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2018年2月14日 (水) 22:19時点における版
阿比留 瑠比(あびる るい、1966年 - )は日本の新聞記者。『産経新聞』政治部記者で、2011年現在は首相官邸キャップを務める。
目次
経歴
福岡県太宰府市出身。福岡県立筑紫丘高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業後、1990年産経新聞社入社。仙台総局、文化部(生活班)、社会部を経て政治部へ異動。政治部では内閣記者会(首相官邸担当、キャップ)、外務省兼遊軍担当を務めたのちに再び首相官邸担当に異動、現在は2回目となる首相官邸キャップを務めている。
発言・主張
ブログ
ブログの筆致は自民党右派(清和政策研究会)には好意的、自民党左派(宏池会他)には批判的。
以下のような傾向がある。
- 河野洋平を「江の傭兵(江沢民の手先、という当てこすり。日本で江と同音の紅、つまり共産主義にも掛けている)」と非難していた。
- 安倍晋三に対して非常に好意的で、2007年2月にブログをまとめた自著の出版祝賀会には安倍内閣の閣僚や安倍の側近議員が参加した。そのことにからめて、同氏を敵視している上杉隆は「出版記念パーティーには安倍官邸の錚々たるメンバーが参加した。紙面に載せられないような内容もブログで堂々と公表している。民主党のような勢力を蛇蝎のごとく嫌っている。ブログにも頻繁に民主党への攻撃がエントリーされる。代わりに安倍に対しては驚くほどの共感を表明している。阿比留は、偏ることを恐れない。もはや他の記者とは違う世界に存在している。ペンの力で安倍政権を支えるという、政治的使命を抱いた「運動家」なのだ」と阿比留を批判した。
- 自民党支持者と思われがちだが、本人は安倍に代表される保守的政治信念を支持しているのであり、自民党そのものを支持しているわけではない。2008年1月に日本文化チャンネル桜の番組「日本の自衛隊」にゲスト出演した際、「自民党はすでに賞味期限が切れている」「小泉さんの登場で自民党は再生したのではなく、寿命が延びただけ」と述べているほか、同党の派閥政治についても非難している。SANKEI EXPRESSの自身のコラムでも同様の認識を示している(2008年11月1日付)。
歴史観
- アメリカ下院でのマイク・ホンダ議員らによる従軍慰安婦問題についての対日謝罪要求決議案を代表例として、韓国や中国の対米ロビー活動があると指摘している。中韓に迎合するかのような発言をした人物を「反日日本人」と断ずる。
- 現在は第二次世界大戦末期の沖縄戦における集団自決について主に取材を行っている。阿比留は同問題に対し、沖縄の「村社会的な同調圧力」の存在や米軍による占領政策の存在について注視している。
- 同問題が従軍慰安婦問題における、本来の論点だった「軍による組織的な強制連行」から「狭義・広義の強制性」に論点がずらされていったように、軍による「組織的な自決強要の有無」から「関与」に論点移動させる傾向があるとして、この問題が鈴木内閣の際の近隣諸国条項作成や宮沢内閣の総辞職寸前に発表された河野談話と同じ轍(てつ)を踏まないよう警告している。
- 文部科学省が2007年3月、集団自決を強制とする記述について「軍が命令したかどうかは明らかといえない」との検定意見をつけた結果、「日本軍が配った手榴(しゆりゆう)弾で集団自害と殺しあいをさせ」との表記が「日本軍が配った手榴弾で集団自害と殺しあいがおこった」などと修正された(2007年10月4日産経新聞)ことについて、それによって軍の関与削除と他紙が伝える中、軍の関与自体はそのまま残されていると主張しているのは産経新聞一紙のみであり、2007年12月28日の産経抄においても修正された教科書内容を他紙が 「『軍の関与』復活」(朝日新聞)「『日本軍関与』が復活」(毎日新聞)「集団自決『軍の関与』記述」(読売新聞)「『軍の関与』認める」(日本経済新聞)「軍関与の記述復活」(東京新聞)と伝える中でも軍の関与は元々削除されていないと主張している。この一連の産経新聞のみの軍の関与報道について、2007年12月27日の自身のブログで「「集団自決」にかかる主語の「日本軍」が削除されたので、日本軍の関与が無くなった」との指摘に対して「そういう部分もあるでしょうが、日本語では主語が明確でなくても、関与を否定・削除したということにはならないと思います」と反論している。
- 映画「南京の真実」の取材を行っている。
対・東アジア
「特定アジア」の呼称を広める運動をおこなうなどしており、前述「江の傭兵」のようなネットスラングも多用する。
対・民主党など
- 自治労や日教組などの労働組合、連合などの支援を受ける民主党に対する批判記事も多い。
- 土井たか子元衆議院議長の学歴詐称疑惑について取材を行ったこともある。
- 菅直人前首相のことを講演やブログで「人もどき」と呼んでいる。
テレビ出演
2008年1月には、日本文化チャンネル桜の一番組である「日本の自衛隊」にゲスト出演。福田首相が自衛隊による栄誉礼を拒否したことを批判した。また同年11月および12月にも同番組に出演している。
政治記者として
- 小泉純一郎の靖国参拝に関しては、「小泉は就任した2001年の終戦の日に参拝を断行する考えでいたが、それ阻止したのが福田康夫と山崎拓である」と自らの取材を基に断言していた。また、小泉の皇室典範問題への認識に関しては、「小泉氏は、そもそも女性天皇と女系天皇の違いがわかっていなかったのではないか」と述べている。
- 2006年7月20日に昭和天皇がA級戦犯を靖国神社へ合祀したことに反対していたとされる富田朝彦元宮内庁長官の日記(富田メモ)を日本経済新聞が掲載した際には、翌21日の産経新聞(東京版)で特集記事を掲載し、天皇の政治利用と小泉純一郎首相(当時)の終戦の日の参拝に反対する動きを強く牽制している。
- 2007年の第21回参議院議員通常選挙で自民党の苦戦が予想されると、2ちゃんねるに「安倍と一蓮托生」の阿比留は、自民が40議席を割れば「さすがにやばく、サンスポか夕刊フジで雑巾がけ」、35議席未満ならば「関連会社出向。リビング程度で済めばいいけど」という書き込みがあったことを自ら明らかにした。
- 郵政造反組復党問題では復党を是としていた。郵政民営化反対派の中には平沼赳夫や古屋圭司といった保守派の大御所的存在が含まれていた経緯から造反組には半ば同情的であったが、安易に倒閣運動に走った姿勢についても同時に批判を加えている。
- 郵政選挙後には八木秀次に取材を行っている。八木は阿比留の取材に対し、「日本の保守が瓦解するのではないか」と危機感を述べている。
- ただし、保守派に激しく批判されている小泉内閣の規制緩和・構造改革路線やグローバリズムに関しては一定の理解を示している。
- 人権擁護法案上程の動きの根について、阿比留は山崎拓と部落解放同盟との政治的癒着にあるとしている。これは落選していた山崎が補欠選挙への出馬の際に、部落解放同盟が選挙協力と引き換えに同法案成立を要求したことが発端であると、自らの取材の結果明らかであるとしている。
メディア(マスコミ)観
新聞記者でありながら、現在の日本におけるメディアの報道姿勢には懐疑的である。チャンネル桜に出演(2008年12月9日)した際に「自分がメディアの中にいてこんなことを言うのは恥ずかしくて仕方ないが、メディアに良識を求めても仕方がない。メディアにそんなものはない」と述べている。
対人関係
- 漫画家の小林よしのりの作品は、同郷ということもあり、幼少時からファンだったと告白している。それゆえ、産経と小林が親米・反米、「親小泉」・「反小泉」を巡り対立関係にある状況を嘆いている。また、中学時代に小林のアシスタントに誘われたエピソードがあり、小林から「阿比留君へ」と書かれた『東大一直線』の色紙をプレゼントされたこともある。
現状
- 外務省兼遊軍担当から再び内閣記者会へ異動となった。
- 最近のブログでは自社の経営の行く末を懸念している。
著書
- 『永田町取材日記阿比留のブログ―国を憂い、われとわが身を甘やかすの記』(産経新聞出版、2007年2月)ISBN 978-4902970982
- 『政権交代の悪夢』(新潮社、2011年4月)ISBN 978-4106104176
関連項目
外部リンク
- 国を憂い、われとわが身を甘やかすの記(本人公式ブログ)