール
- 汚物・動物の死体等の送付等
- 名誉を害する事項の告知等
- 性的羞恥心を侵害する事項の告知等
ただし、本法律の規制対象となる「つきまとい等」とは、目的を、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する」ことにおく行為であって、また、その行為の相手方は、「当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」であることも要する(2条1項柱書)。
また、上記1 - 4については、「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る」(2条2項)。
制定経緯・適用実績[編集]
法施行前は、エスカレートしたストーカー行為は名誉毀損罪や脅迫罪で取り締まれる事例もあるが、そこまでエスカレートする前段階では拘留や科料しか罰が規定されていない軽犯罪法違反くらいでしか取り締まりができなかった。しかし、1999年に埼玉県桶川市でストーカーが女子大生を殺害した「桶川ストーカー殺人事件」を契機に、法規制が求められた。
従来は、弁護士などの第三者を介し、当事者と話し合う場を設けて平和的に解決する方法も良いとされていたが、近年では同種問題が生命の危険に関わる事件にも発展しやすいとされ、警察への通報と法的な処分、つきまといを禁じる措置の適用が選択される。
2003年において、警察庁によれば、相談件数は2万2,226件、ストーカー事案として取り扱った件数は1万2,024件、警告が1,164件、検挙が14件であり、交際相手による事案が過半数だが、第2位の配偶者・元配偶者・内縁関係のものによる事案は1,420件で13.2%に当たる。