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2015年7月20日 (月) 10:32時点における最新版

少年院(しょうねんいん)は、家庭裁判所から保護処分として送致された者を収容するための施設(少年院法1条)。懲役禁錮の言い渡しを受けた16歳に満たない者のうち、少年院での矯正教育が有効と認められたものを、16歳に達するまで収容することもできる(同法1条、少年法56条3項)。これを「少年院収容受刑者」という。少年院は警察や裁判所に前歴が残るだけで前科は公に出ない。

法務省矯正局が管轄する(少年院法3条)。

種類[編集]

2015年5月まで[編集]

少年院には次の4種類がある(同法2条1項~5項)。医療少年院を除けば、それぞれに男子と女子に別々の施設が設けられる(同条6項)。女子を収容する少年院は、正式名称ではないが女子少年院とも呼ばれる。なお、漫画(『激!!極虎一家』)に登場する「極等」は存在しない。

初等少年院
心身に著しい故障のない、おおむね12歳以上おおむね16歳未満の者を収容する。
中等少年院
心身に著しい故障のない、おおむね16歳以上20歳未満の者を収容する。
特別少年院
心身に著しい故障はないが犯罪傾向の進んだ、おおむね16歳以上23歳未満の者を収容する。ただし、16歳未満の少年院収容受刑者も収容できる。
医療少年院
心身に著しい故障のある、おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する。
関東医療少年院 (東京都府中市
神奈川医療少年院 (神奈川県相模原市
宮川医療少年院 (三重県伊勢市
京都医療少年院 (京都府宇治市

2015年6月から[編集]

2015年6月から改正少年院法の施行に伴い、次の3種類に区分され名称変更される。

第1種少年院
従来の初等少年院と中等少年院に相当。
第2種少年院
従来の特別少年院に相当。
第3種少年院
従来の医療少年院に相当。

矯正教育[編集]

少年院は、収容者に矯正教育を授ける(同法1条)。少年院の矯正教育は、在院者を社会生活に適応させるため、生活指導、教科(義務教育で必要な教科、必要があれば中等教育に準ずる教科)、職業補導、適当な訓練、医療を授けるものとされている(同法4条)。そのため、少年刑務所などとは定義が全く異なる。

担当のスタッフは、法務教官若しくは、法務技官と呼ばれる。

処遇課程[編集]

少年院の処遇課程には、特修短期処遇(4か月以内での仮退院を目指す矯正教育メニュー)、一般短期処遇(6か月以内程度での仮退院を目指す矯正教育メニュー)、長期処遇(12か月以内程度での仮退院を目指す矯正教育メニュー)、超長期処遇(12か月以上かけて矯正教育を授けるメニュー)があり、これらの処遇課程の振り分けは、短期処遇については、家庭裁判所の処遇勧告に従うのが原則とされ、長期処遇については、比較的長期(18か月程度)や相当長期(24か月以上)などの勧告を尊重することとされる。

少年院の中でも、特に一般短期処遇や特修短期処遇の者を収容する施設や女子少年院では、例えば○○学院、○○学園、○○女子学園などのように、在院者が社会復帰後、履歴書に在院歴を記載しても殊更に目立たないような配慮がなされている。職業訓練を実施する少年院には、○○技能訓練所という別称があり、資格証明書などを発行する際に用いられている。

他の教育施設との違い[編集]

素行不良の幼少者を収容し、従来の生活環境から切り離して教育を施す施設としては、少年院以外にも児童自立支援施設(旧称・教護院)があるが、児童自立支援施設は、家庭裁判所の保護処分以外にも、知事や児童相談所長といった児童福祉機関による児童福祉法上の措置として入所する場合があるのに対して、少年院は、家庭裁判所の保護処分による入院しか行われない点が異なる。

家庭裁判所がいずれの施設に入院・所させるかを判断する際には、その少年に対する教育効果を上げるためには、規律ある生活を送らせるのがよいのか、家庭的な雰囲気で成長を促進させるのがよいのかという視点が重要とされており、前者に該当する場合、少年院への入院が選択される。


関連項目[編集]

外部リンク[編集]