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2014年8月10日 (日) 20:17時点における版

グリーンライン(正式名称:横浜市高速鉄道4号線〈よこはましこうそくてつどう4ごうせん〉)は、神奈川県横浜市中山駅 - 日吉駅間の13.1km(地下区間10.7km、地上区間2.4km)を結ぶ横浜市営地下鉄の鉄道路線である。丘陵を通ることからグリーンラインと呼ばれている。都市計画法に基づく都市高速鉄道としての名称は、「横浜国際港都建設計画都市高速鉄道第5号市営地下鉄4号線」である。

2008年3月30日に開業した。Green Lineという愛称から、GLと略されることもある。

概要

本路線は「横浜環状鉄道」の一部である。2001年1月に着工され、2008年3月30日に正式開業した。車両は鉄輪式リニアモーター駆動方式が導入され、最高速度は80km/hでリニア式地下鉄では最高速度となった。またリニア式地下鉄の営業区間としては初の地上区間もある(非営業区間では福岡市地下鉄七隈線の車両基地が地上にある)。中山駅から川和町駅へ登る区間に当路線では最も急な58の勾配がある[注 1]

横浜線から港北ニュータウンを横断して日吉駅で東急東横線目黒線へつながる路線であるため、田園都市線へ流れている中山・鴨居付近と港北ニュータウンの通勤客が日吉経由で東横線へ流れる効果や、横浜線中山駅と港北ニュータウンの結節による横浜線沿線と港北ニュータウンの通勤通学経路の確立が期待された。

当初は2007年中に全線開業の予定だったが、日吉 - 日吉本町間の一部画地の地権者の同意が得られなかった。一時は部分開業なども検討されたが、土地収用法に基づく裁決申請が2004年12月に行われた。その後2006年11月16日に申請通り裁決され、同年12月13日付で横浜市交通局は2008年3月末に全線開業を目指すと発表した(その後、2008年1月8日に、正式な開業日を同年3月30日とすることを発表した)。

各駅には、ホームドアエスカレータおよび大型のエレベーターが設置されたほか、新たに休憩スペースが設置された。また、ステーションカラーは、各駅個別に設定され、駅の壁にはステーションカラー電光帯2線はいった灰色ボートが設置されている。これは、電車が接近すると破線になり進行方向に流れるものである。

グリーンラインには開業日から9月30日までの平日の14時から17時(当初予定)で、全国で初めて車内に「スマイルマナー向上員」が配備される。これは横浜市営地下鉄が導入している全席優先席で譲るマナーが、車内の自動放送だけでは促進されないため、車内にいる利用客に席を譲ってくれるよう向上員が声をかけ、モラルやマナーをさらに浸透させる狙いがある。また、現在は客とのトラブルを避けるために、同時に警備員も配備されている。

開業時からPASMOに対応しているが、パスネットマリンカードについてはブルーラインと接続するセンター南駅センター北駅を除き自動改札機・券売機・精算機では対応をせず、窓口精算のみ対応を行っている。

キャッチフレーズは、『人to街to暮らしをつなぐ』。

開業後1か月間の利用客数は53,129人と低迷し、事前の需要予測の104,000人(当初の予測は13万7,000人)を大幅に下回る結果[1]であったが、その後、港北ニュータウンへの人口集積と商業施設や企業立地による就業人口の増加に伴い、1日当たりの乗車人員は、2013年度は平均125,696人となり、ほぼ一貫して増加傾向にある[2]。 開業以来、無事故である。

路線データ

運行形態

全列車各駅に停車し、日吉 - 中山間を通しで運転する。区間運転は無いが、車庫のある川和町駅から中山駅間は入出庫の回送列車が多数設定されている。

2008年3月30日の開業ダイヤ

  • 平日
    • 早朝・深夜:10 - 15分間隔
    • 朝ラッシュ時:4分20秒間隔
    • 日中:7分30秒間隔
    • 夕ラッシュ時:6分間隔
  • 土曜・休日
    • 早朝、深夜:10 - 15分間隔
    • 上記以外:7分30秒間隔

2010年4月1日からのダイヤ

開業以来初めてのダイヤ改正の内容は

  • 朝ラッシュ時の増発
  • センター北・センター南両駅でのブルーラインとの接続改善
  • 日吉駅での東急線との接続改善
  • 毎金曜日の臨時最終列車の定期列車化
  • 利用実態に合わせた減便・修正

である。同日にはブルーラインもあわせてダイヤ改正を行った。

  • 平日
    • 早朝、深夜:10 - 15分間隔
    • 朝ラッシュ時:3分50秒間隔
    • 日中:7分30秒 - 10分間隔
    • 夕ラッシュ時:6分間隔(ラッシュのダイヤを1時間遅めに変更)
  • 土曜・休日
    • 早朝、深夜:10 - 15分間隔
    • 朝間、夕間:6分~8分間隔
    • 日中:7分30秒→7分30秒→15分サイクル(その後、2011年4月1日のダイヤ改正で10分間隔に変更)

車両

  • 10000形 - 開業時に4両編成15本の60両が導入された。2014年3月29日より増備車として、4両編成2本の8両が導入された。

駅一覧

駅番号 駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線 地上/地下 所在地
G01 中山駅 - 0.0 東日本旅客鉄道横浜線 地下 緑区
G02 川和町駅 1.7 1.7   地上 都筑区
G03 都筑ふれあいの丘駅 1.4 3.1   地下
G04 センター南駅 1.7 4.8 横浜市営地下鉄:Subway YokohamaBlue.png ブルーライン(B29) 地上
G05 センター北駅 0.9 5.7 横浜市営地下鉄:Subway YokohamaBlue.png ブルーライン(B30)
G06 北山田駅 1.7 7.4   地下
G07 東山田駅 1.4 8.8  
G08 高田駅 1.5 10.3   港北区
G09 日吉本町駅 1.3 11.6  
G10 日吉駅 1.4 13.0 東京急行電鉄東横線目黒線

延伸計画

横浜市営地下鉄#計画事業中路線を参照。

本路線は1960年代より横浜市六大事業の一環として港北ニュータウンとともに構想されてきた高速鉄道事業であり、「横浜環状鉄道」の一部として日吉駅から鶴見駅中山駅から二俣川駅東戸塚駅上大岡駅根岸駅方面へ延伸する計画がある。

2011年5月現在、横浜市内には郊外区拠点を環状型に連続して結ぶ基幹交通網に全線完成したものが無いため、グリーンライン延伸による市域一体化への期待は大きい。特に横浜市における主要な生活拠点(旧:副都心[3][4]とされる地域を接続する意味でも重要な路線である。なお環状型の交通網として唯一、都市計画道路環状2号線が存在するが、これは既成市街地エリアの外周部を環状に結ぶ幹線道路であり、郊外部を環状型に結ぶ交通網は鉄道・幹線道路共に全線完成していない。

グリーンラインの整備効果

JR横浜線中山駅東横線目黒線日吉駅を港北ニュータウンを経由して結ぶ路線であり、横浜線の多摩地域方面と横浜市都筑区の港北ニュータウンへの移動経路を確立した。また都市計画道路の整備が遅れている横浜市において渋滞等により定時性維持が困難になりつつあるバスに変わる代替輸送機関として環境負荷を下げる効果をもたらしたともいえる。

脚注

注釈

  1. 国土交通省による新鉄道技術省令の解釈基準では、リニアインダクションモーター推進方式の鉄道の勾配は最大で60‰と規定されているため、基準の範囲内となっている。

出典

  1. 横浜市営地下鉄:グリーンライン開業1か月 乗客数目標の半分 /神奈川 - 毎日新聞2008年5月29日
  2. 市営地下鉄 グリーンライン(駅、月別乗降車人員) - 横浜市統計ポータルサイト、2013年10月閲覧
  3. 横浜市都市計画マスタープラン(全体構想)平成25年3月発行。編集・発行、横浜市都市整備局企画部企画課。
  4. 上大岡が副都心に選ばれた理由、そして副都心の定義とは?(はまれぽ.com 2012年8月19日)

関連項目

外部リンク