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2018年2月10日 (土) 02:29時点における版
水着(みずぎ、swimwear、swimsuit、swimming suit)は、プールや海で運動、遊泳もしくは潜水用に着用する衣服のことである。水泳用、潜水用など様々な物があり、デザイン、構造、素材など多くの点で異なる。
水着の歴史
海水浴が海に面した地域の人々だけで行われていた古代〜近世では、「海水浴のための特別な衣服」を用意するという認識は一般的ではなく、下着姿や着古した普段着、時には裸で水につかることが多かったと見られている。一方ポンペイで発掘された壁画では、女性が後のビキニによく似たツーピースの覆いを着けている様子が描かれている。
鉄道網の発達により、一般の人々が海浜地域に出かけることが容易になった1800年代には、水に濡れても肌が透けて見えないようにサージやフランネル・アルパカなどの生地で作られた、肘丈の袖のついた服と膝まで覆うパンツの上下そろいの服(「上下そろい」を意味する「スーツ」という単語がついた、スイミングスーツswimming suitの語源はこれ)が着用された。1900年代に入ると胸ぐりの深い、袖なしのメリヤス製水着が登場、以後肌の露出部分が大きいデザインへと変化していく。
1907年に「水面下のバレリーナ」との異名で有名だったアネット・ケラーマン(オーストラリア出身のスイマー・女優、英仏海峡の水泳横断に挑戦した最初の女性)がアメリカを訪問、これまでの上下そろいで水中の動きを妨げる水着よりも動きやすい、首周りや手足が露出したワンピース型の水着をボストンビーチで着用した際、公然わいせつ罪で逮捕される事件が起こった。体の線がはっきりと現れるワンピース水着は、大胆で活動的な新しい水着の形を社会に示しただけでなく、女性の権利を拡大する運動が盛んだった当時、アネットによる「女性が(活動的な)ワンピース水着を着る権利」のアピールとして受け入れられた。
1920年頃には短いスカートのついたキルト式水着や、スカートを省略し上下を一体縫製した、半月型の深い胸ぐり(スコップでえぐったような胸ぐり、の意味でスクープド・ネックと呼ばれた)と身頃から裁ち出した幅の広い肩ひもを持った「タンク・スーツ(Tank suit・タンクは水槽、室内プールを指した)」が流行した。活動的・機能的なタンクスーツのデザインは日本で「スクール水着」として知られている学童用水着に継承されている。
1946年にはフランスのデザイナー、ジャック・エイムによってビキニと名づけられた肌の露出の大きいツーピース水着が発表される。「ビキニ」の名は水着の刺激的な印象と当時行われたビキニ環礁での原爆実験の衝撃的な印象が結び付けられたこと、またビキニ島周辺の原住民の伝統的な服装に由来するといわれている。また1964年には、アメリカのルディ・ガーンリックによりビキニのブラジャーを省略した「トップレス」が発表された。
1970年代後半には脚回りの裁ちを高くした「ハイレグ・カット」が登場、伸縮性・耐塩素性の高いストレッチ素材(ナイロン、ポリウレタンなどの合成繊維)が一般的に採用されるようになった。ロサンゼルスオリンピックの開催された1984年以降には、フィットネスクラブやスイミングクラブで健康づくりの一環として水泳を楽しむ、競泳選手以外の人々が増加。競泳水着やこれを基にしてデザインされた体型補正機能を備えた水着の市場が拡大した。
デザインの違う複数の水着を、場所(海岸・プール・リゾートなど)や目的(レース・フィットネスとしての水泳・海水浴や水遊び・ファッションとして着る、魅せる楽しみなど)によって使い分けることが定着している。
使用目的による分類
運動用
競技やフィットネスに用いられる水着。体を動かす支障にならないこと、脱げにくいこと、(特に競泳において)水の抵抗を減らすことが求められる。競泳用水着、スクール水着、フィットネス水着など。過去、競泳選手は水着自体による水の抵抗を減らすために肌の露出度を高める傾向があり、男子はブリーフ型、女子はハイレグ型が一般的であった。2000年代頃から水着の素材や表面の模様を工夫することによって、水着表面の抵抗が肌の抵抗を下回るようになると、首、手首または腕、足首を除き、全身を包み込む様な物等が普及し始め、長尺の水着を使用する事が多くなった。オリンピック競技などの水着は新素材・ハイテク素材が積極的に投入されている。ライフセーバーにおいても同様の全身を包み込む様な物等が普及し始めているが、これらは危険回避や体温の維持などを重視した物が多い。
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