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2014年8月8日 (金) 22:46時点における版
竹井 聖寿(たけい せいじゅ)とは、千葉県柏市の通り魔殺人犯である。
目次
事件概要
2014年3月3日午後11時半すぎ、竹井は千葉県柏市あけぼの5の路上で、会社員・池間博也さん(31)の首などを複数回刺して殺害し、現金などが入ったバッグを奪った。
一連の事件は約10分間にわたり、約50メートルの範囲で発生。自転車に乗っていた男性(25)が竹井に呼び止められ、刃物を払いのけた際に左手を切られ軽傷を負った。その直後に池間さんが刺された。続いて、近くに停車中のワゴン車に乗っていた男性(44)が「金を出せ。もう人を殺している」と脅され、財布を奪われた。さらに、別の車を運転していた男性(47)が倒れていた池間さんを発見し、降りた隙に車を奪われた。
車は現場から約1.5キロ離れた市内のコンビニの駐車場で見つかり、防犯カメラには、4日午前0時ごろ、竹井が徒歩で立ち去る様子が映っていた。
「金奪おうと思った」
池間さんと同じマンションに住む自称無職、竹井聖寿(24)を強盗殺人で逮捕した。マンションは現場から約20メートルの至近距離にある。竹井は「金を奪おうと思った」と供述し、一連の襲撃事件すべてについて関与を認めている。
池間さんらとは面識がないといい、詳しい動機や経緯を調べる。
現場周辺の聞き込みや、防犯カメラの映像で容疑者を特定。5日夕、竹井を立ち会わせて自宅を家宅捜索し、供述通りに凶器とみられる刃物を見つけた。
任意同行求められ、容疑者「チェックメイト」
柏署捜査本部は、竹井聖寿が、男性4人が襲われた事件のうち池間さん殺害に関与した疑いが強いとみて、任意で事情を聞いていた。竹井は4日夜、報道陣の取材に応じ、「犯行現場を見た」などと話していた。
県警の捜査員は5日朝、竹井が住むアパートに向かった。「分からないことがあるので、警察署に来てほしい」。捜査員が任意同行を求めると、竹井容疑者は「チェックメイト」と答えて素直に応じたという。
笑い声、馬乗り、牛刀…竹井容疑者、報道陣に「犯行見た」と“一部始終”説明
「感情が高ぶった」「金を取る目的で刺した」。
竹井は素直に容疑を認めているというが、事件の翌日には、報道陣に「犯行を見た」と冗舌に証言していた。自宅マンションの家宅捜索では、会社員の池間博也さんを殺害した凶器とみられる刃物なども見つかった。
「チェックメイト」。逮捕された竹井聖寿は、5日朝に捜査員から任意同行を求められ、チェスで「詰み」を意味するこの言葉をつぶやいたという。自宅は、事件現場から20メートルほどの場所にあるマンションの4階。1階には殺害された池間博也さんも住んでいた。近所付き合いは少なかったとみられ「(容疑者と)面識がない」というマンション住民が多かった。
竹井は千葉県警の家宅捜索にも立ち会ったが、捜索終了後はマンション前で見守る報道陣や近隣住民らをにらみつけ、自らマスクを外し、意味の分からない言葉で怒鳴るなど、興奮した様子を見せた。
一方、事件翌日の4日夜には現場で取材をしていた産経新聞など報道陣に「犯行を見た」と話していた。
竹井は「3日午後11時半ごろ、『おいこら』という怒鳴り声が聞こえたので、玄関から外をみると、(池間さんと犯人が)もみ合っていた」と説明。取り囲んだ報道陣に臆する様子もなく証言した。
さらに「犯人は手に30センチほどの長さの刃物を持っており、暗闇でもギラギラ光っていた」「犯人は『ハハハ』と笑い声を上げたり、奇声を上げたりしながら、牛刀のようなもので倒れた男性に馬乗りになり、背中を何度も刺していた」と状況を細かく話した。池間さんについて問われると「面識はない。同じマンションの住人が刺されているなんて分からなかった」。犯人は「身長約175センチで黒ずくめ」などと答えた。
不可解な部分もあった。犯人が車を奪った状況について、竹井は「(犯人は)たまたま通りかかった車の前に立って止め、運転していた男性を引きずり出した」と証言。しかし県警によると、犯人は人が倒れているのを不審に思った男性が、車を止めて降りたときの隙を見て、男性の車に乗り込んだという。事件の目撃者は容疑者以外にも複数いたが、「犯人が笑っていた」と証言したのは竹井1人だけだった。
「(事件を)撮影した6分くらいの動画もある」とも主張。報道陣から動画の提供を求められると、「事件の解決に一役買いたいが、警察に『外にもらすな』といわれた」などと釈明し、提供しようとはしなかった。さらに「もし、犯人が同じマンションに住んでいたら怖い」として、テレビカメラに対しては「顔を写さないでね」「音声も変えてほしい」などと、繰り返し要望していた。捜査幹部は「容疑者からのビデオの提供はない」と話しており、竹井の作り話だった可能性が高い。
犯罪心理に詳しい臨床心理士の長谷川博一氏は竹井の行動について「アリバイ工作的に虚偽証言をするケースは考えられるが、自ら語ることは通常は考えられない。犯行直後の興奮状態の中、冷静な判断を欠き、『だれかに話したい』という心理が働いたのではないか」としている。
逮捕1週間。ネット知人に60万円借金。生活に困り犯行か
竹井聖寿が、インターネット上で知り合った知人から事件前に約60万円の借金をしていた。県警柏署捜査本部は竹井が金銭に困っていたことを裏付けるものとみて調べている。
同日で逮捕から1週間。竹井は7日に事件について黙秘に転じたが、雑談には応じ、かつて受けたいじめの体験などについて話している。
「人と面と向かって話すのは疲れる」。
5日夜の逮捕後、連日続く取り調べでこう話しているという竹井。職に就かず1人暮らしで、普段は近くのコンビニに行く以外はあまり外出せず、捜査関係者は「ひきこもり」に近い状態だったとみている。だが、ネットのチャットサイトなどは頻繁に利用し、事件数週間前にはネット上の知人に対し、「何か大きいことをしてやる」と話していたという。
「金を取る目的で刺した」と当初話していた竹井は現在、事件についての供述は拒んでいるが、小中学校時代にいじめられた経験や家庭環境の悩みなどを口にしているという。
逮捕直後には「普段考えていること」を問われ、「ハイジャックをして東京スカイツリーに突っ込んで、社会に報復したい」と答えるなど、犯行の背景には社会への不満があったともみられる。しかし、ある捜査関係者は「結局は金目的で短絡的な犯行ではないか」との見方を示す。
竹井は以前は親の援助を受けて生活し、ネット上のプロフィルでは「セレブニート」を自称。だが、捜査関係者によると、最近は援助を絶たれ、生活保護を受けていた。約60万円の借金も生活費のため借りたとみられ、返済に困っていた様子があるという。
逮捕前後には不可解な言動が目立ったが、取り調べに整然と受け答えをしていることなどから、捜査本部は刑事責任能力に問題はないとの見方を示しており、引き続きネット上での知人らから話を聞く方針。
通り魔犯人はニコ生主だった
「スマホで事件の様子を撮影した」と嘘をつき、金銭を要求していた。また、男は以前からニコニコ生放送やYouTubeなどに動画を投稿し、ナイフなどを自慢していた。